しばらくして、俺は荷物を持って、フェリーから降りた。
フェリーから降りた後、アラタと合流した。
アラタ「ふぁあああ……………ついに来たぞぉ!神威島!」
トウマ「ああ。やっと着いたな。」
アラタ「そして、この先にあるのは、我が新天地、神威大門統合学園!最高のLBXプレイヤーが集まる聖地!……………はぁあ、感動だ!」
トウマ「そうだな。ん?」
アラタが感激しているのを見て、相槌を打っていると、他に2人ほど、俺たちと同じく私服の人が居た。
どうやら、あれが残りの転入生みたいだな。
アラタ「きっと、あいつらが残りの転入生だ。話しかけてみようぜ。」
トウマ「ああ。」
俺たちはそう話して、その2人に話しかける。
トウマ「あの。」
???「……………君たちは?」
アラタ「俺は瀬名アラタ。んで、こいつが……………。」
トウマ「桐生トウマだ。」
アラタ「君たちも、神威大門統合学園に入るんだろ?よろしくな!」
ヒカル「……………まぁね。僕は星原ヒカル。」
カゲマル「俺は倉石カゲマルだ。」
金髪の方が星原ヒカルで、黒髪の方が倉石カゲマルだそうだ。
それを聞いたアラタは、叫ぶ。
アラタ「おおっー!仲間、仲間!ん?星原……………どっかで聞いた事があるような……………。」
トウマ(アルテミスのファイナリストか。)
ヒカル「じゃ、急ぐから。」
カゲマル「じゃあな。」
アラタが考え込む中、2人はさっさと先に行ってしまう。
アラタは、2人に声をかける。
アラタ「あ!おい!トウマ。俺たちも行こうぜ!」
トウマ「ああ。」
アラタ「あ、そうだ。島の地図は持ってきたか?これ、お前にやるよ!」
トウマ「助かるよ。ありがとう。」
俺は、アラタから神威島の地図を受け取った。
ありがたいな。
そういえば、地図をもらい忘れてたな。
そう思う中、2人を追う。
しばらく歩くと、そこには昭和の頃の様な街並みが広がっていた。
ヒカルとカゲマルに追いつく中、アラタが口を開く。
アラタ「わぁ………この街は……………。トウマ、見てみろよ!変わった形の家が多いな!」
トウマ「あんまりキョロキョロしてると、変な目で見られるぞ。」
アラタが周囲をキョロキョロしながら見る中、俺はアラタを抑える。
すると、ヒカルが口を開く。
ヒカル「この島は、1960年代の街並みを再現しているんだ。日本の高度経済成長期がモデルになっているらしい。」
トウマ「へぇ。新鮮だな。」
アラタ「でも、何でこんな事を?」
カゲマル「その時代、日本は目覚ましい発展を遂げた。当時、物は十分に無かったものの、人は、明日をより良くしようとする向上心や、困難に立ち向かう闘争心に溢れていた。」
トウマ「だから、LBXプレイヤー達の戦闘意欲を掻き立てる為に、1960年代の街並みを再現したって事か?」
カゲマル「そういう事だ。」
なるほどな。
そういう意味があったのか。
それなら、納得がいく。
アラタ「そこまで徹底しているなんて、凄いな……………。流石、神威大門統合学園。『神の門』と言われる最高のLBXプレイヤー達が集まる学校!」
カゲマル「入学条件は、LBX公式大会での3回以上の優勝が必要となるがな。」
トウマ「まあね。」
アラタ「そうそう!俺もその条件を満たして、最高のプレイヤーの仲間入り……………。」
そう。
神威大門統合学園の入学条件は、公式大会での3回の優勝だ。
俺は、地元での大会で優勝して、ここに居る。
それを聞いた星原ヒカルは、口を開く。
ヒカル「どうかな?瀬名アラタ……………君は1ヶ月前にやっと三度目の優勝を果たした。勝ち方は相手のミスによるラッキーな勝利……………。」
アラタ「えっ?なんで知ってるの?」
ヒカル「公式大会で一度でも入賞したプレイヤーは、僕のデータベースに入っている。トウマ、カゲマル。当然、君たちの事もね。」
さいですか。
そこまで知っていたのか。
