僕と水泳とお嬢様   作:京勇樹

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嵐の前の

「かなり広いですねぇ」

 

「でしょ? この街一番のプールだよ」

 

巴の言葉を聞いて、明久はそう言った

今明久達が居るのは、件の屋内プールの待合所である

今海が、責任者と手続きに向かっている

そして、談笑すること数分後

 

「お待たせ」

 

と海が現れた

 

「許可が取れたから、全員中に」

 

その言葉を聞いて、待っていた部員達は次々に中に入っていった

すると、明久が

 

「そういえば、今日はよく借りれましたね?」

 

と海に問い掛けた

すると海は

 

「なんでも、本当は別の団体が借りてたんだってさ。ただ、昨日急にキャンセルされたんだって」

 

と説明された

だから、格安で借りれたのだろう

それを聞いて、明久は

 

「ま、その団体には感謝しときましょうか」

 

「そうだな」

 

明久の言葉を聞いて、海は微笑みながら頷いた

それから数分後、男子水泳部員一同は準備運動をしていた

そして、明久のサポートには巴が着いていた

すると、明久が

 

「そういえば、雅ちゃんには付いてなくていいの?」

 

と共に問い掛けた

すると巴は

 

「あぁ、それが……お姉様は今月中はかなりお仕事が忙しいみたいなんですよ。なんでも、映画に出演するのが決まったとかで」

 

と言った

それは、今から約二週間程前になる

その日雅は、何時ものようにCM撮影を終了

一緒に来ていたマネージャーと、事務所に帰ろうとした

その時に、ある映画監督が現れて

 

『実は、起用予定だった女優が、病気で出れなくなってしまったんだ。代わりに、出てみないか?』

 

と直接オファーに来たらしいのだ

それを聞いた雅は、それを自身の映画界進出への第一歩と位置付け、きちんと社長と話し合った上で快諾

撮影に入ったらしい

そして、気になる映画の内容は

 

「なんでも、凄腕の女スパイが敵の男スパイと恋に落ちて、共に戦うという感じらしいですよ」

 

「それはまた、雅ちゃんにお似合いの配役だねぇ」

 

巴の説明を聞いて、明久は思わずそう言った

その理由は、まず雅は運動能力が軒並み高い

更に容姿も優れており、普段から醸し出されるミステリアスな雰囲気がスパイには向いているように思えたからである

明久の言葉を聞いて、巴が

 

「ですよねぇ。私も思わず、そう言ってしまいましたよ。そしたらお姉様が『その替わりに、今月中は学園には行けそうにないわね。明久に会えないのが残念だわ』と言ってました」

 

と言った

すると明久は、苦笑いで

 

「それ、からかえないからって意味だと思うんだよね」

 

と言った

それを聞いて、巴が笑っていると

 

「全員、集まれぇ! 今から、タイム測定をするぞ!」

 

と海が声を上げた

それを聞いて、明久達は準備運動を終わらせてから海の所に向かった

こうして、二人の運動家の物語が始まった

しかしそれは、波瀾にまみれた物語だった

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