なんだよ!あの甘すぎな生活は!!砂糖すごい吐きまくったぞほんと!!
いつかうちの小説でもあんな感じでタキとミトをイチャイチャさせたいなぁ・・・
オレ達が野営地に戻ってくる頃には既に日が昇り始めていた。時刻はおよそ6時頃だろう。今日も生き残ることができた。そう思い、野営地に入って息を吐き、緊張を緩める。しかし、警戒は続けるべきだな。オレ達はメニューを開き、装備およびポーションの確認をしていく。それを見ていたキズメルは人族のまじないも便利なものだ、と言葉を漏らしていた。キズメルは洞窟で拾い上げた徽章をオレに渡してくる。
「すまない。洞窟で見つけた徽章はそなたらが司令に届けてくれないか?」
「構わない。キズメルはどうするんだ?」
「私は天幕に戻る。命を落とした斥候隊には司令の血族がいてな。報告の場に立ち会いたくないのだ。私情を言ってしまってすまない」
そう言うキズメルは長い睫毛を伏せる。その姿を見て断れるはずもなかった。
「任せろ。きっちり報告はしておく。だから、しっかり休んどけ」
「感謝する。私は天幕で休んでいる。任務やそれ以外でも気が向いたらいつでも声をかけてくれ」
そう言葉を残しキズメルは天幕に入っていく。それと同時にキズメルのHPバーが視界から消滅する。恐らくキズメルはまた声を掛ければパーティーに参加するだろう。アスナはそのことを知らないので不安そうな表情をする。
「あ、キズメルパーティーから抜けちゃったけど・・・また組めるの?」
「大丈夫よ。クエストをまた受けた時に声を掛ければパーティーに参加してくれるわ。さあ、とっとと報告だけ済ましてしまいましょ」
ミトの答えを聞いてアスナは気持ちを切り替えるようにしてローブのフードを被る。オレ達は司令官の天幕に入る。そこにいた司令官にオレは徽章を渡す。彼の表情は特に変わることはない。やはり、高度なAIを与えられているのはキズメルだけなのは間違いない。そう思っていると司令官のクエストログが進行して洞窟にいる毒蜘蛛を退治して来いと次のクエスト内容が表示される。だが、生憎オレの手元には毒蜘蛛を倒した証のドロップアイテムは持っていない。
「えと、誰かさっきの毒蜘蛛から落ちたアイテムってあるか?」
「大丈夫よ。わたしにドロップしてるから」
どうやらアスナにドロップしていたようだ。アスナはメニューを開きドロップアイテムである女王蜘蛛の毒牙を取り出して司令官に渡す。もし、ここで洞窟に逆戻りとなったら面倒だと思っていたがどうやらクリア条件は満たしたことになったようでキャンペーンクエスト第二章毒蜘蛛討伐のクエストはクリアとなった。報酬のコルと経験値とアイテムをもらう。アイテムはオレ達は容量が増えるマジック効果付きベルトポーチを人数分選択し頂戴して、第三章クエストも受諾してから天幕を出る。
「不思議だな。キズメルを見てからだとあの司令官の無表情も親族を亡くした悲しみを隠してるように見えるぜ」
「そうね。多分キズメルと会わなかったらこんな考えを持つことなんて無かったわね」
オレとミトはそう言いながらキズメルが居る天幕を見る。今の彼女はしばらく一人にしてあげたい。そう思って仕方がなかった。
「ね、ミト。これからなんだけど、ちょっと付き合って欲しいの」
「え?一体どうしたの?」
「実は武器についてなんだけど・・・」
「そういうことね。そろそろ限界が近いから・・・分かったわ」
そう言えばアスナに渡していたレイピアは元々ミトが持っていた《ウィンド・フルーレ》だったな。確かスペック的には三層で限界に到達するんだろう。
「タキ、これからなんだけど・・・」
「ああ。安心して鍛冶屋に行って来い。オレはキリトとどっかしらで時間潰してくるから。キリトの方はどうだ?」
オレはキリトの方を見る。キリトも笑みを浮かべて頷く。
「大丈夫だよ。俺とタキは今後の方針を立てておくから武器の強化はしてくる時間はあるしな」
「ありがとう、それとね、キリト君のアドバイス。参考にするわね」
「是非そうしてくれ。アスナが決めたことなら大丈夫だよ」
その言葉にアスナは笑みを浮かべるとミトの手を引っ張って陣地の奥にある鍛冶屋に向かっていった。
☆¥%
アスナは私の手を引っ張って鍛治屋に歩いている。だけど、その姿は先程と違い不安げだった。
「どうしたの?」
「武器の作成って失敗することあるのかな・・・」
武器の作成で失敗することはない。強いて言うなら武器の性能はリアルラックが試される部分が多い。だけど、アスナの言いたいことはなんとなく分かった。
