今後どうするかは活動報告に記載しているので、もしよろしければご覧くださいませ。
【ハロウィンにて】
「きゃーーカワイイーーー!!!」
「手作りとは言え中々クオリティ高いんじゃないですか?」
「がおー!血を吸っちゃうぞー!」
「この年(肉体年齢5歳)でこの仮装は恥ずかしい……」
明日は俺達の通う幼稚園のハロウィンパーティーということで、その衣装合わせとして俺とルビーは吸血鬼の仮装をした。ルビーはノリノリだが、俺は正直恥ずかしい。
俺達の衣装は父さんとミヤコさんが頑張って作ってくれたらしい。アイは応援しているだけだったが、アイの応援にはむしろお金を払う価値があるので何の問題もない。
「そういえば、ミヤコさんの仮装は何になるんだろー?」
「父さん達は来れないしな……」
夜のパーティーということで親子同伴は必須、相変わらず身バレ=死の俺達家族にはこういったイベントごとにはほぼ毎回ミヤコさんが付き添いで来てくれることになっていた。
「ふっふっふっふっふっ……要は身バレしなきゃいいんでしょ?ということで、私達も着ぐるみとかで対策した上で今回は参加するよ!!」
「え、えーー!?本当!!?」
「勿論!早速着替えてくるねー!」
「でも、こういうのって顔を知らないと不審者と間違われるんじゃ……」
「大丈夫。秀知院のハロウィンパーティーは中世の仮面舞踏会の意を汲んでいて、上流階級の人達とも無礼講で楽しめる場となっているんだ。だからむしろ顔を隠しての参加は伝統的と言えるね」
「そうなんだ……」
父さんは現在秀知院高等部に通っていることもあって、そういった事情には詳しい。ただ学内の非常時の隠し通路を教えてもらったところでどうしろと。
そうしてアイが着替えて来たのは、なにやらリスのような生き物だが顔はとてもふてぶてしく、口周りのそばかすと開いた口がどことなく知性を感じさせない。というかこれって……
「ヨク◯リス!?なんで!?」
「だって、アイはヨクバリだから♪」
「この前の番組でイジられたことネタにしてるのか!?強かだな!!」
「キャーー!!!ママぶさかわいいーー!!!」
「でしょ〜?やっぱりルビーは分かってくれるか〜」
「かわいいか?これ」
女子の考えは理解できん、と頭を抱えていると、着替え終わったのか父さんもお披露目してきた。
赤と白のコントラストが映え、その関節部分には無骨なシルバーの球体関節がある。両腕には鋭い刃が三本存在し、背中の青い翼は堂々とはためいている。もしやこれは……!
「ゲッ◯ー!?しかも真ゲッ◯ー1!?父さんマジでナイスチョイスだ!!」
「実は、父さん前々からロボになってみたくて……」
「か、かっけー!!こ、このメタリックな質感、すごいぞ……!」
「そこはこだわりポイントなんだ。兄さんを言いくるめれば簡単だよ。経費で落としてくれた」
「さすが社長話が分かる!後で俺も着たい!!」
「勿論いいよ。でも一応アクアの仮装を脱いでからね」
「ねえママ、なんで男ってああいうのが好きなの?」
「さあね?やっぱり男子の考えは分からないねー」
ちなみにこの後アイは女子に、父さんは男子にめちゃくちゃ群がられてパーティーどころじゃなかったのはまた別のお話だ。
そして、ミヤコさんに父さんの出費がバレて怒られていたのもまた別の話である。
【カラオケにて】
「ーーーーー♪」
「キャー!!ママ素敵ーー!!!」
「さすがアイさん」
「推しの生声尊い」
盛大にはしゃぐ私、後方彼氏面(マジ)のパパ、尊死したお兄ちゃん、そして今完璧に歌い上げたママはカラオケに来ている。
完全個室で店員にさえ気をつければ身バレが防げる、私達御用達の娯楽スポットだ。
やっぱり今をときめく人気アイドルなだけあって、歌も超すごい!93点を出したママは嬉しそうに頷く。
「うん、今日の私も完璧!次は誰〜?」
「アタシ〜!」
ここでとうとう私の出番!未来のアイドルの歌に酔いしれるがいい!!
