闇の戦士達は神殺し   作:紙の子

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11話:世界の真実

ハジメ、バルロス、ユエは100層に到着しフロアボスであろうヒュドラをあっさり倒した。

ベリアル、ダークザギ、無詠唱で魔法を放つユエに何も出来ず骨だけ残されたヒュドラ。

 

そして、ヒュドラを倒した途端奥の扉が開いた。

 

 

 

そして、踏み込んだ扉の奥は、

 

「……反逆者の住処」

 

中は広大な空間に住み心地の良さそうな住居があったのだ。

更に扉の先は、太陽の光と畑と家があった。まるで誰かがつい先程まで住んでいたかの様な清潔感がある。

 

「地上って訳でもないな。これも反逆者の力か?」

 

「おい!どこもかしこも開かねぇぞ!」

 

バルロスは他の部屋を見ようとドアノブを回すも開く気配がない。

破壊してトラップが作動しても困ると思い他の部屋を回ると部屋一帯に魔法陣が書かれた部屋を見つけた。

その魔法陣の向こう側、豪奢な椅子に座った人影である。人影は骸だった。既に白骨化しており黒に金の刺繍が施された見事なローブを羽織っている。

 

「…罠かもしれないが乗ってみるか」

 

ハジメは魔法陣の中央に乗る。

中央に足を踏み込んだ瞬間、カッと純白の光が爆ぜ部屋を真っ白に染め上げる。

 

やがて光が収まり、目を開けたハジメの目の前には、黒衣の青年が立っていた。

 

「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?

ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを」

 

それは狂った神とその子孫達の戦いの物語。

 

神代の少し後の時代、世界は争いで満たされていた。人間と魔人、様々な亜人達が絶えず戦争を続けていた。争う理由は様々だ。領土拡大、種族的価値観、支配欲、他にも色々あるが、その一番は〝神敵〟だから。今よりずっと種族も国も細かく分かれていた時代、それぞれの種族、国がそれぞれに神を祭っていた。その神からの神託で人々は争い続けていたのだ。

 

だが、そんな何百年と続く争いに終止符を討たんとする者達が現れた。それが当時、〝解放者〟と呼ばれた集団である。

 

彼らには共通する繋がりがあった。それは全員が神代から続く神々の直系の子孫であったということだ。そのためか〝解放者〟のリーダーは、ある時偶然にも神々の真意を知ってしまった。何と神々は、人々を駒に遊戯のつもりで戦争を促していたのだ。〝解放者〟のリーダーは、神々が裏で人々を巧みに操り戦争へと駆り立てていることに耐えられなくなり志を同じくするものを集めたのだ。

 

彼等は、〝神域〟と呼ばれる神々がいると言われている場所を突き止めた。〝解放者〟のメンバーでも先祖返りと言われる強力な力を持った7人を中心に、彼等は神々に戦いを挑んだ。

 

そして、解放者は神エヒトを討伐することができ、解放者達は喜んだがその歓喜はすぐに終わりを告げた。

 

 

神域の奥に封印されていたエヒト以上の力を持った神がエヒトが敗れたことにより解放され、解放者達はその神共と戦わないといけない状況になった。

解放者達は負けじと挑んだが為す術なく敗れてしまい、この世界の常識を変えることなく結局、守るべき人々に力を振るう訳にもいかず、神の恩恵も忘れて世界を滅ぼさんと神に仇なした〝反逆者〟のレッテルを貼られ〝解放者〟達は討たれていった。

 

最後まで残ったのは中心の7人だけだった。世界を敵に回し、彼等は、もはや自分達ではあの神達を討つことはできないと判断した。そして、バラバラに大陸の果てに迷宮を創り潜伏することにしたのだ。試練を用意し、それを突破した強者に自分達の力を譲り、いつの日か神の遊戯を終わらせる者が現れることを願って。

 

 

 

 

長い話が終わり、オスカーは穏やかに微笑む。

 

 

 

「君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかはわからない。君に神殺しを強要するつもりもない。ただ、知っておいて欲しかった。我々が何のために立ち上がったのか。……君に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを」

 

 

そう話を締めくくり、オスカーの記録映像はスっと消えた。同時に、ハジメの脳裏に何かが侵入してくる。

やがて、痛みも収まり魔法陣の光も収まる。俺はゆっくり息を吐いた。

 

「おい大丈夫か?」

 

「…ハジメ、大丈夫?」

 

「あぁ…しかし、エヒトは倒されそれ以上の力を持った神か…

壮大な内容過ぎるだろ」

 

”エヒト以上の神…ノアが関わるわけでないし、下手したら俺様達と似た存在がこの世界で暗躍しているのかもな”

 

頭の中でベリアルがそう囁く。

既にエヒトは存在しない。

即ち教会の人間たちはエヒトが居ない事を知らない、もしくは何なかの方法で洗脳されている可能性がある。

 

その後オスカーの骨を埋葬。

近くにあった指輪は有難く貰い、机の上には他の解放者が記された地図が置いてあったのでそれを見て次の目的地を決めた。

 

 

 

 

 

その夜、ハジメは図書室の様な場所で1人座っている。

 

「ベリアル。聞きたいことがある」

 

”あん?なんだ?”

 

「お前達巨人は何体いるんだ?」

 

ハジメが王宮で見つけた書籍には5体と書かれていた。

しかし、オスカーが記した日記には”7体”と記載されており、エヒトを倒した際、封印されていた神と共に遥か彼方に飛び散ったと書かれている。

 

”日記通りだな。イーヴィル、カミーラ、ジャグラスジャグラー、ダークザギ、トレギア、トリガーダーク”

 

という事はこの世界に残り5体の巨人を引き継いだ奴がいる。

 

”お前…俺様達を集めてどうする気だ?”

 

「決まっている。

 

 

 

 

このふざけた神とこの世界を征服する」

 

 

”フフ…フハハハハハ!

最高じゃねぇか!

流石俺様の器!”

 

「だが故郷に帰るのが第1優先。

もし帰る手段がないならの話だ」

 

”はいはい。なら精々世界旅行を楽しむとしますか〜”

 

満足そうにベリアルは頭の奥に引っ込んで行った。

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