遠山キンジの独白 作:緋色
陸に上がった魚みたいにピチピチ動くアリアはツインテール事縛られてたせいか少しづつ抜け出そうとしている。
抜け出した後逃げてくれればいいが加勢してきそうだからその前にヒルダを倒したいもんだが――発電が厄介だな…。斬ったり刺したりは感電のリスクが付き纏う。
かといって銃はダメージ体積上、弱点である魔臓以外はあまり意味ないし。
現状の方針の手足斬り落として動けなくしてから運ぶしかない――のだが。
「っ!」
「またかよ」
近付こうとしたのを察したのかヒルダが力んで地面に雷を流すのを跳んで避けつつ、着地と同時に
それに空中で撃てないのも見抜かれてるか。クソ疲れるからあまり連発できないのまでは見抜かれてないだろうが……時間の問題か。
豪華な柩の元に戻ったヒルダはアリアが再度感電して沈黙したのもあり少し余裕を取り戻したようだ。多対一は避けたいらしい。
「地を跳ねるしかない虫にしてはよくやるわね」
「……その翼で飛べないだろお前。それができるなら飛び回るだけでこっちが不利なのにも関わらず――な。出来て滑空か?それができるならいざという時逃げ切れるもんな」
最悪ムササビの術で追う――いや下でエルに風呂敷渡したから出来ねーや。
あれ多少距離稼げるだけで自由に動けるわけでもないから想定外の隠し玉あったら逃げられそうだな。
先に片方だけでも翼切り落とすか。
「その減らず口をすぐに利けなくしてあげる」
階下でまた停電が起きたらしく暗さが一段と増し――すぐにヒルダが仄かに光出す。
また盗電したのか。
「トオヤマ。地を這う
ま、っず!?
慌ててアリアの方へ向かい、間に合わないと判断してアリアに巻き付いてる鎖にスクラマサクスの剣先をひっかけてマホガニーの柩の上に放り投げ――直後、地面に雷が迸った。
「うぉ!?」
焦った時の体勢が悪くて思いっきりずっこける。
「キンジ!?」
見ていたのかアリアの悲痛な声が響くが――追撃の雷は来ない。
「惨めなものねぇ。右腕をこんなにした罰にはまだ足りないけど」
「今のででチャラになるなら安いもんだ。あと左手と両脚やるんだけどな」
「なっ!?トオヤマ感電したんじゃ!?」
どうもはでにすっ転んだせいで勘違いされてる様だが――別に感電はしていない。
ヒルダの電気対策に普通の制服より重い絶縁装備を用意してたのが――急な戦闘になったため着てないから情報収集していたらしいヒルダは勘違いしたのだろうが――実は靴も絶縁装備である。
急ごしらえの間に合わせとして買って念のため日常ずっと使っていたが――特に信用してなかったので地を這う
パフォーマンスに影響なしっと。
「俺は俺が思ってたより凄かったみたいだな」
運が。
「……トオヤマ。本当に人間なの?」
「下を見ればキリがないが上を見るなら果てはねえ。俺より人間離れしてるのなんてゴロゴロいるぞ。つまり俺は――平均的高校生男子だ」
「絶対違う!」
なんかヒステリックに否定された。
なぜだ。耐久力は少々あっても怪我すりゃ死ぬんだがな。
それは兎も角ビビってるのか帯電も消えている――つまりチャンスだ!
「斬る!」
一足飛びで近づき、ヒルダの機動力の要である左の翼と腕を斬り上げ――ようとしたところでヒルダは叫んだ。
「今よ理子!撃ちなさい!」
「なん!?」
咄嗟に身体を捻ったせいで翼しか斬れず、捻って振りむいた先にはちょうど登ってきたらしい理子と眼が合った。――銃は構えていない。
フェイクか!
倒れそうになる身体をさらに捻ってヒルダに追撃しようとするが体勢が悪く避けられそのまま倒れた。
倒れた俺の頭目がけてハイヒールが迫っていたので、翼を拾ってから転がることで避け、距離を取ってから立ち上がる。
「咄嗟だったけど――避けるのよね。この男は理子が撃つと思ったようね?理子。咄嗟の行動に人間の信用が見えるのよ」
「ぁ……」
ヒルダの言葉に何を思ったのか理子は何かを求める様に俺を見てくる。
「そりゃ避けるだろ」
その言葉に理子の光が消えるが――戻ろうとしているのか変な触手みたいなのを出す翼をヒルダから離すように投げ捨てて構わず続ける。
「お前が毒で脅してる――のもあるが俺が全部何とかしなきゃいけないんだから俺以外信用できないし。いや別に俺の事も信用できないけど――今回は理子が俺を殺して罪悪感持たれるのが一番駄目だからな。来るなら正々堂々殺しに来いや。罪悪感とか持たれて気持ちよく死ねるかよ」
「あら死んでもいいと思うならさっさと死になさいよ」
「助ける対象に背中刺されようが助けると決めたら助ける――その結果死んだら弱かったってだけだろ」
溺れる人間は手当たり次第に暴れて助けに来た相手ですら結果的に殺してしまう事がある。
暴れる救助者を動けなくしてから助けるなんて場合によっては普通の事だ。
「大体、味方でも気軽に撃つアリアとか理由出来たら撃ってくるレキとかいるんだ。味方だから安全とか寝言でしかないわ」
「あたしのせい!?」
「お前後輩にも撃ってるそうじゃねえか。少しは反省しろ」
そういう意味じゃ俺に攻撃してこないの白雪と理子ぐらいなんだよな。逆に思考がわかりにくいのもこの二人だが。
反論できないのかむぐぐぐといつの間にか鎖から脱出したアリアが押し黙る。
「まあいいや。下行ってろ。俺一人で勝てないとか思われたくねーし」
今の状態だと俺の方が強い。変身したらわからないが――
アリアや理子を一瞥したヒルダは何かを逡巡した様子だが無理だと悟ったのかずずず……っと影に潜ろうとしたので
「もうお前もわかってんだろ?タイマンなら勝てないって。投降しろ」
雷鳴はまだ遠い。時間稼ぎに付き合えば雷雨がここまで到達して変身される恐れもあるし、体力差で負けるかもしれない。だがこのままやり合うなら雷雨到達前に仕留められる。影に潜るのも今ので邪魔できるのがわかったからな。
ここまででわかるがヒルダは
魔術戦なら話は別かもしれないが身体能力は高くても近接戦闘は回復と帯電のカウンターがあるからとかなりなおざりで、すぐに腕をくっつけられないことに焦りを感じているようだ。
力んだ動きで放電するのを何度も見たのが他にいないからなのか、そもそも何度も地面に流す雷を避けられたことが初めてのようである。
このままやれば達磨は可能であろう。
それはヒルダもわかっているようで
「……」
ギリっ……と歯ぎしりを響かせ
「……そうね。トオヤマ。あんたは強い。少なくとも
「あん?」
ヒルダの形相が憤怒に染まり
「これだけは使いたくなかったわ。
「キンジその柩を壊しなさい!」
何かに気付いたらしいアリアが叫ぶが
「もう遅い!」
バツン!
非常灯も含めたすべての電気が消える。
いや非常灯だけじゃなく階下の光も消えるスカイツリーを中心に相当な範囲の光が消える。
だけどこの場は明るい――いや眩しい。
ヒルダからババババババ!っとバチバチどころか一つの音となったようなという
「
回復速度は全くわからんけど
失わなければ即再生(斬ったり撃たれたり)
失うなら一日かかるくらいかな
バージョン上がればどんどん早くなるイメージ
鬼形態全く考えてないがどうするか……