1話でもしもカフカが入隊を断っていたら?   作:刀持ちの烏

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プロローグ

「こちらスパーク8よりキグナス38、対象は日本橋4丁目からそのまま北東に向かって進行中、スパーク8は105mm砲による火力支援を要請する。送レ」

「こちらキグナス38、了解した。キグナスは直ちに現場に向かい105mm砲による支援を開始する。返事はしたぞ。終ワリ」

 機長が通信を切るや否や、19名の防衛隊員を乗せたAC-130Jゴーストライダーは、対象に攻撃ができるように機体を反時計回りに旋回させる。そのゆったりとした動きには、まるで獲物を見つけた蛇のような殺意が込められていた。

 機体から下には、元となったエッフェル塔とは似ても似つかない外観と形になった二代目通天閣や、安土桃山時代からその優雅な景観を、比較的保ち続けている大阪城天守閣があった。しかし、AC-130Jの砲手はそれをまったく気にもせず、背の高いビル街を見つめていた。

 そのモニターには巨大な、おそらく20mはありそうな体をした四足歩行のトカゲのようなものが暴れていた。トカゲと言っても、その化け物の背には山のように大きな鉱石が突き出されていた。 

 

 機長がガラス越しに下を見つめる。

「よし、見えたな。105mm砲、攻撃開始」

その言葉を合図とし、砲手がトリガーを引く。ほぼ同時に乾いた音とともに直径105mmの砲口から弾丸が射出される。

 化け物に殺到していった弾丸のうち、半数以上が命中する。さすがの異形の怪物といえども、凄まじい弾幕に耐えることができずに爆発とともに血や肉片を撒き散らす。

 だが、それでもなお敵は進行を止めることはなく、それどころか殺気立った目で機体を睨みつけている。

「こちら砲手、対象に全弾命中、効果あり。ですが敵の進行止みません」

「砲手、こちら機長、敵の前足を狙え。そうすれば動きは封じられるはずだ」

 了解、と言い砲手は105mm砲の筒先を怪物の全面部に向け、トリガーを引こうとする。

 しかし、彼はTVオペレーターの悲鳴により、これからの行動を変えねばならなくなってしまった。

「こちらオペレーター、対象に大きなエネルギー反応あり!攻撃してきます」

「機体を左旋回させろ。攻撃を回避するんだ」

 機長の冷静な命令とともにAC-130Jは素速く機体を左ロールさせる。だが、輸送機を改装した大柄なガンシップでは、おおよそ避けれそうになかった。

 突如、空に無数の光線がサーチライトのように照らされた。その光は回転しながらAC-130Jへと向かってゆく。機体の方も、必死に当たらないよう努力したが、光線はそれを嘲笑うように近づいていった。

 

 床に振動が走り、機体が斜め下へと傾いた。同時に爆音や悲鳴も響く。

「損害はどれぐらいだ?」

 機長は落ち着いた声で副操縦士に聞く。

「左翼をやられました。真ん中から折れたまったようです。おそらく助からないでしょう」

「エンジンは?」

 副操縦士は首を振りながら言った。

「だめです。被弾したせいで半分しか使えません」

 そうか、と言い機長は考え込む。エンジンがやられている以上、こんな場所で不時着も出来ないし脱出するしかないだろう。たしか、後部には輸送機だったころの名残で後部ハッチが開くはずだ。

「これより脱出する。胴体にいるものは後ろから出るんだ。パラの準備をしろ」

 その数秒後、機体の前半分は眩い光とともに消失した。

 

「畜生!畜生!どうなってやがんだ」

 砲手は泣き叫びながら錯乱していた。後部ハッチは開かず、パラも吸い出されてしまったため、彼は吹き込む風に耐えるように座席を握りしめていた。

 周りにも彼と同じような隊員がいる。

 彼は血走った目で窓を見つめた。外には四角い建物が並んでいる。

 砲手は意識を手放した。

 

 

 




 初投稿です。ほとんどを深夜テンションで書いたので文章の指摘とかしてもらえるとありがたいです。次は原作キャラが出ます‼︎
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