翌日、明久は朝練の為に早くに学校に来た
すると、プール周りに朝練参加部活の生徒達が集まっていた
なんだろうと思い、明久も近寄り分かった
プール周りに、高い足場が組まれていたのだ
「なにあれ」
と明久が呟くと、人ごみの中から海が現れて
「明久!」
と明久に近寄ってきた
「海先輩、これは……」
「それが、一時間位前にいきなり来て、工事するって」
明久が問い掛けると、海はそう答えた
そして明久は、立てられた看板に視線を向けた
その施主の所には、東方院財閥と書かれてあった
「え、東方院財閥?」
と明久が驚いた時
「おはようございます、明久さん」
と静歌の声が聞こえた
静歌に顔を向けて、明久は
「ねえ、静歌ちゃん。これ」
と看板を指差した
すると、静歌が
「はい。昨日、私が御父様に頼みました」
と言った
そして、説明された
昨日、東方院宗継が見に来ていて、屋外プールを知っていて、そのプールが明久達男子水泳部が使っていることを静歌から聞いた
そうして宗継は、早急に会社に戻ると文月学園のプール改修工事を提案
明久や海といった将来有望な水泳選手を育成するためにと、改修工事を採決させた
そして今朝、傘下企業が工事に入ったらしい
「流石は、天下の東方院財閥だね……」
「本当に……」
海の半ば呆然とした言葉に、明久は同意した
確かに、まさか一日足らずで動くとは思わなかったのだ
「明久さん達が寒い思いせずに、満足に練習してほしかったんです」
「ありがとう、静歌ちゃん」
静歌の言葉を聞いて、明久は礼を述べた
「確か、工事は二週間程だと聞きました」
「結構早いな」
「腕利きの業者さんたちらしいです」
海の関心した様子の言葉に、静歌はそう説明した
「本当、流石は東方院財閥……そういう企業も有るんだなあ」
と明久が言うと、愛子が来て
「海先輩、承諾取れました。更衣室、使ってください」
と言った
「ありがとう。皆! 屋内プールの更衣室で着替えるよ!」
「うっす!」
海の言葉を聞いて、男子達は一斉に返事をした
そして男子達は、屋内プールの更衣室で着替えると朝練のマラソンを始めた
なお、この件に関して男子達は静歌を崇めるようになった
そして明久達が走っている間に、静歌は明久の為にスポーツドリンクを用意
明久が止まると、明久にスポーツドリンクを手渡した
そして明久と静歌が談笑していると、それを見ていた男子達が羨ましそうに見ていた
この時、学園近くに停まっていた車の窓から怪しい光が見えたことに、誰も気付かなかった
そして、嫌な動きが始まる