遠山キンジの独白 作:緋色
姐御を捜索するにあたって学校には特秘任務という形で話はついている。
本来の目的である姐御探しは秘密なので別件の任務があるという形になるが――そのためにそれっぽい成果を出さなければならないのは頭が痛いがしょうがないので妥協する。
指令とそれ関係なく悪人を探し出して始末していたであろう姐御を探す難易度は結構高い。指令があってそれに人手が足りないからと駆り出されるパターンがほとんどなのでフリーでどう動いてたのかはあまり知らないんだよな。
「でも姐御の事は俺が一番知ってるし」
ある意味全方位から嫌厭にされていたというか孤立していたというか――兎も角、一人で動くことを好んでた姐御と組んで動けていた分、姐御に一番詳しいのは俺という事らしい。
姐御の行動パターンから考えて日本の敵を見つけ出して始末する方向性で動くだろうから、探すならそっち方面で標的を作るのが一番楽な方向性だろう。
外資系犯罪組織の中でも目を引きそうなビジネス――死の商人的な商売規模の拡大を目出す頭の足りない組織をピックアップする。
あとはその組織ができそうなギリギリ上限を見極めて他所からの投資を受けれるようにアングラの中で自作自演を装い噂を流してやる。
あとは突然羽振りがよくなった組織が気も組織も大きくなったところで潜入し、投資している組織を把握する。
それを3,4回ほど繰り返し、原因不明の抗争で大きくなった組織同士の抗争を誘発させた。
……正直、うまくいくとは思ってなかったのだが、クロメーテルの下劣な悪しき組織に狙われてるのという半ばヤケクソ染みた作戦がキレイに嵌るとは思ってもいなかった。
おかげで勝ち残った組織がアングラで有名になり、トップのワンマンで姐御に狙われる程度の悪としてギリギリ指に掛かるくらいにはなった。
「旅行――ですか」
「そうさ。中国の組織と縁ができてね。是非ともと」
いつの間にか、上から下までの意見を集めつつボスを諫めるという
「商談に興味ないですねえ。珍しい宝石でも手に入れられるなら別ですが」
「おいおい。俺の買ったダイアとかじゃ不満なのか?」
「似たようなものよりオンリーワンこそ着飾るのに相応しいと思いませんか?」
「そりゃそうだ!即座に売り飛ばすとは思わなかったわ」
ケラケラ笑う青松は何度かあった危険に対する忠告が出てこなかったことで問題ないと判断したらしい。あるいは世界に一つだけのデザインのネックレスを付けていることに気をよくしたのか。――どうでもいい話であるが。
そっちの組織の方が姐御探しにはちょうどいいと思ってるとは思わないのだろう。
「行先は?」
「マカオ」
「……マカオグランプリは終わってますねぇ」
「ん?興味あったのか?」
「イベントは楽しむ主義ですが。決着ついたり勝敗が視覚的にわかりやすいですしね」
クロメーテルのキャラ設定は金目当ての俗物という設定なのでそこまで違和感はないだろう。
「カジノとか嵌りそうだね」
「カジノには興味ありますし遊ぶ時間は確保してくださいね」
「はは、それくらいはお安い御用さ」
何故だかイケメンスマイルしてくるボスを冷めた目で流しつつ、プランを練っていく。
マカオの商談までは付き合っておいてその後にガサ入れで潰しておけば問題はないだろう。
ボスの生死には興味はないのでそれらしい場所を用意しておけば、勝手に姐御が暗殺に動くはず――たぶん。きっと。
悪党を見つけ次第潰すなら兎も角、姐御を探すにはずいぶん分の悪い賭けである。
なので今回は海外の裏の情報網と接触するのがメインとなるだろう。
一応、国際指名手配の姐御は公的には追われる身分なため、どうしても裏との関わりが必要になっていく。これで仙人のように世俗とのかかわりを絶って消えられたらもう打つ手はないのだが。独善的にターゲットを探して始末するならば、どこかのネットワークに接触する可能性は高い。
海外から見れば日本の情報を暴露して尚且つ復讐として日本を攻撃できる駒に見えるだろうから――別件の動きで察知できれば万々歳である。
確率で言うなら10%あればいい方である。
あと二週間後には香港
正直捕まえられる可能性がひくすぎるので、姐御探しに本腰入れられる機会はそうはないだろう。となるとほぼ個人の我儘で探しているようなもので次に本格的に本腰入れられるのは、なんとか戦役が終わった後かもしれない。
その頃には手遅れになってる可能性もあるのが嫌な話だ。
俺には俺が足りない。
だからこそ焦っちゃあいけない。
姐御も妹も救うには困難が伴っている。二兎追うものは一兎も得ずとはいうが両方どうにかしないといけないのがつらい所である。
だけど、どうにかするさ。
おれはお兄ちゃんだからな。
身内判定なので諦めるという選択肢はない感じ
あと非合法なんで桜ちゃんはいません
次はカジノですかね?
姐御編は後2話ぐらいでまとめつつ本編に合流する感じで……(ノープラン)