ソードアート・オンライン 〜英雄の槍〜   作:オトマトペ

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すみません、二週間ぶりの投稿・・・お盆なのとFGOの夏イベやってました笑
夏イベは個人的にめちゃくちゃ満足しました!

そんなこんなで英雄の槍お盆明けての投稿です!


もう一つのエルフクエスト

「ねえ、リンドとキバオウに呼ばれたって一体どういうこと?」

 

野営地を出て森の中をオレ達は歩いていた。前方にはキリトに色々教わりながら歩くアスナがいる。あの二人を見ながらミトは怪訝な顔をしながらそう答える。まあ、言いたい事は分かる。キバオウはオレのことをどう思っているか分からないがリンドは二層の時にギルドの勧誘を蹴っている。あれから一週間弱しか経っていないことからまた勧誘をしようと言う訳ではない。何かしらの目的があるのかもしれない。オレはそう思い一つの仮説がある。

 

「まあ、多分だがギルド作ったよって報告だと思うぞ。それでも、オレ達には関係ない。だが、一つだけ頼まれたことがある」

 

そう言ってミトとの距離を詰め小さい声で喋り始める。あの二人の目的である件の人物に聞かれたくないからだ。

 

「ミト、この話はキリトとアスナには言うなよ。あくまでオレが建てた仮説だ」

「良いわよ」

「助かるぜ。それで、キリトとアスナ、この二人を絶対連れてきてくれってことだが、二つのギルドの恒久的友好関係のためとゲイルを通じて言っていた」

「それってどういう意味?」

「ここからが推測だが、キリトとアスナは目立ちすぎたんだろう。お前らは俺達のギルドに入れないってことかはたまたキリトかアスナを旗頭にして新たなギルドを作らせたくないってことだろう」

 

オレ自身の感想としてはキリトとアスナがギルドを作るとは到底思えない。ビーターと言う悪名を背負っているキリト。そして、SAOどころかMMORPG初心者のアスナがギルドを結成できるとはお世辞にも思えない。

 

「勝手に派閥を作っておいてそれはないんじゃない?」

「だよな。オレも同感だ。だけど、リンドとキバオウの二人がそう思っているのかまでは分からん。もしかしたらギルド内部で何かあるのかもな・・・」

 

何せオレ達は今のところ攻略している集団からのはぐれ者のパーティだ。下手に第三勢力を作りたくないのはまあ、明白だろう。

 

「とにかく、二人には言うなよ」

「分かったわ・・・それはそれとして・・・」

 

ミトは前の方にいるアスナを見る。アスナが使っているレイピア、《シバルリック・レイピア》の攻撃力はオレが今使っている《ウォー・スピア》よりも高いのだ。オレは二層の時点でNPC鍛冶屋に強化を頼み八回の内四回を成功して+4の強化率になっている。だが、アスナのレイピアは無強化の状態でそれを超えてるのだから末恐ろしい。現に今《トレント》が湧いてくるがアスナはそれを見るとレイピアを抜き放ち、細剣(レイピア)スキル二連突き《パラレル・スティング》でトレントのHPを七割まで削る。そこにキリトが飛び込み《バーチカル》を叩き込むと一瞬でトレントは倒される。それを見ているとオレ達そんなに要らないのでは?と思わなくもない。

 

「強いな。レイピアのスペックはさることながら、彼女自身の剣筋も冴えてきてる」

「そりゃ、そうよ。最初にこのゲームを教えたのは私なんだから・・・」

 

ミトは胸を張りながらそう答える。まあ、ミトの教えもでかいのだろう。

 

キィン・・・

 

そう思っていると金属音が耳の端に響いた。ミトの顔を見れば先ほどの音が聞こえていたのは明白なようでうなづいてくる。

 

「キリト、アスナ。二人とも聞いたか?」

「ああ。聞こえた。今のは・・・」

「剣と剣を打ちあわせた金属音よね?」

 

前方にいた二人も聞いていたようで状況を理解する。

 

「一応様子だけ見に行くぞ。最悪、戦闘になるかもだから警戒を怠るな」

 

