原作の描写などが飛ばし飛ばしだと感じましたら申しわけございませんが、それでも読んでくださりありがとうございます
ー惑星コルヴァスー
「おいホルス、こんな所でなにやってるんだ?」
「やあラビス、君こそどうしたんだい、こんな所で?」
惑星コルヴァスに住む二人の青年『クトゥーガ・ラビス』と『ナイアラット・ホルス』は、とある丘で偶然出会った。
「俺か?俺は父さんに頼まれて、星をこいつに写して来いって言われてな」
ラビスは、首から下げた焼写機(カメラと似たようなもので、写したものを焼写機内部で、特別な性質を持つ炎で写した光景を紙に焼き付ける物)をホルスに見せつける。
「本当に君のお父さんは星好きだね」
ラビスは微笑を浮かべて言う。
「一日中植物の観察とかばっかりやってるお前には言われたかねえよ」
ラビスは呆れ顔でホルスを見た。
「ハハハッ、確かにそうかもしれないね」
ホルスは明るく笑う。
ホルスは、コルヴァスや周りの星々の自然を専門として研究している自然学者のガーアスの一人息子で、ガーアス以上の才能があると言われ、父からも周りの人々からも未来を期待されている。
「そういえばお前はあの約束を覚えてるか?」
ラビスはホルスにとある約束について聞く
「うん、もちろん覚えてるよ。いつか僕と君、君の妹のフレイアと3人で一緒に太陽系へと行くことだろう?」
ホルスは優しい笑みを浮かべて答える。
「ちゃんと覚えてくれたんだな…」
「だって僕と君の仲じゃないか、忘れるはずないよ」
ホルスの笑顔につられてラビスの顔も自然と笑みがこぼれる。
「………!!………夢か……」
夢から覚めたラビス…地球名セキシマ・ホムラは大量の汗をかいていた。
「……ったく、よりによってなんであんな夢を…!」
ベッドから起き上がったホムラの目は、赤く炎のように燃えていた…。
ーナデシコ内食堂ー
「ホムラさんどうしたんだろう…なんかやつれた顔してるけど」
悠真は朝食を取りながら、朝からやつれ顔のホムラを見て心配していた。
「彼女に振られたとか…?」
「ないない」
ヒカルの発言に対して青木が呆れ顔で否定する。
「なんか変なピアスも付けてるよな」
ワッ太は、昨日までホムラの右耳に付いてなかった赤い宝石の付いたピアスを指摘する。
「本当に何があったんやら」
ワッ太はモヤモヤした気持ちで言う。
すると、食堂で働かせてもらっているアキトが、食事中の悠真達の前に現れた。
「あの人だって頑張ってる、だからあんまり詮索しない方が良いんじゃないか?」
アキトは爽やかな顔で言った。
「どうしたお前…?こないだあんなにホムラの事でガチギレしたのに…何かあったか?」
青木が不思議そうにアキトに聞く。
「いや、何でもないけど」
アキトの方も不思議そうに答える。
「まさかホムラさんの事が好きとか…」
ヒカルの発言に、男性陣は寒気を感じてアキトから距離を置く。
「アキト…そうなんだな…まあ、あんまり詮索しねえよ」
ワッ太の言葉に男性陣はさらにアキトと距離を置く。
「ちげぇよ!!」
アキトの怒鳴り声が食堂に響き渡った。
ーシュミレーター ステージ荒野ー
「ヤマト!裂光(レッコウ)を使うぞ!」
「チィ!わかぁってる!」
ヤマトは倭猛に装備された光粒子弾丸発射式拳銃『裂光』に光粒子を送り、それを倭猛を操作する悠真が右手を掴み、目の前にある的へと構える。
「…!」
悠真は狙いを定め、倭猛は的を次々と落としていく。
しかし、最後の一つには光粒子が足りなくて落としそこねた。
「何やってるんだヤマト!出力不足だぞ!」
悠真はヤマトに怒鳴る。
「あぁん!?前は使い過ぎ、今度は出力不足かよ!やってられっか!」
「僕も君のようなAIなんて御免だね!」
ヤマトと悠真は口喧嘩をする。
しかし、それもすぐに止まる。