流石、アルテミスの優勝者だ。
アラタ「はいはい、そうですか……………。だったらおたくはどうなんですか?」
ヒカル「僕は優勝7回。去年から条件を満たしていた。アルテミスに出場する為に、入学を遅らせたんだ。」
トウマ「なるほどね。」
カゲマル「そうか。」
アラタ「へぇ、アルテミスね……………。ああーっ!思い出した!星原ヒカル!前回のアルテミスの優勝プレイヤー!どっかで聞いた事ある名前だって思ってたんだよなぁ。」
ていうか、やっと気づいたか。
ちなみに、俺はアルテミスに出場したものの、ベスト4で終わった。
そして、ヒカルはアラタにある事を言う。
ヒカル「ちなみに、君は予選落ち。」
カゲマル「予選落ちか。」
アラタ「う……………。あー、もう!トウマ!カゲマル!早く神の門へ向かおうぜ!」
精神的に来たんだな。
俺は苦笑しつつ、アラタと一緒に向かう。
俺はアラタに話しかける。
トウマ「アラタ、大丈夫か?」
アラタ「アルテミス優勝プレイヤーかあ…………。く〜!俺もアルテミスみたいなでっかい大会で優勝してみたいぜ!」
トウマ「めげてない………………。」
アラタのめげなさに、苦笑する。
そんな中、カゲマルはヒカルに話しかけていた。
カゲマル「どうした?」
ヒカル「1960年代の街並みか……………。データベースで見た事はあるが、実物は初めてだ。」
カゲマル「なるほどな。」
そんな風に話していた。
俺たちはしばらく歩いて、神威大門統合学園の正門に到着した。
そこで、個人照会が行われていた。
警備員「照合した。転入生の瀬名アラタに、星原ヒカル……………そして、桐生トウマに倉石カゲマルだな。」
トウマ「はい。」
カゲマル「ああ。」
警備員「では、LBX……………それから、CCMや携帯端末などは、全てここで預からせてもらう。さあ、出して。」
アラタ「ええっ?でも、学校で使うんじゃ?」
警備員「必要な物は支給される。」
ヒカル「分かりました。」
LBXを預かるという言葉に、アラタは驚くが、俺たちは素直に出す。
アラタはアキレス・ディードを、ヒカルはルシファーを出す。
アラタ「お!ルシファーじゃん!」
ヒカル「そっちは、アキレス・ディード。ミーハーなんだね。」
アラタ「ん?正統派って言って欲しいな。」
警備員「ほら、君たちも。」
トウマ「分かりました。」
カゲマル「分かりました。」
アラタとヒカルがそう話す中、俺たちも提出する。
俺はリュウビを、カゲマルはトリトーンだった。
トウマ「へぇ。トリトーンなんだ。」
カゲマル「あんたはリュウビか。」
俺たちはそう話す。
すると、新たな人がやってくる。
???「あら、ユー達が今日からはいると言う転入生ね?」
警備員「ジョセフィーヌ学園長!わざわざ御出でにならなくとも、自分たちが執り行います故、ご安心を。」
トウマ「あの人が………………。」
カゲマル「ああ。大門ジョセフィーヌだ。」
あの人が学園長か。
なんか、癖が強そうだな。
ジョセフィーヌ「うふふ、そう言わずに。ミーの楽しみなんだから。アラたんにヒー君、それにトウ君にカゲたん。よ、う、こ、そ!神威大門統合学園へ!ミーが学園長のジョセフィーヌよ。」
ヒカル「ヒ……………ヒー君?」
カゲマル「カゲたん………………?」
アラタ「ヒカルとカゲマルのことだよ。きっと。」
ヒカル「君にヒカルと呼び捨てにされる理由もない!」
カゲマル「同じく。」
トウマ「あははは………………。」
本当に癖が強かった。
そんな風に呼ばれたのは初めてだから、慣れないな。
絶対にオネエの類だな。
ジョセフィーヌ「元気ね。気に入ったわぁ。でも、これからアラたんとヒー君は仲間なんだから、仲良くしなきゃダメよ!」
ヒカル「仲間?」
大門「そう!2人は2年5組に入ってもらうわ。」
アラタ「ヒカル!仲良くしようぜ!」
ヒカル「………………。」