オレの言葉に3人は頷くと、剣戟音の発生源に近づいて様子をうかがう。そこにいたのは・・・

 

「あれは・・・リンド達のパーティーか」

 

そこにいたのは、染めた青髪にシミターを携えたリンドとそのパーティーだった。一人は詐欺の被害者として声を上げたシヴァタに両手剣使いと盾持ちの片手剣使いが2人ほどいた。そのうちの一人は鎖頭巾(コイフ)を被っている。その時、オレの視界に昨日も見た(フォレスト)エルフがリンド達に背を向けていた。その光景を見れば剣を向けている相手も見当がつく。

 

「あいつらは(フォレスト)エルフ側についたのか」

 

つまり、戦っているのはオレ達と会っていない第二のキズメルと言うことだろう。NPCは原則倒されても同じキャラが再び生成される。オレ達からしてみれば別の個体とはいえキズメルの死を見たいはずもない。心配なのはキズメルと特に仲良くしていたのはアスナだ。彼女はキズメルに少し入れ込みすぎている傾向がある。そんな彼女に第二のキズメルの死を見せたいはずもない。

 

「行こう。俺達に出来ることは何もない」

 

キリトはこの場にいるオレ達に対してそう提案する。その提案に乗りオレ達はこの場を後にしようとするが・・・

 

「ん?ねえ!あれ見て!」

 

ミトが突然振り返り指を指した。その先にいたのは一人の(ダーク)エルフだった。だが、その容姿はオレ達が知る物と異なっていた。

 

「「お、男!?」」

 

オレとキリトの声が思わずハモる。はっとしてオレとキリトは口を塞ぐが女子二人は怪訝な顔をするが今はそれどころではないと判断したのかリンド達に視線を戻した。リンド達は(ダーク)エルフの攻撃に吹き飛ばされ尻餅をついている。そんな隙を晒せばどうなるかは語るはずもない。

 

「警告に従い立ち去っておれば、このようなことにはならなかったものを。愚かな人間たちよ・・・その愚かさの報いを受けるがよい」

 

(ダーク)エルフは大上段に剣を構えて振り下ろす。だが、その直前で(フォレスト)エルフが飛び込みタワーシールドで受け止めた。

 

「貴様の敵は私だ、リュースラの騎士!」

 

(フォレスト)エルフは強引に鍔迫り合いに持っていくと武器を不意打ちで手放し(ダーク)エルフに組みついた。

 

「カレス・オーの聖大樹よ!我に最後の秘蹟を授けたまえ!」

 

その言葉が紡ぎ終えると、その胸が鮮やかな黄緑色に輝き、しゅばっ!と音を立てながら光が周囲に拡散する。すると両エルフのHPがなくなり崩れ落ちた。(フォレスト)エルフは四散する前にリンドたちに何かを伝えて袋を手渡す。それを行った瞬間二人のエルフはポリゴンと化して消失した。

 

「今のが・・・」

「ええ、本来のエルフクエストの進行よ」

 

アスナの疑問にミトが答える。その答えを聞いた彼女は唇を噛み締める。内心では悔しいのだろう。そう思うのも仕方がなかった。リンド達はと言うと彼らはホッとしながらミーティングを開始する。彼等はやれビビっただの情報通りだのと数分話すと移動を始めその場にはオレ達が残された。

 

「ねえ、今のってキズメルじゃなかった理由はあるの?」

 

アスナはオレ達に対してそう聞く。だが、オレ達もキズメルが生き残ると言う状況自体がイレギュラーすぎて何もわからない。オレ達ベータテスター組は顔を見合わせると結論を出した。

 

「今は情報が少ないからあと一回は今のを見ないと考察ができない」

「だけど、もし今後(ダーク)エルフ側も男が出てくるなら、第二、第三のキズメルが殺されるということもないと思うわ」

 

オレとミトの言葉にホッとアスナは胸を撫で下ろした。その一瞬で切り替えたのだろう。アスナは徐に立ち上がる。

 