「いい加減にしろお前等!こちとらゲキガンガーの訓練してんのによ!」
ゲキガンガー大好きガイが二人(正確には一人と一機)に怒鳴ったのに周りの者は驚愕していた。
普段からうるさいガイはこんなのは耳に入らないと思ったからだ。
「あと、ゲキガンガーじゃなくてエステバリスだからな!」
ウリバタケがガイに言ったが、ガイは既にシュミレーターの中に意識を集中させて周りの声が耳に入ってなかった。
「「……」」
悠真とヤマトは黙っていた。
「……(あいつ等)」
ガイはシュミレーターを止めて悠真達の様子を一度見た後、再びシュミレーターを起動した。
ー廊下ー
「おい悠真、そこまで落ち込むなよ」
ワッ太が悠真の肩の上に手を置く。
「ワッ太さん」
「だから、そのワッ太さんってのやめてくれないかな~調子狂うぜ」
ワッ太は照れくさそうに頭をかく。
実はワッ太は、さん付けで呼ばれるのに慣れていなかった。
「それにしても悠真、お前はヤマトをどう思ってるのか?うっとおしい邪魔者か?」
ワッ太はこの際だから、悠真のヤマト対する思いをしろうと思っていた。
「…確かにあいつの事で迷惑したりしますが、邪魔者なんて思ってないですし…むしろ、あいつ自身の事がわかりたい」
悠真はもじもじしながら言った。
「そうか……にしても、やっぱりあいつは実戦じゃないとわからんタイプだろうな…ああいう奴は戦場の厳しさを知らんと駄目だって中学の先生が言ってたな」
「そうなんですか…(中学の先生は何を教えてたんだ…)」
ワッ太の先生に対して悠真は触れなかったが、自分の中のモヤモヤはある程度取り除かれた。
「とりあえず頑張ってみます!」
「おう!頑張れよ~!」
悠真は笑顔をワッ太へと向けて格納庫へと向かい、ワッ太も笑顔で返した。
「俺も頑張るかな!」
ワッ太はシュミレーターのあるトレーニングルームへと向かった。
ー休憩室ー
「おお、どいつもこいつも張り切ってるな~。素質がある奴もたくさんいるから頼もしいな」
休憩室にて休んでいる青木は、同じく休憩室にいるホムラと雑談をしており、休憩室のカメラに映る悠真ワッ太の様子を観た青木は、二人や他のクルーに対しての期待感を込めた語りをしていた。
「あいつ等にはいろいろ言ってしまったが、なんだかんだで期待している。気を抜いてると俺達も追い抜かれるかもな恐竜坊や」
ホムラは嫌みな笑顔を青木に見せながら言った。
「その名で呼ぶなって…まあ、お前もあいつ等を期待してて良かったな、それに簡単に追い抜かれないように頑張るさ」
青木はそう言うと、休憩室を出て行った。
「俺もトレーニングの続きといこうか」
ホムラも休憩室を後にした。
ー倭猛コックピット内ー
そして、ホムラ達に期待されてる者の一人である悠真は、倭猛のコックピットの中にいた。
『…で、話は何だよ…?』
コックピット内のスピーカーから、気の抜けたようなヤマトの声が聞こえた。
「まず、怒鳴ったりことなんかを謝りたいなと思って…」
「どうした急に…?」
ヤマトは、今まで自分に対して強気であった悠真が自分に対して謝ることを聞いて、予想はしてなかったためか反応に困っていた。
「お前の事をなんでもかんでも怒っていたけど、言い過ぎなこともあったし謝らないと思ってね、こんな僕に付き合ってくれてるだけでも感謝するべきなのに」
悠真はヤマトの声が聞こえるスピーカーに向かって頭を下げる。
「お、おう…俺もなんかすまないな…とりあえずは頭を上げろよ(やっべぇ…感謝とかメチャクチャ恥ずかしい…)」
そう言うとヤマトは黙り込む
「………」
「………」
コックピットは静寂に包まれる
「…とりあえずお互いに協力し合って頑張ろうヤマト…」
「そ、そうだな」
悠真とヤマトのギクシャクした関係は、グダグダながら終わったのだった。
ー格納庫ー
「…いやあ!よかったよかった!」
