遠山キンジの独白   作:緋色

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月見

 武藤に「女と月見してる、飲み物と団子買ってきてくれ」と連絡したがアリアは缶コーヒーは嫌だとの事で不知火に連絡して15種類くらいの飲み物を用意してもらう。

 ……無茶振りと思っていたが普通に用意できる不知火おかしくないか……?

 武藤のタクシー(ムクシー)に不知火がやってきて――全員に飲み物を配る流れでホントに月見することとなった。

 ちなみに女子たちは白雪が用意してたらしいブルーシートとかなめが滞空させてたらしい『磁気推進繊盾(Pファイバー)』とやらをグランドにシート代わりにしている。

 なお男は地べたである。別にいいけどさぁ……。

 渡されたお高い感じがするコーヒーとコンビニの団子が合わねえなと思いつつ、女子陣を何となく見ていると武藤が何かに気付いたらしく話しかけてきた。

 

「おいキンジ!あの美人誰だよ!?」

「ルーマニアの吸血鬼」

「ルーマニア人か。武偵じゃなさそうだが――紹介してくれ!」

 

 吸血鬼はスルーしていい所じゃないと思うが……。

 

「武藤君…無謀だと思うよ?遠山君は紫電の魔女なんて何処で知り合ったの?」

「喧嘩吹っかけて来たから返り討ちにした。俺が入院するハメになるくらいには強いぞ」

「いつ入院したの?」

「二週間くらい前。即退院したからあんま知られてないな。あの女紹介してもいいけど……たぶんうまくいかんぞ?」

 

 ちらっとそっちを見ると

 

「センスのいいアクセサリーね。何処で売っているのかしら?」

「父のお手製でーー父のプレゼント――です。非売品ですよ」

「そう。大切になさい」

 

 ヒルダが絡んでるのは火野ライカ…確かアメリカのヒノバットという蝙蝠モチーフの有名なヒーローの娘らしい。あのアクセサリーは前に見たが武器になるんだよな。そういう観点で褒めたわけじゃなく単純に趣味にあっただけだろう。

 蝙蝠が気になっただけかもだが。

 団子買ってきた礼にヒルダに武藤を紹介する。

 どんな乗り物も操縦できるとアピールが空回っている武藤はほっといて、元の位置に戻ろうかと思ったがかなめと白雪が場所を空けてこっち来てという雰囲気を出したのでそちらに向かう。

 不知火はドリンク係なのかアリアに言われてドリンク作ってるな。

 

「んで、雨ふって地固まった(After rain comes fair weather)のか?」

 

 また不毛な喧嘩が起きないか突っついてみると

 

「これできっちり終わらせたわよ。あたしは引きずらないの」

 

 いや滅茶苦茶引きずってたから決闘したんだよな?

 

「妹ぶらないなら二回目はないよ」

「あたしは妹じゃない!」

 

 本気で怒ってる感じじゃなくじゃれてるようなので問題は一応解決した感じか。

 決闘に介入して正解だったな。

 俺の見立てだと、かなめは強いといえば強いが肉体としては鍛え抜かれた意外性のないAランクくらいであり、優秀止まりである。あの未来兵器?とやらのアシスト装備があってSランクといったところか。

 対してアリアだが肉体としてはAランクいかないくらいのはずなのだが、俺を持ち上げて運べたり、缶詰を素手で毟り開けたりそれができなかったりと出力が噛み合っておらず、更に柔らかさも失っていないため非常に納得いかないがSランクに恥じない実力はずっとキープしている。

 まあそれだけなら決闘でどっちが勝ってもおかしくないのだが、お互いフル装備ではなく、近接戦だったことでアリアの経験とカンがずば抜けており、そこで差がついた感じだろう。

 いい感じに勝てるかは賭けだったかアリアが勝つ可能性が高いので火消しにはちょうどいい決闘方式だったな。

 

「先輩って誰でも妹にしてるって聞きますけど。あかりちゃんも妹扱いしていたし――かなめは実妹なんですか?」

 

 疑いの目で見てくる白雪の戦妹(いもうと)だが――信用されてないなあ。自業自得なんだろうけど。少々違法気味だが鑑識課(レピア)に遺伝子鑑定して貰った所血縁であるのは確定しているが――なんというべきかねえ。別にそのままいえばいいか。

 

「実妹――同じ父母から生まれた妹って意味なら違うな。異母兄妹っつーんだっけ?アメリカが銀河帝国するための準備した結果だしそれも違う気がするけど」

「お兄ちゃんあたしはクローンじゃないからね?」

「人間兵器とかやろうとしてるの大体同じじゃね?」

「成功したら量産される可能性はあったけれども」

 

 ……?

 急に周りが黙り込んだので周囲を見るとなんか全員微妙な顔をしている。というか言葉が出ないと言った感じか?

 

「……キンジ。それどういうこと?」

「知らん。俺が知ってるのは俺の父の遺伝子情報盗まれて兵士にするために作られたのがいるって所だけだが。俺からしたらきょうだい増えた以上の事はよく知らん」

 

 かなめは割と話盛ってる感じがするのでどこまで事実かは知らないし、証明のしようがないともいえる。

 

「言う気はなかったんだけど私から話すね――私がお兄ちゃんに会うまでの事を」

 

 そこからはかなめによる今までの研究所で生まれてからの教育とこの学校に来るまでの事を話す――が、俺が聞いたときよりジーサードの事は抜き且つ自身の事を悲劇チックに話すのはいいとして、なぜ俺に恋焦がれる感じの惚気に移行するんだ?

 周りもかなめの奇行に対してそうなるよなと納得してる様子なのも解せないが――事実を知ってる分冷めてる俺が悪いのかな。

 

「キンジ――かなめの事幸せにしてやれよ!」

「武藤……お前はどの立場で言ってるんだ?兄気取りか?あ゛?」

「いやそういうつもりじゃねえよ!?」

 

 慌てる武藤を押してかなめと距離を取らせるように動かす。

 とりあえず近づけない方がいいかと思ったが1年の方は妙な雰囲気になっており。

 

「かなめちゃん!今までの分を取り返せるくらい一緒に遊んだりしよう!」

「少し気持ちはわかりますよ。寂しさも。お友達として仲良くしましょう」

「一緒に遊びに行くってどこに行くんだ?カラオケとか?」

「歌舞伎を見に行くのはどうでござる?」

「気楽に遊びに行くべきだと思いますけど」

 

 なんかいい感じに纏まっている?っぽい。

 一年は一年で(1部中等部だが)仲良くなっているようで何よりである。

 

「まあ、お前らは気にする必要はあんまねえよ。『活命制限(Life Limit)』もロスアラモスでも襲撃してどうにかするつもりだし。普通に相手すればいいんだ普通に」

 

 囲まれて困ってる様子だったかなめを救出しつつ適当に言う。

 

「あ……」

「どした?寿命が短いとはいえ数年は持つだろ多分」

 

 なんかかなめから「やっべ」みたいな雰囲気を感じるのだが……。 

 

「お兄ちゃん。フラン・ポリマー――キャラメルに含まれる重合化合物で一定程度代用できるから大丈夫だよ?」

「……おい?説明忘れてたな?」

「……」

「……」

「……テヘッ♡」

 

 なるほど。とても可愛いなだが無意味だ。

 

「テヘッじゃねーよ」

「痛い痛い!なにこのぐりぐりした攻撃!?痛い!?」




遺伝子上書きしまくってる生物から見たらどう思うんだろうなこの辺
うまく思いつかなかった。

体育祭は多分飛ばします
キンちゃんが水中騎馬戦とか絶対行かねえだろと思うし
クロメーテルも無理だし
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