帰宅後
「はあ……」
「大丈夫、巴ちゃん?」
深々と溜め息を吐いた巴を見て、明久は問い掛けた
すると巴は、苦笑いを浮かべて
「はい、なんとか大丈夫です」
と返答した
しかしその顔には、疲労が見て取れた
あの後、テニス部の顧問が来て仲裁されたが、相手たる高杉は諦めなかった
そこで出された提案が、校内試合だった
一対一で試合することになり、巴もそれを受諾
その日程がなんと、明久達水泳部が出場する大会の日だった
それを聞いた明久は、大会への出場を控えようと思った
しかし、巴が
『先輩は、大体に出てください』
と言ったので、断念した
しかし明久は、自主練の時間を短縮
巴のサポートをすることにした
その一環として、料理は全て明久が作ることにした
巴は、食器の準備だ
そして、料理もなるべくバランスの良いものにした
そして、作った料理を並べて
「いただきます」
と二人は、声を揃えて食べ始めた
そして食事が終わり、巴が入浴している間に明久は部屋の本棚からマッサージの本を取り出して
「久しぶりに読むなぁ」
と明久は呟いて、開いた
そして、約三十数分後
『出ましたぁ』
と巴の声が聞こえて、明久は部屋から出た
そして、巴を見つけると
「巴ちゃん、ちょっと来て」
と巴を手招きした
すると巴は、小首を傾げて
「どうしました、先輩?」
と近寄ってきた
それを明久は
「とりあえず、部屋に入って」
と部屋に招き入れた
そして巴が入ると、ベッドを指し示して
「ベッドにうつ伏せになって」
と言った
それを聞いて、巴はベッドに寝転がった
それを確認した明久は、うつ伏せになった巴の上に股がり
「久しぶりだから、痛かったら言ってね」
と言うと、マッサージを始めた
すると巴が
「ふあぁぁ……気持ちいいですぅ……」
と声を漏らした
それを聞いた明久は
「良かった……一応、数少ない特技の一つだったんだ。ただ、一人暮らし始めてからはしてなかったんだ」
と安心した様子で言いながら、マッサージを続けた
すると明久は
「あ、背筋が凄い固い……無駄な力が入ってるのか、姿勢が悪いのかな?」
と言った
それを聞いた巴が
「あ、それは中学時代の顧問の先生に言われました……『日秀は少し力を入れすぎだから、もう少し力を抜け』と……」
と言った
それを聞いた明久も
「かもね……相当固いよ? よっと」
と言いながら、両手親指で巴の背筋を解していった
そして、十数分後
「終わったよ、巴ちゃん」
と明久が声を掛けるが、返答がない
すると明久は
「巴ちゃん?」
と問い掛けながら、巴の顔を覗き込んだ
すると巴は、スヤスヤと寝ていた
それを見た明久は、微笑みを浮かべて
「まあ、いいか」
と言って、一旦巴を少し退かしてから下にあった掛け布団を巴に被せた
そして、明久も入浴
入浴から戻っても、まだ眠っていた
よほど、リラックス出来たらしい
「こうなったら、仕方ないよね」
明久はそう言うと、巴を少しずらしてからその隣に入り
「おやすみ、巴ちゃん」
と言って、眠ったのだった