ジョセフィーヌ学園長の言葉に、アラタはヒカルにそう話しかけ、ヒカルは不機嫌そうな表情を浮かべる。
そんな中、アラタは学園長に聞く。
アラタ「あれ?トウマとカゲマルも一緒じゃないの?」
ジョセフィーヌ「トウ君とカゲたんはぁ、3組よ。では、それぞれのクラスに向かう様に。丁度、今はホームルームの時間だから、急いでね。」
トウマ「分かりました。……………まあ、よろしく頼む。」
カゲマル「ああ。」
俺とカゲマルはそう話して、3組に向かう。
教室に入ると、先生が既にいた。
???「………………やっと、来たか。」
トウマ「遅くなってすいません。」
カゲマル「律儀だな。」
真尋「あたしは日暮真尋。このクラスの担任と、保険の教科を担当している。皆に紹介する。今日から、このクラスに転入する、桐生トウマと倉石カゲマルだ。仲良くする様に。」
トウマ「よろしくお願いします。」
カゲマル「よろしく頼む。」
真尋「席はそうだな……………その二つを使ってくれ。クラス全員の名前をいきなり覚えるのは大変だろう。まずは席の周りを覚えると良い。」
俺とカゲマルは、そう言って、日暮先生の指定した席に向かう。
すると、近くにいた生徒が話しかけてくる。
カゲトラ「俺は乾カゲトラ。このクラスの学級委員長をやっている。よろしく。」
スズネ「ウチは金箱スズネ。よろしゅうな、転入生。」
タケル「僕は、古城タケル。仲良くしてね、トウマ。」
トウマ「俺は桐生トウマです。よろしくお願いします。」
トモヤ「俺は浅野トモヤだ。よろしくな。」
アヤミ「私は、茅野アヤミ。よろしくお願いね。」
カナタ「僕は篠崎カナタ。よろしくね。」
カゲマル「倉石カゲマルだ。」
俺とカゲマルは、自己紹介をする。
そうして、授業が始まり、しばらくして、授業が終わる。
真尋「本日の授業は、これで終わり。トウマ、カゲマル。これからこの学校の規則について説明する。準備が出来たら、校庭に来い。」
そう言って、日暮先生は、先に出る。
すると、クラスメイトが話しかけてくる。
シズカ「あら、あなた達は転入生の……………。初めまして。私は、巴シズカと申します。転入したてで、色々と驚く事も多いでしょうが、すぐに慣れますわ。今日の
スイ「僕は二宮スイって言います。宜しく!あと、同じクラスに双子の姉の二宮フウも居ます。見分けるコツは、髪の色と結び方です。ぜひ、覚えておいて下さいね。」
コヨミ「あら〜?あなた達ってば、転入生君じゃない。僕は、メカニックの日月コヨミ。ヨロシクー。うふふ、これからはクラスメイトデス物。何か困ったら、遠慮なく相談してチョーダイねー。」
そんな風に話した。
ていうか、初陣って、何があるんだ?
俺とカゲマルは、校庭に向かう。
校庭には、日暮先生が居て、話しかける。
トウマ「お待たせしました。」
カゲマル「お待たせしました。」
真尋「来たな。……………では、説明を始める。少々長くなるので、覚悟して聞く様に。…………おや?」
日暮先生がそう言う中、人が3人近づいてくる。
うち2人は、アラタとヒカルだった。
???「日暮先生。あなたも転入生への説明ですか?」
真尋「ええ。見ての通り。」
アラタ「おおっ!トウマとカゲマルも来てたのか!」
???「あら?あなた達、顔見知りなの?」
トウマ「はい。フェリーで会いました。」
アラタ達と一緒にいる先生に、そう答える。
すると、日暮先生がその先生に話しかける。
真尋「なるほど……………。時に、美都先生。良い提案があるのだが……………。」
美都「何でしょうか?」
真尋「…………………。」
日暮先生がそう言う中、美都先生はそう聞くが、日暮先生は黙り込む。
すると、少し機嫌が悪そうに言う。
美都「ま、さ、か。私にこの先の説明をして欲しいという提案ですか?」
真尋「流石、ジェノックの司令官。察しが良いですね。」
ジェノック?
何の話だ?
