もう一話だけ、共通ルートにお付き合いください
なお、最初のヒロインは既に決まってます
午後六時
明久はパーティー会場に居た
周囲には、豪華なドレスを着た少女達
はっきり言って、明久は酷い場違い感を感じていた
(こんな場所に、一般人たる僕が居ていいのかな……)
と明久は思った
その時だった
俄に、会場内がざわめきたった
明久は何だろうと思い、その原因が現れただろう入口の方向を見た
そして、思わず息を飲んだ
そこに居たのは、豪華絢爛なドレスを着た何時ものメンバーだったからだ
何時もとは違うメンバーの姿を見て、明久は固まった
普段着ている制服はまだ学生らしく、自分と同じ未成年なんだと認識しやすい
しかし、今の彼女達は見目麗しく、忘れがちだが、正しくお金持ちの御嬢様だと認識させられる
それほどまでに、今の彼女達は綺麗だった
「悠がドレスを着てるの、初めて見たよ!」
「そ、そうかな?」
「ですね……私が知る限り、去年は男役のスーツでした」
「私は去年、仕事で出てなかったから、知らないわね」
「私は、今年が初めてですから……でも、よく噂は聞いてましたよ! 悠先輩が男役を引き受けるっていうのは」
と何時ものメンバーは、会話しながら入ってきた
どうやら、悠のドレス姿に関してらしい
明久としては、全員似合っているとしか言えない
久住は緑色を基調色に和服の赴きが見えるドレスを着ており、茶道部に所属しているだけあって、よく似合っている
悠は白地に紫色のラインが入ったドレスを着ていて、普段の悠からは予想しづらい清楚な雰囲気である
次に雅は、紫色を基調色にしており、アクセントで赤や青色の装飾が施されたドレスを着ている
やはり仕事で着なれているのか、堂々としている
次に静歌だが、正しくお姫様としか言い様が無かった
白地に薄いピンク色のドレスに、肩に掛けられているストールが静歌の雰囲気に非常に合っている
最後に巴だが、活発な印象に似合うピンク色のドレスを着ている
ただし、ドレスに慣れてないためなのか時々スカートや胸元を弄っていた
そんな彼女達を見て、先に来ていた他の参加者達は黄色い歓声を上げていた
だが、その気持ちは明久にも理解出来た
今の彼女達は、絵本や映画で見る御嬢様そのものだったからだ
そんな彼女達も、どうやら明久に気付いたらしく
「あ、アキくーん!」
「先に来てたんだね」
「お待たせしました」
「スーツ姿、似合ってるわよ」
「先輩、お待たせしました!」
と明久に声を掛けてきた
そこでようやく我に帰り、明久は左手を上げて
「や、皆」
と短く返した
そして、改めて全員を見てから
「うん。皆、よく似合ってるよ」
と微笑んだ
明久に褒められたからか、少女達は嬉しそうに微笑んでいる
すると、そのタイミングで音楽が流れ始めた
どうやら、ダンスパーティーが始まったようだ
「さてと、誰から踊る?」
明久が微笑みを浮かべながら問い掛けると、少女達はジャンケンを始めた
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ふぅ……疲れた……」
少女達と踊り終った後、明久はテラスに出ていた
今も中からは音楽が聞こえてくる
そして、時計を見た
時計は、もうすぐ午後八時半
つまりは、もうすぐ最後の曲になる
「そろそろ、あの子の所に行かないとね……」
明久はそう言うと、テラスからホールに戻った
その人物と最後に踊るために
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
時は経ち、新年
その新学期の朝
「ヤッホー! 吉井明久、今日を持って復帰でーす!」
明久はそう言いながら、水泳部の部室に入った
すると、中で活動誌を書いていたらしい海と女子水泳部から活動誌を持ってきたらしい愛子が
「明久!? 帰ってきたのかい!?」
「今日からだったの!?」
と驚愕の声を上げた
そんな二人に対して、明久は元気に
「今日からだよ! リハビリは完璧に終了! 一部は記録更新した位だよ!」
と返した
それを聞いて、二人は笑みを浮かべて
「うん、それは良かった」
「本当!」
と言った
その時、チャイムが鳴った
どうやら、予礼らしい
「っと、そろそろ校舎に行かないとね」
「そうですね」
「あ、先生に挨拶しないと」
三人はそう言うと、水泳部部室から出て校舎に向かった
そして、教室に着いた
教室に着くと、クラスメイト達からは驚愕された
帰ってきたのかと
そして、歓迎された
それはもう、盛大に
そして、朝のホームルームが終った後だった
「……明久、エトワールからの交換留学生が来たようだぞ」
とムッツリーニこと、土屋康太が言ってきた
「へえ、そうなんだ。志願者出たんだ」
康太にはそう返したが、明久は嫌な予感がした
(はて……なんか、知り合いが来た予感……)
明久はそう思いながらも、トイレに行くために教室から出た
そして、旧校舎側のトイレに向かおうとしたのだが
「あれ? 工事中?」
「うむ。去年末に老朽化した水道管が破裂したらしくてのう。まだ工事中なのじゃ」
というように、工事中だったのだ
なお、今明久にその事を教えてくれたのは、木下秀吉である
双子の弟で、よく女の子に間違わられるのが本人の一番の悩み事である
どうやら、その秀吉もそのトイレから戻ってきたタイミングらしい
「仕方ない。新校舎側のトイレに行くか」
明久はそう言うと、自分が居る旧校舎から新校舎の方に歩きだした
そして、用をたしてトイレから出た
その時、予想外の人物がそこに居るのを見つけた
「なんでさ!?」
明久がそう叫ぶと、その人物は振り向いて笑みを浮かべた
そして……