遠山キンジの独白   作:緋色

129 / 168
情報収集

やる事やったから美人船から家へと帰りたいところだが見つけてしまったものはしかたがない。

 

「眼福眼福」

 

 今にもスキップしそうなくらいテンションの高い黒のセーラー服着た女が夜の街に消えようとしていた。

 が、こやつはなんかずっと覗き見していたので無罪放免はない――というか何とか戦争の関係上放置しとくわけにもいかない。

 

「覗き見は感心しませんねぇ。というかあのCVR(色ボケ)達も覗きぐらい気付いて欲しいですねこのくらい」

 

 誰も気付いて無いようなので再教育の必要性ありと報告する必要がありそうだ。

 

「あら?捕まる心当たりはないけど」

「覗きしてたろ」

 

 偶に覗いてる不審者として情報に出てたこの女は夾竹桃――本名は鈴木桃子だったかな?

 春先にアリアの戦妹(間宮)に敗北して司法取引でイ・ウーから転入しようとしているヤベエ子である。見た目ロリだがどうも年上っぽいんだよな。最低でも20は越えてるっぽい。

 

「お前イグナイター?ダイヤ?」

「?」

「イ・ウーの残党はなんか二つに分かれてんだろ?どっちか次第で……いやどっちでも対応変わんねえけど」

 

 とりあえず取り押さえた。

 


 

 ホテルの一室。

 観葉植物と蝶が舞う部屋と言うとなんかエッチだが、塗料のような揮発系の匂いが全部台無しにしている。

 蝶飛んでるけどあれ確か鱗粉が毒な種だった気がする。

 

「私物化してんのか?」

「年間契約してるから文句言われる筋合いはないわ」

「それなら普通に部屋借りた方が安いだろそれ」

 

 呆れる事だが金持ちのようである。

 こっちは急な出費でかつかつなのに。

 

「急に取り押さえてここまで押し入るなんて強引ね。生きて帰れるとでも?」

 

 落ち着いて話せる場所ならどこでもいいと言ったら案内したのお前だろ。

 

「それはお前がイグナイター?ダイヤ?か次第だな。ダイヤだったら一応味方になるんで覗きの件は無罪放免でいい。――ジャンヌ仕留める邪魔しなければ」

「あぁ…一応研鑽派(ダイオ)よ。ジャンヌが何かやらかしたのかしら」

「え?ジャンヌが騙し討ちしてきやがった上に消息不明だから暫定敵だし。理子は問題なさそうなんで暫定危険分子は確認しとこうと思ってな。突発的だったから細かいことは考えてない」

「とばっちりね。騙し討ちって何したのよ」

 

 『宣戦会議(Bandire)』に巻き込まれた流れをざっくり説明する。

 

「まあ色々シバく理由はあるんだけどさ。潰したのは俺だから巻き込まれるのはまだわかるぞ?なんで戦後できたチームで巻き込んでんだよ」

 

「……なるほど。急に敵視し始めた理由はわかったわ。完全にとばっちりね」

 

 心の底から呆れたため息を吐かれてるあたり、嘘ではなさそうだ。

 というか話していくにつれて敵意消えていったし。

 

「そんな事愚痴言われても知らないとしか言いようがないわね」

「じゃあお前が知ってるだろう事聞くわ。どのくらいの範囲までバスカービルとして認識されてんだ?代表戦士は俺等(バスカ―ビル)の5人だけか?」

「私はそう聞いてるわね。傭兵として誰か雇えば別だろうけど」

「傭兵ありなのかよ」

「戦争よ?」

「まあそうなんだが」

 

 個人的には一銭の得もないし、売られた喧嘩を買うだけだというポジションが一番都合がよかったのだが、現状アリアの殻金を盗られた以上眷属(グレナダ)に挑まないといけない理由ができてしまっている。

 そして眷属(グレナダ)は大体海外の組織と言うのがややこしい(例外は個人参加っぽいヒルダくらいか?)

