イカれた幼馴染を紹介するぜ!!   作:俺の両手は幼馴染

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R17.9の範疇かなこれ…。


勇気

 

 「勝負内容は噛みつき!そこの獣人と私、どちらの方が咬合力が高いのか競おうじゃないか!ま、どうせ私が勝つだろうけどな!!」

 

 「いや」

 

 「なッ!?」

 

 鬼人の少女からの挑戦状をロニセラはすぐに突っぱねた。付き合う意味がないから当然である。

 

 「何故だ!?お前ら獣人は咬合力にプライドがあるはずだろう!?」

 

 「知らない。うざいからあっちいって」

 

 睨むようなロニセラの視線に鬼人の少女が身震いする。

 年々増加している彼女の殺意にあてられたようだ。成長した殺意は並の人間なら一度あてられるだけで失禁するレベルにまで達しているのだが、闘争心溢れる鬼人にとっては気分を高揚させるものでしかなかったようだ。

 鬼人の少女は好戦的な笑みを浮かべた。

 

 「なるほど?お前はどうやら、噛みつき勝負なんて甘いもんじゃなく血沸き肉躍る戦いがしたいのだな?ククク、ならば今日の夜コロシアムに来い!!そこでお前の望み通りの戦いをしてやろう!!ボコボコにしてやるからな!」

 

 そう言って、鬼人の少女は走り去っていった。

 彼女の背中を呆然と見ていると、サリーナが平然とした顔で言った。

 

 「あれは無視で良いよ。気に入られると厄介だからね。あと、はいこれ。依頼ね」

 

 サリーナが硬い紙を渡してくる。その紙には見やすいように箇条書きで内容が綴られていた。

 

 「ありがとうございます。『スライム退治』…王道ですね」

 

 「初めて来たのにスライム退治が王道だなんてよく知ってるね?」

 

 「―――と、どこかで聞きました」

 

 「そう。じゃ、さっそく行こうか。大した危険はないだろうけど一応同行させてもらうよ」

 

 「おー」「おー」

 

 こうして始まったスライム退治の依頼は難なく終わった。

 スライムは定石通りこの世界でも雑魚枠のようで、依頼の難易度も街の清掃に次ぐレベル。むしろ、これで何かしら問題が起こるほうがおかしいというやつである。

 強いて言うなら、現実でスライムをいざこの目で見てみると、その姿は異様の一言だということだろうか。

 高さ1メートル程の水の塊が這いずり回っているのだ。どう見ても動けるはずがない也で動いているのは、前世の常識である”水はひとりでに動かない”という価値観を持つ者として強い違和感と共に軽い恐怖を感じた。あれはもう軽い心霊現象だ。

 あれで立派な生物だというのだから驚きだ。生き物の多様性は時に考えられないような形態をとるが、あれは最たる例だろう。もはや同じ生き物であること信じたくないと思えるほどの不気味さだった。

 まぁ、ロニセラが蹴り飛ばしてその不気味な生物は木っ端みじんになったが。俺も火の黒魔術を使って燃やし尽くしてやった。

 生命の死を見るのは好きじゃないが、スライムに関してはその限りではなかった。むしろ、自分で手を下した時の感覚を言うならば、大きな水風船を潰したような、清々しい気分だった。

 

 「こちら報酬になります!お疲れさまでした!」

 

 受付から袋詰めの報酬を渡される。その中を見てみれば形が歪な硬貨が幾つか入っていた。

 この硬貨にどれだけの価値があるのか分からなかったのでサリーナに聞いてみると、5日分の生活費になる程度らしい。

 それならこれを毎日やればあっという間に小金持ちになるのではと言ってみれば、簡単な依頼は需要が高いため、そう簡単な話ではないとのこと。今日の依頼も運が悪ければ取れなかったそうだ。

 

 しかし、こうしてお金を稼ぐことが出来たおかげで、今まで漠然としていた道筋がはっきりと見えた気がする。ロニセラとの結婚のための道筋が。

 そういえば、彼女は結婚式に興味があるのだろうか?今度聞いてみるとしよう。それと家も欲しいし、もし彼女との間に子供が出来たらその子をしっかり育てられる貯金が欲しい。その他にも指輪代とか、結婚式を望むならドレスも着せてあげたい。

 嗚呼、まだ決して近くはないが、間違いなく俺は目標へと、夢へと近づいている。幼馴染と結婚するという夢に、着実に歩んでいる!

