多分そろそろ原作の話になってくる。それはつまりアイの……
“歌姫”、“天使の生まれ変わり”などと称される国民的アイドル。初音ミク。
そして“一番星の生まれ変わり”などと称される国民的アイドル。アイ。
この二人がラブラブである事はもはや周知の事実である。アイのために歌を作って贈ったミク。そんなミクにその曲で国民的アイドルであると世間に認めさせる事で恩返しとしたアイ。
そんな二人だが実は結構“喧嘩”する事があると知っているだろうか。
この前もアイが/ミクが疲れているだろうから…自分が家事をするという事で喧嘩した。勿論その結末はベットまで持ち越しになって、いつも通り2人肩を並べて家事をしたのだった。
これ以外にもいい感じのお土産があったから買って帰るとミクが/アイが…同じものを買って買っていたとか。色々とあるが共通して言える事はこの2人の間での喧嘩は“ほぼ惚気”みたいなモノだと思われている。(2人はとても心外だと言いたげだが)
そしてこの日も。
「ねえ!聞いてる!?佐藤社長!」
アイドルにならないかとしてスカウトされたアイは苺プロダクションというミクが言うにはまだまだ弱小レベルの事務所にスカウトされる事をヨシとした。
別にミクと同じ所に入っても良い。結局ミクも事務所に入ったとは言え歌も自作、衣装も自作、メイクは別にナチュラルでも問題ない美貌というある意味事務所泣かせだ。ミクの行った所は中堅の中堅。目立ったものは無いが、逆に安定した役者・アイドルを輩出している所。
実は、だいぶ前からミクと同じように路上でもデュエットしていたアイも一緒に来ないかとスカウトを受けていたがそれを蹴ってでもアイはこの事務所に来た。
「おーおー。それと俺は…斉藤、な?」
ミクは既に頭角を表して新気鋭のアイドルとして世の中に新しい風を呼んでいる。
だというのにアイはまだデビューさえ出来ていない。……早く、ミクとアイドルとして公式にデュエットしたいのにこれではまだまだ夢の話だ。
そんなアイの声を聞いているのはこの苺プロダクションの社長。斉藤社長だ。
中々厳つい面構え…とアイは初対面で思ったがその直後には忘却する予定だった。
だと言うのにアイは斉藤のスカウトに乗った。
「えー?別に良いでしょ。それより聞いてー?ミクがさー!」
「俺としては未だにあのミクと同棲とか信じられないんだが……」
斉藤としてはこのアイドルの原石が新気鋭のアイドル。ミクと殆ど同棲関係であると言う事実に未だ驚きを隠せない。ミクもアイもその状態に慣れ切っていたがまだ高校生にもなるかならないかという年齢で同性が同じ生活をして、そして同棲生活をしているなど普通の学生ではあり得ない。
「?小学生ぐらいからこんな感じだよ?」
「マジか。進んでるな最近の子ども」
勘違いするな。斉藤。この2人だけが異常に熟れているだけなのだ。
「そうそう!ミクがぁ!!」
「おん…そのミクがどうしたって?」
ガキの喧嘩だ。どうせ好きなものを食べられたとかだろうと斉藤は半分聞き流して聞こうと思っていた矢先だった。
「ミクが今日私を置いて起きちゃったんだよ!?」
「………………………ん?」
斉藤の耳か脳はバグったのかとアイが言う“喧嘩”とやらに耳を傾ける。
どうやらアイが言うには、いつもミクの髪をセットしているのはアイの仕事だと言うのに今日はアイは事務所で打ち合わせがあるからということで枕をデコイに1人で起きて準備しちゃったらしい。……しかもわざわざ物音でアイが目を覚まさないように。
「…………待て待て。枕をデコイ??」
「うん?いつも抱き合って寝てるから〜…それで今日はわざわざ枕をダミーにされたんだよ!?」
酷くない!?と激昂しているように言うアイを尻目に斉藤はしらー…と惚気かよ…と言いたげにチベットスナギツネみたいな表情になっていく。
喧嘩したと聞いて、その内容を聞いたら脳内に強烈な“砂糖”が打ち込まれたのだから。聞いてる方としてはハイハイ。惚気惚気。としか言いようがない。
「ま、まあそんな怒らずに。」
「?怒ってないよ。……ただ、今晩はちょっと…あは」
男である斉藤でさえゾッとするような獣欲と魔性じみた危ないが何処か惹き込むような危ない光がアイの瞳の中を一瞬渦巻く。直後、いつものような笑みを浮かべているが何処か苛立ち気味に今日の会議の資料の冊子をめくっている辺りどうやら大分虫の居所が悪いらしい。
「……まあ。ほどほどにしろよ……」
未成年淫行だとか、色々と乱れすぎだとか言いたい事はあるがどうやらこの感じではここ数日の話ではないようだ。……斉藤は喉から絞り出した忠告もアイの耳から耳を通り抜けていったようで、アイの紙を乱雑に捲る音だけが響いていたのだった。
