世界に守られたエルフ、オラリオにて   作:アパオシャ

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オリジナルのワールドアイテムが登場します。


第二話

《転移遅延》!?なぜ?

 

彼が使った《上位瞬間移動》は文字通り、即座に指定した場所に到達するのだが、0.5秒は経過している。

 

(仕方ない、まずは《飛行》を...っ!?使えない?)

 

転移のラグが終了し、景色が切り替わる刹那、コンソールが使えないことに気づく。

 

ユグドラシルにおいて魔法やスキルはコンソールに設定しておき、特定の操作で発動するのだが、そのコンソールが使えなくなっている。

 

 

 

転移した場所の確認

 

それが次善だと友人から教わった。彼はギルメンからの受け売りだと話していたが、それは彼の中に強く根付いていた。

 

エルフことプレイヤーネーム:ヴァイト・フォンが辺りを見渡すまでもなく目にしたものは木の枝。どうやら森の中にいるみたいだ。

 

幸い、転移前に発動していた探知魔法はまだ生きていたため、辺りに敵が居ないのは理解できたが、索敵特化のビルドではないため効果範囲・時間共に最低限。急ぐ必要がある。

 

そんなときに思い出すのはやはり友の言葉。昔の作品に散見されたパターン、異世界転移した場合の対処方法を教え込まれた。

 

彼、ペロロンチーノが熱弁していたハーレムは性に合わないが無双系には目がないヴァイトはとりあえず、魔法を唱える。

 

「飛行」

 

結果は失敗。魔法の魔さえ発動しなかったが、彼のなかでは違った。本能に刻まれたものと言うべきそれが、言語化し難い発動方法を教えてくれた。

 

「《飛行》...よし」

 

今度は成功した。魔法発動時特有の光が彼を包み、宙を舞う力を授ける。

 

上空に浮かび上がったヴァイトが見たのは天を衝く塔とその周りにある城塞都市。パッと見た限りでは治安はよく、活気があった。

 

治安がよいのは願ったりである。戸籍の類いがないヴァイトにとって紛れ込むのに苦労するが、生活するには丁度よいのだ。

 

「《完全不可知化》おっと、ワールドアイテムも問題なく使えると」

 

ワールドアイテム:グリモワール

 

マジックキャスター向けのアイテムであり、所有者の習得クラスで習得可能な魔法を、習得していなくても発動できる他、職業の関係で習得できない魔法も使用できるようになる。

しかし、前者は魔法強化のスキルを使えないという点が、後者はそれに加え消費MPが倍必要という欠点がある。

また、超位魔法はクールタイムと発動までの時間が倍になり、課金アイテムによる短縮不可と発動準備中の防御力低下効果の増大のペナルティがある。

 

それを使い、魔法を発動したヴァイトは入場のために列に並んでいる人々を尻目に堂々と(見えないが)街に降り立った。




ヴァイト・フォン
本名は御宮殿 遼。プレイヤーネームは遥かという読みを持つ自身の名前をドイツ語に翻訳したなかで、ピンと来たものを選んだ過去がある。
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