今回でようやく10話目となりました。
これからも本作をよろしくお願いします。
激励会が行われた翌日の早朝、オレ達は訓練場に集められていた。
皆の前には、メルド団長と騎士団の方々が並んでいる。
全員が揃っていることを確認したメルド団長は、口を開く。
「よし、全員居るな? ではこれより、『オルクス大迷宮』への遠征を行う! ……と言っても、今日いきなり迷宮に潜る訳じゃない。まずは、迷宮の近くにある宿場町『ホルアド』に向かい、一泊する。そして明日の早朝から迷宮に潜る予定だ。ちなみに『ホルアド』には半日程度で到着するだろうから、今日は移動だけだな」
その言葉を聞いた生徒達がげんなりした声を上げるが、メルド団長は構わず続ける。
「昨日言ったように、迷宮に潜る準備はこちらで整えてある。そこで今日、お前達にはパーティーを組んでもらう。明日から行われる迷宮での戦闘は、パーティー単位で行う。一体の魔物に数十人で集ってたら、訓練にならんからな」
メルド団長が言うには、パーティーは各々の長所を活かし、短所をカバーできる編成にするのが大切とのこと。
前衛が敵の攻撃を防いでいる間に、後衛の魔法使いが敵を殲滅するなど、オレ達の連携を強化するのも目的らしい。
メルド団長の言葉に、生徒達は次々とパーティーを決めていく。パーティー内の戦闘スタイルのバランスを気にしているやつも居るが、殆どは組みたい者同士で集まっている感じだ。
ふとハジメを見ると、やはりどのパーティーにも入れていない。
雫と白崎が動こうとしていたが、天之河に絡まれて動けず、そのまま天之河のパーティーに入ることになった様だ。
オレもハジメの元に向かいたいが、昨日メルド団長にお願いされたことがあるため、パーティーを組むことはできない。
「あぁ、そうだ。ゼオンについては、今回パーティーを組まず、不測の事態があった際のサポートに回ってもらう。お前達の中で特に実力が特出しているからな。今回の到達目標である二十階層までには、ゼオンが連携訓練できる程の魔物はいないと判断しての決定だ」
メルド団長が言った通り、今回の遠征は二十階層までとなる。
『オルクス大迷宮』は全百階層からなると言われている大迷宮であるが、階層が深くなるに連れて出現する魔物が強力になっていくという特性から、浅い階層では冒険者や新兵の訓練も行われている人気の迷宮らしい。
今回の遠征については、オレ以外のクラスメイトの実戦経験を積ませることが主目的となるため、オレが積極的に戦闘に参加してしまうと、パーティーを組んでいる者の経験にならないだろうということでサポートに回ることになったのだ。
そんな事を考えている間に、どうやら全員パーティーが決まった様である。
ハジメは……騎士団の方々と組む事になったらしい。乾いた笑いをしながら、よろしくお願いします、と挨拶をしている。
「……よし、これで全員決まったか? 各自、『ホルアド』に付くまでの間にパーティー内での役割等を決めておくと良い。事前にやることを決めておくだけで、咄嗟の場面でも動き易くなるからな」
メルド団長はそうアドバイスして言葉を締めくくり、号令をかける。
「では、出発だ! 各自、はぐれない様に着いてくるんだぞ!」
こうして、『オルクス大迷宮』への遠征は開始された。
◆◇◆
宿場町『ホルアド』に向かう道中、特に問題も起きず、順調に進むことができたため、オレ達は予定より早く『ホルアド』に到着した。
現在は夕方。そろそろ日が沈むかと言った時間帯だ。
「よーし、到着だ! 各自、宿屋でゆっくり休め! 本番は明日だからな、疲れを残すんじゃないぞ!」
メルド団長の言葉により、解散して宿屋に向かう生徒達。オレも、ハジメと一緒に宿屋へ歩いていく。