「さて、わたし達も主街区に行かないとね。これから行く街にいい宿ってあるの?」

「あるわよ。景色が綺麗で外観も風情があるいい宿を知ってるわそこに連れて行ってあげる」

 

ミトとアスナはそれを機にきゃっきゃっとガールズトークを始める。それを見ながらオレとキリトはお互いを見る。

 

「多分スイートルームだろうなぁ」

「だな。まあ、二人が喜ぶなら儲け物だろ」

 

オレは肩を竦めながら後に続く。キリトもそれを見て慌てた様子で後をついて行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆¥%

 

私達は暫く森を歩いていく。そうしているうちに行く手に太い丸太を並べた城壁のようなものが見えてくる。道は巨大なゲートに繋がっていてゲートの両側に門番のNPCが斧槍(ハルバード)を携えて立っていた。ゲートを潜るとそこは人の喧騒が私の耳に届いて来た。

 

「この街の名前は?」

 

アスナがそう聞いてくる。確か名前は・・・

 

「《ズムフト》の街よ」

 

ズムフトの街は三本の巨大な木で構成されている街でその木の幹の内部をくり抜いて街を作っている。上の方に行けば地上からの喧騒は届かなくなり景色も綺麗になると言うものね。今のズムフトには攻略組以外にも第一層、第二層にいる街からもプレイヤーがひっきりなしに来ている。デスゲームが始まった当初に比べて余裕を取り戻したとも言えるわね。私達は宿に移動する為に歩き出すけれど通りがかった広場の掲示板にあった張り紙を目にする。

 

「攻略会議はこの広場で午後5時から・・・こりゃしばらくは時間が空くな」

「なら、部屋を借りてからどうするか考えようぜ」

 

タキは張り紙に書いてある言葉を読み上げ、キリトは先に部屋を借りることを提案する。私達は全員が頷き宿に入る。自然の樹の空洞を利用した正面入り口を潜ると一階の大ホールが目に映る。

 

「わあ・・・凄く綺麗!この建物の内装を彫るのとても大変だったでしょうに・・・」

「まあ、この街の町長曰く木を彫るのがどれだけ大変だったか教えてもらえるわよ。それがギルド結成クエストのフラグだったのよ」

「ふうん。ギルドね・・・」

 

ギルドと言うものはなにぶん面倒ごとが多いのよねぇ・・・メンバーが稼いだお金を自動で徴収するのが権力の押し付けをしているみたいで苦手。それ以前に私は幼少期のこともあってよっぽどの事でもないと一緒にゲームをプレイするなんてことはなかった。まあ、その前例を破って来たのが目の前にいるアスナともう一人・・・

 

「アスナはギルド作る気はねえのか?」

 

タキだ。私がまたゲームを人とすることが楽しいと思えるようにしてくれた最愛の人。タキがいてくれたから今の私がいる。

 

「ないわね。ギルドは規律や意見の押し付けとか起きるのが嫌いだからかな。そう言う3人はベータテストの時はギルドに入っていたの?」

 

アスナがそう言うのでオレ達は答える。まあ、なんとなく答える内容は察していた。

 

「オレとミトはほとんどがコンビで攻略していたぞ。臨時でパーティーを組むことこそあれどギルドは少しな」

「私も同感。アスナも知ってはいると思うけどタキ以外と遊ぶことは少なかったわ。それで、キリトは・・・」

「俺も入ってなかったな。だけど二人とまた別の理由だよ。SAOはほかのゲームに比べてギルドに入るよりソロやコンビの方が経験値を得られたからな。ベータの時はどこまで行けるのかしか考えてなかったんだ」

 

私達は基本的にギルドに入らずそれぞれのスタイルでプレイしていたのね。だけど、今はなんやかんやあってパーティーを組んでいる。経験値はその分分散するけど、安全性は高くなっていてちょうど良い。いつまでも宿のロビーでギルドについて話し続けるのも疲れるので部屋を取りたいわね。

 

「さ、とっとと部屋取っちまおう。部屋に対して希望はあるか?」

「スイートルームが良いわ」

「景色がいいところ」

 