「大丈夫よ、武器がいきなり砕け散るなんてことはあり得ないんだから。それにさっきまでの戦闘で素材は溜まってるわ。多分キリトのことだからレイピアの素材の集め方も教えてたんでしょ」
「それは抜かりないわ。良かった、武器の作成に失敗が無くて」
アスナはそっと息を吐く。心の中で不安が強かったんでしょうね。それを聞いて幾らか気持ちが明るくなったのだろう。アスナは笑顔を見せる。
「本当ならミトやキリト君、タキ君に聞かずに自分でなんとかするべきなんでしょうけど。わたしもまだまだね」
「アスナ、それは違うわよ。私たちが知っているのはベータテストでやった部分だけよ」
それも第十層のボス部屋の前まで行ったらそのアドバンテージも無くなる。つまり、この知識が通じるのはそこまでね。そこからはアスナ達と何も変わらない。
「それにアスナはベータテスターじゃ無いんだから知らなくて当然。むしろ、これからよ。SAOの醍醐味は」
「その台詞、久々に聞いたわ。でも、ありがとう。これからも色々教えてね。この世界の醍醐味」
第一層で別れる前以来ね。最初にしたこの会話が懐かしい。まだ一ヶ月経ったかどうかなのに。そう考えていると武器屋の看板が見えてくる。規模は小さいながらも武器が綺麗に並べられている天幕があった。、
「あの店ね」
「ついに着いたのね!」
アスナと武器屋に入る。店のカウンターに立っていた
「フン、客か?」
目の前の
「えと、大丈夫なの?」
「安心して、こう言う頑固な性格してる鍛治職人の腕は腕がいいのが定番だから」
その言葉を聞いたアスナは頷くと一歩前にでて、礼儀正しくして鍛治師に話しかける。
「すみません、武器の作成をお願いします」
返事は「フン」と返ってきてよくわからなかったけどNPCショップ特有のメニューウィンドウが出現する。このウィンドウを見てこのエルフ鍛治師はどう思っているのかは私には分からない。アスナはウィンドウを可視化する。その後武器作成のボタンを押す・・・かに見えた。
「どうしたの?」
「キリト君に言われたのずっと同じ武器をこの先も使い続けることはできないって」
「ええ、強化試行回数に上限がある以上それは無理よ」
アスナは徐に《ウィンド・フルーレ》を外す。とても大事そうに抱えている。それを見て私はアスナがこれからしようとしていることを理解した。
「アスナ、大丈夫よ。私に気遣ってくれてるのはすごく嬉しい。だけど、このレイピアを溶かしたインゴットでアスナの次の武器を作る。それはとても良いと思うわよ」
この《ウィンド・フルーレ》は私が第一層のボス戦で渡した武器。私とアスナが別離した原因でもある。だけど、アスナはこの武器を使い続けてくれた。なら、役目を終えて新しく生まれ変わらせるのはとても良いことだと思ってる自分がいる。
「いいの?せっかくミトがくれたものなのに」
「いつか、使えなくなる時が来る。それでも、この武器の核は受け継がせるためにインゴットにする。そうでしょ?」
私の言葉を受けたアスナは音声で依頼する。
「この剣をインゴットにしてください」
それを聞いた鍛治師は無言でレイピアを受け取る。彼はレイピアを鞘から抜くと刀身を検分する。使い込まれたレイピアの輝きはより、重みを増していた。鍛治師は背後の鍛治炉にレイピアを乗せると火をつける。その火はアスナのレイピアを赤く熱する。そして、刀身は直方体のインゴットに姿を変えた。鍛治師はインゴットを手に取るとアスナに手渡す。
「これが、この子の魂なのね・・・とても綺麗だわ」
アスナは一言そう呟くと鍛治師にインゴットを渡す。
「このインゴットで武器を作ってください」
そう言うと三度目の「フン」が炸裂してメニューウィンドウが現れる。そこにアスナはインゴットとここまでの道中で手に入れた素材を入力していく。全ての入力が終わってエンターボタンを押すと素材がオブジェクト化して炉に配られる。鍛治師はインゴットも中に丁寧に入れるとそれを溶かしていく。その額には薄くではあるけど汗が滲んでいた。やがて、炉から赤熱化したインゴットを取り出すと金床に置き槌で叩きはじめた。
「ミト、手を握って欲しい」
「え?いいけど・・・」
「ありがと」
