1話でもしもカフカが入隊を断っていたら?   作:刀持ちの烏

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33:怪獣9号に挑戦せよ!

 目標に向かった無弾頭誘導弾2発はどちらとも首に命中した。水竜2025型の体表に真ん中までめり込む。もちろん急所をやられたため即死だ。

 ウイング2は連絡した。

「From wing2 to Omega Station and Lunarie3,The targets were silent.(ウイング2からオメガステーション、ルナリエ3へ、目標は沈黙した)」

「こちらルナリエ3ご苦労だった。送レ」

「This is wing2,it's not as good as the example.It was only natural.(こちらウイング2、礼には及ばない。当然のことをしたまでだ)」

 本部からも連絡が来た。

「オメガステーションよりウイング2、及びルナリエ3へ、支援感謝しまう。それでなんですけど、まだ誘導弾が余ってるでしたら、マキュリア1、ルナリエ1の戦況が悪化しているので残った誘導弾で援護を行えますか?一応厚木基地から航空部隊の増援が来るようですが、まだ時間がかかるらしくて。送レ」

「Wing2,I understand.(ウイング2、了解した)」

「こちらルナリエ3了解した。すぐに現場に向かう」

 ウイング編隊は進路を変更した。

 

 

 

 9号との戦闘は依然として膠着していた。鳴海はあの後斬撃、砲撃ともに上手く活用して敵に挑んだ結果腕一本持っていったが、それ以外に損傷を与えられていなかった。保科も毒で先ほどよりも上手く動けていないし、援護部隊もかなりやられている。現時点で上手く動けるのは彼だけだ。

 本部から連絡が入った。

「オメガステーションよりマキュリア1、ルナリエ1へ、現在海竜2025型の討伐が完了、あきる野航空基地および近くにいる航空部隊がそちらに向かっています。コールサインはそれぞれイーグル1、ウイング2です。送レ」

「こちらマキュリア1、了解した。支援感謝する。終ワリ」

 鳴海は武器を持つと再び敵に対して構える。現時点でこいつをやらなければ防衛隊の名折れだ。

 9号は、再び構えたのを見て少し驚いたような仕草をすると、彼も再び戦闘の体勢をとった。腕は一本しかないがそれでも十分戦える。

 今度ば9号から先手を打った。毒をばら撒きやすくするため一定の距離を取り、なおかつ撃たれないようにそのままの体勢で鳴海の方向に投げつける。

 だが、その程度の攻撃はもう適応されているだろう。もちろん9号はこの攻撃による効果をあまり期待していない。せいぜい動きを封じ込める程度だろう。本命は片手の拳とともに打ち出す毒だ。

 これは投げつけた毒よりも強力で、AMSGRありの隊員ですら即死するほどの威力だ。いくら反射神経がいいからって避けれるものではない。

 彼は鳴海のいる場所に飛び掛かる。だが、すぐに動きを止めた。姿がないのだ。9号は周りを探す。

「上だよエリンギ野郎‼︎」

 鳴海は彼の真上にいた。そのまま専用武器を振り下ろす。

 9号は腕で受け止めるが、後方からも攻撃が来た。何かが羽に刺さっている。

 保科の攻撃だった。上手く動けないとはいえ戦闘できないほどではない。彼はすぐに9号の後ろを取り、飛び上がれないように羽を刺していた。

 そして、保科が後方に下がると、鳴海もそのまま腕を蹴り上げて地面に着地し、再び武器を振り上げ保科が刺した羽に追加で突き刺す。

 それだけでは終わらない。彼はその体制のままトリガーを引き0距離で残った弾丸をぶっ放した。刺さった羽に破口を形成する。

 これでもう飛べまい、あとは航空部隊による攻撃とルナリエ3の増援に祈るしかない。この程度の攻撃で識別怪獣が倒せるとは思えないが、うまい具合に戦えるはずだ。

 彼は9号に閃光弾を投げ込み後方へと退避した。

「This is wing2,Relief arrived.(こちらウイング2、援護に到着した)」

 航空部隊から連絡が入った。おそらく航空攻撃が終わった後にルナリエ3が来るだろう。

 彼はすぐに周りを撤収させた。

 

 

 