今回オレ達が泊まるのは王国直営の宿屋で、新兵訓練によく利用されているらしい。
充てがわれた二人部屋にハジメと共に入る。内装は普通の部屋だが、何処か落ち着く雰囲気である。
オレとハジメはベッドに座って、一息つく。
「ふぅ、流石に一日中移動だけっていうのは疲れるね」
「あぁ、この世界では移動も一苦労だな。自動車などはある筈もないが、かつては転移魔法が存在したようだし、探せば楽で速い移動手段があるかもな」
そんな事を話しながら夕食を摂り、その後はハジメが借りてきていた、迷宮低層に出現する魔物図鑑を見て、対処法などを話していく。
いつの間にか日も沈み、明日に備えてそろそろ休むかと思っていると、オレ達の部屋の扉をノックする音が響く。
オレとハジメは顔を見合わせ、扉の向こうに居る人物を警戒すると、その人物から声が掛けられる。
「南雲くん、起きてる? 白崎です。ちょっと、いいかな?」
「……え?」
ハジメは一瞬驚いたようだが、慌てて扉に向かう。オレも後ろから着いていき、二人して扉の前に辿り着く。
鍵を外して扉を開けると、そこには純白のネグリジェにカーディガンを羽織っただけの白崎が立っていた。
「…………なんでやねん」
「えっ?」
思わずツッコミを入れてしまうハジメに、よく聞こえなかったのかキョトンとしている白崎。
(……なんだ、この状況)
オレが思わず呆れていると、ハジメは気を取り直し、なるべく白崎を見ないようにしながら用件を聞く。
「あぁ、いや、何でもないよ。えっと、どうしたの? 何か連絡事項でもあった?」
「ううん。その、少し南雲くんと話したくて……やっぱり迷惑だったかな?」
「そ、そんなことはない、ですよ?」
上目使いにそう尋ねる白崎に、ハジメはしどろもどろになっていた。
「……ハジメ、オレは少し外に出てくる。留守は頼んだぞ」
そう言って部屋を出るオレの背中に、ハジメの焦ったような声が届く。
「えっ、ゼオン!? ……あー、白崎さん、どうぞ」
オレの背後で扉が閉まる音が響く。
しばらくは二人きりにさせておこう。
外の空気でも吸ってこようかと宿の廊下を歩いていると、対面から雫が歩いてきた。
先程の白崎と違い、普通の服を着ている。
……まぁ、それはそうか。
「あ、ゼオン。どうしたの、こんな時間に散歩?」
「それはこちらの台詞でもあるが……。雫こそ、なにか用事があったのか?」
誰かを探すように周りを見回していた雫の様子が気になったオレは、尋ねる。
「香織が何処かに行っちゃって。あの子、あんな格好で出歩いたら危ないのに」
「あぁ……」
どうやら白崎を探していたらしい。その姿は迷子になった娘を探す母親の様だが、本人は気付いているのだろうか?
(『オカン』っぽいなんて言ったら、気にしそうだから黙っておこう)
結構繊細なところがあるからな。
オレは気を取り直して、白崎に先程会った事を伝える。
「白崎なら、今はハジメの部屋にいるぞ」
「えっ!? あの二人、いつの間にそんな関係に……」
何やら勘違いしているみたいなので、一応訂正しておこう。
「白崎がハジメに話したい事があるみたいでな。オレは少しの間席を外すことにした」
「あぁ、そういう……。ま、まぁそうよね。あの二人だものね……」
顔を赤くしていた雫が納得したように苦笑する。
ひとまずは、白崎が何処に居るかを知って安心したのだろう。
「そういえば、白崎もだが、天之河のパーティーに入ったみたいだな。雫はやはり前衛か?」
「えぇ。私と光輝、龍太郎が前衛。後衛は香織と恵里、鈴が担当してるわね」
どうやら、天之河のパーティーは六人構成らしい。
ちなみに、坂上龍太郎の天職は『拳士』。中村恵里は『降霊術師』、谷口鈴は『結界師』だ。
いずれも希少な天職であり、その分能力も強い。