すると、アラタが話しかけてくる。
アラタ「あれ?2人とも、聞いてないの?」
トウマ「聞いてたか?」
カゲマル「いや。」
美都「その様子だと、まだハーネスの説明もしていないんですね………………。」
真尋「まあ……………な。」
美都「……………分かりました。そのままだと、その子達が可哀想です。」
真尋「感謝する。」
美都「それに、初戦でロストされた日には、目も当てられませんからね。」
美都先生と日暮先生はそう話す。
すると、美都先生が俺たちに話しかけてくる。
美都「桐生トウマ、倉石カゲマル、初めまして。私は美都玲奈。ジェノックの司令官よ。」
トウマ「どうも、桐生トウマです。」
カゲマル「倉石カゲマルだ。」
美都「どうも。日暮先生は、ハーネスの司令官になります。もうあまり時間がありませんね。移動しながら説明しましょう。それに…………百聞は一見にしかず。……………と言いますしね。2人とも。そこの時計台を調べてみなさい。」
時計台?
そう言われて、俺たちは時計台を調べる。
すると、時計台の壁が動く。
アラタ「わ!開いた!」
美都「着いてきなさい。」
そう言われて、俺たちは美都先生に着いていく。
歩いていると、たくさんの人たちがパソコンの前に居るのが見える。
アラタ「これは!?ここで一体、何をやっているんですか?」
美都「戦争よ。」
一同「っ!?」
美都「この学校の生徒が果たさねばならない必須事項、義務。それが、ウォータイムへの参加。」
トウマ「ウォータイム……………。」
ウォータイムか。
それの参加は必須なんだな。
すると、説明を続ける。
美都「この学校に入った生徒は、クラス別に無作為に選ばれた30のグループに分けられる。グループごとに敵対関係となり、LBXバトルを行うの。」
ヒカル「グループに分かれて戦うバトル。」
カゲマル「それが、ウォータイムという事ですか。」
アラタ「なんか、面白そうですね!」
トウマ「へぇ……………。」
だから、生徒の制服が、デザインは同じだけど、色はバラバラだったのか。
識別する為に。
美都「そうね。アラタ、ヒカル。あなた達の所属は、先ほど説明した通り、『ジェノック』よ。」
真尋「トウマ、カゲマル。我々のクラスは『ハーネス』だ。」
美都「ここでは仮想国、即ち、架空に設定された国に分かれて戦ってもらうことになるわ。」
アラタ「そういう設定なんですね!気分高まるぅ〜!トウマ。ライバル同士だけど、頑張ろうな!」
トウマ「ああ。」
ライバルね。
まあ、それもそうか。
しばらくの案内の末、でかい扉の前に着く。
アラタ「この先に、LBXのバトルフィールドがあるんですね!」
美都「ええ。これがあなた達の戦場…………『セカンドワールド』よ。」
そう言って、鉄の扉を開けて、ゴンドラに乗って、そのフィールドの上空を飛ぶ。
アラタ「これは……………!?」
ヒカル「一体、何なんだ!?」
トウマ「でかい……………。」
カゲマル「ああ……………。」
俺たちがそう話す中、ジオラマを照らしていた明かりが一斉に消える。
アナウンス『定刻となりました。これより、セカンドワールドを起動します。』
そんなアナウンスが流れると同時に、周囲の柱が消えて、霧が晴れて、朝日が登ってくる。
アラタ「すっげぇ……………!」
ヒカル「これが、ジオラマ……………。」
トウマ「みたいだな。」
俺たちはそう呟く。
すると、美都先生が口を開く。
美都「全長10kmに及ぶ巨大ジオラマよ。」
アラタ「10km!?まじかよ。」
トウマ「これが、学園の地下にあるのか。」
美都先生の言葉に、俺たちがそう呟く中、ヒカルとカゲマルが口を開く。
ヒカル「この地形……………まさか!?」
美都「気がついたようね。ここの地形は、地球上の地形と全く同じ。」
カゲマル「だから、セカンドワールド。…………第二の世界。」
美都「ここに存在する殆どのオブジェクトが、現実世界と同じ様な機能を持っている。太陽光シミュレーションにより、時間経過を表現。さらに、天候まで変化させられる様になっているの。」
アラタ「そうなんですか!」
トウマ「凄い…………!」
美都「もうすぐ始まるわよ。」
それは本当にすごい。
もはや、ただのジオラマの枠には収まらない気がするな。
美都先生がつぶやく中、アナウンスが流れる。
アナウンス『ウォータイム開始まであと20秒。全プレイヤーは、戦闘の開始に備えて下さい。繰り返します。全プレイヤーは、戦闘の開始に備えて下さい。』
アラタ「あ!ジオラマの中にLBXが!」
トウマ「本当だ。」
そのアナウンス通り、20秒くらいした後、戦闘が始まる。
俺たちの近くを、白と紺色が基調のオーディーンが通って、地上にいるLBXと応戦する。
