遠山キンジの独白 作:緋色
確認する手段がないが
『しばらく特秘任務で留守にします。期間は未定』
「送信っと」
適当にアリバイ工作を完了させる。
恐ろしい未来は忘れる事にして、部屋に帰るとアリアがいた。こいつまた勝手に侵入したのか。扉替えるついでに鍵変えたのに。
「で、何してんだアリア」
「見てわかるでしょ。この部屋を要塞化してるのよ」
「殺す気の罠張るなや。捕える方向のものにしろ」
「考えとくわ」
それ直さんやつだよな?これ見よがしにため息を吐くが無視される。どうしようもないし、後で考えよう。大半は
ボディーガードは武偵の依頼でもポピュラーな方ではあるが、基本住み込みである。
なのでこうやって罠張るのは基本ではあるが実際に目の当たりにするとやな気持ちになるな。
肝心の白雪は引越の準備があるとかで何故か俺は追い出されたので白雪の戦妹と陽菜と桜が現在護衛兼手伝いをしている。戦力的には不安だが、ただで負ける事は無いだろう。
それにあれからすぐだから計画の見直しとかで襲ってくる可能性は低いだろう。あの手の輩は自分が有利になるまで姿を消して工作するタイプだろうしな。
違ってたら違ってたでそん時はそん時だ。
「白雪が来る前に確認しときたいんだが、
「あたしのママに冤罪を着せてる敵の1人よ」
それで護衛の話に割り込んできたのか。理解はできた。
なんで覗いてたのかは知らんが白雪に嫌がらせされてたから弱点でも探ろうと思ったんだろう。
「迎撃できればママの刑が残り635年まで減らせるし、うまくすれば高裁への差戻審も勝ち取れるかもしれない」
「そりゃできれば捕まえたいわけだ。特徴は?白雪狙ってるし超能力者か?」
「剣の名手で超偵ばかり狙う事から
ブラフかもしれないしね。そう言い含め罠の設置に戻るアリア。
超能力者なら対超能力者用の手錠とか用意しないとな。純銀製でラテン文字で魔を封じるとか物騒なことが書かれてるクソ高い備品だ。
純銀製なら柔らかくて拘束には向いてないと思うのだが、普通の手錠より少し脆いくらいで問題なく使えるあたりなんか変な力が備わってるんじゃなかろうか。あれで拘束されると超能力使えなくなるらしいし。
……そういや星伽神社でそんな効果ある布?紐?があるとか言ってたし交渉して買っとくか?不意打ちに使えるかもしれん。
今後の事を考えていると武藤の運転するトラックで引越班が来たようだ。なんかちみっこいのが増えてるように見えるが気のせいだろう。確かアリアの
「確認は必要かね」
人数多い分確認の手間が多くなるが桜ちゃんがいるからな。
「桜ちゃーん。ちょっといい?」
「はい?何でしょうか?」
ちょいちょいと呼んで耳打ちついでにニオイを確認する。
ほのかに香るヤマザクラのような香り――本物だな。
自分でもキモいと思うけどある程度親しい人間の匂いは嗅ぎ分けが可能になっている。マキリさんのニオイで追跡しろという無茶振りから、いろいろ試してみた結果、元々鼻が利くこともあって嗅ぎ分けがある程度可能になったのだ。追跡は落ちにくいニオイ付けたカラーボールとかがないと無理だが。そこまでやるなら警察犬使った方が効率いいので無駄な技術である。
だが、今回みたいな化ける相手には有効だと思うのでやってみるものである。
「(護衛で周辺に反応あった?)」
「(なんで私の匂い嗅ぐんですか?…星伽先輩の周りでは盗撮犯っぽいニオイはしました)」
それ白雪か白雪の戦妹から出てるニオイだと思う。ま、確認できたからいいか。
「そうか――なんか落ち込んでる?」
「卑劣な事に盗聴器やカメラが仕掛けてあったんですよ。引越で持って行く家具にいくつか仕込んでありました。急な仕込みだったんですぐに見つけて破壊しましたが」
「……うん。ありがとね。桜ちゃん」
あの様子だと仕掛けたの白雪だな?追い出したのそれが理由か。
「それじゃ入る前に確認するから。…アリア任せていいか?」
「いいわ。変装してないか。顔触らせて貰うわよ」
あの時、確保したマスクを検証した結果、触れれば人工物の感触がするため一発でわかるということが判明した。
よって、こんな手段になる。
「私はアリアはいや。キンちゃんがいいです」
「悪いけど今回はそういうのはなしだ。変装考えるとチビ「風穴」のアリアに化けれる可能性が一番低いからな。これに関しては諦めてくれ」
そういう事で一通り全員確認させる。
「そこの部屋は和室になってるから、そこに白雪の荷物運んどいて」
「「「「はい」」」」
女しかいないので手伝えと武藤に要請したが「テメェお幸せに!」と捨て台詞吐いてから去って行った。何が不満なんだあいつ?
