「明久くん、一緒に料理していいかな?」
「はい、いいですよ」
悠からの問い掛けに、明久は朗らかに了承した
実はエトワールで料理教室をしていた時、一番腕前が上達したのは悠だった
最初は一番酷かったが、一度コツを覚えたらメキメキと上達
最終的には、雅と同レベルになった(反対に中々腕前が上がらなかったのは久住だったが)
特に悠が得意としたのは、家庭的な煮込み料理と鍋物だった
特に、出汁の取り方が上手かった
それに関しては、明久の太鼓判付きである
「何を作ろうかなぁ……」
「ポトフはどうかな?」
明久が呟くと、悠はそう提案した
すると明久は
「いいですね。それにしましょう」
と受け入れた
そして悠がポトフを作ってる間に、明久は合う料理を作ることにした
そして、一時間後
「いただきます」
と二人は一緒に、食べ始めた
なお明久が作ったのは、肉料理だ
丁度前日に少し大きめの肉の塊を、行き着けの肉屋で購入していたのだ
それを、前日の夜からヨーグルト(プレーン)に浸しておいたのを、半生の状態になるまで焼いたのだ
なお、基本的な味付けは塩胡椒のみ
そして、サラダはきゅうりとトマトを胡麻油で和えた物にした
そして、肉料理を一口食べた悠は
「相変わらず、明久くんの料理は美味しいね」
と言って、微笑んだ
それを聞いて、明久は
「ありがとうございます、悠さん。悠さんが作ったポトフも、美味しいですよ」
と悠が作ったポトフを食べながら言った
悠が作ったポトフは、野菜のみの素朴な味わいだが、明久好みの味だった
なおポトフというのは、決まったレシピは存在しない
悠のように野菜のみの場合もあれば、ソーセージが入っていたり、トマトが中心だったりと、様々である
更には、細かな味付けを上げると切りがない程だ
フランスの家庭料理で、各家庭毎に味付けが存在すると言われるほどの種類がある
しかしある意味、それを作るのには技量が必要とも言われる
だからポトフは、フランス料理では極めるのは難しい料理の一つと言われている
「ありがとう、明久くん」
悠は感謝の言葉を言いながら、料理を食べた
その後二人で皿や鍋を洗ったのだが、悠は
(なんか、夫婦みたい)
と思って、顔を赤くしたのだった
その後、二人は交互に入浴
そして明久は、予定を確認していた
その時だった
『明久くん……入っても、いいかな?』
とドアの向こうから、悠の声が聞こえた
すると、鞄の中身を入れ換えていた明久は
「どうぞ」
と入室を促した
その数秒後、ドアが開いて
「お、お邪魔するよ」
と悠が入ってきた
のだが
「ぶっ」
明久は悠の寝間着らしい服装を見て、思わず吹き出した
何故ならば、ワイシャツ一枚だったからだ
下着は着けているらしいが、胸元が見えている
「ゆ、悠さん……?」
「流石に、ちょっと恥ずかしいかな」
悠はそう言いながら、ベッドに腰かけた
そして
「一緒に……寝ていいかな?」
と明久に問い掛けた
すると明久は、数秒してから
「い、いいですよ」
と答えた
というか、そう言うのが精一杯だった
そして明久と悠は、背中合わせになった
流石に、正面向いて眠れる自信が互いに無かったからである
そして、悠は
「これから、交換留学が終わるまでの間……よろしくね明久くん」
と言った
それを聞いた明久は
「はい、よろしくお願いしますね。悠さん」
と返した
その後二人は、少し時間は掛かったが眠れた
ただし、翌日は寝不足で朝練に遅れそうにはなったが