遠山キンジの独白 作:緋色
「待てキンジ。一つ聞かせろ」
揉み合ってるアリアとココを遠目にどう手を出しても事故りそうだと考えていると剣呑な理子に声を掛けられる。
「なんぞ?」
「
……?
ああさっきの内臓揺らして吐かせる
「してないよ?する理由もないし」
「自覚してないのか?さっきのは途中で明らかに失速してたぞ」
……なんて?
「手加減する理由ないが?」
「前に強襲科で
陽菜か桜ちゃんと組手してる所でも見られてたのかな。まあ俺の事獲物とか言ってたし敵情視察として見ててもおかしくないか。
ん?その時の組手と同じ?
「本気?組手ぐらいなら」
「違う。殺しに来る年下相手に本気になった事はあるかって事だ」
「そりゃ俺だって命狙われる修羅場潜ってるしそれなりに……あれ?そういえばないな」
自分より格上かそれなりに強いのもほぼ同年代or年上でだいたい男だし、女で本気出したのって姐御ぐらいか?
よく考えるといつも妹の存在でヒステリアモードの派生になっている以上、年下への対応は相当甘くなっている気がする。怪我させた記憶すら全くない。
副作用か?逆刷り込みか?
ノーマルで手加減する悪癖が付いているのならヒステリアモードなら尚更攻撃できないという事になる。ベルセならいけるかもしれんがベルセは狙ってなれるものでもないから難しい。ブラドかシャーロックレベルのカスなら兎も角。ココだと一旦沈静化してしまった以上なるのは難しそうだ。
「つまり傷つけずに無力化しないといけないのか…なんという理不尽」
「いや傷付けるの許容した方が早いよ?」
「子供を傷つけろとか貴様外道か!?」
「キーくんこの期に及んでツァオツァオを子供としか認識してないの凄いよね」
14歳らしいし子供だろ。
それはさておき普段から
普段甘やかしてるからいざという時に切り替えができなくなってるという事か……。
……マジでどうすりゃいいんだこれ。
「
理子との会話に気を取られていた所でココは『前へ倣え』みたいな姿勢から小型ロケットを鋭い噴射音を上げて平行に飛ばす。
ただのロケット弾じゃなくて先端同士の間にとワイヤーが1本張られている。 ワイヤーがアリアの平たい胸の下に押しつけられ
「あっ……あっ!」
アリアはみるみるうちにワイヤーで肩~足の先まで束ねられて身動きが取れなくなりロケットが自動で切り離されてどさっと転倒した。
身体が平たいから芋虫みたいなギャグになってるな。
「今のキンチとはやり合いたくないネ。でも
こっちをチラ見しただけでヒステリアモードになってる事は見抜いたらしく、そんな風にいいながら柳葉刀をアリアにつきつける。
まずいな二重に人質にされて手出ししにくい。
「……いいのかよ?なんか知らんがアリアの方が価値あるらしいんだからよ」
「緋緋色金は価値あるネ。アリアは生きてようが死んでようがどうでもいいネ」
「じゃ今すぐ返してくれよ。可愛い妹なんだ」
「
何か気に障ったのかアリアを見下ろす位置に動き、その顔をマジマジと見る。
「写真で見た時は確かにココに似てて
……実際会うとねえ。マジマジと見ると最初に会ったココとは別人なのが見て取れる。双子くらいの違いではあるが
「ココぉ!その髪型!こないだやめなさいって言ったでしょ!あたしと被ってんのよ!」
そこ気にするところか?
なんで捕まってる状態で犬歯むき出しで吼えれるんだ?
「聞いた覚えないアル、ぷっぷ!!
「
「
「
「それに関しては全面的にシャーロックが悪い」
「違うネ。アリア、緋緋色金を喜ばせた。これも乱の始まりある。緋緋色金と璃璃色金、仲悪いネ。 緋緋が調子づいたこと感付いて、璃璃、百年ぶりに怒たヨ。怒って見えない粒子撒いて、世界中の超能力者、力、不安定なた」
璃璃粒子って璃璃色金が引き起こした現象だったのか。ん?
「これから超能力者、役立たずなるヨ。そうなた時、銃使いの価値増すネ。キンチは超能力者ちがう、でも高い戦闘力を秘めた良い駒ネ。
「モテモテだな俺。皆なんでそんな俺との子供欲しいの?もっと己の意思大事にしなよ……。
「げっほげほ!?キンチいきなり何言ってるネ!?」
「え?ウルス子供作る言うてたし欲しがってるって他のもそういう事だろ?エロゲ世界頭おかしいよな」
「頭おかしいのはキンチネ!キンチ将として使ってやるアル。
なんでツインテロリは俺の事奴隷だの下僕だのにしたがるんだろうか……。これがメスガキという風潮か?
アリアに至ってはキャラが被ってるからか中の金属しか目的じゃなさそうだし。
「乱世、ビジネスの好機ネ。この新幹線乗っ取りもサイドビジネスある。さっき、ココ、日本政府に300億人民元要求したヨ。払えば良し、払わないならどっかぁん!電車粉々にして
「さっきのシャボン玉爆弾の事ね……!」
えーと1人民元=13円くらい(※2009年9月時点)だから3900億円ぐらいか。東京に新幹線突っ込んで人質が死ぬよりかは安いが……。どっちにしろこいつしか得しないな。
「さっきの
「ちょっ……多すぎだってば!」
座席に膝立ちしていた理子が、それはマジでやばい! という表情になって嘆いた。
単純計算じゃ1cc=1mlだから――さっきの100万倍――!?威力がどれぐらいになるのかは想像がつかんが東京駅周辺は地獄と化すぞ!?
「
「捕らぬ狸の皮算用だな。そこの洗面台そういうことか」
すごくはあるが便利ではないな。気体の持ち運びはかなり神経を使うし、何より普通の爆弾より保管も使用もかなり手間だ。酸素に反応するから洗面台みたいに気密する必要がある以上設置して終わりの爆弾より使いにくさは段違いだ。
「キンチ気付いてたか?でもキンチどうすることも出来ないネ」
「……逆にここで時間稼ぎしてたら一緒にドカンだぜ?解除するなら見逃してもいいけど?お兄ちゃんのお願い聞いてくれないか?」
「イヤね。キンチ何言っても従いそうにないし、一对一は不利ネ。そろそろデートだからいったん退散するヨ」
アリアがサッカーボールのように蹴飛ばしされアリアが怪我しないように床との間に割り込んで受け止める。
その間にココは運転席までの二重扉の間へと姿を消す。
音からして梯子か何かを登ってるようだ。整備用の出口でもあるのか?
「アリア動けるか?」
「平気。それより早く解きなさい!」
「はいはい」
とはいっても何重にも巻き付いてる上に指も入らんぐらいぎちぎちである。
「ちょ!?どこ触ってんのよ!?」
「気を使って背中から解こうとしてるんだから文句言うな」
ワイヤーだし太くて切るのも難しそうなうえにアリアが傷つきそうだし時間かかりそうだなこれ。
あれー?なぜかココ戦が難易度爆上がりしてるぞー?
どういうことだ?
どう収拾付ければいいんだ