機動戦士ガンダム 水星の魔女 グエルの背中を押す者 作:セサミストリート
スレッタとグエル達は現在学園の廊下を歩いていた。グエルの側にはスレッタが歩き、ラウダたちはスレッタ達の後ろでついて行く形で歩いている。スレッタは内心ドキドキしながら歩いていた。スレッタは気まずい雰囲気を消すためにグエルに質問した。
「あの…」
「何だ」
「えっと…名前…」
「俺か?グエル・ジェタークだ。後ろにいるのは弟のラウダ・ニール、フェルシー・ロロ、ペトラ・イッタだ」
「グエルさん、ラウダさん、フェルシーさん、ペトラさん…」
スレッタは全員の名前を覚え、友達ができたと思った。ふとスレッタはもう一人生徒がいたことを思い出し、その生徒のことを質問する。
「あの、もう一人の方は…?」
「あいつはフルミ・セザ。俺の護衛みたいなもんだ」
「護衛…?」
「あぁ、父さんが俺に何かあってはいけないから、あいつを護衛につけたんだ…俺は護衛なんていらねぇけどな」
「…何だか、騎士みたいです」
「…あいつが騎士か、俺には狂戦士に見えるけどな」
「狂戦士…?」
「兄さん、それ以上は…」
グエルとスレッタの会話にラウダが割り込む。どうやらフルミのことはあまり話してはいけないのだなとスレッタは察したが、好奇心で彼のことを聞いてしまう。
「えと…フルミさんもパイロット科、なんですか?」
「まぁな、あとあいつにさん付けなんてしなくていい」
「え?どうして…?」
「なんとなくだ」
「えぇ…?わけわかんないです…」
グエルの口ぶりからして、仲が悪い感じわけではないとスレッタは察し、質問を終える。そしてスレッタ達はそれぞれの教室に到着した。
「ここがお前の教室だ。さっさと行け」
「はっはい!ありがとうございました!」
「礼ならミオリネにしてやれ。俺は何もしてない」
「でも…グエルさんも助けてくれました。…優しい人、です」
「…!」
スレッタの言葉に、グエルは昔の母親を思い出した。グエルの母親は父親と離婚しており、幼かったグエルは母の顔も姿もほぼ覚えていない。しかし母親からの愛情は忘れておらず、スレッタの言葉と笑顔にグエルはかつての母親と重ねた。
「本当にありがとうございました!失礼します!」
「…おい待て」
スレッタが立ち去ろうとするところで、今ここで別れてしまったら忘れてしまうのではないかとグエルは思い、無意識に呼び止めた。
「はい…?」
「…タブレット出せ」
「え?…はい」
スレッタはタブレットを出し、同時にグエルもタブレットを出す。グエルがタブレットを操作してるとスレッタのタブレットから通知音がなった。
「俺の連絡先だ。何かあったら俺に聞け」
「グエルさんの…?」
「兄さん!?」
「グエル先輩が…自分から…!?」
「はわわ…事件っす!前代未聞の大事件っす!」
「やかましいぞお前ら!」
ラウダ達がワイワイ騒ぎ、グエルは抑える。そのやり取りの蚊帳の外のスレッタはタブレットをみていた。
「…えへへ、また、増えました」
「あ?」
「ここに来たら、友達をいっぱい作りたかったんです。一緒に勉強したり、ご飯を食べたり…私の夢なんです」
「…そうか、叶うといいな」
「え?」
「なんでもない、呼び止めて悪かった。行ってくれ」
「はっはい!」
スレッタは深々と頭を下げ、教室に入っていき、グエルはスレッタの後ろ姿をただ見つめていた。スレッタが去ると同時に、ラウダ達がグエルに問い詰め始めた。
「兄さん!何を考えてるの!?あんな田舎者に兄さんの連絡先を渡すなんて…!」
「そーっすよ!私まだグエル先輩から連絡先もらってないのにー!」
「詳しく…説明してください…今…私は冷静さを失こうとしています…」
「落ち着けお前ら…」
