僕と水泳とお嬢様   作:京勇樹

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メドレーの内容は、適当です
ごめんなさい


始まり、祈り

『これより、吉井明久さんと桐島悠様の水泳メドレー勝負を開始します! 第一コース、吉井明久さん!』

 

放送部の子が呼ぶと明久が上がり、それに合わせるように歓声が上がった

 

その歓声を聞いて、不愉快だったらしく麗がしかめっ面を浮かべた

 

しかし、すぐに優越感に浸った顔を浮かべた

 

彼女とて、悠の実力を知っている

 

そして、明久は怪我から復帰したばかりで、まだ完調ではない

 

そんな悠と明久とでは天と地ほどの差があり、そもそも完調だとしても明久が勝てるわけがない

 

麗はそう思っていた

 

だが、それはとんだ思い違いである

 

ここ、聖エトワール女学院水泳部のエースは、間違いなく悠である

 

そして大会前、小早川先生が明久を要注意人物として名を挙げた

 

それは、《悠ですら勝てるか分からない相手》としてである

 

だから、《完調だっで明久と悠が勝負したら、どっちが勝つか分からない》のである

 

しかし、今の明久はまだリハビリが終わっていない

 

だから、勝てるかどうかは分からない

 

『第二コース、桐島悠様!』

 

放送部の子が悠の名前を呼ぶと、明久の時と遜色ない歓声が上がった

 

しかし、悠はその歓声に意を介さず、飛び込み台に登った

 

そして二人が飛び込み台に登ると、スターター役の小早川先生が近寄り

 

「位置について!」

 

と言いながら、右手に持ったピストルを上げて

 

「よーい!」

 

と告げた直後、引き金を引いた

 

パーンという音がした瞬間、明久と悠の二人はほぼ同時に飛び込んだ

 

そして、勝負は始まった

 

最初の数Mは潜水で進み、クロールから始まった

 

その勝負を、久住は両手を胸元で合わせながら見守っていた

 

(お願い……無事に終わって……!)

 

この戦い、久住は自身に責任が有ると思っていた

 

(私がちゃんと支えられたら、こんな事にはならなかったのに……)

 

久住はそう思うだけで、自分の胸が締め付けられる思いだった

 

(もし今回の試合で、アキ君になにかあって、それが理由でアキ君の復帰が絶望的になったら……私のせいだ……)

 

久住はそう思うと、両手に額を付けて真摯に願った

 

何事もなく終わってほしいと

 

試合が始まって、数十秒

 

明久と悠は接戦を繰り広げていた

 

最初のターンを終えて、クロールからバタフライへと変わった

 

最初のクロールでは、大した差は無かった

 

だが、やはり男だからか

 

バタフライでは、ほんの僅かに明久が前に出た

 

(流石だね、明久君……侮ってたわけじゃない……だと言うのに、君は僕の予想の上を行く!)

 

悠は前を泳いでいる明久を見て、素直に賞賛した

 

今日の悠は、コンディションは絶好調

 

意気とて、大会の時となんら遜色はない

 

それにこんな形とはいえ、明久と戦うのは望んでいた

 

だから、今の悠は今までのベストタイムを抜く勢いで泳いでいた

 

だが、今の明久はそれを超えて速く泳いでいる

 

だが、悠の得意な泳ぎは平泳ぎである

 

悠はそこで、明久を抜くつもりだった

 

だから、そこまで食らいつく

 

悠はそう意気込むと、強く水を掻いた

 

(ああ……凄いや……自分でも分かる位に、体が軽い……)

 

始まってから泳ぎ続けていた明久は、そう思いながらもさらに水を掻いた

 

それだけで、自分でも驚くほどに前に進んだ

 

(今なら、自己新記録に届きそうだ……)

 

明久はそう思うと、指が壁に触れたので、一気にターンして背泳ぎに移った

 

これで、半分終了

 

残り半分

 

平泳ぎと自由形

 

その二つで勝負は決まる

 

悠が勝つか

 

明久が勝つか

 

それは、勝負が付くまで分からない

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