一番星と宝石   作:アルモタヘル

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人生初のコスプレのために色々準備やってたら大変で時間がなかったんですね




質問〜星野愛久愛海〜

「アイちゃんが有名になるの当初の予定より時間がかかりそうだねぇ」

 

アイが仕事でいない時にダイヤさんがふと言ったその言葉は、俺たち双子に衝撃を与えた。

 

 

 

 

 

♦️ ♦️ ♦️

 

 

 

 

 

まるでアイの実力が足りないとでも言いたげな発言をしたダイヤさんを、俺たちは信じられない物を見る目で見た。

 

アイの実力を知らないはずのないダイヤさんがそんな事を言ったからだ。

ルビー至っては『誰だこの人?パパの偽物か?』とでも言いたげな怪訝な顔で睨んでる。

 

『I LOVE アイ』とデカデカと印刷されたシャツを着て、胡蝶蘭とナンテンを花瓶に飾っていたダイヤさんを正座させて言葉の意味を聞くことにした。

 

ダイヤさんは部屋着としていつもこのシャツを着ている。

曰く、『I LOVE アイ…つまりI() LOVE() アイ()!愛が3つもある上にそのうち一つはアイちゃんとかセンス良すぎるよねぇ』とのことだ。

8割は理解できるが、せめてそれ以外の服も着るようにして欲しいとは思ってしまう。

 

しかも俺たちが話せるのを知った時も『アイちゃんの子どもだからねぇ』でアイと一緒に受け入れてたし、もうちょっとこう…全面的に受け入れるのはやめた方がいいと思うぞ。

 

 

 

閑話休題

 

 

 

「で、さっき言ってたアイが有名になるのに時間がかかるってどういうことですかダイヤさん?」

「…アクアくん、アイちゃんを呼び捨てするのやめてお母さんって呼ぼうねぇ?あと、さん付けと敬語はやめて欲しいなぁって」

 

俺たちはリビングのソファーに座りながら、床に正座しているダイヤさんを見下ろしていた。

家族大好きなダイヤさんからしたら、俺たちに詰め寄られるのは辛いのか涙目になって小さく座っている。

 

「パパ…じゃなかったダイヤさん、さっきの発言について弁解があるなら早く言って」

「…わざわざ言い直すのはやめてねぇルビーちゃん…パパ本当に泣いちゃいそうだからねぇ…シクシク…」

 

訂正、泣いていた。

シクシクって声に出すのか、あざといな。

 

 

 

「アイちゃんが帰ってくるまで時間がないし、ささっと説明しちゃおっかぁ。わかりやすい原因としては会社が小さくてコネとかあまりないからだねぇ」

「ルビー、移籍先を探すぞ」

「961プロとかが良いと思うよ、お兄ちゃん」

「ストップ、マイエンジェル達」

 

なら移籍すれば良いのかと言えばそういう問題でもない。

斉藤社長とエミコさんは立場としてはアイの里親だ。

恩もあるから難しいだろうし、実際問題としてら移籍したからといって売れるとは限らない。

むしろ合わない仕事をさせられるよりかは、アイのことを理解してる斉藤社長に任せた方が確実だろうな。

 

 

「ちなみに僕のお仕事多いのは、監督とかプロデューサーに好かれて、コネで仕事ねじ込んで貰うタイプだからだよぉ」

 

「お昼寝の時間なので失礼致します」

「パパのこと本当に見損なったよ」

「あぁ!待って待ってよぉ!話は最後まで聞いてよぉ!初めはコネ使ってるけど後からは実力だからねぇ!?」

 

話を切り上げて自分の部屋に戻ろうとする俺たちの前に、凄い勢いで立ち塞がってきた。

ドラマ以外でこんなに機敏に動いてるの初めて見た。

仕方なく席に戻って話の続きを聞くことにした。

 

 

