1話でもしもカフカが入隊を断っていたら?   作:刀持ちの烏

27 / 45
23:二大怪獣相模原の戦闘

「先ぱ〜い‼︎」

「ん?」

 日々野カフカ、いや怪獣8号は、正体がバレたのかとヒヤヒヤしながら振り向いた。いや大丈夫そうだった。その方向には見覚えのある白髪の青年が見えた。

「なんだ、お前か。正体がバレたと思ってヒヤヒヤしたぞ」

「あ、はい。すいません」

「いや、そんなにかたくならなくてもいいよ。自分だって無力突っ立ってるのは嫌だからな」

「ですね。助けてくれてありがとうございます」

 2人はそれそれ微笑み返す。だが、そんな時間はすぐに終わった。体制を立て直した7号が突っ込んできたのだ。

 日々野はすぐに市川に指示をだす。

「市川、お前はすぐにここから逃げろ。巻き込まれたりするとまずい。ここは俺が倒す」

 市川はすぐに走り出した。日々野は満足そうにすると飛んできた7号を両手で受け止める。同時たら腕に力を貯める。

「歯ぁ食いしばれ‼︎」

 7号の顔面に思いっきり拳が叩き込まれた。

 

 

 

「8号と思われる怪獣が再び出現。またも7号と交戦状態に入ったようです」

「なんやて」

 保科は部下からの報告を聞いて疑問に思う。怪獣7号と戦っていることについてはさほど気にはしないが、どうやってここまで移動したのだろう?戦っていることについては前回の戦いの決着をつけるためという可能性もある。だが、やつの移動手段はその体のつくりからして足しかないのだ。7号ならばあの後再合体したあと地下を移動したことがわかっているが、8号はそうではない。

「現在の7号と8号の居場所はどこや?」

 思うところはあったが、とりあえず彼は部下に怪獣たちの現在地を確認することにした。

「現在は町屋公園付近におります」

「よしわかった。中隊は大丈夫か」

「はい、損害こそありますが戦闘の続行は可能です」

「わかった。これよりルナリエ1は各個に怪獣がいる方向に移動せよ。現在は町屋公園付近にいる。付近の部隊にも呼びかけとけ」

 保科はいつもの調子で部下に命じた。

「は、しかしよいのですか?現在他の部隊も集めるとなると少し時間がかかります。あと怪獣8号は味方の可能性もあると言われていますが…」

 部下は疑問に感じたことを彼に聞く。

「いや、怪獣8号に攻撃するわけやない。今のところやつは味方にできると思われてるからな。むしろ怪獣8号は次見つけたら拘束しろと言われとる」

「拘束、ですか」

 部下は驚いた顔になった。識別怪獣を生きたまま拘束するなどとは聞いたことがない。

 そしてこんなことこそ言っていたが、保科は8号を捕らえようとは考えていなかった。鳴海としては、上が捕まえた場合そのままだと危険なため8号自体を生きたまま使う可能性が低いから、彼の考える対話して味方にする、ということができなくなってしまうからだ。あくまで正体を掴もうと努力はするが人間の敵だとは断定できない場合は攻撃しない。彼はそうするつもりだった。

 保科は部下と共に町屋に向かった。

 

 

 

 7号と8号は、場所を町屋から西へと移動しながら戦いを続けていた。戦いの余波で建物が半壊し、あるものは完全に破壊される。だが、ほぼ全員が避難しているため民間人の被害そのものは皆無だった。

 7号は尻尾を彼に叩きつける。日々野はそれを受け止めて7号を地面に叩きつける。7号も負けじと起きあがろうとするが、日々野はその隙を与えまいと地面に押さえつけようとする。が、尻尾で足を掬われてしまい。そのまま直撃を受けてしまう。

 だが、7号は以前より弱くなっていた。先程の誘導弾攻撃により多少なりともダメージを喰らってしまったのだ。彼は再び戦ってそう感じた。その証拠に体中には小さいながらもポツポツと傷がついている。

 だが、あくまで以前と比べての話だ。弱くなったからと言って油断は出来ない。

 日々野はより確実にダメージを与えるために、すぐに体制を整えると、7号の傷口のあたりを狙って殴りつけた。彼が思った通り、普通に殴った時よりもダメージを受けているように見える。それを見た彼は7号の攻撃を避けつつ傷口のあるところに殴ったり蹴りを入れたりして、やつをだんだん追い詰めていく。

 それだけでは終わらない。彼は山地に向かって7号を投げ飛ばした。無論それだけでは足りないため、彼は超人的な脚力でやつに追いつくと、間髪入れずに尻尾を持ってフルスイングする。

 7号は派手に水飛沫をあげ湖に叩き込まれた。身動きが取れないようで、中でもがいている。

 思った通りだ。日々野は内心ガッツポーズを決めた。彼は、以前7号と会った際、分裂した姿を見たかんじから推測するに、やつは虫の怪獣だ。虫だったら水中戦では不利なはずだ。その証拠にやつはほとんど動けていない。

 日々野は再び怪獣7号を殴りつけた。右、左、右、左、拳一つ一つを傷口に叩き込む。7号も抵抗するが慣れない水中戦ではうまい具合に戦えなかった。湖上を水が舞い、地上を雨が降った時のように濡らした。

 彼は拳に再び力を貯める。そして思いっきり振り下ろした。先程よりも大きな力が入っているため、殴ったと同時に体液が流れる。効果を確認すると同じように殴り続けた。体液が流れるだけでなくドバドバと飛び出ていく。そろそろ限界だった。

「こいつでトドメだ。この硬い野郎が‼︎」

 日々野は最後にさらに力を入れて叩き付けた。怪獣7号の体に打ち込まれたその拳はその傷ついた体表を突き抜けて内臓に到達した。日々野は内臓を掴むとそのまま大きく捻り上げ、そのまま引っ張り出した。やつはぐったりとしていた。

 怪獣7号はもう動かなかった。

 

 

 

「ふぅ、終わった」

 日々野は疲れて汗を拭うような仕草をした。時間は2時30分。長時間待たせるのもまずいしなるべくすぐに帰らなければ。彼は急いで元の場所に戻ろうとした。

 背後から声がした。

「動くなや」

 振り向くと防衛隊の防護服を来た男性が短剣を持っている。日々野は改めて周りを見渡した。防衛隊たちに囲まれている。員先程までは気づかなかったがどうやら周辺の木々に隊員たちが隠れていたようだった。

 彼はこれからどうするか考えながら身体を構える。

「怪獣8号さん。僕らは戦うために来たんやない。とりあえず構えんでくれないか?」

 日々野は怪しみつつも構えを解く。

 短剣を持った隊員…おそらく中隊長格だろう男性が近づいてきた。

「僕たちが求めるのはあくまで同行してもらうだけや。もちろん断ったら…なにするかはわかるな?」

 日々野は再び構えた。生きれる保証がない以上。その誘いに乗るつもりはなかった。

 

 

 




キャラ多すぎてどう消化していくか心配
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。