ソードアート・オンライン 〜英雄の槍〜   作:オトマトペ

5 / 13
うーん…もう少し早く執筆できるかなって思うとったのにな…めちゃ遅いわ。



君達も攻略会議に来ないか?

ソードアート・オンラインの正式サービスが始まってから2ヶ月が経った。俺達は迷宮区で慎重に攻略を進めていった。ミトは友達が生きているかを始まりの街で確認しようとしたが、踏ん切りがつかないのかボスを倒してから確認するようだ。今俺たちはボス部屋の近くまで来たが問題が発生した。その問題とは・・・

 

「分かれ道か・・・」

 

俺達はベータテストには無かった分かれ道で行き詰まっていた。この手の分かれ道は大概がトラップが設置されており、中に即死性のトラップがあろうものなら目も当てられぬ結果になるだろう。

 

「どうする?一旦出直すか?」

「でも出直すって言ったってどうするの?」

 

こういう時は情報屋から情報を仕入れるのがいいんだろうが圏外の奥深くにいるわけが…

 

「その分かれ道は真ん中が正解ですよ」

「うわひゃ!?」

 

ミトの背後から一人の男が現れる。その男は身長が高く纏う空気は冷静さが感じられる。

 

「お前は・・・」

「さすがに今回はバレませんでしたか…これで見つかってたら情報屋引退でしたね。」

「お前は前アルゴといた奴か?」

「そこは分かるんっスね・・・」

 

こいつがアルゴの同業者か…隠密能力に関してはアルゴを凌ぐかもしれん。その時真ん中の分かれ道の方から6人のパーティーが現れる。それを見た男がミトとの会話を打ち切り、青髪の剣士に話しかける。おそらくこいつがリーダーだろう。

 

「情報は正しかったっスか、騎士様?」

「ああ。影さん。この奥にはボス部屋に繋がると思われる扉があった。」

「そうですか・・・これでようやく攻略が進みますよ。いやーよかったよかった」

 

どうやらこのパーティーが一番最初にボス部屋に到着したらしい。ここでリーダーが俺達に気付いた。

 

「君達は?」

「俺はタキだ。こっちはミト。よろしく頼む」

「俺はディアベル。職業は気持ち的にナイトやってます」

 

SAOにおいてジョブシステムというものはない。よってナイトの称号は本人の言うように自称だ。だがこのデスゲームと化したこの場で冗談を言えるのはよっぽどの馬鹿かあるいは…

 

「君達は二人だけでここまで?」

 

ディアベルが問いかけてきたので考えるのを一旦やめて答える。

 

 

「まあな。ここまで来るのにも一苦労だったぞ」

「だがすごいじゃないか。姫君も守りながらここまでやってきたんだから」

 

・・・・マズイ。

 

「少し訂正するけど私は姫君じゃなくて彼とは対等な関係だからね。少なくとも守られてはいないわ」

 

ミトはそう言いながら俺と腕を絡める。確かにミトは姫君とかでもなく対等な関係でありたいと考えている節があるし、それは俺も同じことだ。だが・・・

 

「お前・・・久々の宝箱って喜んだ挙句ミミックに頭からガブっといかれてただろうが・・・」

 

思わず口を滑らせる。慌てて口を塞ぐが当然気づかれており・・・

 

「それは言わないでよ!なんか私がマヌケみたいじゃない!!」

 

ミトは顔を真っ赤にして言い返した。俺はミトがミミックに噛まれているところを思い出す。最前線近くまで来たことでまだ開けられてない宝箱がザクザクでミトは少し浮かれていた。その時だった。

 

『暗いよぉおおお!!!怖いよぉおおお!お願い!!引っ張ってぇええええ!!』

 

ミトはミミックの口から出ていた両足をバタバタさせながら叫ぶ。すぐに引っ張り出したが、内心では少し・・・いや、かなり可愛いと思「フン!」・・・・どうやら拗ねちまったか。確かにいまのはいう必要はなかったな。

 

「はいはいそこまで」

 

ここでディアベルが入ってくる。ここら辺で入ってくるあたり人の感情の機微に敏感だな。

 

「ミトだったね。確かに君達二人は対等な関係だ。ついさっきの発言は騎士としてあるまじき事だったな。撤回するよ」

「ならいいわ」

 

なんとかミトの怒りは鎮まり内心ホッとする。ディアベルは男・・・影に話しかける。

 

