前作の方のノリが好きだった方は申し訳ございません。
今後ともよろしくお願いします。
プロローグは前とほとんど変わりませんが、どうぞ。
宇宙戦歴■■年■月■日
俺は今、とある国の戦場にいる。本当なら俺の親友が奴らを一掃して終わるはずだった。
日本帝国の戦術機『激震』を操縦する俺『白銀武』の目の前には地獄が広がっていた。
「くそっ、どうしてこうなったんだ!あいつに何があったんだ!」
俺達の地球は火星・月から襲来した化け物『BETA』によって滅茶苦茶にされた。
そんなBETAから人類が生き延びるために発動した『オルタネィティブ計画』は、最終段階である『オルタネィティブ5』が発動してて数億人の中から選抜された十数万人の人々がバーナード星系へと旅立ち地上に残された人類の『バビロン作戦』も最終段階に突入し、大量のG弾を用いて大多数のBETAを殲滅した。
そして地球に残る人類は、生き残ったBETAとの戦いを繰り広げていた。俺達には強い味方がいた、光子力エネルギーで動く黒鉄の城『マジンガーZ』だ。
マジンガーZの操縦者の『兜甲児』は俺の親友でとても頼りがいのある男で、恋人の『弓さやか』と共に戦場を駆け抜け、生き残ることを諦めかけた俺達に希望を与えてくれた。
…………………だが、俺達の希望には、全てを絶望へと叩き落とす恐るべき力が眠っていたんだ。
「どこだ、どこだ!!俺の敵はどこだああああああああ!!!」
俺の目の前には悪魔のような姿に変わり果てたマジンガーZと、マジンガーZに眠っていた破壊の力『マジンパワー』に飲み込まれて暴走する甲児の姿があった。
「目を覚ませ甲児!お前はそんな力で暴走する人間じゃないだろ!」
俺は必死に甲児に呼びかけた。
「ぐっ、ぐがあぁぁ!」
マジンパワーによって暴走する甲児には、俺の声は聞こえなかった。
「武さん無事ですか!」
そこに、光子の翼を生やしたアンドロイド『ミネルバX』が武の激震の前に現れた。
「おいミネルバ!どうしてあいつはマジンパワーを発動させたんだ!?」
唯一マジンパワーについて知っていたミネルバに、俺は落ち着きをなくした状態で、ミネルバに甲児の身に起こっていることについて聞いた。
「甲児さんは、目の前で弓さやかを殺されて、マジンパワーが暴走してしまい、マジンガーZに取り込まれているんです」
甲児の恋人の弓さやかはBETAの偵察をしていた。
だが、BETAの群れと遭遇してしまったのだ。
俺達はすぐに助けに行ったが、そこにあったのは無惨に破壊されたさやかのアフロダイAの姿だった。
生体反応も無く、我を忘れた甲児はBETAに突撃し、BETAを全滅させた。
だが…そこにいたのはマジンパワーを発動させ、全てを破壊しようとする悪魔と化したマジンガーとそれに飲み込まれる甲児の姿だった。
「じゃあ突撃したときにはもう……でもそんなことがあるのか!」
俺はその事をどこかで認められず、ミネルバに聞く。
「はい、今までの世界でも、甲児さんがマジンパワーの暴走に巻き込まれる事は何度もありました」
ミネルバは、過去に何度も世界をやり直している、そんな彼女だからマジンガーや甲児について詳しく、俺と甲児にマジンパワーについて教えてくれたんだ。
「彼はもう元の兜甲児には戻れないでしょう、それにマジンパワーによって、彼等まで目覚めてしまった」
ミネルバは何とも言えない表情だ…。
「くそっ、奴らか…」
マジンパワーは地球そのものに影響を与えた。
そして奴等が目覚めた…。
「ゴアアアアアアアアアア!!」
大地を揺るがすほどの雄叫びを上げながら、破壊の限りを尽くす怪獣の王『ゴジラ』そして…………。
『……………………』
不完全な状態で目覚め、ただ暴走している巨大ロボット『ゲッタードラゴン』。
奴等は元々、長い眠りについていたのだが、マジンパワーの影響によって目覚めてしまい、ゴジラの場合は全てを破壊の対象とて、ゲッタードラゴンの場合は不完全な状態だったらしく、バランスの悪いボディで動き回り、ドラゴンから放たれる異常なまでのゲッター線によって、たくさんの人々がゲッターに飲み込まれていった。
「なんだてめえら、俺に殺されてえのか!?」
甲児がゴジラ達に向かい叫ぶ…。
「ゴルアアアアアアア!!」
ゴジラも咆哮を上げ、マジンガーを睨む。
ゲッタードラゴンも吠えはしないが、マジンガーを睨むようであった…。
…………そして遂に、出会ってはいけない三つの存在が戦いを始めた。
「どうすればいいんだミネルバ!このままじゃ地球そのものが崩壊するぞ!」
「………………………武さん、もう諦めましょう」
俺の機体の下にいるミネルバはそう告げた。俺はその意味が分かっていた。
だから危険を承知で激震を降りて、ミネルバに詰め寄った。
「ふざけんなよ!何でここまで来て諦めなきゃいけないんだ!」
俺も分かっていた。もう諦めるしかないって。でも、もし俺達がここで逃げたら、死んでいった多くの戦友達に会わせる顔がないんだ!
