『一番星』は『天使』の手を掴んで離さない   作:ネマ

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続いた


乙女座の一番星

 

 

“歌姫”、“天使の生まれ変わり”などと称される国民的アイドル。初音ミク。

彼女の衣装と言われれば一体何を想像するだろうか。

 

多くの人はこう答えるだろう。セーラー服にも似た襟袖の長袖、緑に縁取られた黒スカート、そして緑色のネクタイであると。それはまだ初音ミクがアイドルではなくストリートで弾き語りをしていた頃からの衣装であることは知る人ぞ知る事実である。

 

 

だがそんなミクの衣装だが実は当初のミクの構想とは違っていると言うことをご存知だろうか?

では最初、ミクはどんな服装をイメージしていたのか。それは、幼少期、小学生の頃に遡る。

 

 

 

『………こんな感じ……で、よし』

 

未来がアイをその目に映し、自分の意志で“初音ミク”になると決めた、大体直後ぐらいの話

その日のミクはいつもの様に歌っているのではなく、机に齧りつきひたすらに紙と睨めっこしていた。

 

『ねーミク?何してるの?』

 

『衣装の原案』

 

勿論、そんな珍しいミクの姿をアイが気にしないわけがない。

ミクがアイに心を開いて…開く前からアイはまるで雛鳥の様にミクの横に後ろに常に一緒にいた。その事をミクは放置していたのもあるのか今ではアイはミクの近くにいないとダメになるとアイ自身、思っている。

 

……話を戻そう。ミクの珍しい姿にアイはあすなろ抱きをするかの様に後ろからミクの集中していた紙を覗き見る。

そこには人と服が描かれている。これは一体なんなのか。そうアイは首を傾げる。

 

『まずはみんなに聞いてもらう所から始めようかなって』

 

ミクといえば歌う事。その歌のためにはどんな努力だって惜しんだ事がない。

と言う事をアイは十分よく知り尽くしている。“私だけの歌声だったのに…”とアイはモヤモヤした感情が浮かんでしまうがミクの想いがどんなモノか知っているからこそアイはそれを否定することなんてとんでもない。

 

『………??』

 

『形から入って行こうってこと』

 

勿論、それが今のミクの衣装の原案と何の関係があるのか。まだ小学生であるアイの頭には少しだけ難しかったみたいだ。そんなアイの姿にミクは苦笑混じりに説明する。……曰く、みんなに聞いてもらうためには多くの人に頭に残らないといけない。ならそのみんなの頭にミクが残る方法とは──────

 

『服って…事!』

 

『そう言う事……放課後。買い物手伝ってくれる?』

 

アハ体験よろしくアイの頭の中でミクのやりたい事が繋がったらしい。

そんなアイにミクは手伝ってほしいと頼むが勿論、アイは断る理由がないというかむしろ一緒に居たい。

……ただ、残念ながらそんなアイのいじらしい想いもミクの前では優しい友…としか見られていない事にアイが気がつくのはもう少し大人になってからの話だ。

 

 

 

【放課後】

 

 

『買えたー!』

 

『……ねぇ……本当に良いの??』

 

帰り道。二人で持っている大きな袋には大量の服が入っていた。(勿論、親からお金借りましたよ?)それはミクが最初欲しいと目星を付けていた服だけじゃなくアイの服まで入っていた。

 

『アイも選ぶのに手伝ってくれたから』

 

勿論、アイが欲しいと強請ったわけじゃない。ただキラキラしたモノを見ているアイを見たミクが勝手に黙って購入しただけだ。それもお駄賃代わりと押し付けがましく。

 

『………うーん……じゃあ』

 

そんなのでもやっぱりアイは納得いかなかったらしい。

なら仕方ない。とミクは一息入れてアイにこう言った。

 

『私、アイがこの服着てるの見たいなぁ?』

 

耳元で囁かれたミクの言葉にアイは赤面して頷く。

そんなアイの姿にミクはどうして赤面するんだろうと一回首を傾げたがその直後にはもう音楽が口ずさまれていたのだった。

 

 

 

「………………!!!」

 

人はどうやら心の底から嬉しいことがあった時には声さえも出ないらしい。

家に帰り、幾つかの服と布を使ってロリミクとも言える姿を作り出すことが出来た。……まあ髪の毛はミクほど長くはないし(絶賛伸ばし中ですよ?)髪飾りもヘッドホンもないがそれでも十分ミクであると飛び跳ね、鏡の前でターンする。