「これからこの情報を開示して攻略会議を開きたいんだが、いい場所はないかな?」

「それならここから一番近い場所がありますよ。あそこは広場もありますから会議には売ってつけっスね」

「なら告知を出してくれないか?あとボスについての情報もまとめられないか?」

 

ディアベルと影と呼ばれた男が話している間手持ち無沙汰になったので、俺はディアベルのパーティーの仲間に声を掛ける。

 

「ボス部屋ってどんな感じだったんだ?」

「今まで見たことがないほどバカでかい扉があった。そこでディアベルさんがここがボス部屋だろう、って言ってたぞ」

「そうか。」

 

これでディアベルは馬鹿でないことがわかった。そうこうしている内にディアベルとアルゴが会議についての相談が終わったようだ。

 

「分かりました。アルゴにメッセを送って会議の告知とボスの情報をまとめてもらいましょう」

「ああ。助かる」

 

ディアベルの笑顔はかなり爽やかだ。これなら騎士と言われても納得するだろう。ここで俺とミトにその笑顔を浮かべながら声を掛けてきた。

 

「良かったら君達も攻略会議に来ないか?ここまで二人できたのであればかなりの実力があるんだろうしどうかな?」

 

こんなの決まってる。

 

「「当然参加だ(よ)」」

 

ここで乗り遅れたくない。これは世間体で言えばかなり不純な動機だろうが、俺達はそこまで英雄的な動機は持てない。そんな事を露知らず、ディアベルは満面の笑みを浮かべる。

 

「それじゃあ3日後トールバーナで会おう」

 

ディアベルとそのパーティと別れる。そろそろ攻略会議か気合いを入れないとな。

 

 

☆¥%

 

 

 

3日後

アインクラッド

第1層

トールバーナ

 

私とタキはトールバーナの広場にやってきた。攻略会議に参加するプレイヤーは少ないものだと私は思っていたが意外にも多く1レイドには満たないがそれに近い人数が集まった。私達はの端の方に陣取り席に座った。そのときディアベルが手拍子と共に声を上げる。

 

「はーい!それじゃあ始めさせてもらいます。今日は俺の呼びかけに応じてくれてありがとう。俺はディアベル。職業は気持ち的にナイトやってます!」

 

ディアベルの冗談にプレイヤー達は笑う。私達と会った時も言ってたし鉄板のギャグなのかな?ただゲームセンターで大会に出た時もそうだったが男にしか伝わらないものもあるのか私にはいまいち刺さらない。ディアベルは笑いを鎮め、真面目な顔になる。

 

「今日俺達のパーティーがあの塔の最上階でボスの部屋を発見した!」

 

ディアベルの言葉にプレイヤー達はざわめく。ディアベルは言葉を続ける。

 

「俺達はボスを倒し、第2層に到達してこのデスゲームを…いつかきっとクリアできる事をはじまりの街で待っているみんなに伝えなければならない!それが、今この場所にいる俺達の義務なんだ!そうだろ、みんな!」

 

ディアベルの演説はよく耳に残る。これは彼のリーダーシップがあるからこそできるものなのかもね。現にプレイヤー達もディアベルの呼びかけに拍手し檄を飛ばす。

 

「それじゃあ、早速だけどこれから攻略会議を始めたいと思う!…まずは6人のパーティーを組んでみてくれ!」

 

6人のパーティーか・・・出来れば4人のパーティーが見つか「そこの君良かったらうちのパーティーに入りませんか?」・・・案外早かったわね。

 

「いいけど、私ともう一人入れてくれないかしら」

「誰を入れますか?」

「タキ」

「・・・ああ」

 

タキがパーティーに顔を向ける。タキの顔を見て話しかけて来たリーダーと思われるプレイヤーを除いてパーティーのメンバーはあからさまに恐怖するが、仕方がない。他はもう決まっちゃったしね。

 

「あの・・・この方と貴方はどのような関係で?」

 

小太りな男性プレイヤーが私達に問いかける。どのような関係か…彼は私の事どう思っているのか。幼馴染?親友?…いや違うわね。

 

「付き合ってるわ」

 

私達は付き合ってる。小さい頃からお互いの家に行き来してるし、タキが引っ越した後もゲームで繋がってたり、たまにお金はかかるけど会ったりもしてたしね。まぁ付き合ってくれって告白されたわけではないし世間からしたらロマンの欠片もないものなのかもしれないけど。リーダーを除く3人はタキに顔を向けるとタキは頷いていた。それを見て彼らは絶望の声をあげた。

 

「嘘だろ!」「俺の恋が〜」「チャンスだと思ったのに・・・・」

 

