1話でもしもカフカが入隊を断っていたら?   作:刀持ちの烏

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38:甲殻怪獣の恐怖

「中隊長、四ノ宮小隊から通信です」

「なんだ?」

 直間は不思議そうな表情で通信に出た。現在彼の中隊は、彼のものも合わせて2個小隊ほど地虫2023型の前方におり、戦場でいうところの最前線的な場所に位置している。足止めには重要な場所だ。

「こちら直間小隊、どうかしたか?送レ」

「こちら四ノ宮小隊、現在敵の足止めに最適な作戦を考えました。できれば近くの機甲小隊にも連絡してもらえないでしょうか?送レ」

「まずどういう作戦か教えてもらえないか?それがわからなければ、こちらも機甲小隊に連絡しても何も言えんからな。送レ」

 機甲小隊か、たしか近くには2個小隊程度はあったはずだ。もっとも一個機甲小隊の保有車数は4両程度のため、合わせても8両程度にしかならないと思うが。

「今のところ作戦は…」

 彼は耳を傾けながら彼女から作戦を聞いた。なるほどと頷く、たしかにこれなら足止めとしての作戦としては、まあうまくは行くはずだ。成功率とかはわからないが、やらないよりは良くなるに違いない。

「了解した、すぐに付近の機甲小隊に連絡しておく。感謝する。終ワリ」

 彼はすぐに機甲小隊に通信を繋げた。

 

 

 

「普通科小隊2つ、そして機甲小隊2つが動きました。おそらく敵前面部分に布陣すると思われます」

「さっき言ってたとはいえ動いたか」

 伊勢原市総合運動公園にある臨時司令部で、上司のオペレーターは口元を撫でた。

 動いたのは三つ、中隊ほどではないとはいえ、わりかし少なくはない戦力だ。足止めぐらいであればまだ使えるだろう。

 だが、気がかりなのは、この2小隊を指揮しているのが臨時中隊長なのと、そのうちの小隊1つを指揮しているのが今年入ってきた新人ということだ。たしかエリートかなんかとは聞いているが、正直荷が重いように思える。

 彼は部下に確認した。

「なあ、航空部隊や援護射撃はいつ来るんだ?こっちのアーチャー1もまだ射線にのってないから撃てんのだろう?」

「そうですね。現在、航空部隊は出撃はしていますが、着くまでは5分程度時間がかかりますね。後方部隊も、一斉に斉射したので再び攻撃するのに時間がいりますし。機甲小隊の援護がありますので、火力が足りないなんてことはないように思えますが」

「ふーむ」

 上司のオペレーターは、頭を抱えながら考え始める。一応、機甲小隊の援護はできると考えると大丈夫そうではあるが、小隊2つぐらいだと、せいぜい10両にも満たないだろう。だから、結局3つの小隊が、ある程度機甲小隊に攻撃しやすくするぐらいには、損害を与える必要がある。

 問題は、どうやって敵を攻撃するかだ。相手の防御性能が高い以上、少なくとも、対戦車誘導弾程度は必要な気がするが。

「現在、3つの小隊はそれぞれ分散して動いています。そのうち1つは敵の後方に、残りの2つは敵の斜め前方にそれぞれ動いています。おそらく、敵を包囲するのでしょう」

「まあそんなところだな」

 そう言って彼はモニターを眺めた。

 

 

 

「現在、2個機甲小隊は敵を包囲するように配置、攻撃可能とのことです」

「予定通りね」

 そろそろ作戦だな、と四ノ宮は時計を見つめた。

 現在、四ノ宮小隊は敵の前方に位置していた。後方には直間小隊が配置している。

 今のところ、彼女の小隊の出番はない。まず最初に敵を攻撃するのは後方の直間小隊だ。

 彼女は敵の方向を見つめた。現在敵は新東名高速道路を破壊して、攻撃をうけつつもユニ機関の能力により、近くの瓦礫を体表に纏うことによって防御したため、特に損傷もなくそのまま南東へと移動している。呑気なものだった。

 ここまで見なくてもわかる。こいつは多分ただ単純に火力で押し切れるような相手じゃない。流石に識別怪獣でない以上、対艦誘導弾ぐらい出せれば損傷は与えられると思うが、それでも正面から押し切るような攻撃では非効率だ。

 だから、敵の防御の粗を突くような作戦で敵を潰す。これが最適だ。

 突如、爆発音が響いた。同時に敵がバランスを崩す。直間小隊が攻撃したのだ。

 

 

 

「すぐに陣地変換しろ。じゃなきゃ俺たち全員死ぬぞ!!」

 直間はすぐに部下に命じてすぐに逃げた。

 彼はちらりと敵を見る。

 今回、彼の小隊は、まず最初に01式対戦車誘導弾で敵の足の関節を破壊、動きを鈍らせる役割だ。今見たところ敵はバランスを崩している。おそらく関節に命中したのだろう。

 彼は、すぐに部下とともに一旦撤収した。

 

 

 

「発射」

 四ノ宮の掛け声と共に、部下が持っていたパンツァーファウスト3を発射した。

 目標は敵の目の部分、2発命中させれば敵の視界を奪うことができる。うまく命中するといいが。

 彼女は再び双眼鏡を構えた。結果は命中、敵は狼狽えている。

「すぐに撤収、敵の攻撃に注意して」

 すぐに彼女の小隊は撤収の準備に入った。

 だが、そう簡単にはいかなかった。

 不幸か、敵が混乱して振り落とした瓦礫のうちの一つが、彼女たちの前方に落下したのだ。この程度なら、まだ逃げれたかもしれない。前を塞がれただけだったら別方向から逃げればいいし、できなければ持っている火器で破壊すればいい話だった。

 しかし、不幸はその程度では終わらなかった。四ノ宮小隊が焦って放ったパンツァーファウスト3が命中し損ねてしまったのだ。これでは敵の視力を完全に奪えない。

 そして、当然敵の矛先は目を攻撃した四ノ宮小隊に向いていた。

 

 

 

「こちら四ノ宮小隊、2発目の攻撃が敵に命中し損ねました。送レ」

「いけない!!」

 直間はそう言って動こうとした。しかしすぐに部下に押さえられる。

「中隊長、危ないですよ。今行っては敵の攻撃や、味方からの砲撃もありますし、下手したら巻き込まれてしまいます。ここは無事を祈りましょう」

「だからって、仲間を見殺しにするわけには行かんだろう。君たちが無理なら俺だけでも行ってやる。なに、死ぬようなことではない」

「ですが…」

 彼は大丈夫だと言ってこう続けた。

「それに、今四ノ宮小隊を助けなければ、中隊長である俺の責任になる。責任を負うぐらいな

ら、せめて部下を守って後悔しないほうがいい」

 部下はわかりましたと言った。

「無茶はしないでくださいよ。流石に臨時中隊長が死んだってのはこちらにとっても問題ですからね」

「了解した」

 彼はそう言って四ノ宮小隊の元へと向かった。

 

 

 




テストだから遅れるかもです

追加

新作も作ってるのでしばらく投稿できません。すいません。
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