男として生まれた立花響が修羅場に遭う話   作:勝機を零した、掴み取れん

7 / 7
作者的にはストーリー性とか、設定的なのを話の中で出していきたいとは思っているんですが(天羽々斬ビッキーの詳細とか)読者が見たいのは多分ビッキーがヤンデレや性的に襲われてるところだと思うんですけど(迷推理)
なのでそこら辺は多く語らずにテンポ感を重視してやろうかなとは思ってます。
なので裏付け的なの少ないとは思いますが許してください。

あとあらすじ変えてみました。こっちの方がわかりやすいかなって


彼は友達と出会う

 未来を学校まで見送った響は、街中を歩いていた。

 

 いつもならそのまま本部に戻ってトレーニングをしていたのだが、少し寄り道をするのも悪くないだろうと思っていた。

 

 そんな時、前の方から一人の少女が歩いて来てるのが見えた。

 

 身長は小さめで、豊満な胸が強調されたワインカラーのドレスのようなものを着ている銀髪の少女。

 

 そんな少女を響は知っていた。

 

「……クリス?」

 

「……っ! お前!?」

 

 そして少女も、彼を知っていた。

 

「おはよう。こんな所で何してるの?」

 

「お前には関係ないだろ……そういうお前こそなんでこんな所にいるんだよ?」

 

「ついさっきまで友達を学校に送ってたんだ。その帰りなんだけど、どうせ暇だったから街の中をブラブラしてるんだ。良かったらクリスもどう?」

 

 響がそう言うと、クリスと呼ばれた少女は少し悩んだ表情をしていた。

 

「あたしは……別に……」

 

「……わかった。またね」

 

「あっ! ちょっと待てよ!」

 

 そう言って響はその場から離れようしたが、そんな返事が返ってくるとは思っていなかったクリスは、慌てて彼の腕を掴んだ。

 

「お前がどうしてもって言うなら付き合ってやるよ! 別に勘違いするなよ! 寂しいとか、そういうのじゃあねえから……」

 

 しょうがないと言った表情を見せるクリスだったが、言葉の後半になるにつれて声が小さくなっていく。ある種の照れ隠しなのだろう。

 

「……ありがとう、クリス」

 

 そう言って響は微笑んだ。

 

「……っ! そういうの……やめろって……!」

 

 その笑顔に、クリスは少し顔を紅くした。

 

 

 

 響とクリスは一緒に街中を歩いていた。平日なので学生は歩いておらず、殆どが主婦や子連れの人達で街中は賑わっている。

 

「……こうして一緒に歩くのは何回目かな?」

 

「もうそんな事はわからないくらいには一緒にいるよ……。あたしは敵なのに……敵と一緒に遊ぶなんて……お前は本当にバカだな?」

 

「クリスとこうして話したりできるなら、俺はバカで良いよ。……少なくても、俺はクリスを敵だとは思ってないし」

 

「……そういう所がバカって言ってんだよ……」

 

「そういうクリスだって、わざわざ敵のはずの俺と一緒に歩いたりご飯食べたりするのも大概だとは思うよ〜」

 

「うっ……それは……」

 

 響に痛い所を突かれ、不貞腐れてしまったクリスは彼の横顔を眺めていた。

 そして、その凛々しい顔はクリスだけでなく、街中を歩く女性達も釘付けになっていた。

 

(周りから見たらあたし達は……カップルみたいに思われてるのかな……?)

 

 そんなことを考えていたクリスは、歩く度に揺れている彼の右手に視線が移っていた。

 そして、彼女は自身の左手を……彼の右手を繋ぐために近づけさせようとした。

 

「……クリスさぁ」

 

「わっ! 急に話しかけんなよ!」

 

「……? ごめん」

 

 クリスは慌てて手を引っ込めた。それに対して響は疑問の表情を浮かべた。

 

「……で、なんだよ?」

 

「あのさ……何か食べてかない? 俺、お腹空いちゃってさ……」

 

「はあっ!? お前、まだ朝だぞ!?」

 

 そう言って照れ笑いをする響に、クリスは驚きの表情を浮かべながら大気な声を出してしまった。

 