ただ、でも一つ。文句があるというのなら。

 

「ねー……やっぱり切らない?ここ」

 

当初ミクの構成ではブラウスは肩出し、脇見せブラウスだったはずなのに。

いざ長袖ブラウスを買ってきた加工前のチャコペンでの下書きの際にアイが目敏くそれを指摘した。

 

『……ねえミク、そこ……もしかして』

 

『切るよ?』

 

『……………………!?ダメッ!!』

 

『えぇ……。』

 

という事でアイが絶対にダメだと首を横にしか振らなかったからミクは渋々長袖のままブラウスに袖を通したのだった。当初の計画では袖とは切り離してた肩出しにするつもりだったというのに。

 

「ヤダ。絶対にヤダ」

 

そんな不服そうなミクにアイはまるで拗ねるような形相で却下する。

ミクとしては…というかミクとしてここは絶対に切り落とさないといけない所だ。

“初音ミク”になるための形から違うというには“初音ミク”へのリスペクトがあまり足りてないのではないかという少し厄介オタクじみたミク廃であるが故に。

 

「じゃあなんでヤなの?アイ。」

 

「………ヤなモノはヤ。」

 

追及するミクについぞアイは顔を背けてしまった。

ダメと激しくダメ出しした時点でアイは既に涙目だった事を考えて、よほど私がこの格好をするのはダメなんだな…と少し気が沈みそうになる。

 

「………わかった。じゃあこのままにする」

 

「!!………その方がいいよ!絶対!」

 

今度は逆にミクが不服そうにこのままで良いと妥協する。

これまた今までの泣きそうな顔とは一変変わってアイはとても嬉しそうに花開くような満面の笑みをミクに見せる。

そんなアイにミクは内心肩を落とす……やっぱり似合ってなさそうに見えたのだったか…と

 

(……けど、それってまだこの世界にミクが無いから…だよね)

 

記憶の中にあるミクは脇が見えるほどの肩出しブラウスだというのになんの違和感もなかった。それは単に積み重ねられた多くの歌とミクの麗しさがある。なら逆にそこまで行くとミクとしての正装として認められるということ。

 

(じゃあその時まで…頑張ろう!)

 

ミクの正装がミクとしての名誉だとするなら。自分はまだ“初音ミク”でないのだから当然だ。と不思議な方向に解釈をしてしまった。ただ一つだけ分かる話だが……この解釈がいずれ近い将来、アイと解釈違いを起こしてしまうのはそう遠い話ではないのだろう。

 

 

そういうことがあってかミクの服は当初のミクの構想とは違っているという事となった。勿論、これは一般的に語られていない情報であるし、これを知っているのはミクファンクラブ創設者兼名誉会長兼会員ナンバー000001アイしか知らないのである。

 

 

 

 

 

 

 

【近いかも遠いかも知れない未来】

 

 

「ねえミク?肩出しの奴あるでしょ。出して」

 

「………ナンノコトカナーワカンナイナー……」

 

「ねえミク…分かってるんだよ?もししらばっくれるなら…」

 

「……なら?」

 

「次の日。足腰立たなくなるよ」

 

「ごめんなさい作っちゃいました…」

 

「はぁ……ミクったらこれで何着目?」

 

「じゅ、10着目……??」

 

「19着目。何でミクが忘れちゃってるの……」

 

「えっ……えーっと………えへっ?」

 

「……………………………………」

 

「えっ?ちょっアイ?!顔怖い…よ?」

 

「………着て。これ、着て」

 

「えっ…………あっうん………着たけど……」

 

「じゃあベット、行くよ」

 

「…………えっ?」

 

「ミクの魅力。ミクの身体に教え込んであげる」

 

「ちょっ。アイ!?アイさん!?」

 

「問答無用だよ。大人しく身を任せて」

 

「あっ………………」(扉が閉まる音)

 

 







初音未来(初音ミク)

この後数時間後。ダブルベットの上で液体(意味深)まみれで全裸のまま気絶してるところが見つかったとかなんとか……


星野アイ(アイ)

(脳と情緒が)上手に焼けました〜


拙者。まだ恋も知らない幼女が先に独占欲が芽生える姿大好き侍。
義によって助太刀いたす。



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