 その事実がたまらなく嬉しい!今にも手を上げて狂喜乱舞してしまいそうだ!

 

 「ふふ、ふひへへへへ…!」

 

 「い、イリくん…?」

 

 不安そうな声色でロニセラが名を呼んでくる。そちらを向けば、彼女の怯えた顔が目に入った。

 その顔を見てスンと冷静になる。自分でも分かる。先ほどの俺は今までにない表情をしていてかなり不気味だった。いくら嬉しいからと言って彼女を怯えさせるのは大馬鹿だ。そう反省し、頭を振って正気を取り戻した。

 

 再度ロニセラを見る。月明かりに照らされているせいで彼女の曇った表情が細部まで見えた。

 

 月明かり、そういえばいつの間にか夜になっている。と言うより、俺もロニセラもベッドに座っていることから時間が飛んだようだ。

 よほど夢への道が見え始めたことが嬉しかったのだろう。ここに至るまでに道筋を覚えていない。

 まさか、俺が有頂天になっている間、ロニセラはずっと一人だったのだろうか。もしそうだとしたら、あまりに自分勝手過ぎる。

 

 「ごめんロニィ……俺は最低だ」

 

 「え!?そんなことはないよ!?」

 

 「いや…!一人で舞い上がってロニィを一人にしてしまった…!これは立派な罪だ…!」

 

 「気にして…はいるけど、もういいよ。今こうして話してくれてるんだから。私、今すごく嬉しいよ?すごくね」

 

 「でも…!」

 

 「良いって。私ね、分かってるんだよ?イリくんがあんな風になっちゃった理由」

 

 「え」

 

 一体何を。

 そう言う間もなく、ロニセラは俺に向かって微笑んだ。

 

 「私と結婚できるって、そう思ったからなんでしょ?」

 

 「!!…なんで、それを」

 

 俺は彼女と婚約をしていない。そもそも、結婚と言う言葉を彼女の前で使ったことが無い。

 理由は、彼女に拒否されるのが怖かったからだ。自分でも情けないと思う。

 俺は今日まで彼女を娶ろうと頑張ってきた。彼女の世界に俺一人だけが存在するように策を練った。世界で頼れるのはイリベという少年だけで、それ以外は頼りないという価値観を作るべく努力してきた。

 生きるために仕方なくサリーナやゼイルスという男に頼らせてもらったが、それでも彼女が彼らに深入りしないようにし、俺以外を見させないようにしてきた。

 そこまでしても勇気を出せずに婚約を渋っているのは、彼女の抱く俺に対する感情が恋情から親愛に変わっていることを恐れていたからだ。

 俺は幼馴染が大好きだ。だからこそ、幼馴染が抱くであろう感情を良く知っている。どんな感情もいずれは摩耗し、あの頃のドギマギを忘れて親愛ゆえの無関心になってしまうということを。

 彼女の世界には俺の狙い通りイリベしかいないのかもしれない。だからそんなことは起きないはずだと自分に言い聞かせていても、その無関心を恐れる心が何時までも離れないでいた。

 

 ああ。昔の俺はその無関心を向け合う関係にこそ尊さを感じていたのに、今はただただ、その馴染み深い関係が恐ろしくてたまらない。

 皮肉なものだ。幼馴染ヒロインが好きなあまり結婚したいと思ってたのに、今ではその幼馴染が結婚の障害になっているのだから。

 

 だから、婚約は入念な準備をした後にやってしまおうと、そして、もしそれで失敗したら潔く首を切って死のうと思っていたのだが、まさか。

 

 「驚いたでしょ?私、イリくんのことよく見てるからね」

 

 「………うん」

 

 一度も話したことが無いことを察せるなんて、それはよく見てるの域を出ているのではないだろうか。

 それよりも、ロニセラは、結婚についてどう思っているのだろうか。今だ、今聞くしかない。

 心臓がバクバクと激しく鼓動する。もしも、もしもと弱気になる心を気合で引っ込めて、恐る恐るロニセラに聞いてみる。

 

 「ちなみにロニセラは…っ……結婚についてどう思っているの?」

 

 

 「もちろん―――

 

 

 

