遠山キンジの独白   作:緋色

48 / 168
打ち上げ

 あの後、魔剣(デュランダル)――ジャンヌ・ダルクは武偵校の縄張り(シマ)でやった犯罪という事もあり尋問科(ダギュラ)の綴教諭に引き渡した。綴のあんな悍ましい笑顔初めて見たわ。

 次あった時、綴の事を女王とか呼んでたりしないだろうか……?

 

「ここはあたしの奢りよ。好きに頼みなさい」

 

 色々あったが、アドシアードも終わりファミレスで打ち上げする事になった。

 チアが見たいならアドシアード公式ホームページにアップされてるから見に行くといい。

 ちなみにバンドしていた男子の打ち上げはこのファミレスなので二連続である。

 チアやってた女子陣は台場のクラブ・エステーラだったそうだ。格差社会……!

 この打ち上げは魔剣(デュランダル)を逮捕できたことで、その濡れ衣を着せられていた母親――神崎かなえさんの刑期を一気に短縮できると景気よくアリアが奢ってくれるとの事で、俺の家に泊まり込みしていたメンバーは好き勝手に注文している。

 まあ陽菜と桜ちゃんもいるしファミレスでいいか。下手に高い店だと遠慮しそうだし。

 

「そういえば風魔はいつから護衛してたの?」

「警護が決まった日から師匠に独自判断で情報収集せよとの命で動いてござった。……敵方にはバレてしまい逆に師匠の手を煩わせてしまい申し訳なく」

「自力で脱出出来てたし及第点でいいと思うぞ。アレの邪魔になってたみたいだし」

 

 邪魔でもなかったら陽菜も無理に攫う必要ないしな。それが原因で脱出されとるわけだし。

 

「しかし――」

「しかしも案山子もねえよ。不甲斐ないと思うなら鍛えろ。以上」

「御意」

 

 陽菜はしばらく諜報科(レザド)系の任務で鍛えるよう促した方がいいのか。ほっといた方が成長するのか考えていたところ。

 

「あんた年下には優しいわね」

「そうか?そうか……?」

「優しいんじゃないですか?」

 

 まあお兄ちゃん力発揮されるから優しいのかもしれない。

 なんか白雪の機嫌悪くなってきたし話題変えるか。

 

「そういや白雪はよくチアしたな?土壇場でやっぱり無理って逃げると思ってたけど」

 

 変に度胸発揮したり恥ずかしがったりと基準がよくわからない。

 開会式は兎も角、チア姿を大衆に見られるのは間違いなく嫌がると思っていたので最後のチアまで残ってたのは意外ではある。

 

「アリアに押し切られたのはあるけど……うまく言えないけど一番は吹っ切れたからかな?」

 

 なにか吹っ切れるような出来事があったっけ?

 あとなんで撓垂れ掛かってくるん?

 いやアリアに見せつけてるのかこれ?

 

「白雪。あたしからも話があるわ」

 

 それをイラっとした顔で見ていたアリアが改まったように佇まいを直す。

 ――やな予感

 

「白雪。あんたもどr――チームに入りなさい」

 

 今奴隷って言いかけなかったか?

 

「あたし今回分かったの。あの魔剣(デュランダル)――ジャンヌ・ダルクとの戦いは――あたしたちが1人1人だったらきっと負けてた。3人がかりでやっと倒せた。それは認めるわ」

 

「え?そんなにヤバイ犯罪者だったんですか?」

「今回不意討たれて呪いくらうわ策に嵌るわで後手後手だったからな」

 

「あたしたちの勝因は力を合わせたことよ。今までのあたしは――どんな敵が相手でも自分と自分の力を引き出すパートナーさえいればいいって思ってた」

 

「遠山先輩――なにしたんですか?」

「特に何も」

 

「そこうるさい。でも…2人じゃどうしようもできない相手もいるわ。つまりあたしのパーティーに特技を持った仲間が増えるのはいいことなの。特に白雪みたいにあたしにない力を持ってる仲間はね」

 

 それお前の都合でしかないな。

 まあ今のところはイ・ウー狩りが目的だし、旗振り役として主張自体は間違ってないから別にいいか。

 今回、名剣を鹵獲できたし総合的にはプラスだし、アリアはなぜか外務省に顔利くようなのでリーダーにしとけば政治的な面倒事任せられるしな。

 後輩二人のなんでこの人リーダーなんだろうみたいな顔を横にアリアは何かを取り出す。

 

「チームは一緒に暮らして仲を深めるものよ」

 

 そう言って取り出したのは…ルームキーか?