「な、71点……」
「まあ、あの音程の外れ具合からしたら妥当だろ」
「下手だったね!」
「げ、元気で良かったよルビー!」
お兄ちゃんとママはせめてもう少しオブラートに包んで言って!そして、パパの不器用な優しさが心に染みる……。
だって、前世では病院過ごしだったし、演技の練習は出来ても歌の練習だって出来なかったし……私は伸びしろがあるタイプのアイドルなの!
「ほら、次お兄ちゃんの番!」
「ん、そうか」
「ーーーー♪」
「う、うまっ……」
「すご〜!今度一緒にデュエットやってみよっか!」
「でも、よくそんな昔の曲知ってたね……?」
お兄ちゃんのくせに、私よりも高い点数出して……!選曲はママでも知らないくらい古いやつだったってことは、前世の十八番歌って、全く大人気ない……!
「パパ〜!私の仇をとって〜!」
「え?」
「父さんさっきから歌ってないし、聞いてみたい」
「え、えー……僕あまり上手くないんだけど……」
「いいよいいよ!じゃーママのこれ!」
「あっ耳栓忘れた……」
そうして渋々ながらパパはマイクを受け取り、そして──
意識が、飛んだ。
私達はその日、ナマコの内臓が耳に入る経験をした。
その後、あまりに下手すぎて歌系の収録は全てNGを出していたと知った。
パパの珍しい弱点を見つけたものの『パパにはもうマイクは持たせない』ことが家族会議で満場一致で可決された。
【悪夢】
「社長かな?はーい」
アイが、チャイムの音が鳴ってそのまま玄関へ行った。
それにとても胸騒ぎがして、でも俺の腕は重くアイを引き止められない。
そして、扉を開けると、目の前には、
血まみれのアイと
赤く染まった花束と
凶器を振り回す犯人がいて
アイツの喚く声も
アイの言った言葉も
ルビーの悲痛な叫びも
何も聞こえなくなって
そのまま、目の前が──────
「っ!!!!!」
隣には、ルビーが寝ている。
寝汗も、心臓の鼓動もひどい。あのリアルすぎる夢は一体…………。
すぐ寝れる気にもなれず、水を飲んでどうしようと思ったら、父さん達が寝ている寝室が開いていた。ふと覗くと、二人が寄り添うように寝ている。
起こすのも悪いと思いその場を後にしようとすると、足元が暗く見えなかったのでついガタッと音を立ててしまう。
「んぅ〜〜〜〜?アクア…………?どしたのこんな時間に」
「いや、別に……起こして、ごめん」
ついアイを起こしてしまったようで、咄嗟に謝ってしまう。というか、よく寝起きでこの暗さで俺って分かるな……ルビーと間違えていた頃とは本当に見違えるくらいだ。
「…………よいしょっ」
「わ、わわっ」
そうして、突然俺の手を取ったアイは、そのままベッドに連れ込んできた。ま、待て待てそんなことファンとして他の人に申し訳ないし何よりアイには父さんという人がーー!
「怖い夢見ちゃったんだね〜。こうやって一緒に寝るとね、不安とか、怖さとか、そういうのがなくなるの。だって、誰かと一緒にその夢に立ち向かってくれるから」
「ふわぁ……アイさん……?」
「別に起きなくていいよダイくん。おやすみー」
「おやすみなさぃ…………」
「アクアも、おやすみ」
そうして、アイと父さんの温もりで、俺はだんだん微睡みを感じ、そのまま寝てしまった。悪夢は、見なかった。
「あー!いないと思ったら、羨ましい!!私も混ざろうっと」
「アイさーん?ダイヤくーん?どこで…………そう。ふふ、写真でも撮ろうかしら」
後々、ミヤコさんから受け取った四人の寝ている写真は俺の待ち受けになっているが、それはまた別の話だ。
①ハロウィン
ネットミームが面白かったから書きたかったやつです。初期案は金剛くんの女装でした()
②カラオケ
歌も上手くなったら最強生物になってしまうのでナーフしました。
③悪夢
時系列的には初のドーム公演の数日後の話です。
次の番外編の話はなにがいいですか?
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