僕と水泳とお嬢様   作:京勇樹

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やべえ
今月は筆が乗る乗る


明久の料理

お昼も終わり、明久達は教室に戻って授業を受けた

 

そして、寮に戻ると明久はふと

 

「料理しようかな……」

 

と呟いた

 

何を隠そう、明久の特技の一つは料理である

 

その凝りようは凄まじく、自宅からこだわりの道具と調味料を一式持ってきた程だ

 

しかし悲しいかな、冷蔵庫の中は空だった

 

「うーん……まだこの街のことはよく分からないから、買い物にも行けないし……小早川先生に聞いてみようっと」

 

明久はそう言うと、小早川先生の部屋に向かった

 

そして事情を説明すると、小早川先生は朗らかに笑いながら食材を提供してくれた

 

そして、自室に戻った明久が袖まくりすると、チャイムが鳴った

 

「おろ? 誰だろ?」明久は首を傾げながら、ドアに向かった

 

「はい、どなた?」

 

明久がドアを開けると、そこには明久としては見慣れたメンバーが全員居た

 

「みんな……どうしたの?」

 

「明久さんを食事に誘おうと思いまして」

 

「明久の部屋に向かってたら、たまたまみんな合流したのよ」

 

明久からの問い掛けに、静歌と雅が続けて答えた

 

それを聞いて、明久は後頭部を掻きながら

 

「ごめん……僕、これから料理を作ろうとしてたんだ」

 

と言った

 

すると、久住が手をポンと叩きながら

 

「アキくん、料理するんだ!」

 

と言った

 

すると、明久は遠くを見ながら

 

「うん……必要に迫られてね……」

 

と呟いた

 

「明久くん……君に何があったんだい?」

 

悠が問い掛けると、明久はカタカタと震えながら

 

「気付いたら、病院に居ました……」

 

と答えた

 

それを聞いて、その場のメンバーは明久に同情の視線を向けた

 

「という訳で、悪いけども……今回はごめんね……」

 

と明久が謝ると、静歌が

 

「私、明久さんの料理、食べてみたいです!」

 

と言った

 

すると、雅も

 

「そうね……明久の料理の腕を知りたいしね」

 

と同意した

 

その後も、他のメンバーは皆明久の料理を食べたいと口にした

 

「仕方ないか……」

 

明久はそう言うと、全員を中に通した

 

「しかし、困ったな……」

 

明久はそう言うと、再び後頭部を掻いた

 

何せ、明久が小早川先生から貰った食材は一人分しかない

 

流石に、連続で貰うのも悪いと思い、明久は非常に悩んでいた

 

すると、巴がキッチンに入ってきて

 

「先輩、何を作る予定なんですか?」

 

「ん? チンジャオロースだよ?」

 

巴からの問い掛けに、明久は腕組みしながら答えた

 

「チンジャオロースですか……」

 

明久の答えを聞いて、巴はしばらく唸ってから

 

「うん、大丈夫です! 私の部屋にある材料を持ってくれば、ギリギリ足ります!」

 

と言った

 

「え? 巴ちゃんも料理するの?」

 

「はい!」

 

明久からの問い掛けに、巴は元気よく答えた

 

「私としては、先輩を尊敬します! 男の人で、料理をするなんて!」

 

と巴はキラキラした眼差しで、明久を見上げた

 

「ありがとうね。まあ、僕は必要に迫られたからなんだけどね」

 

「それでもです!」

 

明久の言葉を聞いて、巴は頷きながらそう言った

 

「ありがとう……それじゃあ、食材をお願いしてもいいかな?」

 

「はい! お任せください!」

 

明久のお願いを聞いて、巴は自室へと駆け出した

 

十数分後、巴はビニール袋に食材を入れて戻ってきた

 

そして、小一時間後

 

「はい、お待たせー!」

 

と明久は言いながら、大皿に盛ったチンジャオロースを机に置いた

 

「あら、美味しそうね」

 

「へぇ……これが明久くんの手料理か……」

 

「うん……いい匂い!」

 

明久の料理を見て、それぞれ感想を口にした

 

その間に、明久と巴が食器を準備した

 

そして、明久は座ると

 

「えっと、皆の口に合うか分からないけど……どうぞ」

 

と言った

 

それを聞いて、全員は手を合わせて

 

「「「「「いただきます!」」」」」

 

と言った後、チンジャオロースを口に運んだ

 

「うん、何時も通り」

 

一口食べた明久はそう言うと、静かなことに気づいて他のメンバーに視線を向けた

 

すると、他のメンバーは落ち込んでいた

 

「どうしたの?」

 

明久が問い掛けると、久住が

 

「アキくん……腕、上げたね……」

 

と呟くように言った

 

「ありがとう、くす姉」

 

明久が謝辞を述べると、雅が

 

「明久……あなた、どこかのレストランで働いてた?」

 

と問い掛けた

 

「ううん……バイトは新聞配達くらい」

 

雅の質問に明久が答えると、悠が

 

「明久くん……これはもはや、プロとしても通用するよ……」

 

と呟いた

 

「いやいや、そんなこと……」

 

「これは正直言って、実家掛かり付けのシェフに匹敵しますよ!」

 

悠の言葉に明久が反論しようとしたら、静歌が被せ気味にそう言った

 

「正直、見誤ってました……先輩の料理の腕がここまでだなんて……」

 

巴がそう言うと、全員が同意するように頷いた

 

「正直……女としてのプライドがズタズタになるね……」

 

悠がそう言うと、他のメンバーも同意するように頷いた

 

「そこまで……?」

 

悠の言葉を聞いて、明久が首を傾げていると悠が明久に視線を向けて

 

「明久くん、僕達に料理を教えてくれないかい?」

 

と言った

 

「え? 僕がですか?」

 

予想外の悠の言葉に、明久はキョトンとした

 

「私達も料理は出来ますが、嗜み程度なんです」

 

「明久くんに比べたら、それこそね……」

 

静歌と悠が立て続けに言うと、明久は少し考えてから

 

「わかりました。僕でいいなら、教えます」

 

と言った

 

「それじゃあ、最初は何時にする?」

 

久住がそう言うと、明久は少し考えてから

 

「それじゃあ、土曜日の夜でどうでしょうか?」

 

と言った

 

エトワール女学院では、土曜日は半日で授業が終わるのだ

 

「土曜日か……うん、大丈夫!」

 

「OK、土曜日ね。ちょうど、仕事も休みね」

 

「うん、僕も大丈夫だよ」

 

「私も、バイトは入ってません!」

 

と口々に同意を示した

 

そのことに明久は頷いて

 

「それじゃあ、土曜日の帰りに食材を買いに行こうか」

 

と言った

 

「「「「「賛成!」」」」」

 

全員が賛成するのを確認すると、明久は満足そうに頷いて

 

「それじゃあ、皆食べてください」

 

と明久は促した

 

「うん、それもそうね」

 

「そうだね。作ってくれた明久くんにも申し訳ないしね」

 

「改めて、いただきます!」

 

明久が促すと、全員は口々にそう言ってから再びチンジャオロースを食べ始めた

 

こうして、明久による料理教室の開催が決定した

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