翌日、明久は二回目の特別授業の教師役をやっていた
「というわけで、今回はインスタント食品の授業です。ですが、その前に……」
明久はそう言うと、スタスタと一人の少女の前に立って
「どうして、くす姉が居るのさ?」
と明久が問い掛けると、久住はニコニコと笑みを浮かべて
「んー? 会長として、キチンと出来てるのか確認しに来たの」
と告げた
すると、小早川先生が苦笑いを浮かべながら
「それが、今回はキチンと手続きを行って来てるんです……」
と明久に一枚の紙を見せた
明久はそれを見て、深々と溜め息を吐いてから
「それならいいけどさ……悠さんに迷惑掛けないようにね……」
と忠告してから、教師役に専念した
そして、授業が始まったのだが、この街に住んでいる彼女達がインスタント食品を知っている訳がない
ましてや、この街にインスタント食品すら無かった
その事を小早川先生に相談したら、外部に居るという友人に頼み、大量のインスタント食品を送ってもらったのだ
明久はそれを使って授業を始めたが、あちらこちらで
「これをどうすればいいのかしら?」
「これで合ってますか?」
等々、明久は引っ張りだこであった
そして、静歌がインスタントラーメンを作っているのを見つけると明久は近づいて
「インスタントラーメンは栄養のバランスが悪いから、卵を入れたりしてバランスを整えたほうがいいよ」
と言うと、手早く野菜を切って入れた
「えっと、後は卵を……」
と明久が卵を探していると、横から
「はい、卵」
と久住から手渡された
「あ、ありがとう。くす姉」
明久が久住から卵を受け取ったら、一人の少女が冷や汗を流しながら
「あ、明久さん……その卵は……」
「ん、なに?」
明久は少女の方に顔を向けながら、卵を机にぶつけた
次の瞬間、卵はボン! と音を立てて破裂した
「……おい?」
明久が久住に顔を向けると、久住は御満悦な表情を浮かべて
「どうどう? 卵をどの位電子レンジで暖めたら、今みたいに破裂するか分かったの!」
と言った
次の瞬間、明久はどこからともなくハリセンを取り出して久住を思いっ切り叩いた
「あ痛ー!?」
「何食材を無駄使いしてるのさ!? 作った人に申し訳ないと思わないの!?」
明久は一料理人として、久住がやったことを許せなかったようである
「後何個作ったの! 全部出す!」
「ひにゃー!?」
明久は久住を思いっ切り揺らしながら、尋問した
その光景を、一人の少女が憎々しげに見ていた
翌日、明久は朝から公園で走り込みをしていた
なお、静歌は家から呼び出しの電話が来たらしく、実家に行った
(悠さんの言った通りだ……外側は起伏に富んでて、走り込みには丁度いいや……)
と明久が走っていると、前方に人影が現れて
「お待ちなさい!」
と制止してきた
明久は怪訝な表情を浮かべながらも、ゆっくりと足を止めた
「何かな?」
明久が問い掛けると、現れた少女は腰に手を当てて
「あなた、久住会長のなんなんですの?」
と明久に問い掛けてきた
「くす姉は僕の従姉だけど、君は誰さ?」
明久が問い掛けるが、少女は無視して
「あなたが久住会長の何者かは知りませんが、いい気にならないでください!」
と言うと、身を翻して去っていった
「なんだったんだ、今の……?」
明久は唸りながら首を傾げるが、気を取り直して走り込みを再開した
そして翌日
明久は部活でリハビリしながら、先日出会った少女の事を静歌に話した
すると、静歌は悲しそうな表情を浮かべて
「そんな……そんな事を言う人が居るなんて……」
と言うと、明久は首を傾げながら
「まあ、ああいう人が居るのは分かるけど、誰だったんだ?」
と言うと、悠が近寄ってきて
「それは
と言った
「麗?」
「そう。フルネームは
悠はそう言うと、少し困ったような表情を浮かべて
「彼女は風紀委員会の代表を勤めていてね、久住を信奉してる子なんだ……ただ、それが理由で昔、問題を起こしてね……最近は大人しかったんだけど……」
と言った
それを聞いて、明久は内心で
(また、面倒なことになりそう……)
と溜め息を吐いた