今仮面ライダー555見ましたけど、デルタのベルト怖い!北崎怖い!と怖い物づくしです。
20254/25大改筆
「タキなの・・・」
「ああ。久しぶりだな。ミト」
その瞬間ミトは崩れ落ちた。
「おい・・・ミト・・・ミト!」
タキはミトに近づき呼びかけるがミトは返事をしない。すぐに彼女のHPを確認するがHPはレッドではあるが残っていたこともありミトは意識を失っているだけだと思い安堵する。
「生きてるな。このまま移動させるのは危険だしここに安静にさせとくか」
タキはミトを自分のマントを枕がわりにして寝かせた。ミトはかなりの疲労が蓄積していたのか魘されている。タキはミトの手を取り目覚めてくれと願った。
☆¥%私は最低だ。始まりの街に留まっておけばアスナは安全な所に留めることができたのに。茅場がデス・ゲームの開始の宣言をした時に思ったことは雅樹のことだった。雅樹は夜ログインするとは言っていたがこんな状況では雅樹はログインなどしてこないだろう。つまり、私は雅樹と別離する形になってしまった。嫌だ・・・私は雅樹ともっと一緒にいたい。現実に帰りたい。その思いが・・・エゴが仮想の体を動かした。次の街にアスナを連れて走っている時に目の前に《ダイアーウルフ》が現れた。一体はすぐに撃破するが、もう一体はアスナの首元に噛み付く。
「イヤ!ヤダ!イヤイヤァアアアアアア!!」
私は2匹目のダイアーウルフを再び倒すが、アスナは思わずその場にヘタレ混んでしまった。このままじゃアスナが危ないからすぐに移動しようと思った瞬間だった。
「なんなのこれ・・・ぜんぜんわからない・・・ゲームから出られないなんて、そんなことがあり得るの・・・? もうすぐ受験なのに!」
悲痛に満ちたアスナの弱々しい声を絞り出す。それを見て私は我に帰ったと即座に悟る。アスナがダイアーウルフに噛まれて出した悲鳴は耳から離れなくなってしまった。
「い、今はそんなこと言ってる場合じゃ「私はこのゲームのことなんかなにも知らないの!先に進みたいなんて言えるのは、ミトがゲーム上手いからでしょ!私は違うの!もう放っておいてよ!」
「・・・あ、あ・・・・・・あ」
恐怖で錯乱したアスナの口から飛び出した拒絶の言葉に私は惨めな声を漏らすだけだった。そうだ。今アスナが死んじゃいそうになったのは私のせいだ。私がこのゲームから抜け出すために勝手に連れてきたのだから。
そして、思い出してしまった。雅樹と出会う前に友達に今の言葉と同じものをかけられ、身も心もバラバラになりそうなほど悲しいことだった。その後に雅樹と出会い一緒にゲームすることが楽しみになっていた。でも、SAOに囚われ雅樹とは強制的に別れてしまったことを。それじゃあ、もしアスナが居なくなってしまったら?
「お願いだから、そんなこと言わないで・・・。ソードアート・オンラインのことは、私が全部教えるわ。だから・・・一緒にクリアを目指そう・・・・そして、一緒に帰ろう?」
私はまた自分のことが嫌いになった。一人になることが嫌だからって理由でアスナをまた危険な場所に誘ったのだから。せめて、
「私のゲームの腕前、知ってるでしょ? 絶対にアスナを守るから」
アスナを守って雅樹と会う。ただ、それだけだった。なのに・・・私は見捨ててしまった。大切な親友を・・・・私は・・・・私は!!・・・・
私は真っ暗な空間に立っていた。周りには何もない。ただ視界に暗闇が見えるのみ。その時闇の中から雅樹・・・タキのアバターが現れる。その顔は無表情であった。
「タ・・・キ・・・」
そのときタキの後ろに一人の少女が現れた。その少女は髪は栗色で腰まで伸びていた。その顔は無表情であるが私は少女の正体を悟った。
「アスナ・・・」
アスナに近づき手を伸ばす。言いたいこと、謝りたいことがたくさんあった。しかし、アスナは
バチィィイン!!
