明恵が用意したセーフハウスに来てから、二日後
「明久! Get,Ready.Move.Standby !?」
「Mom.Yes.Mom !」
二人ともに、見事な発音の英語である
しかし、何故に英語なのか
「行くわよ!」
「了解!」
一体、どこで戦争を起こすつもりなのか
と言えるほどに、二人からは殺気が放たれていた
その理由は、明恵が調べあげた相手の手際だった
そもそも、悠の父親と祖父が視察に向かったのから罠だったのだ
相手は、現地の協力者に指示し、木材場の倉庫で事故を引き起こさせた
すると、悠の父親と祖父は、その性格から現地の視察と対策をする為に、現地に行くのが予想出来る
そしてその相手は、現地協力者にヘリに爆弾を仕掛けさせて、事故に見せ掛けて殺害する
という計画だったのだ
その後、悠を嫁にして桐島財閥の経営を掌握
支配しようとしているのだ
それを知った二人は、怒り心頭
機会を伺っていた
そして明恵曰く、チャンス到来らしい
『少し前に、特大の切り札を入手したわ! 今日、悠ちゃんを助けに行くわよ!』
明恵はそう言いながら、ドアを乱暴に開けてきたのだ
そして、今に至る
明恵と明久の二人は、セーフハウスから出て車に向かった
だが、車が
「……柳田清掃会社?」
「私の知り合いの会社よ。そこに、清掃の依頼が来たのよ。そのアパートに、悠ちゃんが居るわ」
明恵はそう言うと、明久にそれを投げた
それは、会社のロゴが入ったツナギ
「それに着替えなさい」
「はい」
言われるがままに、明久はそのツナギに着替えた
ふと気付けば、明恵は車の中で着替えている
そして、数分後
「よし、カチコミに行くわよ」
と明恵は言って、車を発進させた
その目には、ギラギラとした闘志が満ちている
実は明恵も、悠を気に入っているのだ
だから、やる気が溢れているようだ
「母さん、言い方」
「やることは変わらないわよ」
明久は突っ込むが、明恵はサラリと受け流した
そして、発進してから約30分後
「ここよ」
車は、あるアパートの駐車場に止まった
そのアパートに、明久は入ろうとした
だが
「はい、待った」
と明恵に止められた
明久が振り向くと
「道具くらい、持ちなさい。怪しまれるわよ」
と言われた
それを聞いて明久は、車の中から雑巾入りバケツやらモップを持った
明恵も、デッキブラシや洗剤類が入った籠を持っている
そして、入り口に立つと
「すいません、依頼を受けた柳田清掃会社です」
と明恵は、受付に声を掛けた
そして、なにやら手続きを済ませると、受付が中に入るためのIDカードを明恵に手渡した
それを受け取り、明恵と明久はアパートの中に入ったのだった