 

 絶対にしたいと思ってるよ!!!」

 

 

 そう言ってロニセラが抱き着いてくる。その勢いが強くて、俺は体を支えきれずにベッドに押し倒される。

 俺は抱き返して、彼女が言った言葉を反芻した。

 

 「絶対に、か……」

 

 「えへへ、そうだよ!絶対!」

 

 「あはは、俺もだよ!」

 

 そうか、絶対にしたい、か。どうやら俺の心配は杞憂だったらしい。

 彼女は俺をよく見れているというのに、俺は彼女の気持ちを全く理解していなかったらしい。前世の、幼馴染は相手に恋情を抱かないという、創作でしか見たことない幼馴染キャラを参考にした価値観で彼女を見ていた。否、見てすらいなかったのだろう。

 節穴な自分を情けなく思うとともに、底知れない喜びが魂の奥底から湧き出てくる。

 そうだ、俺は今婚約したのだ。婚約、なんていい響きなんだ。その言葉を心の中で復唱するだけで、頬が吊り上がっていくのがよくわかる。

 ああ、間違いなく、今日は最高の日だ!記念日にしよう!

 

 俺が舞い上がっていると、ロニセラは火照った顔で言った。

 

 

 「じゃあ、シよっか」

 

 「―――え」

 

 

 呆然とする俺を置いて、ロニセラは目の前で服を脱ぎ始めた。

 前ボタンを上から1つずつ、ゆっくりと俺の反応を確かめるように外していく。

 彼女の肩が露わになる。妖艶な姿に鼓動が早くなる。

 そこから胸、くびれ、へそが露出する。そこまで見て、はっとなった。

 

 「ちょ、ちょっとロニィ!?」

 

 「ん、なに」

 

 「こういうのはその、なんというか、早いんじゃ……!!」

 

 「大丈夫。やり方ならお父さんたちのを見てたから知ってる。イリくんも知ってるでしょ?」

 

 ね?そう言って、彼女は俺の服を脱がしてきた。

 俺の体が露わになる。彼女は俺の胸を指でつついてその感触を確かめた。それなりに鍛えてはいるので彼女に伝わった感触は骨でも脂肪でもなく確かな肉だ。

 ロニセラが舐めてくる。首筋を確かめるように華奢な指を沿わせてくる。

 ロニセラが肩を噛んでくる。血が溢れ、それを舐めとられる。いつもなら相応に痛むのだが、不思議と痛くなかった。

  

 「はぁ…はぁ…」

 

 熱を帯びた彼女の吐息が肌にかかる。体がゾクゾクと震える。

 ロニセラが恍惚とした表情で爪を立ててくる。

 皮膚が破れ、肉に食い込む。爪が引き抜かれ、そこにロニセラはキスをした。舌を入れてきた。中を舐めとられていく。

 ある程度舐めとると満足したのか傷口から口を離した。

 

 「はぁ…はぁ…えへへ♡」

 

 彼女は自身の爪を、手を、腕を、滑らかな肌を滴る血を舐めとっていく。

 その姿がまるで、自分のものを舐めているように見えて、ドキッとした。

 

 「ロ、ロニィ…そ、その」

 

 「…はぁ、はぁ、どうしたの?嫌なの?嫌なわけないよね…。だって、えへへ、こんなに大きくしてるんだもん」

 

 「っ!」

 

 ロニセラの手が下着に伸びてくる。

 

 「…ああ」

 

 服と肌の間に彼女の指が入り込む。

 

 「…ああ…!」

 

 ゆっくりと下されていく。

 

 「…ああ…あ…!!」

 

 その間にも彼女の魅惑的な体が丸見えで。

 

 「~~~~~っ!!!」

 

 

 

 

 「あれ?イリくん?」

 

 突如反応を失った彼を見てみる。

 まさかと思い、彼の頬をぺちぺちと叩いてやる。

 

 「気絶してる……」

 

 そう。長年純潔を守りぬいてきた(童貞な)彼にとって、想い人との性交は刺激が強すぎたのだ。少年は小心者だった。

 しかし、ロニセラは何故彼が気絶したのか分からず、1人彼の上で首を傾げた。

 

 

 

 




鬼人っ子「あいつら遅いな…(´・ω・`)」

感想・評価貰えると感無量です。
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