「当たり前なんだけどコネってあくまでキッカケでしかないんだよねぇ。気に入ってるからって下手な人を使い続けてると監督とかの経歴に傷がつくからねぇ」

「だから初めだけ、それ以降は実力でもぎ取るんだよぉ。それに僕って目立ったり(愛されたり)目立たせたり(愛させたり)するの得意だからねぇ。それで主役も端役やれるってことでお仕事もらってるってこと」

 

ダイヤさんはちょっとドヤ顔しながら少しだけ自慢げに話す。

これあれだな、『さっき好感度下がりそうだったけど、お仕事できるパパの一面を見せて「パパすごーい!」「父さんすごい!」って尊敬してくれるかなぁ』って考えてるな。

ドヤ顔をやめてため息を吐き、アイの問題点について話し始める。

 

「僕はともかく、アイちゃんは可愛すぎて端役は難しいんだよねぇ。そのせいで主役に選ばれるほどのキャリアもないから、結局時間をかけてキャリアを積むか、偉い人や同業者に指名や推薦されないといけないんだよねぇ」

 

まぁ確かにアイがモブAとしてドラマに出演していたら、あまりにも輝きすぎて主役の存在も消えてしまうだろうし納得した。

でもそれならば…

 

「それならパパがママを推薦すればいいんじゃないの?」

 

俺の聞きたかったことをルビーが代わりに聞いてくれた。

実際それならダイヤさんが推薦すれば、共演も増えるし手早く仕事が増えるだろう。

 

「ルビーちゃんは頭良いねぇ。でも男アイドルが女アイドルをガッツリと推薦するのって同じ事務所だとか理由がないと『私たちできてまぁす!』って言ってるようなものだからまずいんだよねぇ。それに付き合ってるだけなら兎も角、アクアとルビーのこともあるから不安要素は増やしたくないし、ちょぉと出来ないかなぁ」

 

そんな小学生の『お前アイツのことが好きなのかよー』みたいなことがある訳無いと思ったが、そこから綻びが生じて俺たち家族の存在がバレる可能性が高くなるのは確かにマズイ。

そこまで話していつの間にか用意してたお茶で喉を潤す。

 

「それらの理由から想定してたよりもちょぉと時間かかりそうだなぁってこと」

 

本当に他意はなかったようだ。

少しの安堵と疑ってしまった事への後悔が胸を締め付ける。

 

 

「それに僕の想定だと、多分2年後くらいにアイちゃんもどきがそこそこ出てくると思うよぉ。まぁ問題はないけど」

 

どうとも無いようにさらっとそう言う。

 

「売れるアイドルの真似をするのは合理的だからねぇ。アイちゃんって『完璧なアイドル アイ』を完璧に演じてるでしょ?完璧過ぎるが故にコピーしやすいっいうか、演じれる人は演じれちゃうんだよねぇ、まぁそれでもアイちゃん自身が完璧過ぎてコピーしきれない、100点のアイドルにはなれてもアイちゃんっていう1000点のアイドルにはなれないんだけどもねぇ。アイちゃんを超えるアイドルは現れないよ、絶対にね」

 

すごく楽しそうに、すごく嬉しそうに、すごく愛しそうにそう言い放つ。

 

「ちなみに僕の真似はオススメしないよぉ?僕の場合って完璧なアイドルを演じてるんじゃなくて、100点の星空ダイヤを演出しているって感じだからねぇ。真似したところでチグハグになるし、それよりかは自分の魅せ方を研究した方が絶対いいよぉ。それにメイド服着て7階建てのビルの外壁登らされたり、ラーメン5kgを30分で食べたりとか要求されるものが多いからねぇ」

 

どうでも良さげに、別に興味無さげに、全く関心が無さそうに言い放つ。

 

「まぁ僕を超えるのは簡単だよぉ、人の輝かせ方を知れば良いだけなんだし。とりあえず、僕のやり方でアイちゃんを目指せば500点くらいにすぐなれるさ」

 

「なんとなくだけどアクアくんとルビーちゃんには演技の才能あるし、なんなら僕なんかよりもすごいアイドルや俳優になれるよぉ」

 

 

 

 

 

「そんなことないだろ」

「お兄ちゃん?」

「アクアくん?」

 