それも、かなりのハイレベルだ。
アラタ「戦ってる…………凄い!」
トウマ「かなりハイレベルだな。」
ヒカル「でも、何故?」
美都「なぜ、わざわざ現実と同じ地形のジオラマでバトルを行うのか?そして、ここまで大規模に行う必要があるのか……………。そういう質問かしら?」
カゲマル「はい。」
美都「それは……………これが世界戦争のシミュレーションだから。」
一同「っ!?」
俺とアラタがそう言う中、ヒカルとカゲマルは、美都先生に質問をする。
美都先生の答えに俺たちが驚く中、美都先生は話す。
美都「ここでは、世界の主要な国々の軍事力をLBXの数と性能に置き換えて、戦闘のシミュレーションが行われている。つまり、これは一種の擬似戦争よ。」
アラタ「擬似戦争?」
美都「保有する資源、各国が結んだ同盟、技術力。様々なデータに基づいて、各チームの所持戦力に反映されているわ。もし世界で戦争が起こったらどうなるのか……………。それを知る為に。」
トウマ「つまり、戦争の影響による世界情勢の変化を分析する訳ですか?」
美都「察しが良いわね。そんな所よ。」
そういう事か。
だから、セカンドワールドは、現実の世界の地形に忠実なのか。
そんな中、美都先生は話を続ける。
美都「でも、このプロジェクトには、もう一つ大きな役割がある。」
アラタ「それは?」
美都「世界平和の維持、よ。」
カゲマル「平和?どういう意味ですか?」
美都先生の言葉に、カゲマルが質問をする。
美都先生は、カゲマルの質問に答える。
美都「世界には、他国との緊張状態にある国々が数多く存在している。セカンドワールドによって、先に戦争の結果を知る事が出来れば、戦争の防止に繋がる。それが、国連統合政府が推進する、『エクスペリメント・リアリズム・プロジェクト』。『ERP』と呼ばれる計画よ。」
アラタ「でも、実際にこんな物まで作らなくても、コンピューターでシミュレーションできるんじゃ……………。」
ERPと呼ばれる計画は、聞いた事がある。
詳しくは知らないが。
アラタの質問に対して、美都先生が答える。
美都「コンピューターにも計算できない物がある。長年の研究で、それが分かってきたの。」
トウマ「コンピューターにも計算できないもの……………。」
ヒカル「何ですか、それは?」
カゲマル「人の感情……………か?」
美都「察しが良いわね。そうよ。憎しみや怒り、独占欲や支配欲……………それらは、戦争に大きな影響を与える。そこまでシミュレートしなければ、世界平和は維持出来ない。」
ヒカル「だから、最高のプレイヤーが集められる……………兵士として……………。」
美都「さあ、次はこっちよ。」
確かにな。
人々の感情は、コンピューターでもシミュレーション出来ない。
人の感情は、それほどに複雑なのだから。
次に案内されたのは、無数のコントロールポッドが並んでいるエリアだった。
その内、四つはまだ空いたままだったが。
アラタ「うわっ!これは……………!」
トウマ「凄い数だな……………。」
美都「ここは、コントロールポッドルーム。今から、あなた達は、ここに置いてあるコントロールポッドに乗り込んで、セカンドワールド上でLBXを動かすの。だけど……………その前に………………。」
俺とアラタが驚く中、美都先生はそう言う。
だが、美都先生は日暮先生に話しかける。
美都「日暮先生。いつまで私に説明をさせる気ですか?ここから先は、ジェノックの機密に関わります。」
日暮「………………分かりました。この借りはいつか。」
美都「そう言って、返した事は無いですよね。」
日暮「…………………。」
美都「…………………。」
確かに、ここから先は日暮先生も説明しないと。
2人が見合っていると。
日暮「……………失礼する。」
美都「あっ!こら!」
アラタ「トウマ!カゲマル!また後でな〜!」
日暮先生が移動をしたので、俺とカゲマルもついて行く。
しばらくすると、司令室の様な場所に入る。
日暮「……………さて、先ほどの美都先生の説明で概ね理解できたと思うが、この神威大門統合学園に入ったからには、ウォータイムへの参加は必須だ。トウマとカゲマルにも、ハーネスの一兵士として、参戦してもらう。覚悟して臨め。」
「「はい!」」
日暮先生の言葉に、俺とカゲマルは返事をする。
すると、背後の扉が開き、アタッシュケースを二つ持った男性が現れる。
その人は、よく知っている人だった。
トウマ「カゲマル。あの人って…………。」
カゲマル「ああ。海道ジンだ。」
海道ジン。
秒殺の皇帝という異名で恐れられ、ミゼル事変での英雄の1人だ。
何でこんな所に……………!?