え?・・・・
「気軽に触れないで。私を殺したくせに」
「それは・・・」
その時にやっと理解した。アスナは私の手をはたいたのだと、明確な拒絶を意味していた。
「自分だけの為にレアアイテムを取ろうとしたんでしょ。私は所詮は消耗品だったってことでしょ」
「ち、ちが・・・」
「違わない!」
その時《リトル・ネペント》が地面から現れアスナに牙を立てる。その数は数えきれないほど多い。
「やめて!」
ズブッ・・・
そのとき腹に何かが貫通した。何かと思い腹に視線を移すと・・・
「えっ・・・・」
一本の槍が私を貫いているのがわかった。その瞬間痛みがおくれて到来した。
「ゔ・・・ゔあああああああ!!」
イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ!!
あまりの痛みに振り返ると
「え・・・・」
そこにはタキが私の体を手にした槍で貫いていた。
「なん・・・・で」
「なんでか?・・・それはもう分かってるんじゃないか?」
私が・・・アスナを見捨てたから。これは報いなのね。
「そうよ。貴方は私を見捨てた。ならその苦しみをそこの彼にたっぷりと刻んでもらいなさい。あなたの咎を感じながらね」
タキが槍を抜くと同時に私は倒れ込んだ。その背をタキは右足で踏みつける。そして槍をもう一度背中に突き刺した。
「あぐっ!?・・・・ァァァァァ」
突き刺された槍をタキは抉るように回す。その痛みは焼いた鉄串を刺し体の中をぐちゃぐちゃにされるようだった。タキは槍を唐突に抜くと私の前に立つ。
「何を・・・」
「簡単なことだ」
ザシュ
「お前はうるせえ。だから、そんな喉いらないだろう」
「ガァ!・・・イ・・・・ガッ・・・・ヒュ・・・」
気づけば私は喉を抉られていた。喉には穴が空きその結果上手く喋れなくなり息苦しくなった。でも、不思議と息苦しくなることはない。私の腰から下を槍で両断していく。当然すぐには切断できなくて、槍を鋸のようにしながら切っていく。その痛みは長く続く。
「も・・・う・・イャ・・・ダ」
もう足は動かず手をばたつかせタキから逃げようとするがタキの力が強すぎて逃げることができない。タキはまるで私を逃がさないかのように離さない。このときもうすでに悲鳴は出なかった。思わずアスナに目を向けようとするが・・・
「なに余所見してんだ」
いやだ・・・・イヤ!!しかし、願いも叶わず上半身と下半身が見事に切断される。残っているのは言葉にできない痛みのみ。涙のみならず顔はもう見るも無惨になっているだろう。
「お前は愛して欲しいってあの日行ったな・・・お前みたいな奴は誰も愛さない。なら一人でじゅうぶんだろ」
タキの明確な拒絶は私の心を折るには十分だった。もうタキは私に愛情を渡すことなどもうないのだろう。それが私にはもう生きる価値などないように思えた。
「そういや、お前はあの女のことを見捨てたんだろ?よく見ろよ。その結末を」
タキは私の髪を掴むと持ち上げアスナに目を向けさせる。アスナは《リトル・ネペント》の大群に噛み千切られて四肢の半分は買われていた。その顔は痛みと恐怖で歪んでいた。
「ヒッ!?イヤッ!助けて!ミト!ヤダァ!ヤダァァァァァ────」
アスナの頭が食われたことで悲鳴が唐突に途切れた。そのアスナの姿に自分の罪の大きさが心に傷をつける。
「ゥ・・・・アズ・・・ナ」
もう何も見たくないよ。もう何も聞きたくない。
「ならその願いを叶えてやるよ」
ズバッ
「イャ・・・ナ・・ンデ・・・・わだ・・・じの・・・・メ・・・・ハ?」
「お前の目?それなら貰ったぞ。にしても目は綺麗だ」
私の目は抉られたの?・・・・遅れて痛みがやって来て音にならない声を上げる。
「ヴアア・・・ガァ・・・ナァ・・・ン・・・・・デ・こ・・・ん・・・な・・・こと」
「なんでだと?そんなことお前は聞かなくても分かるだろ。お前のしでかしたことだ。責任くらい取れよ」
そういうと同時に私の意識は刈り取られた。どうして・・・という疑問を残して。
☆¥%
「ミト・・・」
ミトが倒れてから数時間が経過していた。その間も魘されて辛そうにしていた。俺もまともな看病をしたかったが彼女を動かす余裕もなく安全地帯でなんとかするしかなかった。そのときミトの目が開いた。