「確かに父さんはアイドルとしてはアイには劣る。でも誰よりも自分と周り、そしてアイを理解して輝かせてるじゃないか。自分にしかできないことを必死にやってるし、アイのためにも必死に働いている。アイの魅力に気が付かないやつらと違って、父さんはアイの魅力を誰よりも知っていて、誰よりも輝かせている。そんな父さんが凄いないわけないだろ。アイを輝かせようとしてる父さんは誰よりも凄いし、誰よりも輝いているよ。だから自分なんかって言うなよ」

 

 

思わず言ってしまった。

ダイヤさんは俺たち家族を愛している。

愛し過ぎてるせいで自分を通過点としか思っていないんだ。

 

 

もっと自分を評価すれば良いのに全く評価しない。

アイを絶対的な存在として、自分を凡庸な存在として考えすぎている。

ダイヤさんのその価値観さえ変われば、ダイヤさんはもっと先に進めるのにそうしない。

ダイヤさんが進んでアイの横に立つことで、アイはより輝ける。

アイを本当に輝かせるのはダイヤさんだけだから、だから自分のことを『なんか』なんて言って欲しくなかった。

 

 

 

 

 

「…アクアくん…え?僕、実の息子に口説かれてるのかなぁ?」

 

 

「え?」

 

なんでそうなった?

シリアスな空気を壊しながらダイヤさんは言葉を続けていく。

 

「気持ちは嬉しいけど僕にはアイちゃんがいるからねぇ…それにほら他にも問題があるからぁ…年齢とかぁ」

 

「問題はそこじゃないだろ!確かにそれも問題だけど血縁関係とか他にもあるだろ!あとその歳で子ども作ったあんたが言うな!」

 

「ツッコミ長いのはウケ良くないからやめたほうがいいよぉ」

 

さっきまでのシリアスな空気を壊しながら、冷静にアドバイスを言ってくるの本当にこの人の人間性を表してる。

 

「お兄ちゃんって普段ドルオタ陰キャなのに、たまに年上ムーブするからね。それ学校に行く年齢になってもやってたら、勘違いする子出てくるから今のうちに辞めときなよ」

 

「僕は怖いよぉ。息子が年上ムーブして、イケメン教師に憧れる女学生みたいな感じで色んな子堕としそうで怖いよぉ。16歳くらいで年上ヤンデレストーカーや、同い年ツンチョロアイドルとかを侍らせそうで怖いよぉ。…アクアくんって若干シスコンの気があるけども、ルビーちゃんも狙ったりしてないよねぇ?」

 

「はぁ?シスコンとかお兄ちゃんキッモ、今日から別の部屋に寝てもらえる?」

 

「まぁ、兄妹でも愛があるなら僕は何にも言わないけどねぇ」

 

「「そこは言えよ!親として!」」

 

ツッコミどころが多過ぎるのは本当にやめて欲しい。

 

「…ありがとね…」

 

 

 

 

 

♦️ ♦️ ♦️

 

 

 

 

 

「さて、そろそろアイちゃん帰ってくるしお出迎えしようかぁ」

 

そう言いながら俺たちを抱き抱えて玄関に迎う。

今日の話を思い返すが、そうか…俺には演技の才能があるのか。

 

「ただいまー!ダイヤ!アクアにルビー!」

 

「おかえりアイちゃん❤️」

「おかえり母さん」

「おかえりなさいママ!」

 

第二の人生、医者以外をやってみるのも悪く無いかもな。




ダイヤくんの家庭内での地位はめっちゃ低いです。

カミキくんを光堕ちさせて、アイちゃんダイヤくんカミキくんの仲良しトリオにしてもいいですかね?え?この前カミキくん殺害予告してたって?ベジータみたいな感じですよ「僕が殺すんですから僕以外に殺されるのは許しません」みたいな。一応どっちも書けるように用意はしてるので

  • 光堕ちさせて仲良くギャグらせろ
  • 闇落ちのままでシリアスしとけ
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