遠山キンジの独白   作:緋色

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鯱を出そうと思いましたまる


お詫び

 アリアに急に頬に右手を当てられたので、その上から左手で押さえて、右手でアリアの頬を撫でて顎クイしてみる。

 

「みょあ!?」

 

 変な声をあげてズザザザと距離を取るアリアだが、嫌がるならなぜやった?

 

「にゃにをするのよ!?」

 

 アリアにクロメーテルが呼び出されたので変装して指定されたカフェまで向かうとコレである。何がしたいんだこいつ。

 

「触って欲しいのかと。あ、キスはNGです」

「違うわよ!あたしはそっちの趣味はない!」

「そうですか」

 

 あのまま鬘――ウィッグを引っ張られてバレると面倒くさい事になる事は確定なので、誤魔化しただけである。

 

「……ごめんなさい。あんたの事疑ってたわ」

「急にお詫びとか言い出したのそういう事ですか?というか何に対しての謝罪なんです?」

 

 ついに男だとバレたか……?

 

「詳しくは守秘義務あるから言えないけど、あんたに変装した奴がいたのよ。それもあって疑ってたの」

 

 あー、それか。一応クロメーテルは知らん設定なので口を滑らせない様に気を付けないとな。

 

「知らない予定が入ってたのはそのせいですか」

 

 知らん撮影スケジュール入ってたのでどうしようかと。

 露出の多い服装はNGなのでCVRでは異端よりではあるが、露出多い女性を嫌うタイプを落とす役割として何故か納得されている。

 ちなみに過去の撮影は北国の民族衣装が多い。

 メーテルっぽいと好評ではあった。

 

「あんた何か隠してるでしょ。だから疑ってたわ」

「隠し事はいっぱいありますね。例えば隠し収入源になってる音声とか」

「あのCDは別に隠してないでしょ。強襲科(アサルト)で男子が聴いてるのを見た事あるし」

 

 …CVR生徒のみの限定販売のはずだが、なんで広まってるんだ?

 ルート確認して〆とかねえと。

 くだらない事を考えていると物凄く見覚えのある女が近づいてるのに気が付いてしまった。

 

「探したぞ!」

 

 武偵校では制服の改造は推奨されているが、下乳とパンツが見えそうになるくらい切り詰める度を越した改造制服と鯱鉾(しゃちほこ)を学帽に付けた女がやってきた。

 

「お帰りはあちらです」

「そうはいかない。今日こそナゴジョに来て欲しい」

「イヤです」

「強きは美なり!東京のCVRよりナゴジョでその力を生かすべきだ!」

「 イ ヤ で す 」

 

 力強く勧誘されるがこいつ苦手なんだよなあ。

 露出高いし。

 

「これあんたの友達?」

 

 眺めてたアリアの意見だが周りからはそう見えるのだろうか?

 

「違います。初対面ですよね?これは名古屋武偵女子高の乗能力種(マル乗)レベル16の武極(ぶきょく)(すばる)。こっちは東京武偵高校の双剣双銃(カドラ)の神崎・H・アリアです。仲良くはしなくていいです」

 

 乗能力種(じょうのうりょくしゃ)通称マル乗は、簡単に説明すると体器官が常人の何倍もある超人の事を指す。ちなみに俺もこれに分類される。

 超能力者(ステルスロジー)と違い、MP消費で魔法を使うわけじゃなく、生まれつき筋力が強いとか思考速度が速いとか身体がありえんほど柔らかいとかそういうのである。

 俺の神経伝達物質を操るヒステリアモードを表すと『条件付きマル乗レベル30』となるわけだ。つまり条件付きだが常人の30倍の特異体質という事だ。

 ……アリアも素手でリンゴとかリモコンを握りつぶせるがマル乗ではないらしい。いや鍛えたらできる範囲だけど。

 

「クロメーテルの知り合いか?自己紹介しよう。名古屋武偵女子高《ナゴジョ》総統括委員長――武極(ぶきょく)(すばる)だ。昴でいい」

強襲科(アサルト)の神崎・H・アリアよ。アリアでいいわ」

 

 そのまま流れで握手するが、それでお互いにある程度強いというのは把握したようだ。

 まあ油断しないのはいい事だ。体よく押し付けよう。

 