格納庫にあるカメラから倭猛のコックピット内の様子を見ていたガイはグダグダなど気にせず、悠真達の関係がうまくいきそうなのに笑いながら喜んでいた。
「…まるで状況が読めないな…」
ウリバタケはガイとコックピット内の様子を交互に観、この一言しか口から出なかった。
その後、悠真とヤマトの仲は、その後は少しギクシャクしながらも良くなっていった。
シュミレーターでも、2人(ヤマトは人として数えられている)の戦術の相性なども高まり、他の面々とのコンビネーションなどもできるようになった。
そして、火星へと向かうナデシコも到着まで目と鼻の先になっていた。
ー火星 とある洞窟内部ー
「…ナデシコ…トライダー……そして、炎の巨人……奴等が火星へと来るのか……面倒くさい事になりそうだ…」
洞窟内の岩の上に座る1人の男がいた。
口元をマフラーで隠す男は、ブツブツとナデシコなどの事を面倒くさげに呟いていた。
すると、白服を身にまとった生真面目ながら熱い心を持ってそうな男がマフラーの男に近づいてきた
「…我々も出るべきか?さすがに君1人では…」
「いや、俺1人で十分だ…君達がここで奴等に姿を見せでもしたら、それこそ面倒なことになる…」
マフラーの男は白服の男の申し入れを断る。
「そうか、無理はするなよ」
白服の男の言葉に、マフラーの男は無表情な顔で口を開く。
「…俺は負けない…君達の心配など必要ない」
マフラーの男はそう言うと、洞窟から出て行った。
ーナデシコ内部食堂ー
「もう少しで着くんだな…火星へ」
食堂に集まっていた面々に対し、真剣な目つきのアキトの言葉が放たれる。
「そうだな、もう少しで到着だぜアキトの兄ちゃん」
ワッ太がそうアキトに言うと口におむすびを放り込む
「火星へ行くなら落花生を食べ……何でもない」
マキは途中まで言おうとしたことを後悔したのか途中で言うのをやめた。
「イズミちゃん…アハハ…」
ヒカルは苦笑いをしている。
他の面々も同じように苦笑いしている。
「まあ、着いたら着いたで自由な時間なんて無いかもしれないからな、今のうちにリラックスしといた方が良いかもな、そうだろホムラ?」
「あ、ああ」
気楽な感じの青木の言葉に、戸惑いながらも言葉を返した。
「まあ、とりあえずはもう2時間で火星へと着くからな、青木の言うように貴様等も体を休めるなら今のうちだ。ゆっくり休めよ」
ホムラはそう告げると、食堂を出てトレーニングルームへと行ってしまった。
「あいつが一番休むべきだろぉ」
ガイは食堂の出口の方を観て、ヒカル以上の苦笑いで言った。
「とりあえず、今のうちに食えるだけ食っとこうぜ!アキトの兄ちゃん頼むぜ!」
ワッ太はアキトに向かって元気良く告げた
「ああ!任せな!(俺はどうせ運ぶだけなんだろうけど)」
その後、ワッ太は食い過ぎて腹をこわしたというトラブルがあったが、平和な一時は過ぎていった。
そして、2時間が過ぎた…。
ー火星軌道ー
何事もなくナデシコは火星軌道へと着き、ナデシコは火星へと降下し始めていた。
「ナデシコ、火星の大気圏内に突入しました。皆さん、出撃を」
ナデシコが火星の大気圏内まで降下した事を、ルリはクルーの面々に伝える。
「ふぅ…何事も無さそうだな…ふぁ~」
ガルーダⅢのコックピット内にいる青木は、ナデシコが火星大気圏へと突入したことの安心感であくびが出てしまった。
「おい青木!気を抜くな!」
ホムラは青木に渇を飛ばす。
「へいへい」
「まったく…」
青木の気の抜けた返事に、ホムラは呆れ顔だ。
「それにしても、ナデシコ護衛でスタンバイしてるけど、出撃の放送無いですね…」
『だな…』
倭猛のコックピット内にいる悠真とヤマトは、ナデシコ護衛の出撃の放送がくるのを青木達と共に待っていたのだが、放送がこなかった。
「せっかく準備してんだから、出撃あるなら早くしてほしいぜ」
