機動戦士ガンダム 水星の魔女 グエルの背中を押す者   作:セサミストリート

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キャリバーン、かっこいい…かっこよくない?


片想い

俺がジェターク寮についた頃にはコロニー内の日が落ちており、夕方に帰ってこれた。寮には戻らずそのまま模擬戦場まで歩いていった。

 

「遅かったな」

 

模擬戦場の入口前にはグエルが壁に寄りかかった状態で俺を待っていた。よく見てみると少し疲れたような顔をしている。

 

「…何かあったのか?」

 

グエルが疲れることは気にしてはいないが、あまりにも顔色がひどかったので聞いてみた。

 

「ちょっとな…あとで話す」

「…わかった」

 

俺はグエルに続く形でロッカールームに向かい、MS専用のパイロットスーツに着替える。

 

「なぁ、セザ」

 

ノーマルスーツが着替え終わったときにグエルに話しかけられた。先程からグエルの顔色が悪かったり、いつもより静かなので少し心配になる。

 

「何だ?」

「確かお前、地球寮に行ってるんだよな」

「あぁ。ソフィやノレア、ニカ達に会うために行ってる」

「そうか…そうだよな…」

「…本当にどうした?お前らしくないぞ」

 

いつもならグイグイ来るグエルが歯切れ悪く言葉を綴り、俺はまた少し心配になる。俺がいない間に何があったんだろうか。

 

「お前…女に惚れたことあるか?」

 

グエルが少し顔を下げ、耳を赤くしながら俺に聞いてきた。あのグエルが恋愛関係の話を出したのは驚きだが、それ以前に俺に聞いたことに驚いた。

 

「俺か…ないな」

「は?そんなことはねぇだろ!?」

「恋だの愛だのする前に戦いの日々だったからな」

「いや地球寮にも女子生徒がいるだろ!?何も思わないのか!?」

「ニカ達は家族だ。家族に欲情する阿呆はいないだろ」

「それは…そうだが…お前の場合少し違うだろ…」

 

グエルが俺に質問してくる中、俺はスレッタとの出会いを思い出し、道中で何かあったの察した。

 

「…スレッタ・マーキュリーに惚れたのか?」

「は、はぁ!?おま、なんで今スレッタ・マーキュリーが出てくるんだよ!?」

「道中で何かあったのか」

「…連絡先を渡しただけだ」

「…ほぉ?」

 

グエルから興味深い言葉が出できたことに俺は気づき、逆に俺がグエルに質問を始める。

 

「渡した?お前から?」

「…そうだ」

「普段様々な女子生徒から求められるお前から?」

「…そうだ!」

「しかも今日来たばかりのスレッタ・マーキュリーに?」

「そうだよ!なにか悪いか!?」

 

グエルの初々しい姿に面白くなり、更に質問を続ける。

 

「いいや、全く悪くない。で、どこに惚れたんだ?」

「惚れてねぇよ!」

「だがお前から連絡先を渡したんだろ?」

「…そうだ、渡しただけだ」

「それだけでもう惚れたんだよ。スレッタ・マーキュリーに」

「いやなんでそうなる!?」

「考えてみろ。特に自分に興味のないやつに自分の連絡先を渡すか?しかも女に」

「…渡すわけないだろ」

「それが答えだ。惚れてないにしろ、お前はスレッタ・マーキュリーを知りたいから連絡先を渡したんだろ?」

「んぐ…」

 

グエルは俺からの言葉に動揺し、耳ではなく顔まで赤くなる。ここまで初々しいと少しからかいたくなる。だが、俺は敢えてグエルに質問を続けた。

 

「きっかけがあったか?」

「笑うなよ……あいつの笑顔が、昔の母さんに似てたんだ」

「グエルの?」

「つっても俺がまだ子供の頃で、ほとんど覚えてない…だが、あいつと重なったんだ」

「ほぉ…」

「なんで重なったのかはわからないが、あのまま別れたら忘れてしまいそうで何も考えたくなかったんだ。今まで寄ってくる女達よりも、あいつが頭から離れられないんだ」

「…」

「…すまない、気持ち悪かったな…こんな話をミオリネにしないだけマシか」

 

グエルは誰よりも真剣で、誰よりも強くなろうとしていることは俺はわかっている。これまでグエルの隣を見てきたからこそ、今のグエルは感じたことのない感情に揺さぶられている。俺は大して役に立つ情報も解決策は持ち合わせていない。なぜなら俺は、誰かを好きになったことがないからだ。

 

「…気持ち悪くはない、むしろ素晴らしいことだと俺は思う」

「…え?」

「俺は…常に戦いの日々だったから恋とか、愛とかはわからない。だが、昔に人を愛することは、誰かの気持ちを受け止めることができると教えてもらった」

「…」

「だから、しっかりとスレッタを掴んでおけよ?俺の見た目だと、スレッタはモテる」

「…はっ、俺を誰だと思ってやがる?このグエル・ジェタークが女一人を振り向かすことはできないとでも思ってるのか」

「ミオリネが聞いたら、何ていうかな?」

「あいつだったら嬉しがるだろ、厄介払いができたってな」

「確かに…まぁ頑張れよ、グエル」

「おぅ、ありがとな。セザ…ん?ラウダからか」

 

話が終わったタイミングでグエルのタブレットから通知音がなった。相手はラウだからだった。グエルと模擬戦が円滑にできるように、ラウダが現場の指揮を取り、グエルに終わった報告をするために連絡をした。

 

「兄さん、こっちの準備は整ったよ。フルミは?」

「あぁ、今ノーマルスーツを着た。これから行く」

「うん、待ってるよ」

 

グエルはラウダとの連絡を終え、タブレットを耳から離す。

 

「じゃ、行くか」

「行こうか、グエル」

 

お互いを顔を見て、腕を交差するようにぶつけて、自身の乗るMSに向かった。

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまで、いつもより短くなっているので読みやすいかと。次回は主人公とグエルの模擬戦を作っていきます

ではまた

主人公とグエルとの関係は親友みたいな関係ですが、皆さんはどう思いますか?

  • そう思う
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