どうやらチャンスと思って声をかけて来たらしい。まあこのゲームの男女比は圧倒的に女子が少ないしね。見た感じこの場で女子は私一人だからかな。

 

「まあ、そこまでにしましょう。初のボス戦ですし気を緩めないようにしませんと危ないですからね。」

 

リーダーが皆の気を引き締める。それとタイミングよくディアベルが号令をかける。

 

「・・・よしっそろそろ組み終わったかな。じゃあ「ちょい待たんかい!ナイトはん!」っ!」

 

ディアベルが話しを続けようとした時、一人の男が声を上げて立ち上がった。その男は顎髭を生やし目は鋭く頭はサボテンのようになっていた。

 

「ワイはキバオウってもんや! ボスと戦う前に、言わせてもらいたいことがある! こん中に、今まで死んでった2000人に、詫び入れなアカン奴らがおる筈や!」

 

マズイ。こういう輩が言わんとしている事は分かる。その答えを今ディアベルが問いかける。

 

「・・・キバオウさん、君の言う人達というのはつまり、元ベータテスターのこと、かな?」

 

「決まっとるやないかい! ベータ上がり共はこのクソゲーが始まったその日にビギナー見捨てて消えよった! 奴らは美味いクエストや狩場で自分らだけぽんぽん強なって、その後はずっと知らんぷりや! こん中にもおる筈やで! ソイツらに溜め込んだコルやアイテムを吐き出して貰わな、パーティーメンバーとして命は預けられへんし、預かられへん!」

 

キバオウが言っていることはある程度当たっている。現に私もアスナが死なないようにと思い、美味い狩場やクエストなどで安全に経験値を増やしていたからだ。生き残るためとはいえそれが原因で死んでしまったプレイヤーがいると思うと顔を俯かせてしまう。

 

「ちょっと待てよ・・・」

 

え・・・隣から聞こえた声に聞き覚えがあるような・・・ってタキ!?一体何をする気!

 

 

 

☆¥%

 

 

 

聞いてて腹が立つことだ。ビギナー達が死んだのはベータテスターの所為だと…確かに全部がベータテスターの所為じゃないと言いきれない。だがそれでも助けようとした人達も居たはずだ。ミトやアルゴみたいにな。気づいたら俺は声を上げていた。

 

「誰やおどれは!」

 

キバオウが怒りの目を向ける。俺はそれに怯まず舞台に向かっていった。

キバオウは俺の顔を見て少し驚くがすぐに怒りの表情に戻る。

 

「俺はタキだ。あんたは・・・死んだのが全部ベータテスター所為だと思ってるのか?」

「当たり前やろが!」

 

俺の質問にキバオウは当然のことように答える。

 

「そんなわけないだろ」

「なんやと!どういうことや!」

「確かにベータテスターが協力すれば死者は減っていただろうな」

「ならやっぱりベータテスターが悪いやないか!」

 

キバオウは自分の意見が正しいとばかりに言う。ベータテスター達は確かにビギナーを置いていった人たちが多かっただろうな。実際に俺も置いて行った一人だ。しかし、これだけは言える。

 

「大元は茅場が悪いだろ。こんなところに無理矢理つれてこられたんだからな。それを身近にいるベータテスターに当たってんじゃねえよ」

「な!?お前はベータテスターを庇おうちゅうんか!」

 

俺は正直に言うと責められるのは仕方ないのかもしれない。だから庇うつもりはない。

 

「庇うつもりはない。だが少なくともここにいるのはベータテスターとかビギナーとか関係なくここまで生き残っていた奴らだ。今からボス戦だというのに、お前みたいな奴がレイドの指揮を下げてどうするつもりだ?」

 

俺の言うことにキバオウは納得いかないのか、必死に言葉を紡ぐ。

 

「せやかてアイテムや金を吐き出すくらい出来るはずや!」

「ボス戦の前にプレイヤーの戦力を減らしてどうするつもりだ。お前はベータテスターに裸でボスに突撃しろっていうのか」

「そういう事やない!せやけどアイテムなどを独占してたんやから蓄えくらい分かられるやろ!」

 

キバオウは聞く耳を持たない。ここまでくると純粋な怒りだけじゃない何かがあるのか、はたまたその怒りの強さが高いのかはわからないが、話が平行線だ。

 

「発言いいか?」

 

一人の男が声を上げこちらに近づいてくる。その男の肌は浅黒くスキンヘッドの強面だ。その体は巨体で引き締まっている。

 