グエルは宥めようとするがラウダ達の勢いは止まらず、グエルはどうしようかと考えていた。
一方俺は地球寮に進みながらタブレットで連絡をしていた。
「俺から見たら気弱そうなただの少女と考えますが、どうも引っかかるところがあります」
「ほぉ…お前もそう思うか」
連絡相手はジェターク社のCEO、ヴィム・ジェターク。一匹狼であてのない傭兵生活をしている俺を拾い、グエルの護衛役としての仕事を任されている。もちろん恩はあるが、彼の過激な思想にはあまり賛同はできない。ろくな死に方をしないだろう。
「というと?」
「その娘の母親から連絡が来たんだ。娘をよろしくとな」
「母親…シン・セー社CEOのプロスペラ・マーキュリーからですか?」
「あぁ、あの女が何を考えているか知らんが、いずれは厄介な存在になるだろう」
「スレッタ・マーキュリーはいかがしますか?」
「今はどうでもいいが、向こうになにか動きがあったら娘を人質にはできるだろう」
「…あまり事を急くとろくなことになりませんよ」
「ふん、お前に言われる筋合いはないが、忠告は受け取っておこう」
「恐れ入ります」
「今はグエルの護衛だけを考えろ。後のことはまた連絡する」
「…わかりました」
俺はCEOとの連絡を終え、タブレットをポケットに突っ込んだ。CEOとの連絡は息苦しく、加えてなれてない敬語を使ったせいで精神的に疲れ、ため息を吐いた。
「スレッタが何かを企むような人間には見えないが、何故こうもひっかかるんだ?」
考えを独り言で呟き、地球寮へ足を運ぶ。その道中でふと何かの気配を感じ、足を止めた。同時に気配は強くなり、俺は身構えた。
「…またか」
後ろから殺意を感じ、何かが飛んでくる音が聞こえてその場でしゃがんで躱した。通り過ぎたのは見慣れた人物だった。
「あぁ〜!また躱された〜!」
「殺意が隠しきれてないぞ。ソフィ」
「むぅ…今日こそは行けると思ったのに」
「まずは殺意を隠すところからだ、でなければ俺には勝てないぞ」
「んふふ、次こそは当てるからね!」
「ソフィ、だからやめたほうがいいっていったじゃん」
「ノレアか、久しぶりだな」
「久しぶり、フルミさん」
目の前にいるのはソフィ·プロネと後から来たのはノレア·デュノクだ。彼女たちとは昔よく遊んでいて、俺のことを兄と慕っている。ソフィが毎回攻撃してくるのは面倒だが、もし俺に妹がいたらこんな感じなのだろうか?
「お兄ちゃん、地球寮に行くの?あたしも一緒に行ってもいい?」
ソフィは俺の右腕を掴み、体に押し付ける。俺としては離してほしいが、ソフィの機嫌を損ねたくないため敢えて何も言わなかった。ただ、後ろから只ならぬ気配を出しているノレアは怖かった。
「ソフィ、フルミさんから離れて。迷惑でしょ」
「え〜?いいじゃん別に、嫉妬してんの?」
「は?してないけど?変な妄想しないでくれる?」
「相変わらずだな…皆で行こう」
「やった〜!お兄ちゃんと一緒だ〜!」
「はしゃぎすぎ、子供なんだから…」
ソフィとノレアが道中に加わり、3人で地球寮に行くことにした。
「そういえばさ、あたしお姉ちゃんができたんだ!」
「ほぉ、ソフィが姉と慕う人ができたのか」
「真に受けなくていいよ、兄さん。いつものおふざけだから」
「いいじゃん別に、それにスレッタお姉ちゃんからお兄ちゃんと似たのを何かを感じたしね〜」
「スレッタ?スレッタ・マーキュリーのことか?」
「うん。ニカが話してたところであったんだよ」
「私も一緒に会った。珍しく気弱そうなスペーシアンだった」
「そうか、二人はもう彼女に会ったのか」
ソフィとノレアは大がつくほどのスペーシアン嫌いなのだが、ソフィが姉と慕うのは些か驚いた。そして俺と似ていると言われたが、どこが似ているのだろうか全く見当がつかなかった?
