遠山キンジの独白 作:緋色
人工的に作られた学園島の地下は船のデッキみたいな多層構造になっており、地下二階から水面下になる。
地下倉庫というだけあっていろんなものが置いてあり、上層には車や船舶などの乗り物、中層にはHPCサーバー室に下層には火薬庫がある。
大きめの押収品なんかもここに置いてたりするので、使用頻度はそれなりにあったりする。
地下には一人で降りるため武藤には応援を呼んで貰うことにした。
不知火はこっちに向かっており後詰で出てくれるとか、アリアは連絡がつかんので放置するとして、戦妹二人と連絡取れないのはなぜだ?魔剣の仕業か?
トラップを警戒しつつも下へと降る。
敵が仕掛けて来るとすれば火薬庫エリアだろう。白雪の鬼道術と俺の銃の使用を禁じるしかないからな。下手に引火したら100%死ぬ。
俺の手札で使えそうなのは、手錠と警棒、ナイフ、あと防刃防弾の風呂敷ぐらいか。対魔強化は間に合わなかったから。手持ちでどうにかするしかない。
「鬼が出るか蛇が出るか」
ご丁寧に
『久しいな遠山』
「スピーカー越しに言われても知らんわ。誰だおめー」
見回すとあたりに雑に置かれてる砲弾や火薬の中に棚を押し開けたと思しきスペースに異彩を放つスピーカーとモニターが置いてあった。
『……名乗る程の者ではない。そこのモニターに映っている二人が見えるか?』
「風魔に乾?捕まってたのか?」
桜は縛られているけど陽菜は縄抜けしたのか、足元に縄が落ちてるな。
『縛られている二人の間に置かれている物がわかるか?そう爆弾だ』
陽菜に隠れて見えなかったけどそうなのか。あ、解除できないと見て桜ちゃん起こしてる。
『貴様は二人を見捨てられまい。二人を助けたければ「言いたいことは大体わかった。速攻でお前捕まえに行くわ」
『なんでそうなる!?』
二人は爆弾解除講習受けさせてたしなんとかなるだろ。たぶん。
「俺は爆弾解除できないし、作ったやつ捕まえて解除させるしかないだろ。というわけでまってろ」
『爆弾解除講習受けてただろお前!?』
「どっかのアホのせいで最低限の講習も受けれなかったから落第だが?」
主に護衛で優先順位が下がっていたため時間が取れなかった。どっかの爆弾魔との再戦も考えると受け直さんとな。
『「そうか。なら仕方がないな」』
スピーカーと別方向からの声が
不味いと振り返ろうとした所で、知らない女に手首を掴まれる。
「だっらぁ!」
――ヒュゥ
とっさに拳を振るうが空振り、口笛のような音と共に右目が開かなくなる。
『
手首の方は袖が凍るだけで済んだようだが、とっさに目を閉じた右目が開かない。
「なんだこれ氷?」
『動きは奪った。そこで死ね』
「まだ殺されたくねーかな!?」
死角となった右側からシャッというナイフが空気を切る音に警棒を似て構え――ギン!と空中で火花が散った。ここ火薬庫なんで火花出すのやめてめっちゃ怖い。
「あんた何やってるのよ」
「いたのかアリア」
「今来たところよ。――そこにいるわね『
『ホームズ、か』
ギギンっと続けざまに飛んできたナイフとアリアの日本刀が火花を散らし、それに紛れるようにどこかの扉が閉まる音がした。
「逃げたわね。――あんたそれどうなってんの?」
「よくわからん」
手を近づけた感じだと冷気を感じるから凍ってるようだ。瞼が開かないだけのようなのでとりあえずお守りを風呂敷で包み、目のところに当てるイメージで眼帯にする。気休めにはなるはずだ。
って足元も凍らされてるやん。動けねえ。徹底的に機動力を削ぐ気か?