 街中に置いてあった時計の針はまだ十時を回っておらず、 お昼とは言い難い時間なのだが、響は既にお腹を空かせていた。

 

「いや……そうなんだけどさ……ダメ、かな?」

 

「……っ! しょうがねぇな……」

 

 困った表情を浮かべる響。それを見たクリスは母性本能をくすぐられてしまい、彼の意見を了承してしまった。

 

「ありがとう、クリス。やっぱりクリスは優しいね」

 

 そう言って響は満面の笑みをクリスに見せた。

 

……バカ

 

 それ見たクリスは顔を紅く染めて、小さくそう呟くのだった。

 

 

 

 

 

 しばらく歩いたあと、二人は『ふらわー』というお好み焼き屋の前へと着いた。

 響がこの街で過ごすようになってからずっと通っているお気に入りの店である。

 

「……お前と飯食う時、毎回ここの気がするんだけど」

 

 クリスはジト目で響を見つめる。

 

「……やっぱり毎回同じ所はダメかな? 俺は好きなんだけどさ」

 

「別にダメって言う訳じゃあ……。お前と一緒ならそれでいいし……」

 

「じゃあ、決まり! 早く入ろっ!」

 

 そう言って響はふらわーの扉を開けて、クリスと共に中へ入った。

 

「おばさん、こんにちは〜」

 

「いらっしゃい。おや、響くん。いつも来てくれてありがとうねぇ。それに今日はクリスちゃんも来たのかい」

 

 ふらわーの店主の女性は二人を笑顔で迎えてくれた。常連である響の事はもちろんの事、彼と共に何回か来ているクリスの事も覚えていてくれているようだ。

 

「ど、どうも」

 

「クリスとは街中で会ったんですけど、俺のお腹が空いてしまったんで一緒に来てもらいました」

 

「まだこんな時間だって言うのに……育ち盛りだねぇ。なら今日も沢山食べていってくれるかい?」

 

「もちろん! クリスも好きなの頼みなよ! 奢るからさっ!」

 

「あ、ありがと……」

 

 二人はカウンターの席に並んで座り、店主がお好み焼きを作ってくれているのを眺めていた。

 

 

 

 

「うん! やっぱりふらわーのお好み焼きは美味いな〜! おかわりっ!」

 

「もうなくなったのかよ……」

 

 響はとても良い笑顔で店主の作ってくれたお好み焼き一枚を一瞬で平らげる。

 それを見てクリスは半分呆れた表情をしていた。

 

「響くんの食べっぷりは見ていて気持ちのいいものだね〜」

 

 店主はその彼の笑顔を見て喜び、再び彼の分を作り始めていた。

 

「……うん、美味い」

 

 クリスもお好み焼きを食べると自然と笑みが浮かんでいた。そんな彼女を響は見つめていた。

 

「な、なんだよ……」

 

「……いや、笑っているクリス可愛いなって」

 

「はぁ!? お前急に何言ってんだよ!」

 

「……? 思った事を言っただけだけど……」

 

 不意に褒められた事で顔を紅くしてあたふたするクリス。

 しかし響は彼女がなぜそんな事になっているのかを理解していなかった。

 

「あっ、クリス。ソースついてるよ」

 

 クリスの口の周りにソースがついているのに気づいた響は卓上にあるティッシュを取りだして、ソースのついている所を拭いた。

 

「や、やめろ。そんなん自分で出来るからするな!」

 

 周りから見たらカップルのような事をしている二人に、店主は聞いた。

 

「そう言えば、前から気になっていたんだけど、二人は付き合ってるのかい?」

 

 店主は二人の関係性について聞いていた。

 以前から店に来ていた時に、二人が事情によって学校に通っては居ないというのは聞いていた。

 しかし、こんなに仲が良いのであればそういった関係ではないのかと、店主はそう思った。

 

「だ、誰がこんなバカと付き合うかよ!」

 

「わざわざそんな大きな声で否定しなくても……」

 

 響は、彼女に大声でバカと言われた事に少し凹んでいた。

 