「こちらマキュリア1付近の隊員は全て撤収させた。送レ」

「This is wing2,I understand.(こちらウイング2、了解した。すぐに攻撃に入る)」

 ウイング編隊は再び降下した。先ほどよりも目標は小さく与える効果も少ないだろうが、弾頭を抜いた誘導弾でも質量兵器にはなる。使えないことはないだろう。

「Wing2,Fire‼︎(ウイング2、発射する)」

 先頭機は残っていた2発のAMM-1を発射した。後続の機体も続々と誘導弾を発射する。全弾合わせて14発、まず1発は当たるはずだ。

 

 

 

 9号はすぐに回避行動をとった。だが、誘導弾を全て避けきることはできない。そのうち3発が命中した。初弾は脚部に命中し、右足首を地面までめり込ませ動きを止めた。そして2、3発目は胴体に命中、今度は体を地面に打ちつけた。爆発がなかったため致命的なダメージは入ってなかったが、この攻撃で動きは止まった。

「Attacks from wing2 to Lunarie3 and Omega steation have stopped the enemy's movement.(こちらウイング2よりルナリエ3およびオメガステーションへ、攻撃により敵の動きが止まった。されど誘導弾が空のためこれより帰投する)」

「了解しました」

 戦闘は再び地上に移る。

 今度は斑鳩が保科の代わりに鳴海の援護を行うこととなった。彼の場合近接戦が主体というわけではないため、あくまで上からの射撃のみだ。そして、鳴海もすぐに戦闘体制に入る。

 鳴海が攻撃を開始すると同時に、斑鳩はビルの上から射撃を開始した。爆発に鳴海を巻き込まないようにするため4式対獣電磁砲のみに限定している。鳴海の専用武器である試製対獣型銃剣は大振りで戦闘時は隙が生まれるため、敵の背後から撃てば行けるはずだ。

 彼は鳴海の動きの隙を見つつ発砲した。9号の背中に次々と弾丸が命中する。鳴海が距離を離すと、市川ら部下たちによる小銃、迫撃砲の攻撃も行う。

 鳴海も、敵の戦闘能力を削ぐために部位を狙って攻撃している。毒による攻撃を避けながらのため苦戦しているが、まだかろうじて戦えてる。

 それに、怪獣9号も戦闘が長くなれば疲れてもくるはずだし、片手(少し再生しているが)と片方の翼をやったんだ。こちらばかりが不利ではない。

 まだ航空部隊による援護があるんだったら、敵に撤退させるぐらいは損傷できるはずだ。

 斑鳩は時計を見た。現在時刻は午後2:13分、あの会話から5分程度たっている。そろそろ来るはずだ。

 通信が入った。

「オメガステーションからマキュリア1、ルナリエ3へ、現在イーグル1が現場に到着します。再び誘導弾攻撃を行うためここから離れてください。送レ」

「こちらルナリエ3、了解した」

「こちらマキュリア1、分かった。すぐに部下たちを非難させる」

 彼は9号から離れるために大振りで払った後にジャンプして逃げようとする。

 だが、9号も2度は逃さないとばかりに鳴海の腕を掴む。いくらAMSGAで身体を強化してるとはいえ、すぐに振り払えるものではない。

「鳴海さん、すぐに離れてください‼︎」

 そう言って斑鳩が4式対獣型電磁砲を連射した。9号の体にパチパチと命中するが、その程度では離れない。

「仕方ない、鳴海さんバリアを張ってください。残っている迫撃砲をそっちにぶつけます」

 鳴海は頷いて自分の周辺にバリアを張る。自分の周りだけ張れば掴んでる手以外は当たるはずだ。

 複数発の迫撃砲が命中した。斑鳩も継続して弾幕をはる。流石に努力が功を制したのか9号はたまらず手を離した。

「よし、今です‼︎」

 そう斑鳩が言うと同時に、鳴海はすぐに爆煙から抜け出した。バリアのおかげで9号に攻撃された場所以外無傷だ。

 全員が退避した時、上空から再び音がした。イーグル1、航空部隊が来たのだろう。FS-2ではなく新しく配備された米国製のF-32Aだ。たしか防衛隊は江東航空基地とあきる野航空基地にしか配備されていなかったものだ。

 F-32Aは全機が高度を下げると胴体のウェポンベイと翼下ハードポイントからAMM-1を発射した。

 大量の誘導弾により周囲は無数の爆発が発生した。怪獣9号の姿は見えなかった。

 

 

 




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