1話でもしもカフカが入隊を断っていたら?   作:刀持ちの烏

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25:この酒の席に愛をこめて

 飲み会の場所はよみうり臨海基地に近い大衆酒場の個室で行うことになった。

 出雲いわく鳴海隊長と野火さんが来るらしく、予定もあるから、時間としてはあと30分ぐらいで来れるらしい。3人はひとまずある程度のものを注文して待つことにした。

 保科と出雲はノンアルドリンクで本岩は生ビールを注文した。

「かんぱーい‼︎」

 グラスのぶつかる音がして。それぞれが口に含んだ。

「そういや、近接武器ってどんなの作りなる予定なんですか?」

 早速、少し飲んでから保科が口を開いた。本岩は少し顎を抑えながら考える。

「う〜ん、現在の時点で人型怪獣用に作るとしたら実験的にいくつか試作しないといけませんので、正直なんともいえないですわね。今のところですと斧とか銃剣、太刀とかですわね」

「太刀やと、僕も何回か使ったことあるんで一振りしてみたいですね」

「あれ、保科流って日本刀を常に使うんじゃないんですか?」

 出雲は少し疑問に思う。

「ああ、僕のとこの剣術は元々2本の短刀を使いますからな。要するに怪獣を相手にするために浅いけどすぐ動けるようにしたかったんやろなと思っとります」

「というと?」

「たとえば怪獣相手に日本刀使ったとすると、それで居合切りとかしたら切れはするやろうが間違いなく隙が出てきてしもう。だから僕のとこは2本の短刀つかうってわけですな」

「なるほど、そういうことだったのですね」

 出雲は関心したように相槌をうつ。

「ていうか、あなたがたの会社って討伐隊の時からに関わっていますでしょう。そのことを聞きにならなかったのですか?」

「あくまでうちは装備品メーカーですからね。昔からの付き合いがあるとはいえ太平洋戦争挟んでるわけですから、そこまで詳細に伝えれなかったんだと思います」

「たしかにそれはあるかもしれんですな。戦争で討伐隊は散り散りになってしもうて防衛隊になった後も出雲や旧家以外ほとんど変わってしもうてますからね」

 保科がそう言っていると、店員が料理を運んで来た。あくまで軽くつまむぐらいだから枝豆ときゅうりの叩きしか頼んでいない。まあそれでも別に美味しいから良いのだが。

 3人は軽くつまみつつ会話を再開した。

「ともかく、先程保科さんが言ってくれたように戦争があったわけですから旧家との関わりについてはあまりわからないんですよ。親族も戦地に行った人が多かったですからね」

「ま、これから先言うと暗くなってしもうから話を変えましょか。なんの話がええとかありますか?」

「あ、じゃあ」

 出雲が何か気になる顔をしながら口を開く。

「保科さんは怪獣8号と戦ったって言ってましたよね?どんな相手だったんですか?」

「ん、まあ詳しく言えば戦った感じ怪獣っぽくはなかったな。どちらかと言うと人間と戦っとるというか。とにかく、戦って変な感じがしたのは確かやと思いますね」

「人間と戦っているよう…ですか。あまりピンときませんね」

「私としても、たしかにはっきりとイメージできませんわね」

 出雲は、顎を抑えながら悩みながら頭の中でイメージを考える。

「まず結構気になるのが戦闘スタイルで、会議の時は武器のみ叩き落として逃げたって言うたんですが、その時はそれだけでなくて、8号はその叩き音した後に土煙を煙幕代わりにして逃げたり、とか結構知能のある戦い方をしとったし。まず腕を振り回したり威嚇したりはせずになんかある程度の武術を習ったような動きをしたった気がしたんですよね」

 3人でうーんと唸っていると、こちらに向かってコツコツと2つの足音がした。他の場所ではなくこちらに来ている。

「どうも、遅れてきてすいません」

「こっちも来てやったぞ」

 鳴海と藤沢の2人だった。彼らいわくあと人は来ないらしい。

 全員揃ったと言う事で追加でメニューを頼んだ。それぞれタコ唐揚げと焼き鳥だ。

「あとは誰が来てませんでしたっけ?」

 保科は少し考えてから言う。

「たしか矢沼さんと神楽木さんやった気がしますね」

 出雲は申し訳なさそうに聞く。

「申し訳ないんですけど、その2人ってどんなお方でしたっけ?」

 鳴海は少し考えたような、うーんとでも言うような顔をした。

「あ〜、たしか矢沼の方は海自から外部の人が欲しいって言って委員会に入ってもらって、神楽木の方も同じような感じで陸自から来てもらったんだ。会議の時にあんまり喋ってなかったし、オフでも会ってないからから細かいところまでは分からないんだけど。まあ矢沼はちょっと愚痴を言ってきそうな感じだけど話は聞いてくれる奴だったし、神楽木の方も無口だったけど悪くはない奴だったな」

「自分からスカウトかけたんだし覚えておけばよかったのですのに」

 本岩は不服そうな顔になる。彼女は、内心名前が忘れさられている彼らに同情していた。

「って言っても僕一応部隊の隊長やってる訳だから、そんな別の仕事の詳細なんてあんま覚えてる暇ないんだよ」

「だったらその委員会作る意味ありました?」

「そりゃ意味はあるだろ。怪獣7号と8号に対抗するためにこの委員会は設立されたんだつくられた意味はある」

「でも、7号の対策は結局出来ませんでしたよね?」

 保科は少し辛辣そうな表情で行った。

「たとえ情報が不足していたつっても、やはり的確な指示ができていたとは思えないんですよ。少なくとも解散しろっては言いませんが改善すべきやと思いますよ」

 鳴海はうーんと唸った。

「たしかにそうだな。これからまともにやってかないと干されるかもしれんからな」

「そういや、委員長が来るまで僕たち怪獣8号の話をしてたんですけど、委員長は今のところ8号のことどう思ってるんですか?」

 出雲の問いに対して鳴海はすぐに答えた。

「まあ会議で言ったように俺は間違いなく8号は話が通じるやつだと思う。そこのおかっぱを傷つけなかったことも含めて人間に危害を加えていないからな。通常識別怪獣で人一人やらない奴なんていない。だが奴はこの時点で誰もやってない。少なくともその点を含めれば味方に違いないと感じている」

「でも、まだ3回しか出現してないのでしょう?いくらなんでも早急すぎる気がしますけど」

「3回も出現すればある程度のデータは取れる。そんな早いというものでもない」

「そういや…」

 保科も口を開く。

「さっきは言ってなかったんですけど、8号の戦闘の時の動作はなんか体術とかににとりましたね。あくまで気のせいかもしれんですけど」

 鳴海は少し驚いたような顔をした。

「体術?そんな動きをしていたのか8号がか?」

 彼はその言葉に対して目を光らせた。

 

 

 

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