というわけで投稿である。
「なんで・・・なんでなの?」
違う・・・オレは・・・
「嘘ついてんじゃねえよ」
オレはお前らのことを・・・
「その痛みを忘れるんじゃねえぞ」
やめろ・・・やめてくれ・・・
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今のは、夢?・・・オレは・・・とにかく今は・・・ミト!涙を拭いオレはミトを見る。ミトは気持ちよく寝ていた。その寝顔はよく言えば気を楽にして、悪く言えば気を抜きすぎなのかしてはいけない顔だ。よく見たらお互いを抱きしめていたのは変わらないが、下を見ると足が絡み合っていて、オレの右腕を枕にしていた。
「暫くは寝かしといてやるか・・・だが・・・」
オレはミトの額にキスをする。こうして確認していないとやはりオレ自身が怖くなる。もう失うことはうんざりだ・・・暫くしてミトは目を覚ました。
「おはよう」
「ふぁぁぁああ〜〜〜〜おは・・・え!?」
ミトは今のオレ達の状況を見たのか目を白黒させつつも俺に聞く。
「変な顔してなかったよね?」
「・・・さあな?」
「ちょっと、教えてよ!」
ミトは顔を真っ赤にして恥ずかしがるが、寝ている時くらいはあのくらいでいいだろう。それはさておき・・・
「それより時間を見ろ」
「え、やば!」
ミトはベットから降りてすぐさま洗面所にいる駆け込んだ。オレはそれを見送りつつ過去を思い出していた。
「オレは今日も生き残る・・・」
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私達はあの後急いで準備をし主街区《ウルバス》の広場にやって来た。私達は時間ギリギリに来たせいか注目される。しかし、彼らはタキに少しばかり恐怖を浮かべるが直ぐに冷静に努めていた。まったく分かりやすいわね。
「はい。それじゃあ。集まったらかな。今回のレイドリーダーは《ドラゴンナイツ・ブリゲード》のリンドがやらせてもらいます」
リンドって確か数日前に私達を勧誘した・・・やっぱりリンドはディアベルの意思を継ごうとしているのね。会議は順調に進んで行くと思われたが・・・ある一言でその空気が変わった。
「今回のフィールドボス《ウルバス・バウ》は今までの牛型モンスターと攻撃パターンは変わらない。なら我々がタゲを取る」
「ちょお待ってんか!」
ここで声を上げたのはキバオウだ。その声の掛け方に一層の攻略会議を思い出す。言うなればデジャヴを感じた。
「それはつまり、あんさんらがボスを相手するからワイらは引っ込んでろちゅうことか?」
「・・・まあ、そう言うことになってしまうな」
「ふざけんなや!ワイらかてボスと戦いたいんや!そないなマネは」
「だが、キバオウさん・・・前あんたと話しただろ?ボス戦のリーダーは早いもん勝ちだと」
「せやけど、なんもさせへんのは話が違うやろが!」
これは・・・タキが危惧していたことがもう起きてる。こんな状態で今はなんとかなっても後々お互いに困ることになるわ。
「ええわ!なら勝手にさせて貰うで!ワイらもボスと戦うんや!」
「ああ勝手にするがいいさ」
はぁ!?じゃあ取り巻きの蜂を相手にするのは・・・
「というわけで頼んだぞ。タキさん、ミトさん」
私達二人だけ!?そんなの人手が足らなすぎるわ!タキもそう思ったのかリンドの意見に反対する。
「おい、お前ら。流石にこれはふざけすぎだろうが」
「だが、君達以外にはいないんだ。そこを頼む」
「無理があるだろ。せめて交代で相手するなり・・・
「待たれよ!!!」
っ!」
「すまないが貴公らがフィールド・ボスの攻略レイドであるか?」
広場の入り口に三人のプレイヤーが立っていた。黒ずんでいるバンデッドアーマーにバシネットを被っている男達だ。
「ああ、そうだが・・・一体何の用だ?」
「それは吾輩達も手を貸そうと言うのだ」