「説明するのがすごく面倒くさいのですが…。財界人を調べてる途中で対立しまして…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 急にマキリさんに攫われてとある財界人が女だから雑に調べろと投げ出された。俺ってそういう立ち位置なの?というか頼むのにイラっとした感じを出すのやめて欲しい。

 それは兎も角調べようにも男嫌いで、周りを女で固めてる相手だったため仕方なくクロメーテルとして潜入し

 

「小鼠め。目を掛けてやったのに裏切るとは」

 

 普通に見破られた。

 

「メイド服は契約に入ってないので拒否しても問題ありませんが、一応護衛だし」

「それもあるが私の事をコソコソ調べている事だ。どこの犬か。昴取り押さえろ」

「了解だ」

 

 その時出てきたのが下乳とパンツが見えそうになるくらい切り詰め、袖がギザギザした度を越した改造制服と鯱鉾(しゃちほこ)を学帽に付けた女――武極(ぶきょく)(すばる)との初対面だった。

 

「クロメーテルといったか。依頼だから悪く思うなよ。安心しろ命は取らん」

「あの…服の肩の所破れてますよ。それにブラも見えそうですし、パンツの紐も見えてますし…。私しか気付いてないみたいなのでちゃんとした服装に着替えた方がいいかと」

「ファッションンンンンン!それファッションだから!ワイルドさを出すためにファッションだよ!?」

「え!?皆さん気が付いてたんですか!?恥ずかしい格好してるって!」

「いやナゴジョじゃ肌を出してた方が箔が付k」

「肌を晒してるのはそういうファッションだよ!へそ出しコーデという立派なオシャレ!パンツは…ほら見せパンってやつ!」

「別に見せパンじゃ…」

「え、じゃあ袖は?」

「…カッコいい感じのオシャレだから」

「カッコわr……おしゃれなんですか?」

「別に…服はなんか…袖が邪魔だったから、ちぎったらなんかこんな風になっちゃって…。カッコイイとか悪いとかそんなの全然関係ないし…!別にそういうの意識してたわけじゃ…!ギザギザも二度と着ない!」

「スバルゥゥゥ!照れちゃってるよスバル!面子丸つぶれちゃった!つかメンドクセー!昴メンドクさ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…だいぶ省略すると好きな技かけてもいいと、自信満々に言われたので顎打ち抜いて倒したのですが」

「初めてだったよ。戦闘不能にするような素晴らしい一撃。心まで撃ち抜かれた」

「どうも当たり所が悪かったらしく――ああなりました」

 

 最初はそうでもなかったのだが、負けを認められず二度三度復活しては挑んでくる度になぜか頬が紅潮していってなんか本格的に壊れたっぽい。

 クロメーテル姿だと動きに制限掛かるから、大技使いにくいのも原因だろうけど。

 ――ちなみに財界人はそこまで問題あることをしてなかったので放置している。というか後半は武極(ぶきょく)にひいてたので反省したらしい。いや別に悪いことしてたわけじゃないはずだが。

 

「あんた、戦えたの?」

「それなりに。顔がいいってだけで大変なんですよ…。こういうのが出てきてますし」

「それは大変だな」

「あなたの事ですけど?」

 

 実力あるタイプの馬鹿って扱うのが一番面倒くさかったりするんですよね。都合よく扱う事を勘で見抜いて拒否してきたりするし。途中で関係ない事し始めて破綻させるし。

 ――なんだろう全部自分に返ってくる気がする。

 

「改めて勧誘しよう。ナゴジョに来い!」

「嫌ですけど」

「CVRなどという遊びより強く美しくある事が一番のナゴジョの方が向いている。君は戦士タイプだろう」

 

 こいつ見る目は確かだから間違っちゃいないんだよな。

 

「少し心惹かれますけど嫌です」

「ナゴジョの何が不満なのか?」

「制服」

 

 ナゴジョは肌が見えてる程箔が付くという思想が蔓延っており、クロメーテル的にはNGである。

 本人らは気がついてないようだがJKが素肌出しているのは対人の場合、視線誘導になりやすいためそれなりに効果が高いので男を見下すという悪循環?に陥ってるらしい。

 

「そこは――慣れる!」

「私がそういう服着るのは犯罪なので」

「確かに国宝か……?」

「自意識過剰ね」

「何言ってるのかわかりませんが、これに関しては私悪くないんですが」

 