驚く中、ジンさんは日暮先生に話しかける。
ジン「日暮司令。お持ちしました。」
真尋「ご苦労。副司令。」
ジン「はい。ただ、一つ問題が……………。」
真尋「何だ?」
ジン「運営側の不手際で、ハーネス仕様のカラーリングが間に合わず、標準のカラーリングのままになっています。」
真尋「出撃に問題はないだろう。後で処理をすれば良い。トウマ、カゲマル。これが君たちのLBXとCCMだ。」
そんな感じの話をして、ジンさんは、俺たちにアタッシュケースを渡す。
その中には、デクーに似たLBXが入っていた。
カゲマルの方も、同じ様だ。
真尋「DCシリーズの汎用型LBX。どんな戦場にもオールラウンドに対応出来る兵器だ。準備が出来たら、コントロールポッドに向かい、出撃しろ。ブリーフィングは、コントロールポッド内で行う。」
トウマ「分かりました。」
カゲマル「はい。」
日暮先生の言葉に、俺たちは返事をする。
すると、日暮先生とジンさんが話しかけてくる。
真尋「初出撃だからといって、緊張していないか?」
トウマ「まあ……………。」
真尋「ガチガチになりすぎると、本来の力の半分も出せなくなる。気をつけろよ。」
ジン「君たちの実力は、この作戦で見極めさせてもらう。気を引き締めて、臨んでくれ。」
カゲマル「分かりました。」
2人の話を聞いて、緊張がほぐれた。
俺たちは、コントロールポッドへと向かい、乗り込む。
すると、コントロールポッドが閉まる。
その中にDCオフェンサーを入れて、出撃準備に入る。
すると、日暮先生から通信が入る。
真尋「トウマ、カゲマル、聞こえるか?」
トウマ「はい。」
カゲマル「問題無いです。」
真尋「ここからは、通信で指示をする。現在、ハーネスはアラビスタ同盟の保有する『オアシス8』を奪還する為、作戦行動中だ。既に、カゲトラ、スズネ、トモヤ、アヤミが先行している。速やかに合流するんだ。」
「「了解!」」
日暮先生の指示に従い、クラフトキャリアという物に乗せられた俺たちは、そのオアシス8へと向かう。
しばらくして、到着したそうだ。
タケル「よし、トウマ、準備は良い?」
トウマ「ああ!」
タケル「よし!降下開始!」
その合図とともに、クラフトキャリアから降下していく。
カゲマルも降下した様だ。
すると、通信が入る。
カゲトラ「お、来たか。」
トモヤ「こっちも来たようだな。」
スズネ「遅いっ!真尋ちゃん、どんだけ説明に時間がかかっとんの?ウチは待ちくたびれたで。」
アヤミ「また、美都先生に説明を任せていたんじゃないですか?」
真尋「それは悪かったな………………。」
そんな風に会話をする。
またって言ってたし、説明を美都先生に任せる事が多いんだな。
そう思う中、日暮先生は指示を出す。
真尋「トウマ、カゲマル。本作戦に関して、隊長はトウマの場合はカゲトラ、カゲマルの場合はトモヤになる。作戦行動中は、指示に従う様に。」
カゲトラ「よろしくな、トウマ。」
トモヤ「カゲマルも、よろしくな。」
トウマ「はい。」
カゲマル「ああ。」
真尋「スズネとアヤミは後衛からサポート。」
スズネ「任しとき!足引っ張るんやないでー。転入生達!」
アヤミ「お手柔らかにお願いします。」
真尋「タケルとカナタは、クラフトキャリアからのバックアップを!」
「「了解!」」
真尋「では、『オアシス8奪還作戦』を開始する!」
そうして、オアシス8奪還作戦が始まる。
俺たちは、進軍を開始して、近くにいた敵を倒していく。
