遠山キンジの独白 作:緋色
「それじゃあ
武偵校にはこういう風に作戦会議するための部屋があっちこっちにある。
今回はチームの調整兼単位稼ぎとしてレキと白雪と共に仕事をする事にした。
レキが部屋に住み着いた上にチーム編成をレキに出されていたことが白雪に伝わり、その流れとしか言えないのだがなし崩しに3人のチームとなってしまった。
どっちにしろチーム自体は組まないといけないし不知火はもう別でチームを組むことにしたらしいのでこれでいいかと諦めている。
クロメーテルバレはどっかのタイミングでやらんといけなさそうだが、白雪にバレたら死ぬほど面倒そうだ。悩みは尽きない。
「取引現場はほとんど使われてない雑居ビルだ。現場には俺が乗り込んで逮捕する。白雪は裏口を押さえて貰って、レキは狙撃で臨機応変に対応って感じだ。質問は?」
「キンちゃん。取引相手は誰かはわかってるの?」
「葛とかいうチンピラ。単位0.5程度なら雑魚しかいないから上の評価だと低く見積もってるって事だろうな。……そもそも事前にここまでわかってるからチーム編成用に挙げた調整任務っぽいし」
白雪の質問にそう返しながらそういえばこんな感じのあからさまな任務が多かったなと思い返す。
運よく任務受けれたし文句はないが。
……レキの方は特に質問はなさそうだな。
「決行は明日の11時。ビルの間取り図はこれだ。下見なんかは今日中にしといてくれ。雑居ビルには入るなよ。バレかねないから。レキ俺に狙撃の機微はわからんが見つからんようにやれよ?」
「キンジさんもついて来てください」
「……なぜ?」
「敵に襲われてはいけませんので」
「……そうか。まあ狙撃の勉強にはなるかな」
「キンちゃん!私も行きます!まだデートはダメ!」
「仕事だよ?……全員で行くか。しょーがないし」
この後外からのざっくりとした視察をした。
――のはいいのだが両手に花のカップルという偽装はいるのだろうか?
煙管によくわからん塊を数個ほど入れて火を付けて咥える。
煙を燻らせるとじわじわと身体の中心に血流が集まっていく感覚がする。なんか思ったより時間がかかりそうだなこれ。少なすぎたか?ヒステリアモードになれそうだが。
……ヒステリアモードにじんわりなるのはよくないが急になるのも身体に悪そうだし匙加減が難しそうだな。
鈴木に薬作らせて目の前でヒステリアモードになれるか試して成功したから買い取ったが、そういえば女いない時になれるかどうかが重要なんだから今回の作戦は最適だろう。女いないからなれなくて死にましたじゃ話にならんし、敵が体質知ってるなら引き離してから襲ってくるだろう。
ま、ないよりましって感じだな。
煙草休憩を装って雑居ビルを監視していると時間差を置いて雑居ビルに中に入っていった。二人は素でも普通に制圧できる見立てである。
血流が集まってきた。
「白雪、レキ。作戦開始だ」
『『了解』』
特に面白みもなく現行犯逮捕だ!と脅しただけでチンピラが逃げようとしてレキに威嚇狙撃された程度であっけなく逮捕できてしまった。
ホントなんも無かった。
「キンちゃん。怪我はない?」
「
こうなるとヒステリアモードも成り損だな。まあ何もなかっただけ良しとするべきだろうけど。
「レキ。覗いてた奴はいるか?」
「いません」
ちょっと予想外だな。こっちが任務出れば観察なりしてくると思ったが…してないならしてないで任務を行うことでの連携訓練になるからよかったが。
「誰かしら覗きに来るとは思ってたんだがな。まあ来なかったならそれはそれでいいが」
「覗きには来てました」
「え?来てたん?誰が?」
「アリアです。キンジさんに任務後に接触しようとしていたのでしょう」
「……じゃあこの後出てくるか」
「覗こうとしてていたので威嚇で追い払いました」
「……そうか」
横槍で手柄を掠め取るような奴もいるので判断自体は間違っていない。……間違ってはいないのだが余計に拗れてる気がするのは気のせいだろうか?
思考を他所にさっさと全員拘束して警察に引き渡す。今回は武偵が犯人なので武偵が取り調べ等するとややこしい事になるとかなんとか。知った事ではないが。
「ごめんね。キンちゃんあまり役に立てなくて…」
「天気が悪いならしゃーないだろ。なんとか粒子の雨が酷いらしいし」
「璃々粒子ね。8月からずっと荒れてて。そうでなければもっと早くに退院できたんだけど……」
「そういや治療系の超能力使えるんだっけか。まあ次使える時にでも頼むわ」
「はい」
なぜかうっとりとキンちゃんを治療とかお医者様とナースの――とか小声で変な方向に飛び始めた白雪だが――割とすごい超能力者である。
紙で指切った時に白雪に治されて知ったのだが、白雪は戦闘系は炎と風?――熱風?を使い、占いや治療も出来るという超能力者としては多才なタイプらしい。近場に比較対象がいなかったから知らなかったがジャンヌとか冷やす系統しかできないらしいしな。
正直、俺と組んでも強みを生かせる機会ない気がするが――本人は楽しそうだからいいか。
「まあとりあえず3人チームは悪くはなさそうかな?『
「『
「はい」
「……はよ敵〆んと窮屈だな」
多分俺のためだから文句は言わんが、そろそろこっちからなんかするべきだろうな。『
ココの後ろ盾は不明だが大金が動いてるらしく同志かマフィアのどっちかだろう。
「そうだね泥棒猫はすぐに退治しないとね!」
「そういう事じゃないが……いや値踏みされてたし泥棒の線もあるか?」
「……?どういう事?」
眼をぱちくりとさせる白雪だが――あ、そういや言ってなかったな。
「なんか留学生のココとやらに
「キンジさんがそれ言いますか?」
「……いや不審者な自覚はしてるんだが手っ取り早かったし。兎も角!なんか襲ってくるかもしれないから気を付けな」
不意にレキに突っ込まれて途中しどろもどろになってしまうが多分誤魔化せた。誤魔化せたと思いたい。
「そいやレキはココのこと知ってるのか?ウルスの敵とk「ウルス!?」――どったの白雪?」
「え?ちょっと待って?――レキさん。もしかしてウルスの
「はい」
「俺もよく知らんがウルス族とやららしいぞ。モンゴルとロシアの間ぐらいに住んでたとか」
「……キンジさんに言ってないはずですが」
「調べた。チンギスハンとやらの子孫とかなんとか――まあ誰の子孫だろうと興味はないがレキはレキだし」
わなわなしている白雪。
なんかとんでもない偉い人のお忍びに気付いたみたいな感じだ。
「キンちゃん様。――
「……はい?チンギスハンはいいとしてなんでそこで源義経が出てくんだ?あ、子孫がどっかで交わったのか」
「どっかじゃなくて――チンギスハンが源義経なの。かの地でなまってチンギスハンになったの」
……この世界無茶苦茶だな!?
※シャーロックホームズやリュパンが実在した世界ではチンギスハンが源義経になってる模様
深く考えたら負けである