遠山キンジの独白 作:緋色
ねえよ。んなもん
なんかすっごい重要な事を忘れている気がする。
覚えてないから大した事じゃないと思うが
「あんたまだ食べるの?太るわよ」
「BBQで思ったより食えなかったからな。野菜も微妙に余ったし」
BBQ後に二、三日分の食料(目分量)を買って帰ったらなぜかアリアがいた。勝手に合鍵でも作っていたのだろう。無駄だろうけど鍵変えよう。
無視して夕食作ってたらそんな事を言われる。
「相棒は食べんの?」
「いらないわ。相棒?」
「いやだったか?」
「アリアでいいわよ。そっちの方がパートナーっぽいでしょ?」
「そうか」
そうか?よくわからない。
そもそも何しに来たんだろうこいつ。
「で、なんか用?」
「今後の事よ」
「今後?『武偵殺し』からイ・ウーを追うにしても厳しいかなって思うけど。狙い目の
「いないけど。現状繋がってる線は理子とあかりが逮捕した夾竹桃ぐらいね。夾竹桃は
何でも綴の尋問を受けると女王とか女神と崇めるようになるとかなんとか。――それ尋問じゃなくて調教じゃなかろうか。
教師が間に入ると守秘義務とか色々あって逮捕した本人でも最低限の連絡だけで済まされることが多く、自分で聞きに行ってもだいぶ絞った情報しか手に入らないが、長年追っかけてる犯罪者とか知りたい情報とかは
というか下手すると
「そういや夾竹桃?だったか?そいつは冤罪に関わってないのか?」
「そこは無理言って確認してもらったけどシロね。自分の趣味以外興味ないタイプみたいで有用な情報はなさそうね」
「ふ~ん?」
夾竹桃は各地の研究所や裏組織の毒を含む薬のレシピを奪っているらしく、その件で賞金首になっていたようだ。陽菜の話も含めると自身でそういう研究をしていたらしく、人体を溶かさない酸と毒のガスなどその気になれば大儲けできそうなものを作っていたらしい。
人体を溶かさず服を溶かす酸とか、医療や救護活動の場で活躍するから特許取るだけで大儲けできるのに勿体無いもんである。
――
「となると今のところ糸口は『武偵殺し』――理子の件だけか」
「一応調べてみたけど、東京武偵高校に入学する前の経歴は偽装だったわ。フランス出身ぐらいしか正しそうな情報は書かれてないわね」
「だろうな。リュパンの家を調べてみたが幼少期に両親が亡くなってから
住んでいた館含めて財産と呼べそうなものは大体がバラバラの人間に売り払われてるし、失踪ではなくイ・ウーにでも攫われたのだろうか?
まあ碌な事にはなってない人生だったのだろうが、これに関しては部外者が口にしても碌なことにはならんし流す。
「アリア。俺はイ・ウーの事調べてたんだがよくわからなくてな。イ・ウーは恐らく潜水艦を保有している。と思うんだがどう思う?」
「どうしてそう思うの?」
「理由はハイジャックの時のミサイルだ。あれを撃てる船が日本近海に存在して自衛隊が把握してないはずがない。それにも関わらず撃たれたのは捕捉しにくい潜水艦だと考えるのが妥当だろう。反応的に自衛隊や米軍がミサイル撃ったわけではないならイ・ウーしかない」
そうなると各国と協力して包囲網を組むのが現実的だとは思うが、各国の思惑がわからん以上下手しなくともザルよりガバガバなものになりかねない。
各国の指名手配自体も国単体で潰してイ・ウーの利益を独占したい思惑が強そうだ。絡んでくるアホをのしていくのにも限界があるし、どうにか中に入り込んで内側から自滅するように動くしかなくないか?
「イ・ウーの事はよくわかってないのよね。実態が見えない組織ってのは厄介よ。憶測に憶測が混ざるから組織に関して正しい情報はこの目で見たものだけよ。ただ海に面してる国または地域での活動が活発だから潜水艦を持ってても不思議じゃないわね」
「――そりゃ厳しいな。拠点がわからないし打てる手は探してるアピールをわかるやつにはわかるようにして向こうが仕掛けてくるのを待つしかねえな」
食後の紅茶を流し込みながら考えてみるが、そんなアピールするには因縁が薄すぎるし、アリアは演技できなさそうなのでその線は難しいだろう。
「組織の目的がわからないから向こうが仕掛けてくるかもわからないわね。リベンジしかけてくるなら理子ぐらいでしょうけど」
「結局そこに落ち着くわけか」
負けない!と盛り上がってるアリアは置いといて、理子の立場は先兵とか下っ端とかそんなものだろうし、理子のセリフ的には黒幕がいるだろう。
メタ推理になるからアリアには言わないが理子が言っていたProfession
これは専門職という意味で、アリアが主役の物語として考えると該当人物が一人だけ浮かび上がる。
先祖シャーロックホームズの宿敵――
流石に本人ではないだろうが、孫か曾孫。年齢的にはギリギリ息子とかもあり得るか?
「それじゃ、冤罪かけた連中の事ざっくりとでいいから教えてくれ。優先して狩るから」
「そうね。じゃあまずは――」
どどどどどどどどど
猛牛か何かが突進しているかのような足音が、マンションの廊下に響き渡って近づいている。
この足音で思い出したことがある。
しゃきん!!!!
金属音と共に、玄関のドアが冗談のように斬り開けられた。
今日は白雪が合宿から戻ってくる日だったな。すっかり忘れてた。
「おい。扉壊すな」
「ごめんなさい!キンちゃん様!後で修理します!でも急いででも確かめないといけないことがあって!」
扉を踏みつけて仁王立ちするのは巫女装束に額金、たすき掛けという戦装束に身を固めた白雪だった。
ここまで猛突進してきたらしい白雪は息をぜーぜー切らせながら、ぱっつん前髪の下の眉毛をギギギンッとつり上げて――俺の食後の皿、飲みかけのコップなどをじっくり見てから――アリアを見る。
「やっぱりーいた!神崎!H!アリア!!」
「落ち着け白雪。警報なってるしマジで落ち着け」
「キンちゃんは悪くない!キンちゃんは騙されたに決まってる!」
本当に何の話だ。
なんで俺が被害者扱いなのかは知らないが、面倒なことに白雪はたまにこうなる。
一体どこでスイッチ入ったのか未だに分からないのだが、白雪はときどきなぜか鬼神のようなバーサーカーになることがある。大概鬼道術という身体強化をしてるため武力制圧が難しかったりする。
なぜか俺の周囲にいる人間―大抵女子が排除対象らしいのだが、陽菜や桜ちゃんを排除しようとする事はないので基準が一切わからない。
CVR相手には頻繁にキレるのだが何か偏見が入ってるのだろうか?
「この泥棒ネコ!き、き、キンちゃんを誑かして汚した罪、死んで償え!キンちゃんのいないところで一人寂しく死んで償え!」
割と無茶苦茶なことを言いながら白雪は携えていた青光りする日本刀を、ぎららり!と大上段に構える。
さすがのアリアも引きまくって、拳銃を抜くことすら忘れている。
「やめろ白雪! 俺は誑かされてはない!」
「キンちゃんどいて!どいてくれないとそいつ殺せない!」
「キンジぃ! なんとかしなさいよ!な、なんなのよこの展開!」
そ れ は 俺 が 知 り て え よ
幕間とか書こうかな…
でも面倒だしな…
原作何巻まで読んだ?
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