遠山キンジの独白 作:緋色
キンちゃん「空気を蹴って方向転換できます」
先祖の技に蕉驅ってのがあるのでその応用かなぁ?(書いてるときワンピース流してた人)
勝った……。
シャーロックが倒れて動かなくなるのを確認できたせいか、ベルセの血流も霧散し始めている。
「キンジ!」
「……俺はいいから
俺はシャーロックから視線を外し、俺たちの戦いを呆然と見守っていたアリアに振り返らずにデュランダルとスクラマサクスを回収する。
ふむ……。名刀だな。両刃剣より振りやすい。
アリアは「バカ……!」と小さく言いながら上着を投げつけてきたのでキャッチして着込む。
その間にアリアは超偵用の手錠を取り出し、倒れたシャーロックの元にひざまずき一瞬ためらってから
「曾お爺さま……いいえ、敢えてこう呼びます。シャーロック・ホームズ」
その手首に輪をかけた。
「――あなたを、逮捕します」
……あれ?あいつ息してなくね?
「素敵なプレゼントをありがとう。 それは曾孫が僕を超えた証に頂戴しよう」
頭上からかけられたしわがれた声に、俺とアリアは慌てて顔を上げた。
そこには、ICBMの1基その先端に開け放たれた扉に掴まってさっきの頭突きで額から流血しつつも、笑顔で小さく手を振るとうとう白髪交じりになった、シャーロックの姿があった。
「キンジ君。 さっき君にもらった一撃は、僕にも推理できなかったよ。さっきまでの若い僕なら、とっさに推理できたろうけどね。まあ、歳には勝てないということかな」
「じゃあおとなしく逮捕されろや!というか超えたの俺だろ!?」
「HAHAhahaha!」
倒れている方のシャーロックに視線を戻すと、その右腕が――砂金になって、崩れ落ちる。
パトラの分身の術か。いつの間に入れ替わりやがった!?
いやそれはどうでもいい。
「逃がすか!」
「昔から言うだろう?『老兵は死なず。 ただ、消え去るのみ』と。さあ、卒業式の時間だ。花火で彩ろう――」
花火?あの野郎空で自爆でもする気か!?
「立つ鳥跡を濁しまくりだろ!問題押し付けて逃げんなゴラ!」
シャーロックがICBMの内側に入っていくのを見上げなら悪態を叫ぶがこの距離じゃ間に合わねえし、発射準備完了してるなら壊して「行かないで……!いやいや……!あなたのこと、ママのこと、もっともっと、話したい事が!」
「アリア!?あれはもう飛び立つ!危険だ!」
後を追う俺の声に聞く耳を持たず、アリアは背中から小太刀を逆手で2本抜いた。
そしてラグビーのタッチダウンのようにジャンプし、ICBMの表面に刃を突き立てる。
なんでこういう時だけ行動力あるんだよこいつ!?
「短い間だったが、楽しかったよ。 なにか形見をあげたいところだが、 申し訳ない。 僕はもう君にあげられるものを「責任取って冤罪晴らしてから死ね!」何も持っていないのだ――だから、名前をあげよう。 僕は『緋弾』という言葉を英訳した二つ名を持っている。 『
「さようなら――『
その言葉を最後に、シャーロックはハッチを閉じ。
振動するICBMが、 ゆっくり、ゆっくりと――その巨体を持ち上げ始めた。
不味い!あのままアリアが張り付いたまま発射されたらアリア死ぬぞ!?
わずかに残ってるベルセの血流を使い切りデュランダルを投げ刺し、アリアがそれ以上登れないようにする。
「降りてこい!」
「――いやよ!曾お爺さまがどこかへ行っちゃう……!」
余計な事しかしない怒りはわかるがここでその我儘発揮しないで欲しかったなあ!?
全身の痛みに歯を食いしばりながらナイフとスクラマサクスを使いアリアの元へ!
頭上から水滴が、落ちてくる。これはアリアの涙か。それともICBMから剥離し始めた氷が溶けたものか。
ズズズズ・・・・・・と、 ICBMの巨体が浮き上がり始めた。空へと飛び立ちつつあるようだ。
クソっ、似非中華ロリと違ってロケットだのミサイルにしがみついたまま生きていられるわけがねえ!
今ならまだアリアを抱えて落ちれば(俺だけが)大怪我で済む。
アリアに何とか追いついた所で――グンッ
身動きが取れないほどの風圧が襲い掛かる!
デュランダルが多少の風除けになってるのかなんとか張り付いていられるぞ……!