 真面目にわいせつ物陳列罪になってしまうし。女は許されるが男は許されないと思う。

 

「私が見たいのもあるが――ごほん。ナゴジョは男がいない良い所だ」

「それCVRと何が違うんです?」

「強く美しい所だ!」

「それなら今のままで問題ないですね」

 

 というかCVRより状況が悪化しそうである。

 

「ナゴジョで私と国を作ろう!」

「もはや勧誘の意味が分かりません」

「私が元首で君が姫だ」

「自分は男だったり女だったりするんで無理です」

「なら元首になるか?」

「もう帰ってくださいよ……」

 

 頭が痛ぇ。

 もうこいつ牢屋に入れといたほうがいいのでは?

 

「あまりしつこい勧誘は良くないわよ」

「それは問題ない。いつもならとっくに逃走してるからな」

「流石に二人から逃げ切れそうにないので」

 

 逃げたことでタッグを組まれたら少々面倒くさい。

 逃げ切る以前に女装がバレると思う。

 

「ちょっと待ちなさい!あたしからも逃げる気!?」

「こうなると思ったからです。誰か助けてください」

「んん!ならこいつ追っ払うからチャラね!」

「ほう。威勢がいいな。受けて立とうではないか」

 

 なんでナチュラルに戦う事になってるんだろう。

 頭強襲科(アサルト)か?強襲科(アサルト)だったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 燕返しや三段突きなど力強い剣と素早く数と技の剣がぶつかる交流試合はアリアの判定勝ちと言えるくらいにはギリギリの勝敗であった。

 参考にはなるな。今度二人と戦う際に備えておく事ができる。

 

「そなたは美しかったぞ」

「あんたもね」

 

 決着がつき友情の握手してるとこを悪いけど追い返すとかそういう話じゃなかったっけ?

 

「さて、一件落着しましたし。お二人の写真撮影に行きましょうか」

「ん?」「はい?」

 

 ゴチャゴチャやってる間にCVRには連絡済みである。

 

「勝手にごちゃごちゃ争ってくれたお陰で私から逃げれる程の体力は残ってませんしね。いやー、助かりますよ生贄――新しい玩具をあてがった方が彼女らもやる気出すでしょうに」

 

 知らん間に決まってた写真撮影なんてやりたくないし、ちょうどよかった。

 

「ちょっと待って!?これ追い返す話でしょ!?」

「私は別に闘って追い返せなんて言ってませんよ?」

「んな!?」

 

 まあ追い返すだけだとまた来そうなのでしばらく凹ます必要があるだろう。

 

「それに二人はCVRが遊びだのなんだの言ってくれたわけですし――きっちり落とし前つけさせないと」

「あたしは言ってないわよ!言ったのは…あんた逃げるな!」

「そろそろ名古屋が恋しくてな…。今回は負けを認めて去らせて貰おう」

「あれ?武極(ぶきょく)さんなんでもするって言いましたよね?」

「言ってないが!?」

「大丈夫です。二人とも勇敢にしてあげますので――彼女らが」

 

 振り返ると連絡受けて集まったらしいCVRが16人……いや多くない?

 

「この二人はお預かりしますね」

「私の代わりなんで丁重に扱ってくださいね」

「素材がいいのできっちり磨きます!」

「あ、写真集出来たらナゴジョにも売り付けといてください」

「ナゴジョの人ですか…。わかりました」

 

 非力な女生徒を振り払えないのかおとなしく連行された二人は献本見る限り楽しんでいたようだ。

 後日、自室に送り付けられたせいでアリアと白雪がキレる事態になったがここでは割愛する。

 アリア宛の荷物が俺の部屋に届くあたりどう認識されてるんだろうか……?




武極さんって見栄張ってたら引っ込みがつかなくなっただけで自分の意見無さそうだなとAA読み返して思いました
次の出番は多分ないです


以下、言い訳
しゃっちーを出そうと思ったんですがしゃっちー出してもAAの二番煎じかなってのと、その前に銀魂読み返してたんですよ
あと武極さんの十二単が好みだった
でもそこに至るまでで力尽きました――無念

キンちゃん強化は

  • 戦闘技を増やす
  • 便利スキルを増やす
  • 部下を増やす
  • 女を増やす
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