「不束者ですがよろしくお願いします」
「いやいつも通りでいいよ?」
「――これからキンちゃんと暮らすなんて緊張しちゃって」
「俺がこの部屋借りたときに住み着こうとしてた記憶あるんだけど」
「同棲だね!――余計なのいるけど」
うん。まあいいや。
面倒くさいし、一緒に住めばある程度マシになるだろ(希望的観測)。
女率高くてギャイギャイやってるのをアリアが一喝してテキパキ動かす。あいつ目下の人間使うの慣れてるなー。
一通り設置が終わったらしく、軽くお茶出して談笑タイムに入る。
「アリア先輩も住み込みですか!?」
「そうよ」
「ダメですよ!?男と暮らすなんて!」
「あかり。これは護衛任務よ。
「別に通いでもいいよ?」
「夜間の襲撃どうするのよ」
ぎろっと睨まれるけどまあ一理あるか?
モチベーション高いのはいいけどテンション高いのは護衛に向かねえんだよなあ。
「なら星伽先輩をアリア先輩の部屋で護衛すればいいじゃないですか」
「自分の部屋に罠仕掛けたくないじゃない」
「おい。俺の部屋に反対しないと思ったらそれが理由かい」
「そういえばあんた雇いたいのがいるって言ってたけど」
露骨に話逸らすな。
でもそういや紹介してなかったな。
「まあいいけど。今回の護衛として雇おうと思っている乾桜ちゃんでーす」
「え?聞いてませんけど」
「桜ちゃんの予定聞いてなかったからな。誘うのはその後にしようかと思ってたし」
「じゃあ今紹介したのは?」
「ノリ。護衛じゃなくてもスキル的に偶に顔出しして貰うつもりだし」
2週間後の5月頭にはアドシアード――武偵高校の国際競技会。オリンピックみたいな大会が行われる。
今年は東京武偵高校で行われるとのことで、在籍生徒は
普段なら問題はない、というか武偵の集まる学校を狙う犯罪者はあまりいないため軽視されてるが。このイベントは正直迷惑ではある。シフト調整面倒だし。
「この娘
「今はノーランクだけど実力はBランク相当だぞ?実力よりスキルとして役立つから雇うつもりだけども」
「スキル?」
「桜ちゃんは悪の臭いがわかるんですよ!」
「悪の臭い?」
「うまく言語化出来ないんですが、こうツンとしたニオイで判別出来るんです」
「警察犬が麻薬とか嗅ぎ分けるじゃん?あんな感じだと思えば間違ってないんじゃない?」
「悪いこと考えると体臭がニオうので――その例えやめません?」
「え!?俺臭い!?」
「言ってません。…この下り毎回やるんですか?」
「飽きたら止めるさ。たぶんメイビー」
コントがいち段落したところで陽菜が口を挟む。
「師匠。拙者も護衛に「却下」どうして!?」
「単純に護衛向いてないし、草狩りさせた方がましだろ」
「なんて酷い事言うんですか!?」
間宮がキレてるが、なんでキレてるんだ?護衛みたいな盾より自由に動かす方が有益なのに。
それに
「アリア。お前の
「普段はここまで露骨じゃないんだけどね……。あんたが嫌いにしても感情に流され過ぎだわ」
頭痛がするのかこめかみを押さえるアリアに反省したのか黙る間宮。それを見て興奮しつつも敵視する視線を飛ばす白雪の
俺、なんか嫌われることしたっけ?
「それじゃあ、私も荷造りして部屋に移りますね」
「え?」
「まったく!泊まり込みなら先に言ってくださいよ!」
ぷりぷり怒ってから去っていった。桜ちゃんが去るのに合わせて妹たちも去っていく。連絡先の交換は拒否された。
……桜ちゃんはランダムに顔出させる程度の
それはそれでいいか。報酬計算やり直そう。
「陽菜。後は任せた」
「御意」
いつの間にか近寄ってた陽菜はそれだけ言葉を交わして姿を消す。
敵からすれば今回の護衛任務で一番邪魔なのは桜ちゃんである。
それでもやりようはあるが、計画の大幅な見直しを強制出来るのは大きなメリットだ。
真っ先に排除しようと動くなら、必ず尻尾が見えるはず。
つまり陽菜の役割は護衛ではなく監視と哨戒である。
忍びは護衛より伏兵として使うものだ。
具体的に命令してないが、意図を読み取って動きやすいように動くだろう。桜ちゃんを囮に全体を監視する役割をやるはずだ。
さて、打てる手は打った。あとは根競べだな。
没シーン
間宮「なに人のニオイ嗅いでるんですか」
遠山「ニオイで人判別できるからな覚えてる」
間宮「ニオイで判別って気持ち悪いです!」
乾「えっ……」
間宮「あ、桜ちゃんの事じゃなくてね!?」
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