「あ、着いたよ!」
思考しながら歩いていると、いつの間にか地球寮に着いていた。俺は基本的にジェターク寮を拠点としているため、地球寮と他の寮を比べると地球寮の寮はボロく、鮮やかさはない。ただ、昔地球にいた頃よりはマシだと俺は考えた。
「たっだいまー!」
「ただいま帰りました」
「ただいま」
俺たちは寮に入り、地球寮にいる仲間たちに挨拶した。
「お帰りなさい!ソフィさん!ノレアさん!」
「おかえり〜ってフルミいるじゃん」
「やぁフルミ、久しぶり」
俺たちを迎えてくれたのは、リリッケ・カドカ・リパティ、ヌーノ・カルガン、アリヤ・マフヴァーシュの三人だった。
「あ〜!フルミさんお久しぶりです〜!」
「リリッケ、久しぶり。元気そうで良かった」
「マジで久しぶりじゃん、1ヶ月ぐらいか?」
「今日の占いで誰か来るのは知っていたけど、まさか君だったとはね」
「アリヤも久しぶり」
「あれ、俺のこと無視?」
「忘れてない、いたのが気づかなかっただけだ」
「いや余計たち悪いわ」
地球のメンバーと久々の会話に話が弾み、寮の奥にある机でそれぞれの話をした。
「他のみんなは?」
「まだ授業中だよ。暫くは帰ってこないかな」
「そうか…タイミングが悪かったな」
「そーいやさ、新しいやつ来たじゃん。水星の…名前なんつったっけ…」
「スレッタ・マーキュリーさんだよ」
「そうそう、そんな名前だったわ。フルミはもう会ってんの?」
「あぁ、会った。面白そうな人だった」
「あたしのお姉ちゃんなんだよ!今度みんなに紹介するね!」
「へぇ、ソフィが姉と認めるとは中々の人なんだね」
「私も会ってみたいです~」
「んで?そいつも俺らのこと、差別すんの?」
「どうだろうな、まだあって間もないからなんとも言えない」
「ふ〜ん…ノレアは?」
「私もフルミさんと同じ意見です」
「2人が入れ込むほどとは…少し興味が湧くな」
地球寮でもスレッタ・マーキュリーの話題が来ており、3人ともスレッタに興味津々だった。ここにはいないが、チュチュにも紹介したいと俺は思っていた。
「お兄ちゃん、今日はここに泊まるの?」
「グエルと模擬戦があるから、今回は泊まらない」
「ちぇっ、お兄ちゃんと一緒にいたかったのに」
「また今度な、ソフィ」
俺は不機嫌なソフィを励ますため、頭を撫でた。ソフィは嫌がることなく、笑顔で撫でられていた。その姿に俺は地球にいた猫を思い出した。
「さて、そろそろ俺は戻る」
「えぇ〜早くな〜い?」
「グエルを待たせるわけにはいけないからな」
「よくあの御曹司と戦えるよな…決闘してホルダーになりゃいいのに」
「俺はホルダーに興味ない、グエルが似合ってる」
「模擬戦でボッコボコにしてるのによく言うよ…」
「あいつが望んでるからな、俺はそれに応えるまでだ」
「君は変わらないね」
「…そうだな」
全員に別れを告げて、俺はジェターク寮に向かった。
「…変わらない、か」
アリヤの言葉を思い出し、俺はこれまでのことに思いながら歩いていった。
はい、今回はここまで。主人公の過去はいつかは明かして開こうと考えてますが、どのタイミングで話すべきかなかなか思いつきません。あと、今回のグエルの行動でスレッタとの関係がより深くなっていくようにしていきます。では、また
主人公とグエルとの関係は親友みたいな関係ですが、皆さんはどう思いますか?
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そう思う
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少し思う
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あまり思わない
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全く思わない