闇の戦士達は神殺し   作:紙の子

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4話:いじめと試合

トータスに来て1週間が経つ。

王都で俺が国民にあれこれしていたのがバレたのか王族の奴らと錬成師がこぞって協力要請が来た。

 

しかし俺はその要請を拒否した。

初日であんなゴミ対応されて、有能だとわかった途端手のひら返ししてくるゴミ共に何で協力しないといけない。

毎日の様にしつこく来るのでリリアーナ姫に頼んで二度と来ないようにお願いしたら本当に来なくなったよ。

頼れるのは姫君だな。

 

 

 

 

 

 

現在は王立図書館にて調べ物をしている。その手には”北大陸魔物大図鑑”というなんの捻りもないタイトル通りの巨大な図鑑や“技能一覧”というタイトルの本があった。

へぇ〜、魔物を食うとほぼ高確率で死ぬか…。

 

この数日無理やり知識を頭に叩き込ませこの本も身を得たと元の場所に戻す。

そして隣には妙な本があった。

 

「闇の巨人?」

 

気になりページを広げる。

 

 

 

遥か昔、トータスの地に現れた5体の巨人。

その力は以上だ。

最上級の魔法を食らってもビクともしない身体。

神話級の武器でも傷つかない皮膚。

神剣でも切れない肉体。

神槍でも貫けない心臓。

その力の前に為す術無く人類は絶滅の危機に陥った。

そしてエヒト神は最後の力を使いたい闇の巨人はトータスから姿を消した。

 

 

 

記載はこれだけだ。あと数ページは手描きの絵だった。

 

「?!コイツは…」

 

最後の1ページに描かれていた巨人。

それはハジメがよく夢で現れる巨人と同じく姿だった。

 

 

 

 

図書館を後に、錬成ばっかりしていたので久々に訓練場に顔を出そうと廊下を歩く。

流石に食事の時間も錬成に励んでいたので香織や恵里辺りが怒るだろうと思いながら歩いていたがその時、後ろから気配を感じてすぐさま、回避した。すると、後ろから喚く声が聞こえた。

 

「はぁっ?!」

 

「何外してんだ大介!」

 

「ちげーよ! 避けられたんだ!」

 

「はぁ?!」

 

 

後ろを向くと、それは、抜き身の剣を振り落としていた檜山と檜山率いる馬鹿三人組がいた。

 

「何してんだよ…」

 

「んだと…南雲てめぇ」

 

「お前、訓練が怖いから来ないんだろ」

 

「そうだ、“臆病者”!」

 

「なぁ、大介。こいつさぁ、俺らで稽古つけてやんね?」

 

「っそうだな! おい南雲〜俺達が訓練付けてやるよ」

 

「あっそう。必要ねぇからそんなの」

 

「ここに焼撃を望む――火球!」

 

「ここに風撃を望む――風球!」

 

中野が“火球”、齋藤が“風球”を放った。

ハジメは避けること無くその場で爆発が起きた。

檜山達はざまぁみろと言いたげな顔をしている。

 

「何しているんだ!!」

 

流石の爆発音に天之河4人組とメルドが掛けつける。

檜山達はどう説明しようかと考えていたが…

 

「ち、違うんだ…これは…「「がはぁ?!」」?!」

 

突然中野と斎藤が地面にめり込まれていた。

そして目の前にいたのは無傷のハジメだった。

 

「おいおい…あんなチンケな魔法で俺が倒されると思っていたのか?」

 

ハジメは手を払いながら檜山と近藤を睨む。

しかしその光景に天之河は許さない。

 

「南雲!檜山達に何をした」

 

「返り討ちをしただけだ」

 

「でも、これはやり過ぎている!」

 

更に天之河のこの1週間のハジメの行動に文句を言う。

 