「もう…アイったらあんなに怒る必要無いのに……」
今日は特に撮影もない日。久々のオフという事でミクは悠々と家で音楽を作る。
マグカップにココアを入れて、ミクはブルーライトカットのメガネを付けてキーボードを叩いていく。音の合わせはほぼほぼ終わっていて後はミク自身が曲に歌を吹き込むだけ。
「……えーっとこの曲は……」
この曲に込められた意味を。この曲の歌詞の力をミクは全力で想起する。
それは色褪せない記憶として簡単に思い出せる。それはすぐに手に取るように身体で、心でミクとして理解できる。
「…………とりあえずこんな感じかな」
ミクである自分ももう一度聞いてみるが申し分ない出来に仕上がった。
一息つこうと時計に目を向けるともう昼過ぎになっていた。どうやらスマホにもアイからお昼食べたのか〜だとかメールが入ってきている。
「心配性だなぁ…アイは」
まあけど確かにこんな時間までパソコンに齧り付いていたから何も言えないけどとミクは苦笑する。朝、あんなに私怒ってますみたいに頬を膨らませられたら幾らミクと言えど罪悪感が湧かないわけじゃない。
『帰ってきたら
『……………ほんと?』
『嘘はつかないよ』
『じゃあ頑張ってくる。……夜が楽しみだねミク。』
最後のアイの蠱惑じみた声にミクは一瞬早まったかなぁ…と苦笑したがそんなアイが変なことをするような子じゃないとミクは知っている。
スキンシップが激しかったり(胸を弄ってくるのはやめて欲しい。こう見えてこれぐらいが究極の機能美なのだから)、一緒にお風呂に入ったりはアイが言うにはただのコミュニケーションの1つらしいから問題はない。
「んー……私を抱き枕にするのはどうなんだろ?」
確かに世の中には抱き枕があった方が寝やすいという人もいる事はよく知っている。それはアイもだろうか?昔はそうでもなく隣で寝る程度だったが最近ではよく抱きつかれたままという事が増えている。
「ま。アイならいいか」
別にアイなら問題ないだろうとミクは考えを破棄する。
そんなアイがミクに友愛、親愛以上の考えを抱いているなんて。
「…………それは、そうと」
一旦、ミクはアイ関連の考えを捨て、ミクはパソコンにまた向かい始める。
一度立ち上げたデスクトップをなぜか一度切り落とし、ミクは手慣れている手先で“別のアカウント”で入り直す。
「…………あーあー…こんなモノか」
数年前。一度喉から血を出した原因の声をミクは出す。
その時より声帯が成長しているとは言え、全く自分に合った声ではないせいで簡単にガタが来てしまうぐらい不安定だ。
「リン…レン…KAITO…MEIKO…ルカ」
そこに保存された5つの音楽ファイル群。それら以外にファイルらしいファイルは保存されていなさそうだ。それら一つ一つに名前が割り振られているがそこにミクは新規ファイルを一つ作りマイクから声を録音し始める。
「…………そして私。」
幾ら恐れようとも時間が止まる事はない。
ミクが恐れようとしている16歳は刻一刻と近づいてきていたのだった。
【少し先の未来】
「抱かせろ。ミク」
「!?……アイっていつもそうですよね!?私の事なんだと思ってるんですか!?」
「え?可愛い可愛い私のお嫁さん」
「うわぁ…すごい曇りない目……それでどうして今日はそんな唐突に…」
「そう言いながらもうミク服、脱ぎ始めてるよね」
「……………!?い、いやこれは……!」
「これは………?」
「あ、暑くなってきたから、ね?!うん!」
「ふーん?………まあいいや。それはそうとお嫁さんならと考えた訳です私は」
「考えたわけ……あっ。やっぱ良いです。嫌なよか…」
「それはねぇ……?」
「あー!あー!……抱くなら早く抱きなよ!」
「それはそうする。据え膳って言うしね」
「あっ……やっぱなしって出来ませんか……?」
「だーめ。……そうそうお嫁さんにするためにね」
「…………あぁ………」(諦め)
「お胸からお乳出せるぐらい大きくならないとね?」
「…………え?………いやこれは究極の機能美で…………っ!!」
「じゃあまずは……お胸でイけるようになろうね?ミク?」
初音未来(初音ミク)
この後少しずつミクの胸が成長するのと同時に、アイに吸われた時だけ敏感になってしまった。
星野アイ(アイ)
とりあえず原作と同じ事務所には所属してます。
まだギリギリ、ミクを襲ってはいないがミクの外堀埋めはほとんど完成している。
だけどミクがあんな調子だから最後まではバレないだろう。
次回。アイ、最低最悪の1日