「ミト無事か?」
声をかけられたミトはこちらを振り向く。だがその顔色は青かった。
「私は・・・」
「いきなり俺の目の前で倒れたんだおまえは。一体何があった?」
起きたことを聞くと途端にミトは顔を歪ませる。
「わたし・・・は・・・・・・ウッ!?」
ミトは話そうとするが体が震えておりうまく話すことができず、歯がカチカチとなり吐きそうになっていた。
ミトの隣に座り背中をさすった。
「おれはここにいるから大丈夫だ。いったん冷静になれ」
ミトの体から力が抜ける。その表情には、さっきまでの恐怖はないことに安堵する。
「うっ・・・うっ・・・・・・」
「ゆっくりでいいからな」
それからミトは落ち着くまで俺の腕の中にいた。
「何があった?」
本当のことを言うと聞きたくはないが事情を聞かねば話にならん。ミトは俺の腕から離れ隣に座っていた。
「私は・・・・人を殺したの」
「・・・」
「その子は私のせいでここに来ちゃったの。私がSAOに誘わなければここには来ることはなかったし。最初に街を飛び出したときにその子は死にかけて、放っておいて、って言われちゃった」
「・・・」
「なのに私は守る、現実世界に返すって。でも私は結局自分可愛さに逃げた。私は結局自分が大事なのよ。生き残るためには親友も切り捨てられるようなね」
ああ・・・コイツはなんで。
「私は行くね。またどこかで会おう」
ミトはここから去ろうとするが俺は無意識にミトの腕を掴んだ。
「離して」
「ダメだ」
「離してよ」
「ダメだ」
「離してよ!!」
「ダメだ!!」
俺の剣幕にミトは思わず怯む。コイツを今ここで行かす訳には行かない。
「お前俺のみてないところで死ぬ気だろ」
「何言ってるの?私は一刻も早くこのゲームをクリアしなきゃ」
「なら尚更だろ。そんな状態で行ったってすぐにくたばるのが目に見える」
ミトは罪滅ぼしだと言っているが死を持って責任をとる気だ。そんな真似は見過ごしたくはない。
「私の命なんて誰も気にしないでしょ」
・・・はあ?
「お前・・・ふざけてるのか」
その言葉にミトは呆然とする。自分でも驚くほどに低く冷たい声が出る。
「何を言って・・・」
「死ぬ事が償いか?違うだろ。所詮それはただ自分のやったことから逃げるだけだ。 」
「じゃあどうすればいいの!私のやったことは許されない!」
「償い方はお前が決めろ!」
自分が冷静じゃないことはわかってる。だがコイツをここで止めなきゃならない。今のコイツはまるであの時の俺のようだったからだ。
「それくらい自分で考えろ」
「そんな・・・」
「だが一つ言えることはお前が死んだ所で償うことはできない。このゲームをクリアしたいなら万全の状態で行くべきだ。死んだソイツも生き急いで死んで行ったお前を見たら傷つくだろうな」
ミトは俺には想像もつかないほどの困難があっただろう。ビギナーを連れて圏外に出ることはかなりの注意が必要だ。なにせビギナーの行動は時にはベータテスターにも思いつかない方法も出てくるからだ。その上ミトはそいつを守るために精神を擦り減らしああなるまでになったんだろうな。ミトはしばらく動かなかった。俺も動かず、静寂の時が流れた。やがてミトは立ち上がり鎌を持つ。その顔は、先程とは違い覚悟を決めているように見えた。
「決めたか?」
「ええ。私は・・・このゲームをクリアする。一刻も早くね。でも・・・」
ミトは俺を見ると不敵な笑みを浮かべた。
「死なないようにね」
「そうか」
「タキ・・・こんな私だけど一緒についてきてくれないかな?ついさっき資格がないって言った後に勝手かもだけど」
「ああ。勝手だな」
「・・・ごめん」
「だが、いちいち聞いてんじゃねえよ。俺はお前を離すつもりはないぜ・・・ミトがいない世界なんて俺は真っ平ごめんだ。だからこそもう離れるなよ」
「私みたいな人の罪を背負うのなんて貴方くらいよ」
「当たり前だ。俺はミトの恋人だ。なら償いくらい付き合うさ」
ミトは涙を流しつつ答える。俺はあの日から・・・ミトを愛すると決めた日から俺はミトを絶対に守ると決めている。だから・・・ミトは絶対に現実に返す。これは俺の覚悟だ。