 

「アリアの部屋の鍵か。二人が仲良くなるなら別に構わな「これキンジの部屋の鍵」「ありがとうございます。キンちゃん様!」

「いや俺渡してないんだけど?部屋たまり場にするのは別にいいけど」

 

 警護期間中はずっと家事任せっぱなしだったし、特に問題はないはずだ。

 

「いやちょっと待って下さい。その合鍵いつ作ったんですか?」

「安心なさい。警護終わってからよ」

「遠山先輩許可出しましたか?」

「今、初めて存在知ったけど」

 

「 ダ メ じ ゃ な い で す か ! 」

 

 ……そういえばそうだな。

 ずっと同居してたからそこら辺の意識が緩くなってたな。反省。

 

「そもそもあそこ賃貸ですから勝手に合鍵作るのがダメですし、合鍵で勝手に部屋に入るのは住居侵入罪ですよ!」

「住んでる奴が許可出せば入るのは合法になるけど」

「先輩は黙っててください」

 

 ……こわっ。

 流石に分が悪いのかアリアもバツが悪そうだ。

 

「そうね…。キンジ部屋に集まるのはダメかしら?」

「俺がいる時なら別にいいけど。泊まるのはなしだが」

 

 寝静まったタイミングでクロメーテルの部屋に移動してって事も多いし泊まられるのは困る。

 あと白雪が夜這いとか言い出すだろうし。

 

「なら合鍵は?」

「俺が管理するから返せ。必要なら貸す」

「キンちゃん様。鍵返すよ……」

 

 アリアに言ったつもりだったんだけど白雪も返してきた。

 まあいいか。

 

「先輩がいいならこれ以上は言いませんけど……!」

「明らかに不満だってわかるけど。打ち上げなんであんま噛みつかんでくれ」

「むー。いただきます!」

 

 やけ食いすることで消化するみたいだ。ならよかった。あんまりギスギスしてるのを見るのも忍びないからな。

 

「あんたはあたしの事何だと思ってるのよ」

 

 何かに感づいたのかアリアが急に問いかけてくる。

 

「お兄ちゃんに甘える我儘系思春期妹だろ…?」

「 だ れ が イ モ ウ ト だ ! ! 」

「「「あー」」」

「あんたらもなんで納得してるのよ!」

 

 だから甘かったのかと納得する3人に対し、不満全開のアリアの怒りは店員の態度がヤバくなってきたあたりでももまん丼(丼物の具にももまんを使った斬新なメニュー)のももまんをアリアの口に突っ込むまで続いた。

 こんなんで簡単に怒り冷めるならももまん常備すべきか……?

 

 

 

 

 

 

 

 結局、白雪とアリアは俺の部屋にちょくちょく出没することとなった。

 なんで共同生活時より私物が持ち込まれてるのかわからないが、白雪は平常運転でアリアは後輩の目がないからか、靴を玄関にぶちまけてたりと大雑把さを見せつけている。

 こんなんなら戦妹(いもうと)らも自由に出入りさせるべきか?と思ったがあいつら用がない時は自己研鑽か趣味に使うからあまり寄り付かないだろうし意味ないか。

 

 




ざっくりエピローグです(区切りとしてはちょうどいいかなと)
適当に2、3話やってから3巻入ろうかなと思ってます
……アンケート結果どうしよ。一応現時点で出せるキャラいるけど

キンちゃん強化は

  • 戦闘技を増やす
  • 便利スキルを増やす
  • 部下を増やす
  • 女を増やす
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。