更に『剣士』である雫と、『勇者』の天之河、回復ができる『治癒師』の白崎が加わる。
能力だけ見れば、間違いなく今回の遠征における最強パーティーだろう。
(それにしても、中村恵里……か)
中村恵里は、黒髪で眼鏡をかけた少女であり、対人関係は常に一歩引いた位置に立っているので、大人しい印象を与える。普段は親友である谷口鈴と一緒にいることが多いので、暴走しがちな谷口を抑える立場にいる事が多い。
昔、一度だけ中村と関わったことがあるが、その時とは大分印象が変わっている。
高校二年生から同じクラスになったが、向こうはオレの事を覚えていないみたいだったので、再会した後も特に話したことはない。
そんな事を考えながら、しばらく雫と明日の遠征について話していると、背後に人の気配を感じた。
「あれ、雫ちゃん? それに、ゼオンくんも。相変わらず、二人とも仲が良いんだね」
呑気にそんな事を言うのは、雫の探し人である白崎だった。
相変わらず、その格好は目に毒だが。
「香織! そんな格好で外を出歩いちゃ駄目でしょう!?」
雫が慌てて、白崎に自身の上着を被せる。
わたわたしている白崎に、オレは尋ねた。
「白崎、ハジメとの話はもう良いのか?」
「うん、大丈夫。ごめんね、ゼオンくんのこと部屋から追い出しちゃって」
申し訳無さそうにそう言う白崎だが、先程オレ達の部屋を訪ねた時よりも元気になっていると感じた。どうやらハジメとの話は良い結果に終わったらしい。
「気にするな。……さて、オレはそろそろ戻る。雫と白崎も、明日はお互い頑張ろう」
「えぇ。お休みなさい、ゼオン」
「また明日ね、ゼオンくん」
オレ達は挨拶を交わし、それぞれ部屋に戻るのだった。
……ちなみに、部屋に戻ったオレが白崎の件でハジメをからかったのは、ここだけの話だ。
◆◇◆
翌朝、オレ達は『オルクス大迷宮』の正面入口がある広場に集まっていた。
『オルクス大迷宮』は洞窟型の迷宮だが、入り口には頑丈そうなゲートが取り付けられ、受付窓口まであった。
この受付でステータスプレートをチェックし、人の出入りを記録することで死亡者数を正確に把握しているらしい。
入口付近の広場には多くの露店が並び、まるで祭りの会場みたいである。
そんな事を思いながら、オレ達は『オルクス大迷宮』へと足を踏み入れて行く。
迷宮の中に入ると、さっきまでの賑やかさは鳴りを潜め、静寂が広がってた。
広い通路には、緑光石という特殊な鉱物が多数埋まっているらしく、明かりが無くてもある程度は視界が確保されている。
隊列を組みながらしばらく進んでいると、ドーム状の大きな広間に出た。
すると、至るところにある壁の隙間から灰色の毛玉が湧き出てきた。
「よし、光輝達が前に出ろ。他は下がれ! 交代で前に出てもらうからな、準備しておけ! それと、あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、たいした敵じゃない。冷静に戦え!」
慌てだす生徒達に、メルド団長が大声で活を入れ、戦闘が開始される。
ラットマン――その名の通り、二足歩行のネズミらしき魔物が、天之河達に飛び掛かった。
見た目が気持ち悪いのだろう。一瞬、雫の頬が引き攣っていた。
それでも、前衛である雫、天之河、坂上が敵を抑え、その間に後衛の白崎、中村、谷口が魔法を発動する。
「「「暗き炎渦巻いて、敵の尽く焼き払わん、灰となりて大地へ帰れ――《螺炎》」」」
次の瞬間、螺旋状に渦巻く炎がラットマン達を巻き込んで燃やし尽くしていく。
一瞬で広間に居たラットマンは灰となり、全滅していた。
「……あー、うん、よくやったぞ! 次は別のパーティーにやってもらうからな、気を緩めるなよ!」
初めての迷宮での魔物討伐にテンションが上がる天之河達に、やんわりとメルド団長が注意する。