「俺はエギル。キバオウさん・・・アンタはベータテスター達に今までの事を詫び損害の賠償を請求するという事か?」

「そうや!ベータテスター達が置いて行かんかったらビギナー達が大勢死ぬ事はなかったんや」

 

コイツまた同じ事を・・・しかし、エギルは落ち着き払って懐から一冊の本を取り出した。

 

「これがなにか分かるか?今は道具屋でただで置かれている物だ。ここにはモブの沸きやアイテムの詳細が載っている」

「それがなんや?」

「おかしいと思わないか?情報がこんなに早く出回ってるのは」

「何が言いたいんや!」

「これを作ったのはベータテスター以外あり得ないという事だ。俺はここはボスの対策が議論されると思っていたのだがな」

 

エギルで二人目だ。この場において重要なのはベータテスターとビギナーの関係ではなく、ボスの対策が大事だと思っていたのは。ここでディアベルがキバオウを宥める。

 

「キバオウさん・・・貴方が言いたいことはよく分かる。俺も死にそうになりながらもここまで来たんだからな。でも俺はベータテスター達が力を貸してくれるのは心強いと思うんだ。どうか飲み込んでくれないか?」

 

ディアベルの願いについにキバオウは何も言えなくなった。キバオウは一瞬瞠目し息を吐くと、席に戻ろうとする。しかし、途中でこちらを振り返り、俺達に告げる。

 

「言うとくが、この場だけやぞ!次は白黒つけさせてもらうで!」

 

キバオウは自分の元居た場所に戻った。俺も戻ろうとするがエギルが声を掛ける。

 

「タキだったな… ・・・まだ若いのにこの場で発言したのは見事だった」

「そうか。わざわざありがとうな。助けてもらって」

「俺は自分の言いたいことを言っただけだ。だから気にするな」

「そうか」

 

エギルも元の場所に戻るので、俺もミトの隣に戻ると詰め寄ってきた。

 

「何考えてるの!こんな危ないことして!」

 

ミトは小声で怒る。キバオウが言っていることはわかる。だが、ベータテスター達も人間である以上は自分の命が大事な奴が多い。それはいつの時代でも変わらない。だからこそ…

 

「許せなかったからだ。この現状に」

「それでも貴方が吊し上げられたらどうするの!」

 

…そうだな…今にして思えば自分は冷静じゃなかったな。もしそうなったらミトまで巻き込まれるかもしれない。そう考えるととてつもない罪悪感を感じる。

 

「すまなかった・・・次から気をつける」

「お願いね」

 

しばらくはベータテスターに対する意見をする時は注意しないとな。その後会議はボスである《イルファング・ザ・コボルトロード》の対策をアルゴの攻略本で確認していった。攻略本の情報はベータテストとあまり、変わらないようだ。

 

「最後にアイテム分配についてだが、金は全員で自動均等割り、経験値はモンスターを倒したパーティーのもの、アイテムはゲットした人の者とする!異存はないかな?」

 

ディアベルの意見に反対する者はいない。ディアベルの言っていることはこのゲームのシステム的には恐らく最適解だろう。SAOの経験値や金はある程度自由が聞くが、アイテムは誰にドロップするかがわからない。なら、いっそのことゲットした人の物なら後にアイテムを交換することも可能だからだ。

 

「よしなら、明日10時にここに集合とする!それでは解散!」

 

ディアベルの号令によってプレイヤー達はバラバラに分かれた。

 

「それじゃあ、明日に備えて連携の確認をしませんか?私達は今日出会ったばっかりですし・・・」

「賛成!」

 

リーダーの呼びかけにパーティーメンバーが賛成し、連携の確認を取ることになった。

 

「それじゃあ行こ。タキ」

「ああ・・・」

 

俺達はフィールドに向かうか。

 

「?」

 

なんだ?俺は広場の上の方を見上げるとそこには一人のプレイヤーがいた。そのプレイヤーの顔は外套のフードを深く被っており見ることは出来なかった。だが、そいつは俺が見ているのにきづいたのか、すぐに走り出した。それを片手剣を持ったプレイヤーが慌てて追う。

 

「どうしたの?」

「・・・ミト。先に行っててくれ」

「どうして」

「話したいやつがいるからだ」

「わかった。すぐに追いついてね」

「ああ」

 

俺は二人を追いかけ、この広場を出た。




いかがでしたでしょうか?私自身は幼馴染のカップルはこんな感じがいいんや!異論は認めます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。