「あんたやっぱり調子に波があるわね?」
「俺はそれが極端なもんで」
「武偵は常在戦場よ。言い訳にしない事ね」
「言い訳じゃねえんだけどなぁ」
モニターを確認するとギャイギャイ騒ぎながら爆弾解除しているようだ。
まあ心配しなくてもよさそうである。
「先に行ってるわ。これ回収したらすぐ来ること!」
「いや2人の場所わかんねーよ?」
「この階層のどこかにいると思うわ。勘だけど」
「勘って」
「先行ってるわね」
有無を言わさず先に進んでいくアリア。
バタフライナイフで足元の氷を無理矢理破壊して動きを取り戻す。靴破れたから買い替えねーとな。
アリアの向かった先とは別方向に向かう事にする。
ワイヤートラップやらワイヤー切ったら発射されるボウガンなどが鬱陶しいので
「師匠!?お手を煩わせて申し訳ないでござるが今解除できた所でござる!」
「残り2分でした」
小部屋の中に二人がいた。
カメラの死角になるように「この爆弾が爆発したら学園島が沈む」と書かれている。今時新聞を切り貼りってあるんだな……。
それは置いといて。
「OK。一旦地上に戻れ」
「地上ってここどこなんです?」
「
「私達も協力します」
「爆弾を解除したなら十分だ」
ズズン!とくぐもった音が
それと同時に床にあった排水溝から水が逆流し始めた。
「どっかの排水系壊しやがったな。――地上に行って現状を伝えに行け。10分もすればこのフロアは水没するぞ」
「師匠は」
「『
「「はい!」」
二人を梯子まで誘導し、白雪探しに戻り――1番だだっ広い大広間で巫女服で縛られている白雪とどうにかしようとしてるアリアがいた。
「悪い遅れた」
「遅い!二人は!?」
「地上に向かった。大丈夫か白雪」
「私は平気……。私はいいから二人とも避難して!」
鎖は1つ1つの環がハンバーガーみたいに巨大で分厚く、壁ぎわを伝う鋼鉄のパイプに繋がれていた。錠前はこれまた置き時計のように巨大な『ドラム錠』と呼ばれるシロモノで、3箇所もロックされている難物だ。
武偵手帳から
鎖を壊すにしてもこれ斬れそうな白雪は縛られてるし考えるだけ無駄か。
「アリア。先に上に行け!
「あんたたちを見捨てて逃げるなんてできない」
確かにどんなに早く倒したとしても10分以上はかかるだろう。そして5分後には水没してるだろう。
「ギリギリで開錠できるが二人を抱えて泳げる自信はない!お前にゃやることあるだろう?はよ行け」
開錠できる自信はない。アリアはそれを見抜いているのか膝ぐらいまで浸水した水を見てから
「――死んだら風穴だからね!」
「死体蹴りやめろ」
アリアは後ろ髪を引かれるように上と向かった。
軽く工具を探してみたがそんな都合のいいものはないらしく
ノーマルな俺の
仕方がない。
「白雪。俺はこれからひどいことするが許してくれ」
「キンちゃん……。いいの――星伽の巫女は
なぜか今生の別れみたいな雰囲気を出してる白雪に疑問が浮かぶが非常事態だし、たぶん無罪だろう。
「
「わたっ――!?」
俺は、白雪を抱きしめ。口と口を、合わせた。
白雪の唇は柔らかくて。すうっ、と吸い込まれた息と少しだけ入れ違った白雪の息は、甘い、桃のような香りで。
ドグンドグンとこの唇を起点に、昂ぶった血液が身体中を巡り芯に集まっていく。
全身にいきわたる血流がヒステリアモードの覚醒を実感させてくる。
「キンちゃん――ずるいよ」
「そだな。大きく息を吸え!1分我慢しろ」
上昇する水面を潜って
通常なら一つ10分は掛かりそうな錠だがヒステリアモードの俺なら指先に伝わる微かな感触だけで鍵内の内部構造が把握できる。
3つの錠前を40秒ほどで開錠し、重い鎖がずり下がって白雪を解放する。
ぷはっ
そろって水面に顔を出す間に合ったな。だが水没まで時間はない。
「キンちゃん!」
「白雪。怪我はあるか?」
「ないよ」
「前にも言ったろ?俺が守るって。一緒に行くぞ」
水没しそうだし、時間がない。
感激してるのか偉く従順な白雪を連れて上へ向かう。
「キンちゃん。相手は
国際分類のⅢ種超能力者と呼ばれる魔法とか鬼道術などの体系的にまとめられた不思議な力――術式を扱ういわゆる魔法使いだ。陰陽師とかハリーポッターがこの辺の分類になるらしい。
「勇敢だね。超能力には詳しくないし、俺とアリアが
さて横取りしようとしたアホをとっ捕まえてやるとするか
よいお年を
原作何巻まで読んだ?
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読んでない
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