僕と水泳とお嬢様   作:京勇樹

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一騒動

屋内プールでの活動の翌日の昼休み

明久と巴の二人が歩いていた時、一人の女子が

 

「あの……もしかして、陵華中学の日秀巴さん……ですか?」

 

と巴に問い掛けた

 

「はい、そうですけど……」

 

その女子の問い掛けに、巴はそう答えた

すると、その女子は目を輝かせて

 

「やっぱり! あの、二年前の試合観ました!」

 

と言って、巴の手を握った

どうやら、ファンのようだ

 

「あ、ありがとうございます」

 

その女子の勢いに押されて、巴はそう言うことしか出来なかった

すると、その女子が

 

「それで私、女子テニス部に入ったんです! あの、指導に来てもらってもいいでしょうか!?」

 

と提案した

それを聞いて、巴は

 

「でも、私……先輩の……」

 

と言いながら、明久に視線を向けた

すると、明久は

 

「巴ちゃん、行ってきたら?」

 

と巴に言った

すると巴は

 

「え、いいんですか?」

 

と困惑した様子で問い掛けた

その問い掛けに、明久は

 

「まず試しに行って、必要無さそうだったらこっちに来るって形にしたらどうかな?」

 

と言った

それを聞いて、巴がその女子に視線を向けると

 

「それで構いません! お願いします!」

 

と言いながら、頭を下げた

それを見て、数秒後

 

「……わかりました。不肖私が、見に行きます」

 

と女子の願いを受け入れた

すると、その女子は嬉しそうに

 

「ありがとうございます! では放課後、グラウンド端のテニスコートに来てください!」

 

と言って、走り去った

それを二人は見送り、たまたま近くに居た海が

 

「巴ちゃんって、そんなに有名なの?」

 

と明久に問い掛けた

その問い掛けに、明久は

 

「かなり有名な、テニスプレイヤーですよ」

 

と言って、携帯で検索

そして見せた

すると海は

 

「そんな子が、居たんだ……」

 

と感心した様子で頷いた

そして放課後

 

「では、先輩。いってきますね」

 

と巴は、グラウンドの端にあるテニスコートに向かった

それを見送り、明久は水泳部に合流

活動を開始した

そして、校外ランニングが終わってグラウンドに入った

その時だった

 

「調子に乗らないで、一年ごときが!」

 

と女子の怒鳴り声が聞こえた

視線を向けると、そのテニスコートで三年生らしい女子の一人が巴を呼んだ女子の前に居た

その三年女子を別の女子が止めようとしているが、よほど頭に来ているらしく突き飛ばした

そして、その女子に向かって

 

「私が、そいつに劣っているとでもいうの!?」

 

と癇癪染みた声を上げながら、迫った

すると、その女子は

 

「いえ、私は。巴さんと先輩のどっちが強いのか気になっただけでして!」

 

と慌てた様子で言った

すると、三年女子が

 

「そういうことを考えてる時点で、私をバカにしてるじゃない!!」

 

と怒鳴った

すると海が

 

「あちゃあ……高杉か」

 

と額に手を当てた

 

「知り合いですか?」

 

「一応、クラスメイトだよ」

 

明久の問い掛けに、海はそう答えた

そして、続けて

 

「あいつ、両親が有名なスポーツ選手で、あいつ自身もスポーツ万能な奴なんだ。特に得意なのが、テニスでね。だからあいつ、凄い自信家なんだ」

 

と言って、テニスコートの方に向かった

どうやら、止めに入るつもりのようだ

他の女子に止められていて、高杉はなんとか止まっているが、何時手を出すか分からなかった

そして、海と明久がテニスコートに入った

その時

 

「あんたみたいな奴が、嫌いなのよ!」

 

と言って、持っていたラケットを投げた

 

「やばっ!?」

 

海が慌ててた時、明久が既に動いていた

そのラケットの行き先が、巴だったからだ

そして明久は、巴の前に割り込んでラケットを掴んだ

そして明久は、そのラケットを放した

 

「せ、先輩!」

 

「大丈夫、巴ちゃん?」

 

明久はそう言いながら、右手をヒラヒラと振るった

すると海が

 

「高杉、落ち着け! 興味の言葉に、何過剰反応してるんだ!」

 

と高杉の肩を掴んだ

すると高杉は

 

「ああいう言葉、大嫌いなのよ!」

 

と言って、巴に視線を向けた

そして

 

「そこのあんた! 私と勝負よ!」

 

と巴に言った

こうして、騒動が始まった

 

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