「そうかい? おばちゃんから見るとお似合いだと思うんだけどねぇ」

 

「……っ!」

 

 それからしばらくはクリスの必死に否定する声が店内に響いていた。

 

 

 

 

 

「ふぅ〜食べた食べた」

 

「……食いすぎだろ」

 

 ふらわーでの食事を終えた二人は公園のベンチに座っていた。

 

「いやぁ、ふらわーのお好み焼きが美味しすぎてつい」

 

 クリスの指摘に響は苦笑いを浮かべてしまっていた。

 

「……あたしはこんなやつにあの時負けたのかよ」

 

 幸せそうな笑みを浮かべる響を見て、クリスは過去に彼と戦った事を思い出していた。

 

「飯食って映画見て寝る。男の鍛錬はそれで十分って、俺の師匠は言ってたけどね」

 

「……なんだよそれ。そんなデタラメなやつに負けたとかもっと悔しくなってきた」

 

「ねぇ、クリス」

 

「……なんだよ」

 

「俺達ってさ……いつか一緒にいられるのかな……?」

 

 響は真剣な眼差しでクリスを見つめていた。

 そして先程までのお気楽な彼とは全く違うものを見た彼女は驚きの表情を浮かべる。

 

「……わかんねぇよ」

 

「……そうだよね」

 

 響は少し悲しげな表情を浮かべる。

 

「……けど、これだけはわかる」

 

「……?」

 

「お前がバカで、敵のはずのあたしと一緒に飯食ったり、友達になろうとするとびっきりのお人好しで……そんなお前のせいで、あたしは変わってきてるってことは……」

 

「……っ! クリス」

 

 クリスが変わってきていること。それを彼女の口から聞けた事が彼は嬉しかった。

 

「けど、勘違いすんなよ! あたしは別にお前のいる組織に入る気は更々ないからな!」

 

「ありがとう、クリス。これからもクリスは俺の友達だ」

 

「……友達」

 

 その言葉を聞いた時、クリスはどう思ったのだろうか。

 嬉しさなのか……それとも、彼からすれば友達としか思われていない事なのか。

 

「さて、時間もいい感じだし、そろそろ解散しますか」

 

「……そうだな」

 

 響は公園のベンチから立ち上がる。そして彼女へと振り返る。

 

「……なんだよ?」

 

「今日は楽しかったよ。またね……」

 

「……っ!」

 

 そう言って響は彼女へと手を振り、向こうへと歩いていった。

 クリスは笑顔で分かれの挨拶をしてくれた彼の顔が目に焼き付いていた。

 

「あたしも……楽しかったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────

 

「……ねぇ、響。どうして響の服から私の知らない女の子の匂いがするの?」

 

 それから数時間後。

 

 リディアンまで迎えに来てくれた響の元へと寄り添った未来は、彼の服についたクリスの匂いを感知し、ハイライトの消えた瞳で彼を見つめ、問い詰めていた。

 

「こ、これは……その、女の子の友達と遊んでいたので……」

 

 あまりの殺気に響は恐怖してしまい、改まった口調になってしまう。

 

「……へぇ、女の子の友達……? その子の名前、教えて? 私が直接会ってお話してくるから」

 

「いや、それはちょっと……」

 

「……どうして? もしかして響はその子の事が好きなの? ダメ……私が一番じゃないと嫌だよ……! 私を見捨てないでよ! 響……響!!」

 

 未来はうっすらと涙を浮かべ、二度と離さないと言わんばかりに彼の肩を掴んでいた両手にとてつもない力を入れる。

 

「痛い痛い痛い! 未来やめて! なんか凄い音してるからっ! 死んじゃう! 誰か助けてーっ!!」

 

 恐らく人間が出してはいけない音が肩から鳴り、そして彼の悲痛な叫びがリディアン中へと響き渡っていた。

 

 




クリスは出ないと言ったな? あれは嘘だ。
ぽっと出感が強いかもしれませんが作者が出したかったので許してクレメンス。
これで現在ヒロインが3(4)人になりました。やったねビッキー! これで修羅場の質と量が良くなるよ!
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