タキの質問に上から私、アスナと答えていく。キリトを見ると、どうぞどうぞとジェスチャーを取る。どうやら休めるならなんでもいいらしい。その条件でロビーの受付に行き部屋を探してもらうとちょうど良いことに二部屋空いていた。

 

「スイートルームは二人部屋が二つ空いてるわ」

「なら、わたしはキリト君と一緒で大丈夫よ」

 

タキの発案に被せるようにアスナは言う。タキは面食らったような顔をしてアスナを見る。それは私も同様だった。

 

「いや、ちょっと待「わたしは構わないわよ」っ!?アスナさん!?」

 

キリトが止めに入ろうとするとアスナはキリトと二人部屋で構わないと答える。その時に私を見てウィンクしてくる。まさか、アスナは私達に気を遣って同室になるように計らってくれたのね。

 

「分かったわ。それじゃあ、部屋に行きましょ」

 

私はスイートルームを二部屋取る。料金は四人で割り勘することにして、それぞれの所持コルから自動的に支払われた。私はタキの手を引っ張ってスイートルームの部屋へと続く階段を登っていく。

 

「いいのか?」

「まあ、気を使ってくれたんでしょうね。折角だし受け取っておきましょ!」

 

後ろを見るとアスナとキリトはやいやい言いながらもついて来ていた。どうやら二人は二人で何かしらあったのでしょう。そう考えているうちに最上階に到達して取った部屋の前に立つ。

 

「集合時間は4時半で大丈夫かしら?」

「ええ」「ああ」

 

私の言葉にアスナとキリトは頷く。それを確認すると私はスイートルームの扉を開く。

 

「それじゃ、また後で」

「遅れないようにな」

 

そう言って私達は扉を潜って部屋に入る。スイートルームの部屋はとても広く清潔に保たれていた。窓からは外の景色が見える。そこには、第三層を構成する森を上から見下ろせる絶景だった。

 

「綺麗・・・」

「だな・・・ベータの時じゃこうやって景色を見れなかったからな。まさか、ここまで絶景とはな」

 

私達は感嘆のため息をつく。ベータテストの時は兎に角上に行くことを意識していて景色を眺めてることはなかった。だからこそ、今という時間がとても愛おしい。

 

「タキ・・・」

 

私はタキの顔に手を添える。彼の蒼い眼はとても綺麗に輝いていた。私はタキの唇に自分の唇を合わせる。

 

「ん・・・」

 

暖かい・・・キスをしたのは数日ぶりだった。それだけしか空いてなかったのに久しぶりな気がする。多分今の私の目はタキにとって熱っぽく映っているのだろう。私は唇を離す。

 

「いきなりだな・・・」

「だって、暫くしてなかったから・・・それとも、タキは嫌だった?」

「嫌なわけがねえ。多分というか間違いなくミトがしなかったらオレからもしていたよ」

 

タキもどうやら同じ気持ちだったらしい。私は窓から移動してベッドに腰掛ける。腕を広げてタキを受け入れられるようにする。

 

「来て・・・タキを・・・雅樹を感じたい」

「オレもだ。深澄」

 

雅樹は私を抱きしめて押し倒す。この世界では最後まで出来ない。もしかしたらできる方法があるのかもしれないけど、私達はまだ知らない。けどできるだけ雅樹を感じていたい。雅樹の目には私と同じ熱を帯びていた。

 

「ん・・・はぁっ・・・」

「んぐ・・・」

 

私達は再び唇を合わせる。多分、もっと深く互いを求めてしまうのだろう。でも、この世界にはそれを許さないシステムがある。だから今は、こうして互いの温もりを確かめ合うことしかできない。それでもお互いの気が済むまで私達はお互いの熱を感じていた。まるで一つになるように境界が無くなる。

 

「好き・・・」

「オレもだ」

「大好き・・・」

 

時間がどれだけ過ぎたのなんて、私達は気にする事はなかった。ただお互いを貪るようにして口付ける。もう、そこからの記憶は曖昧だった。

 




最後は完全にシュガーリィ・デイズに充てられました笑
あのキリアスのラブラブぶりは砂糖がすごい出てくるよほんと・・・
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