「それはワイらのギルドに入りたいっちゅうことか?」
キバオウの問いかけに三人のプレイヤーのリーダー格が声を上げる
「いや、我らは自分たちのギルドを作るつもりである!我が名は聖騎士オルランド!ギルド《レジェンド・ブレイブス》のリーダー成り!」
その声の大きさはかなり大きいわね。それにオルランド・・・確か伝説の勇者の名前だったわね。だから
「なるほど。オルランドと言ったな。攻略に参加すると言ってもレベルを教えてくれるか?このまま何も知らずに参加させる訳にも行かない」
「相分かった。我々のレベルは・・・」
オルランドとリンドが話している間空気が少し緩む。
「ねぇタキ、あの人達の装備って・・・」
「ああ、鑑定スキルもないからどんな性能かは分からないが・・・あの装備は鍛え上げられている。だが、鍛冶屋に頼みに行くにしては少しおかしいな」
「おかしい?」
「多分だが・・・」
「嘘だろ!君達のレベルは低いじゃないか!」
何?いきなり大声?目を向けるとそこにはリンドが少し怒りの表情を作っていた。
「しかし、レベルが1足りないだけであろう?」
「それでは君達が死ぬ確率が上がるんだ!これは君達に言っておく!今回は見送ってくれ!」
それを聞いたキバオウはブツクサ言いながらリンドに話しかける。
「ちょい待ちいや。まだレベルが1低いやけやろ?」
「そうだが・・・それが・・・」
キバオウはリンドに情報を聞いてオルランドに声をかける。
「確かオルランド言うたな?その装備はどのくらい強化したんや?」
「試行回数の半分以上であるが」
やはり予想通りオルランド達は武器を鍛え上げてきたのね。なら少し人手が足りないから入ってくれると助かるわね。
「手を貸すと言ってももう既にボスの相手をする人数は揃っていてな。取り巻き相手になってまうが構わへんか?」
「なに一向に構わん」
「ちょっ!リーダー!」
「ここで俺達の実力を見せないと・・・」
レジェンド・ブレイブスの他のプレイヤーは焦りを見せるがオルランドは落ち着き払う。
「ベオウルフ。クフーリン。我らにはまだ他の同志が武器を手に入れられないでいる中で来ているのだ。つまり、我らの実力の一端はまだ軽く見られてしまうだろう。だが、案ずるな!我らが全員勢揃いすれば、我々の力を示すことが初めて可能となるのだ!」
ベオウルフとクフーリンはその言葉を聞き焦りから一転堂々とした姿に戻る。それほどオルランドに心酔しているのね。
「話は終わったようやな。うちからもワンパーティー貸すから、そいつらとも取り巻きしてくれや」
「相わかった。して、我らの他にも取り巻きを相手する同志は?」
「それなら・・・端にいる槍と鎌持ってるやつや」
キバオウは私達に指を指す。それを受けてオルランドらは私達に近づいて来た。
「貴公らが、我らと共に取り巻きを相手するプレイヤーか?」
「ええ、そうだけど」
「まさかこの様な強者と戦に立てるとは吾輩も喜ばしい限りだ」
いきなり真正面から強者とか言わないでよ・・・反応が困るじゃない。それを察してくれたのかタキが答えてくれる。
「そう言ってくれて助かる。よろしく頼む」
タキは右手を差し出すとオルランドはその手を握り握手をする。
「こちらこそ頼むぞ、戦士殿!」
どうやらオルランドはタキに対して悪感情を抱いてなさそうね。このことに内心ほっとする。タキを見た目だけで判断する人は多い。それを持って来られて協力を断られたらどうしようかと思ったわ。それを見たレイドのメンバーの一部はヒソヒソと非難の声を上げる。
「なんであの乱入者は傷野郎と仲良く出来るんだろうな」
「本当だよ、まあお似合いだろ。傷野郎となりきり騎士様な訳だし」
「騎士らしさで言えばディアベルさんの方が・・・」
「一番の謎はあの鎌使いちゃんと一緒にいることだろ」