ガイは不満げに言う。
『…あ?…気のせいか』
「どうしたんだヤマト?」
ふと声を出したヤマトを心配し、悠真は声をかけた。
『いや、なんか反応あった気がしたが気のせいだった』
「…なんだ」
悠真は呆れ顔だ。
『(いや、今の反応は確かだ…ただ、少し離れていてハッキリと反応しない…だけどこりゃあ戦艦クラス…しかも、データで見覚えあるやつじゃ…)』
時間が空いたらヤマトは、データの中を探索することにした。
結局ナデシコは無事降下し、倭猛などの機体の出撃はなかった。
ー火星 居住区廃墟ー
「付いてきたはいいんだがアキト、大丈夫なのか?」
「ああ…ありがとうございます青木さん」
青木の心配する声にアキトは顔を暗くしながらも応える。
青木は、アキトとメグミと共に廃墟となった火星の居住区にいた。
「まあ、お二方はこの辺にいてくれ。俺は周囲をいろいろ見て回る」
青木はそう言うと、2人に背を向けて2人がいる場所から離れていった。
「青木さん…」
メグミは静かに青木の背中を見届けた。
「…メグミちゃん、少し昔話をしようか…」
「…昔話…?」
アキトの真剣な声質に、一瞬メグミは戸惑う。
「…俺、そしてユリカの昔話かな」
アキトは落ち着きながらも、なお真剣にメグミに言う
「…アキトさん…わかりました、聞かせてください」
メグミもアキトの話を聞くことにした。
廃墟となった居住区には、静かなアキトの声すらよく聞こえた…。
ーナデシコ ブリッジー
「静かになったね…」
ユリカは周りのクルーの数を確認しながら言う。
「青木さん達3名は居住区廃墟に、セキシマさんと尾形さんの2名は火星の状態を確認しに偵察に行ってます」
ルリはユリカに対して丁寧に説明した。
「アキト~…」
ユリカは膨れっ面でアキトの名を口にする。
「大丈夫か艦長…」
「さあな…」
ワッ太とリョーコは呆れ顔でユリカを見た。
ー火星 上空ー
悠真の倭猛、ホムラのガッツウイングL(レッド)は、火星の上空を飛んでいた。
「どうだ尾形、空を飛ぶ感想は」
尾形は通信で悠真に言葉を伝える。
「最初は怖かったですが、今は空を飛ぶ事が楽しく感じますよ」
悠真の嬉しさを込めた返答をした。
「楽しいか、面白い奴だな貴様は」
ホムラは微笑を浮かべながら言う。
今の倭猛零式は多環境対応型の飛行ユニットを背部とドッキングしており、そのおかげで地球と重量が違う火星の空すらも自由に飛べるのだ。
『お二人さん、楽しい会話のところすまねえが近くにエネルギーを発生する建築物が確認できるんだが』
「何だと…?」
ヤマトから伝えられた建築物の存在を聞いたホムラの口から、尖ったような声が出る。
「ホムラさん、どうしますか?」
悠真はホムラに聞く。
「観に行こう…すまないが、俺に付いてきてくれないか」
「わかりました(すまないがって随分弱気な感じだな…)」
悠真はホムラからどことなく弱気な感じがしたが、どちらかといえば何かを急いでるようにも見えた。
『じゃあ降りようぜ』
ヤマトがそう言うと、倭猛はゆっくりと降下し始める。
ガッツウイングLも続いて降下した。
「これは…遺跡…?」
悠真は目の前にある建築物を遺跡と言った。
確かに星は違えど、どことなく地球の遺跡と似た小さな遺跡であった。
『この中から変なエネルギーを感じるぜ、行くかおめえ等?』
悠真の持つ小型端末から発声するヤマトは、2人に遺跡に入るかどうか聞いてみる。
「俺は行こうと思う、この遺跡のエネルギーが俺達に害あるものかもしれないから調査はした方が良いだろう」
「じゃあ僕も付いていきます、もしかしたら火星の人達が遺跡の中にも避難してるかもしれないし」
目的などは違えど、2人は遺跡の中に入る気のようだ。
『じゃあ俺はここで待ってるぜ、ナデシコの方にも連絡入れとっからせいぜい頑張れよ』