カゲトラ「よし、進軍を開始する。油断するな。」
トモヤ「周囲の警戒を怠るな。」
スズネ「これでウチらの小隊もフルメンバーや!暴れたるで!」
アヤミ「スズネ、落ち着いて。」
カゲトラ「スズネは後衛からのサポートだ。分かっているのか?」
タケル「そうだよ。戦闘は連携が大切なんだからね。」
カナタ「連携を乱されたら、勝ち目が薄くなるよ。」
スズネ「しゃ〜ないな。今回は転入生に合わせよか。」
カゲマル「トウマ!行くぞ!」
トウマ「ああ!」
俺たちは、一機ずつ、敵のLBXを倒していく。
武装は片手剣であるコンバットソードと、片手銃であるJ-3ビームマシンガンという感じだ。
敵のLBXが一機、俺の方に来る。
トウマ「っ!」
俺は、敵の攻撃を躱して、コンバットソードで切り付ける。
何発か切り付けると、相手のLBXはブレイクオーバーとなる。
トウマ「よし!」
一方、カゲマルも、敵のLBXと応戦していた。
カゲマル「ハァァァァ!」
カゲマルは、コンバットソードで敵に猛攻を加えていき、ブレイクオーバーにする。
カゲトラ「やるじゃないか。」
スズネ「うちも負けてられんへわ!」
トモヤ「アヤミ。撃ち漏らした敵は、俺たちで倒すぞ。」
アヤミ「了解。」
そんな風に会話をしながら、俺たちは前進していく。
しばらくすると、拠点が見えてきて、周囲には残存LBXが集まっていた。
カゲトラ「よし!フラッグの制圧は、第二小隊が担当している。俺たちは残存する敵LBXを排除するぞ!」
トウマ「了解!」
トモヤ「カゲマル!アヤミがサポートをするから、俺たちで行くぞ!」
カゲマル「了解!」
そんな感じで、俺たちは残存する敵LBXの排除を開始する。
俺たちの攻撃によって、敵LBXは倒され、アナウンスが流れる。
アナウンス『拠点制圧完了。オアシス8の所有権は、アラビスタ同盟より、ハーネスに移ります。戦闘をただちに終了して、アラビスタ同盟の登録機体は、オアシス8の敷地内より退去して下さい。』
そのアナウンスによって、作戦が成功したのだと分かった。
俺は、ほっと一息を吐く。
すると、通信が入ってくる。
スズネ「やった〜!ウチらの勝ちや!」
アヤミ「カゲマル、トウマ。初陣を勝利で飾れて良かったです。」
トウマ「ありがとうございます。」
カゲマル「疲れた……………。」
スズネとアヤミがそう通信を入れる中、別のアナウンスが入る。
アナウンス『拠点制圧完了。オアシス3の所有権は、ロシウス連合軍より、ジェノックに移ります。戦闘をただちに終了して、ロシウス連合軍の登録機体は、オアシス3の敷地内より退去して下さい。』
カゲトラ「おっ。ジェノックがロシウスに健闘したか。」
トモヤ「あそこも、ハーネスと同じくらいの小国だからな。」
そんな風に話していると、再びアナウンスが流れる。
アナウンス『終了時間となりました。本日のウォータイム、終了します。』
どうやら、終わったみたいだな。
何とかなったな。
今回はここまでです。
トウマとカゲマルの初陣が成功に終わりました。
カゲマルは、ハーネスの第5小隊として、活動をします。
一応、ストーリーはゲーム版を軸にして、一部、アニメ版のストーリーを入れようかなと思っています。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
トウマ達がドットフェイサーなどを手に入れるのは、もう少し先になります。
オリキャラに関して、出して欲しいのがあれば、受け付けます。
ストーリーに関しても。