「それに聞けば、訓練のないときは図書館で読書に耽っていたり工房にいるとかじゃないか。俺なら少しでも強くなるために空いている時間も鍛錬にあてている。南雲も、もう少し真面目になった方がいい。檜山達も、南雲の不真面目さをどうにかしようとしたのかもしれないだろ?!」

 

「そ、そうだ。俺達はそう思って特訓させてたんだ!」

 

馬鹿馬鹿しい…こんな事なら…

 

 

 

 

”コイツらをぶっ殺せばよかった”

 

 

 

 

白いキャンパスボードに黒い絵の具が塗られていくように、意識がどんどん闇に落ちていく感覚。

 

「おい聞いているのか南雲!」

 

意識を戻すと天之河がずっとこちらを睨み叫んでいる。

香織も心配そうにこっちを見つめる。

 

「天之河…俺と試合しようぜ」

 

「何?!」

 

「教えてやるよ。格の違いって奴を……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハジメ君、本当に光輝君と試合するの?!」

 

「本気だ。あのバカを一発殴んねぇと気がすまねぇ」

 

試合が始まる前、香織、恵里、幸利はハジメの傍にいる。

特に香織は天之河と試合する事に心配の様だ。

 

「心配するな。俺は負けねぇよ」

 

ハジメは香織の頭を撫でて訓練場に向かった。

そして目の前にはキンキラ装備の天之河が待っていた。

 

 

「待ったぞ南雲!俺が勝ったら訓練の参加と檜山達に謝罪しろ!」

 

「はいはい。俺が勝ったら二度と俺のする事に文句言うな」

 

「ふん!君が俺に勝てる訳がない!」

 

聖剣頼りのお前が何を言うか…

 

「では…開始!」

 

メルド団長の掛け声の元、最初に動いたのは天之河だ。

素早い動き斬りかかる。

しかしハジメは動かない。

そのまま聖剣の刃はハジメの首元まで迫っている。

天之河は勝利を確信した。

だが次の瞬間、驚愕の事が起きる。

目の前からハジメの姿が消えた。

 

「なっ?!」

 

流石の事に天之河も声が漏れる。

 

「遅せぇよ!」

 

そして天之河の背後から殴ろうとしたが先読みが機能したのかギリギリ躱された。

 

「はぁ…はぁ…何が」

 

「おいおい。まだ始まったばっかりだぜ!」

 

今度はこっちからとハジメが動き連続パンチを仕掛ける。

天之河は躱しながら隙を狙うが、軽々と躱されカウンターを受ける。

 

「くっ!何故当たらないんだ!」

 

「お前の剣筋なんて丸見えだよ!」

 

ハジメの攻撃が続く。

次第に攻撃速度が上がっていく。

天之河は捉えきれずあっちこっとダメージを受ける。

 

 

(何だこれは?!)

 

ハジメの体が徐々に黒く染まり赤いラインが入っていく。

それはまるであの巨人のようだ。

 

(何なんだよ!)

 

これでは俺があの巨人に…

 

”力が欲しいか?”

 

「?!」

 

あの声だ…召喚された時に聞こえたあの声…

 

 

”お前から憎しみの感情が溢れ出ている…俺様の力を求めているようだな?”

 

ふざけるな!

俺はそんな力を求めるか!

 

”そうか。だが1つ言っておく…お前は何れこの力を求める”

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでだ!」

 

メルドの声に気付き我に戻るハジメ。

目の前には完全にダウンした天之河がいた。

試合が終わると頭の中で聞こえた声は聞こえなくたった。

 

「はぁ…はぁ…メルド団長。すみませんが俺はこれで」

 

ハジメはメルド団長にお辞儀してその場を後にする。

メルド団長はまだハジメに伝える事があるのを忘れていたのを思い出したがハジメは既にいなかった。

 

 

 

 

明日はオルクス大迷宮に向かう。

 

 

 

 

 

 

(ククク…随分と抵抗してたがそろそろ限界だろう。あと1回ちょっかいすればアイツは開放するだろうな)

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