ヤマトは怠げながらも、2人を遺跡の外で待つことにした。
「任せたよヤマト、では行きましょうホムラさん」
「ああ」
2人は必要になりそうな物を持ちながら遺跡の中に入っていった。
ー謎の遺跡ー
「…なんか静かですし、大したものも見あたりませんね…人もいそうにありませんし」
薄暗い遺跡をライトで照らしながら歩く2人であったが、悠真の言うとおり、静かで大したものが無い。
ずっと一本道であった。
「…尾形、どうやらその大したものとご対面できるかもな」
「はい?……あ、ここは!」
悠真は周りを見渡して気づく。
そう、2人はいつの間にか円形の広い空間にいたのだ。
その空間の天井を観た2人は、次に空間の真ん中にある墓標のような石碑が目に入った。
「これはいったい………ッ!」
ホムラは、石碑に描かれた絵を見て息を呑んだ。
「巨人…?…しかも5人も…?」
悠真の言葉とおり、石碑には5人の巨人が描かれていた。
勇敢そうで天を見上げる巨人
力強そうで拳を握りしめる巨人
燃えさかる炎を纏う巨人
風を纏い剣を持つ巨人
黒き闇に包まれた巨人
どの巨人も、似通ったものはあまり感じられなかった。
「「…炎の巨人…」」
2人は炎を纏う巨人を観る。
その姿は、悠真を助けたあの巨人にとても似ていたからだ。
「……」
ホムラは炎を纏う巨人の絵に触れる。
「ホムラさん!絵から光が!」
炎を纏う巨人の絵が赤い光を放った。
そして炎は、ホムラの右耳のピアスに吸い込まれるこのように消えた。
「…………あれ…?」
反射的に目をつぶっていた悠真は、光が消えてたことに驚いた。
「さっきのはたんなる発光だな、遺跡を作った奴等が面白半分で付けたものだろう…」
「は、はぁ」
悠真はホムラの言葉がよくわからなかった。
「とりあえず、他に何も無いようだしここを出……誰だ!」
突如ホムラは、拳銃を構えて近くの柱の方へと向ける。
よく観ると、顔以外を茶色い布で隠した男がいた。
「…ッ!」
男は素早く遺跡の出口へと向かった。
「追うぞ尾形!」
「はい!」
2人は男の後を追う。
そして、男が出口から出るのが見え、2人はさらに走る速度を上げて出口から出た。
「…どこに行った…」
ホムラはそう言いながら周りを観る。
しかし、男の姿は影も形も無かった。
「…仕方ありません…あの男の事を他の方々に伝えてから、アキトさん達と合流しましょう」
悠真はそう言い、倭猛に搭乗した。
「そうだな、あの男が青木達の所へ向かったとも考えれるしな…とりあえずは一秒でも早く青木達の所へと行こう」
「はい!」
そして2人は、再び機体に搭乗してアキト達のいる居住区廃墟を目指して機体を飛ばした。
『…ん?』
「どうしたんだいヤマト?」
ヤマトがいきなり声を出したので、悠真はどうしたのかと聞いた。
『いや、なんかセンサーに反応あったかと思ったんだがな、やっぱり無かっただけの話だな』
ヤマトは気の抜けた感じで言う。
「しっかりしてくれよ…降下の時も同じ感じだったし…何かあった際には君が頼りなんだから」
悠真は冷や汗をかいて言う。
『わかったわかった、とりあえずは何か反応があったらすぐに伝えるからよ!』
ヤマトは自信ありげに言った。
「「まったく…」」
悠真とホムラは、ため息を漏らした。
「隊長…奴等はどうやら居住区の廃墟へと向かってるそうです」
「ふむ、わざわざ我々が戦いやすい所へと向かうとはな…よし、全機は居住区廃墟へと向かう!」
「「「了解!」」」
「偉大なるネオジオンのために…!」
ネオジオンのMS部隊は、倭猛などとは別ルートで居住区廃墟へと行くために動き出した…。
ー火星 居住区廃墟ー
「……アキトさん、いろいろ話させてしまってすいません…」
アキトから、アキトのいろんな過去を聞いたメグミは、どこか申し訳ない気分となってアキトに謝る。
