僕と水泳とお嬢様   作:京勇樹

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正真正銘の最終回です


二人の時間

あの後、桐島財閥では大粛清が行われた

河平専務に従った幹部数名

更に、河平専務直轄の部下達

その者達全員を解雇

新しい人材が配置された

その後、社長達は苧島書店に感謝の言葉と業務の一部提携を打診

結果、苧島書店と提携した買った本を読みながら軽食を楽しめる、喫茶店を開業

好評を泊している

そして桐島財閥だが、正式に明久と悠の婚約を認めて発表した

それは一時、経済界を騒然とさせたが、明久達にとっては関係なかった

そして二人は、高校を無事に卒業

その後は、有名な体育系の大学に進学

そこの水泳部のキャプテンは、興奮した様子で

 

『強化選手が三人も来た! 今年は、間違いなく優勝出来る!!』

 

と断言していた

三人というのは、明久と悠。そして海だった

なんと、海も同じ大学に進学していたのだ

それを知った明久は、大いに喜んだ

そして明久と悠だが、大学への進学を機に同棲を始めた

その部屋は、桐島財閥が建設に関わったセキュリティが確りしたアパートだった

そこに、二人で住むことになった

なったのだが、その際に吉井家で一悶着あったりするのだが、それは完全に余談だ

そして、季節は巡り冬

明久がバイトから帰ると

 

「おかえり、明久くん」

 

と悠が、エプロンを着けた状態で出迎えた

その部屋は桐島財閥が用意した部屋だが、明久はタダで住まわせてもらうのも気が引けると、バイトを始めたのだ

なお悠は、そのことに関して

 

『お父様が気にしないでいいって、言ってるんだけどね』

 

と苦笑を浮かべていた

それは、悠の父親曰く

 

『君の未来への、先行投資の一部だよ』

 

と言っていたらしい

そして、帰宅した明久は悠の頬に軽くキスしてから

 

「ただいま、悠さん。今日の晩御飯は、何かな?」

 

と悠に問い掛けた

エトワールでの料理教室と、明久の部屋での同棲以来、悠は料理に凝り始めたらしい

明久がバイトの日は、必ず悠が作るようになっていた

 

「おでんだよ、明久くん」

 

明久からの問い掛けに、悠はそう言いながら、鍋の蓋を開けた

中では、様々なタネが煮込まれている

出汁の匂いが、明久の空腹感を加速させる

 

「いいですね。今日は特に寒いですし」

 

明久はそう言いながら、脱いだマフラーとコートを玄関のコート架けに引っ掛けた

それを聞いた悠は

 

「なんでも、9時過ぎには雪が降るそうだよ」

 

と、明久に教えた

それを聞いた明久は

 

「それは、寒いはずだ」

 

と苦笑いを浮かべた

そうこうしている間に、煮込み終わったらしい

悠は火を止めて

 

「出来たよ、明久くん」

 

と明久に言った

それを聞いた明久は

 

「じゃあ僕は、手洗いうがいをしてきますね」

 

と言って、化粧室に入った

次いでに、トイレも済ませるつもりらしい

 

「うん、そうして。僕は、最後の準備をするから」

 

悠はそう言って、鍋を持って居間に入った

その部屋は、二人で過ごすには広い4LDK

その真ん中の部屋を居間にして、右隣の部屋が明久と悠の寝室になっている

言わずもがな、愛の部屋だ

気が早い明恵は、時々

 

『早く、孫の顔を私に見せてねー』

 

とからかい半分で、悠に言っていた

それを言われる度に悠は、顔を赤くしながら

 

『が、頑張ります……』

 

と言っていた

そして二人は、机に座り

 

『いただきます』

 

と同時に言ってから、料理を食べ始めたのだった




長々とお付きあいいただき、ありがとうございました

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