 日本の後ろ盾もどこまで使えるかもわからんからな。というかこの件公安とかは把握してんのかな?一応かなりの災害になる事を危惧されてたようだし上が何も知らんって事はないだろうが……。

 

研鑽派(ダイオ)は他にもいるのか?」

研鑽派(ダイオ)としてはジャンヌと理子だけ覚えておけばいいわ。私は参加するつもりはないし、他の研鑽派(ダイオ)も似たようなもの…。それ以前に戦力にならないタイプね。戦闘力あって好戦的なのは主戦派(イグナティス)に行ったわ」

「ジャンヌのチーム――コンステラシオンにはいねーのか。……戦力にならんって後方支援ならできると?」

「それは武偵校のお友達らしいからいないわね。研鑽派(ダイオ)と言ってもイ・ウーが解散して趣味に没頭してるでしょうし、巻き込まないで欲しいって協力することすら拒否しそうね」

「じゃあ研鑽派(ダイオ)はジャンヌ単騎みたいなもんかよ」

「理子はバスカ―ビルだし。私その戦争興味ないから参加する気もないし。そうなるわね。――お仕置きするなら戦利品として冬コミ以外は好きにしていいわ」

 

 バスカ―ビル以上に戦力いねえなおい。

 個人としての戦力や能力はあるがチームとしてはグッダグダどころか存在してない状態である。

 

「いいのかよ?研鑽派(ダイオ)のリーダーだろ?アレ」

「あなた相手なら死ぬ事はないでしょ」

「……あいつ人望ねえな。」

 

 一応調べたがコンステラシオンは――なんというか戦力としては論外だが尖った人物が多いので運用できればそれなりにマシかと思ってたが無関係なら巻き込まん方がいいだろう。

 大体理子の言ってた内容と同じだし信用には値するかな。

 

「あとは主戦派(イグナティス)について知ってること教えろ」

「パトラが仕切ってるならエジプトから攻勢仕掛けるでしょうね。リサがいるなら補給にも事欠かないでしょうし。逆に言えばパトラさえ押さえればすぐに崩壊するわ。他の代表戦力はわからないわね。というかパトラが横並び許すとは思えないし、いてもリサくらいじゃないかしら」

「リサ?」

「メイドよ。イ・ウーでは食事を用意したり、補給の際には値引き交渉でよくココをやりこんで60%引の値段で取引してたわ」

 

 あの強欲そうなココから割引させるのも半端ないな。

 

「バケモンかそいつ」

「……まぁそうね。イ・ウーのNo3だし」

「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………強いのか?」

「どうなんでしょうね?絶対に戦いたくないし守ってくれるご主人様を探してると言ってたけど」

「……なんだそれ」

「メイドであって戦闘員じゃないそうよ」

「ふーん」

 

 補給能力でイ・ウーの財布を握ってるから序列が高いって所か?

 クソヤバそうなイ・ウーでそれだけでNo3になれるとは思えんがまあ頭にだけは入れておこう。

 

「じゃあ――」

 


 

 深夜アニメがどうとかで追い出された。

 適当な所で着替えるタイミングがなかったためクロメーテル姿でクソみたいなナンパを蹴散らしつつ帰る帰り道。

 

「収穫0よりかはマシ……ってレベルだな」

 

 敵じゃないが味方でもないといった感じであるはあるが下手したらシャレにならない被害が出かねない毒使いが敵じゃなかっただけ良かったな。

 逆に味方という事で特別価格になるとかいう事もないので+もあんまりないが。

 ジャンヌの居場所でも知らないかと思ったが夾竹桃も知らないらしい。

 理子も知らなかったし、これで探す当てはなくなった。

 というか数日経過しても連絡ない以上、下手したら返り討ちで死んででもおかしくないか。

 死んでる方が色々都合いい気もする。

 ヒルダは悪名高い方のようだが日本で罪犯したという事実はないらしく、オカルト関係だと隠蔽されがちな事もあり国家権力を動かせる理由はなさそうである。

 ……理子の監禁問題はルーマニア?だったかの事なので証明は難しいだろうし、メイン活動圏は東欧を中心にヨーロッパとかなのでこっちで裁く理由はあまりない。

 殻金の件はどういう扱いになるかわからん。というか下手したら安全第一でアリアを消しかねないしな。

 玉藻あたりとコンタクト取れればいけるか?大規模な鬼払結界張ってる以上、流石に上が把握してないわけがないだろうし。

 結界張り終えるまでは連絡してこないそうなので今出来る事は特にないな……。




他にいるかもわかんないっピ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。