タイトルが変わったのは、友からあまりにもタイトルにセンスがない(大分穏やかに包んで)と言われまして。
とりあえず暫定的にこんなタイトルにしてます。まあいい案があればおなしゃす。
それはそうと……お気に入り1000人超えありがとうございます。感無量です。
こんな落書きでも楽しんでもらえているというのは励みになります。できる限り毎日頑張るからね……!
“歌姫”、“天使の生まれ変わり”などと称される国民的アイドル。初音ミク。
彼女の二つ名は決して伊達ではない。“歌姫”そう呼ばれる彼女の血の汗が滲むような努力は、彼女の大親友にして強火ミクオタクのアイだけが知っているのだった。
時間軸は幼少期に遡る。まだミクとアイが本当の意味で友人となった直後辺りのお話。ミクの歌を一通り自分の思うがままに歌ったミクは少し思い出したように考えた。
(そういえば……何処までが“ミク”なんだろう?)
ふとそう考えてしまった。……それは何故か。そうボカロ曲の中には幾つか未来が知る中でも曲はミクが歌っていてもMVではミクではないそのオリジナルのキャラクターを動かしていると言うのも多々あるのだ。
「……………………la〜♪」
「la〜♪……………?」
数日にわたる研究の末、ミクは何となく法則を掴んできた。
ボーカルが“初音ミク”である物なら基本的に初音ミク扱いになるらしい。
だからこそ私はマルガリータにもなれるし目を背ける電脳少女にもなれる。ライカにもなれるし、“狂”ってしまった人にもなれる。
けど逆に私はリリアンヌにはなれないし、あの子のような透明感のありつつ芯のある強い声は出せない。ファンクビートにもなれないしビブリォチカは勿論、双生の弟にはなれない。
……まあつまりだ。“初音ミク”の歌は再現できる。だけどそれ以外、それこそリンやレンの曲などは何をどう頑張っても劣化でしかない。側から見れば素晴らしい出来かも知れない。でも、私は“原点”を知っている私としてこれは認められなかった。
「…………ぁはぁ……はぁ……」
少し考えれば分かる物だが、その声帯が初音ミク(調教済み)と言えど身体はまだまだ成長途中の幼児である。それはもう明らかに自分の喉の限界を超えた低音、高音で歌っていたと言うのならどうなるかは明確で……
「……………ぁ。血が………」
喉の奥から、鼻から赤いドロッとしたものが出てくる感覚にミクは襲われた。
粘膜が切れたんだろうと冷静に考えるミクだがこの場には生憎とティッシュなんて用意していない。どうしようかと考えていた最中、ドアを開ける音がした。
「ミ〜ク!!おはよ…………えっ?」
「ん。…ほはよう。アィ。」
ちょうど良いところでアイが来たらしい。
血で汚れないようにとどうにか手で血が服などに付着しないように押さえているがそれでも血は滴る。ミクは自分のことだから気がついていなかったがアイからみたミクは喉元まで血が滴っているように見えるし、声も何処か変だ。
勿論、そんな初めて見るミクの姿にアイが泣き出さないわけがなく。
「ひっ。……ミクがぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!」
今までにミクが聞いた事がない様なアイの悲鳴にミクは瞠目する。
直後アイは大粒の涙を流しながらミクに近づく。
だがそんなアイとは裏腹にミクは落ち着きながらアイに声を飛ばす。
「ごめーん…アイ。ティッシュとって」
「なんで!そんなにぃ!ミクが落ち着いてるの!!」
なんか色々と違うっ!と言いたげにアイは部屋を飛び出して行った。
そんなに慌てるとこけるよと声を出したいがどうも出てくる血の量は結構な量みたいで一回で飲むお水の量ぐらい口の中で錆びた鉄の味が充満していた。
尚、鼻からも出ているせいで本当に血の匂いが生臭い。
「ミク!!」
滑り込む様にアイがティッシュ箱を持ってきてくれた。
瞬間、ミクは自分の鼻をティッシュで押さえ込みそしてその足で洗面台に向かい、血を吐き出す。……出血してると言えどそこまで想像しているほどでは無かったらしいとミクは安堵する。
「んー……血は止まったのかなぁ……」
「………本当に?ホントに大丈夫だよね?大丈夫なんだよね?ミク??」
喉の痛みは有るけれど血が出てる様な感覚はない。鼻はマジで分からないからしばらく押さえ続ける事になるだろうなぁ…とミクは億劫になる未来が見えて既に自暴自棄になりかけだ。
「まあ。大丈夫じゃない?……少し喉を使いすぎたのが原因かも」
「喉を使いすぎたって………そんな……」
戦慄するアイを片目にミクはそう以外言いようがないと吐き捨てる。けど今のミクはそんな事さえ気にならないほど胸の中に歓喜とも取れる高揚したモノが体の中を駆け巡った。
“初音ミク”である自分は“初音ミク”の範疇を超える声は出す事は出来ない。でもそれは逆に考えると“初音ミク”が“MEIKO”の声をトレース出来たのなら果たしてそれは“初音ミク”という存在なんだろうか?或いは“鏡音リン”を“鏡音レン”を“KAITO”を。模倣できた時点でそれはもう“初音ミク”というアイデンティティの喪失だ。
まあ。そうやって固い言葉でミクは取り繕っているがその本心はなんて事ない。
(これはつまり…リン達が…リンたちが居るという事っ!!)