アスナは私の手を握る。その手は暖かった。そう考えている間に鍛治師は槌でインゴットを叩き続ける。その回数は十回を超える。おかしい、第三層のNPCに武器を作らせるとこの回数あたりで止まるはずなのに・・・そう考えている間にまだまだ槌を叩き続ける。その回数は気づけば三十を超えて四十になったところで手が止まった。インゴットは形を変えて一本のレイピアに姿を変える。鍛冶師はレイピアを手に取り刀身を見つめる。
「いい剣だ」
そうつぶやくと背後から鞘を持ってきてレイピアを差す。その拵えは美しい。
「大事に扱え」
「そうします!ありがとうございました!」
アスナはぺこりと頭を下げる。それに倣い私も頭を下げる。そのあと私はアスナの腕を掴む。
「ミト?」
アスナの疑問に答えずに鍛治屋を離れて天幕の陰に入る。そこでアスナの手を放した。アスナは不思議そうな顔を
「アスナ、そのレイピアのスペックを見せて欲しい」
「え?大丈夫だけど・・・」
アスナはそう言いながらレイピアのプロパティウィンドウを開く。名前は・・・《シバルリック・レイピア》ね。それで強化試行回数は・・・十五・・・
「じゅ、十五ォオオオオオオオ!!??」
「ミト、声大きい!?」
思わず大きい声を上げてしまった。慌てて私は手で口を塞いだ。幸い大声を聞きつけて
「そんなに強いの?」
「ええ、この武器かなり強いわよ。これ、ちょっとでも強くしたら私の今の武器と同等かそれ以上の攻撃力が出る一級品よこれ」
この《シバルリック・レイピア》のプロパティは第三層時点で持つにはぶっ壊れも良いとこな攻撃力に強化試行回数は十五・・・確か私の持っている一層から使ってる《スチール・サイズ》が強化試行回数は六回。キリトが持ってる《アニール・ブレード》が八回のはず。私の鎌もこの層でそろそろ買い替えるか作るなりしなきゃ行けない。そう思っている時にこのスペックのレイピアを作る鍛治師がいる。
「もしかして、あの鍛治師がすごくいい武器を作ってくれる名工なんじゃないの?」
「いや、流石にそれは・・・」
だけど、もしそうなら私の鎌もより良いものが作れる?でも、ここで武器を作って貰ったとしてアスナと同スペックの鎌が出来るとはとても・・・
「ミト」
「?どうしたの?」
「そんなに羨ましい顔をするんだったら作って貰ったら?」
「で、ミトも武器を新調した訳か」
「いや、ここのNPC鍛治師ってそんなに腕が良かったのか!?」
結局私は我慢出来ずに先の武器屋に戻り武器を作成して貰った。その際鍛治師の
「武器の名前は《ヴァリアブル・サイズ》。強化試行回数は十二回か。しかも、スペックは攻略を続けても暫くは通じそうなもんだと来てる。こいつは凄え」
「タキ、アスナのレイピアは試行回数は十五回だ!しかも、こっちも第七層まで使えるスペックだぞ!」
タキとキリトも思わずと言った拍子で目を丸くする。私の《ヴァリアブル・サイズ》のスペックは確かに凄いけどその真価はスペックだけじゃない。
「ねえ、タキ。今からする事に驚かずに見ててね」
「ああ、構わないぞ。何する気だ」
私は小さめのサイズの鎌に取り付けられたレバーを引く。この機構は普通の鎌には着いていない機構だ。私も一度試してみて驚いた機構のお披露目となると少し楽しくなってきた。
「なん・・・だと・・・」
タキがそう言葉を零すのも無理はない。今まで小ぶりの大きさの両手鎌の刃渡りが大きくなり長柄も伸びて大鎌に姿を変えたのだから。
「武器の長さが変わるってマジかよ」
「まだまだよ」
更に長柄の部分も引っ張ると中から鎖が出てくる。つまりこの鎌は小型の両手鎌と大鎌。そしてもう一つは・・・
「鎖鎌だと!?」
「この層で出てきていいスペックじゃないぞこれ!?」
鎖鎌の三つの形に変化させることができる・・・謂わばチートも良いとこなスペックなのよね。まあ、鎖鎌による投擲は投剣スキルが無いとただ投げるだけになるから使う為の要求ビルドはかなりピーキーなんでしょうけど私にとっては何ら問題ない。寧ろ最適化されていて私の手によく馴染んだ。
「キリト、お前完全に立つ瀬がないんじゃねえか?」
「いや、こんなんチーターじゃないか!」
タキが遠い目をしてキリトがどこかで聞いたような台詞を吐き出す。まあ、そう言う反応になっても仕方がない武器なのよね・・・でも、不思議ね。このスペックの武器が何故第三層で作れたのか、とかね。
「キズメルに聞いてみましょうか?」
「そうだな。キズメルなら何か知ってるだろう」
私達はキズメルの天幕に入る。キズメルはストーブの前で目をつぶっていた。精神を研ぎ澄ませているようにも見えるわね。
「キズメル。少し聞きたいことがあるんだ」