「謝らないでよメグミちゃん、むしろ君が最後まで聞いてくれた事に感謝したいくらいだよ」
アキトは微笑みながらメグミに言う。
「いえいえこちらこそ……アキトさん…アキトさんの事がーー」
『アキト~!何やってるの!』
メグミが喋ってるのを、突如通信機から聞こえたユリカの声が遮った。
「………」
メグミはなんとも言えない顔になっていた。
「…で、いったい何の用だ?」
『私達もナデシコと一緒にそっちに向かってるの、ホムラさん達もそっちに行くって』
ユリカはわかりやすく2人に説明した。
「…じゃあ待ってるから、着たら連絡をくれ」
『わかったよアキト!任せて!』
アキトの言葉を聞いたユリカは、やたらと大きい声で返事をして、通信を切った 。
「本当に大丈夫なのか…」
ユリカの気楽な声に対してアキトは呆れ顔だ。
「…ま、まあ、誰か来るのを待ちましょうよアキトさん」
「メグミちゃんも落ち着きなよ」
アキトはメグミに向かって苦笑いで言う。
「あら、お盛んなことね」
「「!?」」
アキトとメグミは、突如聞こえた第三者の女性の声に驚き、後ろを見た。
そこには1人の金髪の女性が立っていた。
「はじめまして、私の名前はイネス・フレサンジュ、そこの男性にあなた達について聞いたわ」
『イネス・フレサンジュ』と名乗る女性は、すぐ近くにいる青木の方を見る。
「青木さん、この人とはどこで……ッ!他にも人はいませんでしたか!」
アキトは突然青木に詰め寄って、イネス以外の火星の人間について興奮しながら聞く。
「落ち着きなってアキト、他にも火星の人間はちゃんといたからさ、安心しなって」
青木は、生き残っている火星の人々がいるということをアキトに伝えることで、アキトを落ち着かせた。
「良かった…本当に…それで、その人達はどこに?」
「私が案内するわ、その代わり変に興奮しないように」
火星の人々がどこにいるのかと青木に聞くアキトを見て、イネスはアキトを火星の人々のいる場所へと案内することにした。
「ありがとうございます!…そうだ、メグミちゃんも来てくれるかな…?」
アキトはメグミにも一緒に付いてきてほしくなり、メグミに聞いてみた。
「はい!もちろん付いていきます!」
メグミは付いていく気満々のようだ。
「俺は他の奴が来るかもしれないから、俺はここに残ってるからな、なんかあったら連絡する」
青木はそう言うと、ガルーダⅢの方へと戻っていった。
「じゃあ行きましょう」
イネスは火星の人々が隠れている地下へと歩いていき、アキトとメグミはその後に付いていった。
「ふぅ…本当に何があるかわからないな火星は……疲れる…とりあえず、あの2人があの人達を説得できればそれでいいんだがなぁ…ん?」
ガルーダⅢの中で独り言を言っていた青木は、ナデシコの通信回線に繋げようとしたら、知らない通信回線と繋がってしまった。
「…?…おい、誰だ?……」
青木は、相手が誰かも知らないのに普通に会話を試みた。
「……なになに…?……ほう……………………………ハァ!?……ビクトリーファイブ!?」
青木の口から、ビクトリーファイブという単語が飛び出す。
それは、かつて宇宙に旅立ったロボット等と、そのロボットに乗っていた英雄達の事であった…。
「………まあわかった…ここで合流ということか……とりあえず、俺達の艦に連絡を入れさせてもらうから、後は俺達の艦、ナデシコにいろいろ聞いてくれ…」
青木はそこで通信を切る。
「……まったくよ、俺達のヒーローが火星に来たなんて誰が予測できたんだよ…」
青木は、ついさっきまでビクトリーファイブ、昔に本で観たことあるビクトリーファイブと通信してたのに驚きながらも、冷静さを保とうとしていた。
「…とりあえず、混沌としだしたな」
青木は、紙飛行機を作りながら呟いていた。
物語は、また加速するのであった…。