やっぱり彼らは変わらないか・・・リンドはそれを見て手を鳴らし注目を集めた。
「それじゃあ・・・今日はここまでだ。明日に備えるようにしておけ。では、解散」
リンドの号令で広場から人が散っていく。それに合わせて私とタキも出て行こうとする。オルランドはそれを見て声をかける。
「明日は貴公らと戦えることを誇りに思うぞ。」
「ああ・・・一つ聞きたいんだがその武器はどこで手に入れた?」
「吾輩達が必死で稼いだのだ。だがまだ、他の同志達が武器を手に入れられてないのでな。代表として我々が来たのだ」
「そうか、つまらんことを聞いたな。それじゃあな。」
タキはレジェンド・ブレイブスと別れて去っていった。それを私は追う。
「・・・ミト。多分だが明日は荒れるぞ」
「どう言うこと?」
「その時になれば分かるさ・・・それよりも、一つ調査でも頼むか」
「誰に?」
「いるんだろう。ゲイル」
その時後ろからゲイルが姿を現した。
「ここにいますよ。しかし、レジェンド・ブレイブスのロールプレイも見事なもんっスね」
「そうだな。それよりも依頼だ」
「はいはい、一体なんでしょう?」
「レジェンド・ブレイブスの尾行をお願いしてもいいか?それと、ネズハの動向を知りたい」
「分かりました。では、何かしらの進展がありましたら伝えますんで」
「頼む」
ゲイルは影が溶けるように消える。相もかわらず、神出鬼没ね。でも、それよりも気になることができた。
「どうして、ゲイルにブレイブスとネズハの調査依頼を?」
「ああ、レベルが低いがあいつらの装備見ての通り上等なものだ。買うなり強化なりするなら莫大なコルがいる。そのコルが用意できた方法を知りたい」
なるほど。言われてみれば違和感だらけだ。レジェンド・ブレイブスのレベル的に前線を張るための安全マージンが足りていないのにも関わらず装備が整ってるのに違和感を覚えたのね。でも・・・
「ネズハの調査はどうして?」
「ネズハに関してはただ杞憂であって欲しいよ。アイツが前線で鍛冶をしてから既に3日。その同時期のブレイブスが現れた。そこでオレに起きた強化失敗による武器破壊。考えてみたがどうにも違和感が拭えなくてな。最後に関してはそんな理不尽な事を公平性を謳ってこのゲームを作った茅場が認めるものかなってな」
「でも、私達の目の前で槍は・・・」
「ああ壊れた。それは間違いないが気になるんだよな・・・まあ、オレのこの考えが杞憂である事を願うよ」
タキは槍をくるりと回して肩に担ぐと歩き始める。
「それじゃあ帰るか」
「ええ」
私たちは宿屋を目指した。その時タキは私に手を差し出す。私はタキの手を握る。タキも私の手を握り返した。
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翌日、ボス戦は荒れていた。なぜなら・・・
「だから言っているだろう!タゲは俺達が取ると!」
「何言ってんのや!ジブンらが交代せえへんかった癖して勝手やろが!」
キバオウ派とリンド派のプレイヤー達がお互いにタゲを取り合いボス戦は混沌としているわね。一方取り巻きの蜂を担当している私達と言えば・・・
「ミト!スイッチ!」
「オッケー!ハァ!」
私達は前後を入れ替えながら戦っていた。こうすれば私達は背後を気にせず戦える。一方レジェンド・ブレイブスの3人も戦っていた。
「フォーメーションデルタ!」
「「おう!」」
彼等も私達と同じ様に仲間に背を預けて戦っていた。その上彼等は挑発スキルを使い蜂のターゲットを自分達に多くなる様にしていた。かれら彼等の装備なら蜂のダメージは微量だけど着実に減っている筈だ。
「ねえ、彼らを助けた方が・・・」
「それはそうだが・・・オレ達にも余裕がないぞ」
タキは蜂を倒しながらそう答える。キバオウも一つのパーティーを出して取り巻きを相手させているけど、それでもギリギリだ。一体どうすれば・・・ん?