「すいません武さん、あなたの気持ちは分かります。……………………でも、ここで死んだらあなたはどうするんですか!?あなたは元の世界に帰りたくないんですか!?」
「……………」
俺はミネルバの発言に対して、何も言い返せなかった。だって彼女の言っていることは正しいからだ。俺はこの世界の人間じゃない、他の世界の人間だ、そこには俺の大切な人達がいる、俺はその世界に帰るために、ここまでがんばってきたんだ。
「グルオオオオオ!」
ゴジラの口から放たれた放射熱線が、俺の激震へと放たれる。
「しまった!?」
間一髪ミネルバが俺を持ち上げて、フォトンスクランダーで上空へと上がることで、なんとかゴジラの放射熱線を避けれたが、俺の乗っていた激震は跡形もなく消滅していた。
「くそっ!ゴジラの奴め…!」
俺は無力な自分が情けなかった。
「武さん!とてつもないエネルギー量を持つ巨大生物がこちらに向かっています!」
「なにっ!?今度は何だよ!?」
俺の予想では、そいつは巨大怪獣だとすぐに予想が付いた。
そして、その巨大生物らしき物体が上空から姿を現した。そう奴は…………。
「グルアアアアアアアア!!」
地球の守護神と呼ばれる伝説の怪獣『ガメラ』だ、地球に仇なす者としてマジンガー達と戦いに来たのだろう。
「てめえも俺に殺されたようだな!ならば死ね!光子力ビィィィィィィィィム!!」
マジンガーの両眼から光子力ビームが放たれる。
「グルアッ!」
ガメラもプラズマ火球と呼ばれる技で応戦する。
「俺を見下すんじゃねえ!この怪獣野郎がああああぁぁ!!」
マジンガーの背中のスクランダーが巨大なZの形をした翼へと変貌し、上空へと上がりガメラを睨みつける。
「これがマジンパワー『変態』か!?……やめてくれ甲児!お前は正義の味方なんだろ!悪魔になんかなっちゃ駄目だ!」
俺は甲児にこれ以上過ちを犯してほしくなかった…。
「消えろおおおぉ!!」
「ガアアアアアアア!!」
マジンガーZの大回転するロケットパンチととガメラのバニシング・フィストがぶつかり合う。
その衝撃で空は割れ大地が裂けた。
「うわああぁぁ!!」
吹き飛ばされる俺をミネルバがなんとか支える。
「武さん!彼らがガメラに意識を向けている間に私達は逃げましょう!」
逃げるだって!?
「逃げるって言ってるけど、そもそもどこに逃げるんだよ!」
するとミネルバは、目に涙を浮かべながら言った。
「さようなら武さん、今度こそ世界を守ってください」
ミネルバの目には涙が浮かんでいた。
今度こそ…?…
「えっ?ミネルバ、それはどういう……」
「ルストハリケーン」
ミネルバのルストハリケーンが俺へと吐かれた。
「ミネルバなにを!?」
ミネルバの口から放たれたルストハリケーンが、俺を包む。
……あれ…………俺の……意識が………す…か………こう…………………。
「ごめんなさい武さん、私にはこうするしかなかった。」
私のルストハリケーンによって光子へと変換された武さんの姿はもうなかった。
「ガアアアアアアアアア!!」
ガメラが唸る。
「ゴアアアアアアアアア!!」
ゴジラが吼える。
「…………………」
ゲッタードラゴンが構える。
「てめえらまとめてぶっ殺してやるよ!!」
そして、マジンガーがそれら3つの存在に向かい、甲児さんが叫ぶ。
私の目の前で4つの力がぶつかり合う。
大地を削り、山を砕き、ただ戦いあう。
「……………………■■さん」
私は、武さんの愛した■■さんの名前を呟く。
私は知っていた、彼女のお腹には武さんとの子どもが宿っていたことを。
でも彼女は、武さんには言わないでほしいと言った。
自分の子どもに会えない苦しみをあわせたくなかったからだ。
「■■さん、どうかご無事でいてください、次の世界でまた会いましょう」
私は■■さんの無事を祈りながら、世界の終わりを目に焼き付ける。
「今度こそは絶対に世界を救いましょう」
4つの力がぶつかり合う中で、私はこの世界から姿を消した。
……………この時、ミネルバは知らなかった。次の世界で起きる、今まで以上の壮絶な戦いの始まることを…。