「ただし、今後は魔石の回収も念頭に置いておけよ。明らかにオーバーキルだからな?」
そんな事もあったが、そこからは他の生徒達にも交代しながら戦闘を繰り返し、オレ達は順調に下の階層に降りて行った。
◆◇◆
現在、オレ達は十九階層まで降りてきている。
オレはというと、今戦闘を行っているクラスメイト達の少し後ろで待機していた。
「ギキィッ!!」
猿型の魔物が腕を振り回し、剣を持った男子生徒に襲い掛かる。
現在戦っているパーティーは五人組で、前衛が二人、後衛が三人という構成なのだが、それに対して魔物は三体。
後衛が魔法を準備している間、前衛二人が何とか抑えようとしているが、手が回っていないようだ。
「ギキャアッ!!」
「あっ!?しまった!?」
一体の魔物が、前衛の脇をすり抜け、後衛の女子生徒に向かって来る。
「……えっ!?」
魔法の発動に集中していた女子生徒は、咄嗟の出来事に対応できず、目を閉じてしゃがみ込んでしまう。
魔物の目の前でそんな体勢を取れば、攻撃して下さいと言っている様なものだ。
猿の魔物は、気色悪い笑みを浮かべながら、女子生徒に腕を振り下ろす。
「ザケル」
――そして、オレが放った『呪文』によって、遥か後方に吹き飛ばされた。
「…………え?」
吹き飛ばされた魔物が地面に崩れ落ちる音で我に返ったのか、女子生徒が唖然としてこちらを見上げてくる。
「敵との戦闘中は、相手から目を離さないほうが良い。この階層の魔物による攻撃ならば、たとえ後衛のステータスであっても避けることは可能だ。危ないと思ったら、まずは攻撃を避けることを優先しろ」
そう言ってオレが手を差し出すと、女子生徒は少しぼうっとしていたが、手を取り立ち上がり、礼を言ってきた。
「う、うん……。ありがとう……」
そうしている内に、残り二体の魔物を仕留め、今回のパーティーの戦闘が終わったようだ。
オレは再び、先頭のパーティーから少し離れた位置に下がる。
この階層に来るまでも、何回か油断や判断ミスによって攻撃を受けそうになる生徒が居たが、本当に危なそうな時にはオレが魔物を倒していた。
まぁ、基本的には皆が危なげなく倒すので、ほとんど出番はなかったが。
そして、オレ達は当初の目標である、二十階層まで辿り着いた。
少し開けた場所で小休止を取ったオレ達に、メルド団長が指示を飛ばす。
「よし、お前達! ここから先は一種類の魔物だけでなく複数種類の魔物が混在したり連携を組んで襲ってくる。今までが楽勝だったからと言って油断はするなよ! 今日はこの二十階層で訓練して終了だ! 気合入れろ!」
そうして、二十階層の探索が始まったが、何事もなく一番奥の部屋まで辿り着いた。
すると、先頭を歩くメルド団長が立ち止まった。オレも気配を感じ、立ち止まる。恐らく魔物の気配だろう。
「擬態しているぞ! 周りに注意しておけ!」
メルド団長の忠告により、戦闘態勢に入る生徒達。
その直後、壁が突如変色しながら起き上がる。どうやらカメレオンの様な擬態能力を持った魔物らしい。
「ロックマウントだ! 二本の腕に注意しろ!」
メルド団長の声が響き、近くに居た天之河達が戦闘を開始する。
ロックマウントが豪腕で攻撃を仕掛けるが、坂上の拳によって弾き返される。
坂上の防御を抜けないと感じたのか、ロックマウントは後ろに下がり、大きく息を吸った。
その直後、ロックマウントから強烈な咆哮が発せられる。
「グゥガガガァァァァアアアア!!」
ロックマウントの固有魔法だ。魔力を乗せた咆哮で、一時的に相手を麻痺させるもの。
「ぐっ!?」
「うわっ!?」
「きゃあ!?」
咆哮を受けて一瞬硬直した前衛組を無視し、ロックマウントは傍らにあった岩を持ち上げ、白崎達後衛組に向けて投げつけてきた。