「あの蜂・・・私達を無視して一体どこに・・・」
一体の蜂型モンスターがウルバス・バウの上に止まると針を牛の皮膚に向ける。
「まさか・・・」
プスッ
モォオオオオオオオ!!!!
ウルバス・バウは蜂に刺されたことに驚いて暴走状態になってしまった。
「あかん!」
「タンク隊が・・・グワッ!?」
リンドやキバオウ、その他のプレイヤーをまるで路肩の石のように跳ね飛ばし暴れ回る。その姿はコロシアムでよく見るバッファローそのままだった。
「チッ!まずい」
「こっちに来るわ。一体どうすれば?」
私はあれを止める方法を思いつかない。その時だった。
「ベオウルフ!クフーリン!奴の突進を止めるぞ!」
「でも、突進を止めても・・・」
「そこは戦士殿がなんとかしてくれる」
オルランド達レジェンド・ブレイブスがそれぞれ盾を構える。それを見たタキは笑みを浮かべる。
「あいつら・・・ミト、ちょっといいか・・・」
☆¥%
思いついた作戦をミトに伝える。この作戦ならウルバス・バウの弱点である額を突ける。
「行くぞ!」
「防御任せたわよ!」
「「「承知!我らレジェンド・ブレイブス也!!」」」
レジェンド・ブレイブスがウルバス・バウの突進を止めると同時に俺はウルバス・バウに背を向ける。
「何をしている!死ぬぞ!」
リンドはそう叫ぶ。いらん心配だ。オレ達は死なない。オレは槍の穂先を地面から半角の状態で構える。
「来い!」
「ええ!」
ミトが走り出し槍の穂先に足を掛ける。
「うぉらぁ!行けぇ!」
オレは槍を思い切り振り上げるそれを踏み台にしてミトは高く飛んだ。そこでミトはあるソードスキルを発動させる。
「終わりよ!」
それは《両手鎌》スキル跳躍技《ムーンレイド》だ。この技は本来であればただ鎌を振り下ろす技だ。この技を出しただけではウルバス・バウを倒す事は到底できない。しかし、SAOにおけるダメージの量は技の威力や、重さ、当てる場所など多岐にわたる。もし、ミトのSTRと重力を掛け合わせた攻撃を弱点に当てれば・・・
モォオオオオオオオオオオオオオ!!!
ミトの攻撃でウルバス・バウは一声上げて地面に倒れ込もうとするがその前にポリゴンが四散する。それと同時に経験値も入り、ボスが撃破されたことが証明された。
「よし・・・」
「よく思いついたわね」
「オレ達は両手武器を扱ってるから普通に飛んでからの空中ソードスキルは届かないからな。なら一人を踏み台にして飛べば届くと踏んだ」
「さすがね」
だが、レイドからは喜びの声が上がらない。理由はやはりオレ達がLAボーナスを持って行ったのが原因だろう。オレ達は黒ずくめみたくおいしいところを持って行ったわけだからな、だがここはあくまでゲームの世界だ。つまり、こういう事は普通に起きる。なら気にすることはない。
「とりあえず今日はもう帰るか」
「そうね。今日の夕飯だけどステーキでも食べたいわね」
「あーあの量が多くて食い応えがあるあそこか。今日のボーナスがあれば余裕があるな」
オレ達はレイドから離れて《ウルバス》の街に戻った。だが、今日のボス戦でのレジェンド・ブレイブス。アイツらの戦いを見た後だときな臭い匂いはしなかった。これは、ゲイルに頼んだことは杞憂で終わるかもしれない。オレとしてはその方がいいが果たしてどうなることやら。
一気にウルバス・バウまで行きました。今回は漫画版プログレッシブを参考です。・・・原作のオルランドやウルバス・バウの描写が少ないので・・・