「じゃあ、无月ここに学長がいるから面談頑張ってね。強面のおっさんだけど凄い優しい人だから」
「そうか」
呪術高専は広大な面積を誇っていた。
さすが呪術師の本拠地と呼べる機関だ、敷地面積が馬鹿げていると无月は思っていた。
无月が五条に連れてこられた場所はお堂のような建物だった。お堂へと入ると蝋燭が灯されており、少し薄暗かったが完全に視界が絶たれるというほど暗くは無かった。无月が奥の方に目をやると五条の言う通り、強面の男が鎮座していた。だけど、予想外だったのはこの男がぬいぐるみを縫っていたことだ。キモカワ?のような独特なデザインのぬいぐるみを黙々と製作していたが无月が来たことが分かったのか作業を止め、顔を上げた。
「君が狂餓彌无月か?」
「そうだ」
「私はここ東京都立呪術高等専門学校で学長をやっている
「知っていると思うが狂餓彌无月だ。よろしく頼む」
お互いに自己紹介をし挨拶を交わす。
「狂餓彌无月、君は何しに来た?」
「?...呪術師になるために?」
「違う」
否定された。何が違うんだ?ここは呪術師を育成するための学校だろう?なら、俺の言ったことは間違えているのか?
「何故、君は呪術師になる?呪いを学び、呪いを祓う術を身に付け、その先に何を求める」
「...まず、一つ目。呪術師になるのは戦う術を身に付ける為だ。無知とは罪だからな。そして二つ目、上層部と言う存在が気に食わないからだ。はっきり言って鬱陶しい!毎回毎回、手先が送られて、それに対処するなんて面倒臭いにも程がある!」
「...上層部に抵抗する為に呪術師になると?」
「そうだ」
夜蛾学長が再度、俺に確認をする。茨の道だと言いたいのだろうか?だとしたらもう既に俺は歩んでいる。俺はこの手で
「今さら、人を殺したことを否定する気はない。だから俺は取り繕う気もない。俺は血に塗れたこの道で道化として死ぬと決めた。上層部は気に食わないから反抗する。これ以上の理由は必要か?」
「...合格だ。呪術高専は君を歓迎しよう。ようこそ、
どうやら俺は合格を貰うことが出来たようだ。
「やっぱり君はイカれてるね。合格おめでとう。ようこそ、呪術高専へ」
「えぇ、よろしくお願いしますね」
イカれている...確かにそうだろう
「ちなみに入学は明後日からね。こっちは入学手続きとか学生証の発行しちゃうから。あ!もし良かったらこのお金で生活用品でも揃えてくれば?」
どうやら俺の入学準備に時間が掛かるのか入学は明後日かららしい。そして懐から財布を取り出し、何枚かのお札を取り出して俺に渡して来た。何円あるんだ、これ?
「凄い量ですね」
「まぁ、君の私物ほとんどないし、好きに使っていいよ。返さなくても大丈夫だからね」
「そうですか。じゃあ、ありがたく使わせてもらいます」
さてさて、何を買おうか?とりあえず下着や文房具、ノートにいくつか本でも買おうかな。
何を買おうか思案する无月はお金を懐に入れ、東京へと足を進めた。
「彼をどう思う、悟?」
「倫理観が完璧に終わってるね、彼は凄く呪術師に向いているよ」
无月との面談を終えた夜蛾学長が五条へと問いかける。
「...そう思う根拠は?」
「彼を説得するときに話した時だよ。殺したことに何も罪悪感を持っていない。もしかしたらクラスメイトも合理的に判断したと割り切って見殺しにする可能性もあるかもしれない」
「ではなぜ、彼を高専に迎えるようにしたのだ?」
「僕はね、期待してるんだよ。この腐りきった呪術界を変える、未来を担う一人になる。彼はいずれ僕を超える呪術師になる。それに、この年の新入生は皆、曲者揃いだ。无月の心境にも変化が訪れるさ」