アリアを庇う様に覆っているが全身が引きちぎられそうに痛い……!が、
ボンッという音と共に雲に突っ込んだのか視界が白一色に染まる。凍てつく粉が身体を叩いたと思ったら急にその感覚がなくなる。
薄く開けた目で確認すると雲の上へと抜けたようだ。――だが
「……アリア――悪ぃな」
「えっ」
声が聞こえたのか聞こえなかったのか。
体力も尽き欠けており――ただ不帰の船から脱落した。
8本の噴煙が四方八方に登るのぼんやりと眺めながら、固く握りしめすぎて手から離れない武器と共に雲を突き抜け――ただ落ちる。
――空から女の子が降ってくると思うか?
「――!」
声が聞こえたような気がして身をよじって確認するとアリアが俺の方へと手を伸ばしていた。
身をよじったことで空気抵抗が増したのかゆっくりと確実に距離が狭まっていく。
――それは不思議で特別なことが起きるプロローグ
追い付いたアリアは頭を下にして俺の頭を抱える様に抱きついて遠い海面めがけて落ちていく。
だが、この高さからじゃ……もう助からない。
人間が自由落下すると、速度はだいたい時速200kmぐらいで安定する。その速度で叩きつけられると水面はコンクリートのように堅くなるのだ。
万全な状態なら俺も腕か足を犠牲にして生き延びられると思うがダメージの蓄積か身体がうまく動かない。
アリアはそういう能力はないだろう……。
――現実のそれは危険で、面倒なことに決まってる
「アリ、ア。も、動け、ん。お、れのから、だをクッ、ションにし、てい、きのび「嫌よ!」
キンキン声のアリアの声が突き刺さる。
「ありがとう。ありがとう、あたしのパートナー。あたしは、あんたを誇りに思う――だから今度はあたしが!」
何をする気だ…?
「曾お爺さまが言った通り……これは『
……それ今言う事か?
というか俺のエネルギーが切れかけてるしもう落ち――
ぐんっ……!と俺たちの姿勢が両脚が下を向き、落下速度がみるみるうちに和らいでいく。
「ぐえっ」
急な減速にカエルが潰れたような声が出たがしょうがない事だろう。
平坦な胸から逸らすようにアリアの顔を見ると――アリアのツインテールが風圧のせいではなく大きく、大きく、翼のように広がってはらんだ風圧に引かれるようにして反転した。
――空には不思議なことがあって地に這う人間じゃわからないこともあるだろう
「そりゃあ理子の――」
「あ、あんまり見ないで。なんかこれ……すごく恥ずかしい……!」
と、まさに翼と化したアリアの髪が、 再び風をはらみ。
よっぽど恥ずかしいのか、いつもの赤面顔をしたアリアが「んっ……!」とくぐもった声を上げ、ばさっ。とツインテールをもうひと羽ばたきさせるとただの飛び込みぐらいの速度で降下していた。
見回せば眼下では、救命ボートから白雪がこっちを呆気に取られたような顔をしていた。
そのボートの縁にはパトラと、彼女に抱かれて半身を起こしている一命を取り留めたらしい兄さんも、驚いた表情でこっちを見上げていた。
――それでもなんで女の子を助けたのか
「き、キンジ。やっぱりあたしにもあんたが必要だわっ。 ぶ、武偵憲章1条!」
「『仲間を信じ、仲間を助けよ』か?」
「そ、そうよっ。だからキンジ――と、とりあえず浮き輪になりなさい!」
……いま動けねえんだけどなぁ。とりあえず息を大きく吸って、着水しコアラみたいにしがみついてきたアリアと共に漂って救命ボートに救助される。
――強いて言うなら男だからかもな
ここまでが『緋弾のアリア』のほんのプロローグに過ぎなかったことを俺はあとから知ることになるのだが――それはまた別の話。
勝ったッ!第3部完!
来週は休みます!
以下疑問
アリアの勘だとその場に残った方が死ぬという判断なんでしょうが(ロケットの発射とか近くにいたら死ぬそうで)
キンちゃんは兎も角なんでアリアはミサイルに張り付いて生きてるの?夜兎か?
無理矢理擁護するなら緋緋バリアが発生してたのかな?
それだとキンちゃんナイフが反応するんじゃ?あのナイフ急に効果発揮するからよくわかんねえけども
よくわかりませんがこの作品だと無理矢理生きてられそうな要素を突っ込みました
今後の話(夏休み)
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義妹
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戦妹と修行
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姐御と嫁
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女装
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ALL入院(6巻開始)