白崎達も、準備していた魔法で迎撃しようと杖を向けるが、次の瞬間硬直する。
投げられた岩から手足が生える。投げられた岩は、別のロックマウントだったのだ。
衝撃的な光景に、白崎達は悲鳴を上げて魔法の発動を中断してしまう。
オレは、白崎達に向かって飛んで来るロックマウントに掌を向ける。
「ザケルガ!」
直後、オレの掌から一直線上に進む電撃が放たれ、一瞬にして空中に居たロックマウントを貫く。
――第五の術である『ザケルガ』は貫通能力が高く、『ザケル』の強化版とも言える術だ。現状、オレが持つ『呪文』の中で、最高の攻撃力を誇る。
「こらこら、戦闘中に何やってる!」
「す、すみません!」
メルド団長が注意したことで白崎達は謝罪したものの、相当気持ち悪かったのかまだ顔が青褪めていた。
そんな様子を見て何を勘違いしたのか、天之河が暴走する。
「貴様……よくも香織達を……許さない!」
天之河が手に持つ聖剣を振り上げると、聖剣が輝き出した。
「万翔羽ばたき、天へと至れ――《天翔閃》!」
「あっ、こら、馬鹿者!」
メルド団長の声を無視して、天之河は大上段に振りかぶった聖剣を一気に振り下ろした。
次の瞬間、聖剣から光の斬撃が放たれた。輝く斬撃はロックマウントを容易く両断し、奥の壁をも破壊し尽くしてようやく止まる。
ふぅ、と息を吐き、笑顔で振り返った天之河だが、待っていたのはメルド団長の拳骨だった。
「へぶぅ!?」
「この馬鹿者が。こんな狭いところで使う技じゃないだろうが! 崩落でもしたらどうすんだ!」
叱られてバツが悪そうに謝罪する天之河を、白崎達が苦笑いしながら慰める。
その時、ふと白崎が崩れた壁の方に視線を向けた。
「……あれ、何かな? キラキラしてる……」
その言葉に、皆が白崎の指差す方へ目を向けた。
そこには青白く発光する鉱物が壁から生えていた。水晶のようにキラキラと輝く鉱石に、女子達はうっとりした表情になる。
「ほう、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だな。珍しい」
グランツ鉱石とは、要するに宝石の原石であり、特に何か効能があるわけではないが、その美しさから女性に大人気であり、求婚の際に選ばれる宝石としても有名なのだとか。
「素敵……」
白崎がメルド団長の簡単な説明を聞いて頬を染めながらうっとりとし、チラチラとハジメに視線を向けている。
「だったら俺らで回収しようぜ!」
そう言って檜山が唐突に動き出した。
グランツ鉱石に向けて崩れた壁を登りだす姿に、メルド団長が慌てて怒鳴る。
「こら! 勝手な事をするな! 安全確認もまだできていないんだぞ!」
メルド団長の声を無視して、檜山は鉱石の場所に辿り着く。
その時、騎士団員の一人が『フェアスコープ』という、罠を感知するための道具で周囲を確認し、一気に青褪めた。
「団長! トラップです!」
「何ッ!?」
檜山がグランツ鉱石に触れた瞬間、鉱石を中心に魔法陣が広がる。
魔法陣は瞬く間に部屋全体に広がり、輝きを増していく。
まるで、召喚されたあの日の様に。
「くっ、撤退だ! 早くこの部屋から出ろ!」
メルド団長の言葉に、生徒達が急いで部屋の外に向かうが、間に合わない。
そして、オレ達は魔法陣が放つ白い光に包まれた。
読んで頂いてありがとうございます。
というわけで、念願のオルクス大迷宮に突入回でした。
今回は戦闘描写少なめだったので、次回はその分気合を入れようと思います。
今話を書いていて思ったのですが、遠征初日の夜に、ハジメくんの部屋に入る白崎さんと、廊下で談笑するゼオンくんと雫さんを目撃したであろうHくんを想像して笑ってしまいました。
では、次話もよろしくお願いします。