最初に抱いた想いは消えていない、でも更にその想いを裏付ける証拠があったのだと哀れにもミクは思っている。鼻血だとか喉の痛みだとか言っていられるほどの時間はない。鼻血を止めながらでも歌えるし喉の痛みは後でトローチでも舐めてたら治る。
「………ねぇ。ミク。ミク……ミクったら!!」
「何、どうしたの?アイ」
そんなミクの姿にアイは何を見たのだろうか?
最初、耳に声を掛けるだけだったアイがついには肩を掴んで前後に激しく揺さぶる。それでようやくアイにミクは顔を向けたのだった。
「………ミク、が、遠いところにいっちゃいそうだった……から……」
アイは自覚していないが、今のアイには一つの能力とも言える才能が感化していた。そう。それはミク限定では有るがアイは何となくだがミクの考えている事が理解できつつある。……わかりやすく言うなら馬が合い過ぎるのだ。ミクとアイは。
「………そんなわけないと思うけど」
「じゃあ……何で、無茶したのにもっと今からしようと!するの!」
涙で濡れていながらも強い眼差しでアイはミクを見通す。
アイにとってミクが無茶をしているのは気がついていた。けどミクにとって歌う事は何事にも変え難いモノだと知っているからこそ。アイは黙っていた。アイは隣で聞くことだけにしていたのに。
「………そんなわけ」
「そんなわけっ!ある!!」
それだと言うのにミクは無茶を続けて、ついには血まで吐いてしまった。
それでも歌おうとするミクについにアイは堪忍袋の緒が切れた。
「ミク、やだよ…」
泣きながら、その涙を拭うこともせずアイがミクの腕を掴んで離さない。
首をひたすら横に振って嗚咽混じりに“ヤダ…ヤダ”と繰り返す。
そんなアイにミクも自分が原因だと深く自覚したのだろう。
「……………分かった。じゃあさ」
自覚しているから反省しているとは言えないのがこのミク廃クオリティ。
……つまりアイが言う事は(自分が)歌う事がダメという事なのだろう。
それなら……
「アイ。アイが歌ってよ。」
「………………えっ?」
ただ歌わずに居るのも味気ない。だけど歌いたい。けどアイは許さないだろう。
という事でどうにか対処を考えついたのがこういう考えだったのだ。
「幾つか歌。教えるから。」
「………………………………それって」
ミクの声帯とアイの声帯が同じなわけがない。
だけどアイの声に合ったミクの曲が無いわけじゃない。既に幾つか脳内でピックアップする横で、泣いていたのと一転、アイは恥ずかしそうに笑いながら笑みを浮かべている。
「うん!私、ミクの歌、歌いたい!!」
「………じゃあよろしく。……厳しいよ?」
ううん。ミクと一緒ならどんなのでも私は嬉しいよ!
そのアイの満面の笑みに偽りはなく。
【近いかも遠いかも知れない未来】
「〜♪」
「……ミク〜。どんな感じ?」
「〜♪……アイ?どうしたの?」
「ううん。ミクが何してるか気になって」
「そう?………一緒に座る?」
「うん!」
「………〜♪……♪♩〜〜〜!!」
「…………………………………」(背筋を撫で上げる)
「〜♪………ひゃ……〜♪♩」
「……………………」(もう一回撫で上げる)
「………………ん………〜〜♪♬」
「……………………」(撫で上げる)
「〜〜♪………アイィ……」
「〜〜?どうしたの?ミク」
「ごまかさないで」
「あはは…ごめんごめん。反応を我慢してるのが面白くて」
「………ふーん」
「どうしたの?ミク?」
「楽しむだけでいいんだ………ざぁこざぁこ」
「…………………は?」
「えっ……あれ?アイ??」
「気が変わった。」
「アイさん……?ちょっとした、じょうだ……」
「おへそで気持ち良くなろうね?ミ〜クちゃん??」
ちなみに最初のリリアンヌとかで何かに気がついた人は作者か作者以上のボカロ廃です。
初音未来(初音ミク)
冗談でメスガキ煽りしたらおへそでもイけるように教えこまれた。
星野アイ(アイ)
ミクの身体をアイの手ででしかイけないように教え込む事が“役目”だと信じてやまない国民的アイドル。
毎日ミクのベットに上陸しているせいで途中から部屋も同室になった同棲です。
こういう経緯があるお陰で原作より早く日本全国にアイの名前が知られる様になった。まあ元が天才的な才能を、ミクという名の“完成形を知っている天才”が育てたらそうなるって……ちなみに今回の件でもしミクがアイの言うことを聞かなければBAD ENDになる予定だった。
次回。『天使』は羽根を砕かれ鎖で繋がれた。