「聞きたいこと?」
「この野営地にいる鍛治師についてなんだけど・・・」
「ああ、彼か」
キズメルは得心が言ったような表情を見せる。どうやら、何か知っているみたいね。
「彼はリュースラの一族の中でも有名な刀匠でな。自分が気に入った者には業物の武器を作るらしい。ただ、適当な注文だったりするとナマクラを打つことが多いらしいがな」
つまり、私達はしっかりとお願いしたこと・・・多分鍛治師の反応的に私は微妙だけどそれでも丁寧にお願いしてくれたから作ってくれたのだろう。
「だから、キリト。多分だが今のお前の顔のまま頼んでもナマクラしか打ってくれないぞ」
キズメルはそう言ってキリトを見る。その言葉にこの場にいた全員がキリトを見る。
「・・・は!?別に俺は何も・・・」
その光景を見てキリトはハッとして取り繕う。だけど、それをするにはもう遅い。今までの表情は流石に消せない。
「キリト君。すごく羨ましそうな顔をしてたわよ」
「ええ、それこそ目がギラギラしてたわね」
「いや、それじゃあタキはどうなんだよ?」
「オレか?オレの槍はミトがクエストでゲットした槍だからな。せっかく貰ったんだ。こいつで行けるところまで行くつもりだぜ」
タキのその言葉に私の顔は熱くなる。私としては一緒にクエスト受けただけで報酬に槍を選んだのもタキが使ってくれたらいいなぁと思ってたから。
「タキ、そんなに大事にしてくれてたのね」
「まあな。オレとしては使えるギリギリまでこの槍を使っていきたいところだ」
タキはそう言って笑う。その笑顔を見ていると、胸の奥がじんわりと温かくなっていくのを感じた。まさか、あの時私が渡した槍を、ここまで大切にしてくれているなんて思っていなかった。第二層での出来事は事故だった。だから、タキに槍を渡したことだって、これからも長く使ってもらえるとは思っていなかった。でも・・・
「・・・ふふ」
思わず頬が緩んでしまう。自分が作ったわけでも、特別に高価な武器だったわけでもない。それでも、タキにとっては私から貰った大切なものなのなのね。そう考えると、胸の奥がくすぐったくなる。
「いい顔ね」
「ん?どうした?」
「別に・・・」
慌てて顔を逸らす。けれど、一度意識してしまうと駄目だった。顔が熱い。タキに見られていないか気になって、ちらりと横目で彼の様子を確認する。幸い、タキは何も気づいていないらしい。
「まあ、ミトから貰った槍だからな。できるだけ長く使ってやりたいんだよ」
まただ。そういうことを、そんな何気ない顔で言わないでほしい。
「・・・大事にしてくれて、ありがと」
小さな声でそう返す。
「ああ」
タキはいつものように笑った。その何気ない笑顔が、今は妙に眩しく見えた。
「ほう」
そんな私達を見ていたキズメルが、何かに納得したように頷く。
「これが人族のつがいか。かなり見せつけてくれるではないか」
「え?」
一瞬、何を言われたのか理解できなかった。つがい?つがいって確か意味は・・・その言葉の意味を理解した瞬間、顔が一気に熱くなる。
「ま、
反射的に否定しようとする。けれど、隣にいるタキの顔を見た瞬間、言葉が止まった。
「
「ちょ、ちょっと待って!今顔見ないで!?」
タキは満面の笑み浮かべる。それを見て私は恥ずかしのやら照れ臭いのやらでいっぱいいっぱいだった。
「いや、この二人がどれだけ熱々なんだよ」
「キリト君もそう思う?」
「いや、だって今の二人を見たらそう思われても仕方ないだろ」
「奇遇ね。わたしもよ」
キリトとアスナは小さい声で呟く。一方、キズメルはそんな私達を見て楽しそうに笑っていた。
「なるほど。人族のつがいというものは、随分と面白いものなのだな」
「だから違うってば!」
否定しながらも、頬の熱は一向に引いてくれなかった。それを見ていたキズメルはまだまだ揶揄い足りない顔をしていたがそろそろ話を戻そうと真面目な顔になる。
「それで、これからについてなんだがお主達が来たと言う事はこれから任務に赴くのか?」
キズメルの言葉にタキとキリトは頷くと思っていたけど予想に反して首を横に振る。
「いや、オレ達は一旦人族の街に戻る。ついさっき情報屋から攻略会議の情報が来てな。キバオウとリンドの二人から攻略会議に来るように言われてな・・・」
私とアスナはタキの言葉に目を丸くするのだった。
最後の件はシュガーリィ・デイズの影響で入れました・・・私はあんな甘い文を書いてみたかったんじゃあ!!